関東

【ハイキング】皿伏山と尾瀬沼全周

皿伏山と草もみじの尾瀬を巡る

山  域:群馬県 皿伏山305m、尾瀬沼
目  的:大清水から皿伏山往復して、尾瀬沼を周回する
山行形態:日帰り
期  日:2022年9月30日(金)

参      加:高橋仁(単独行)   

展望の無い皿伏山頂

行  程: (歩 7時間10分)
熊谷3:40=R17バイパス=沼田=大清水駐車場6:00/6:30=バス=一ノ瀬6:15/6:40➝三平峠7:32→三平下7:46➝南岸分岐8:08➝大清水平8:22/8:41→皿伏山9:27/9:35➝セン沢田代10:06➝皿伏山10:38➝大清水平11:10➝南岸分岐11:23→沼尻11:55/12:17➝長英新道12:46➝大江湿原13:55➝平野家墓所13:02➝長蔵小屋13:12/13:48➝三平下14:08➝三平峠14:20→一ノ瀬15:00=バス=大清水15:15=沼田=本庄=熊谷17:50

静かな佇まいの大清水平

郡馬県百名山で最後になった皿伏山と、尾瀬沼を全周巡ってきた。一ノ瀬から、滝の音が大きな沢道を登り始める。三平峠から尾瀬沼に下る。天気は上々で、碧い尾瀬沼がきれいだ。時計回りに湖畔を歩くと、樹林越しの尾瀬沼から朝霧が立ち上っている。なかなかの景色が見られた。

朝霧が立ち昇る尾瀬沼
南岸分岐から急坂を少し登れば、大清水平に出る。草紅葉の広がるこの湿原は、人の入らない「穴場」だ。草紅葉の向こうには燧ケ岳が存在感を主張するように構えている。倒木とぬかるみの多い道を、緩やかに登って行くうちに皿伏山に着いた。眺望も無いこの山がなぜ群馬の百名山に選定されたのか?(後でその訳が分かったが)

大清水平から燧ケ岳
先の白尾山まで行こうかと思ったが、尾瀬沼を周回したいなとも思い直して、途中のセン沢田代で引き返した。セン沢田代は樹林に囲まれ申し訳程度に草紅葉が見える程度。
南岸分岐まで戻って、沼尻に向かうと、平日とは言え尾瀬は尾瀬、結構行き交う人が増えてきた。沼には紅葉した羊草が広がり、よく見ると二羽のカモが羊草を食んでいる。

ヒツジ草を食べるカモ沼尻平から燧ケ岳山頂部団体ハイカーが賑やか
沼尻平からは燧ケ岳が草紅葉の上に大きく聳えて、山頂の俎嵓、柴安嵓、ミノブチ岳などのコブの様な岩峰が良くわかる。団体に占拠された休憩所の片隅で、昼食を取って、大江湿原、長蔵小屋へ向かう。大江湿原は今日のコース中最大の草紅葉が広がっている。木道を歩く多くのハイカーが蟻の行列の様に見える。寄り道をして平野家の墓所に立ち寄った。尾瀬沼と長蔵小屋を見わたす小高地には平野長蔵さんはじめ家族の墓が建っている。

大江湿原の丘にある平野家の墓所

尾瀬沼越しに見える皿伏山の山容は、その名の通りお皿を伏せたようにゆったりと広がり、なかなか存在感を漂わせているではないか。ほとんど登る人のいない山は、静かに歩き、じっくり眺めて改めていい山なのだ。

湖畔から皿伏山を遠望するビジターセンターで展示資料を見ていたら時間が迫り、大急ぎで一ノ瀬まで下り3時のバスに飛び乗った。(仁)

【その他】陣見山登山道整備(県連の活動)

陣見山登山道整備

私たちの使う登山道を安全に、歩きやすく・・・

山域山名:秩父 陣見山尾根 

期日:2022年9月7日 

参加者:L橋本 柴田

行動記録 秩父鉄道波久礼駅8:00-陣見山登山口から陣見山に至る2km区間倒木撤去作業8:15から10:00-陣見山登山口10:30

<天気曇り>天気予報では昼頃から雨の予報なので、それまでの活動と考え、行動を開始する。参加者2名なので、チェンソーを使わないで、手鋸での人力の作業を計画した。その分、道具の重量は少ない。直径40cm位の太い倒木があるので切れるか少し心配もある。作業道具として、手鋸(園芸作業用)、剪定鋏、ロープ、バールを準備し、手分けして持ち、登山口から入る。

 道の両側に篠が茂り、道を覆っている場所もあり、剪定鋏で切りながら進む。また、灌木もあり、道に出ているので鋸で切る。斜面を登って行くと、直径約40cmの倒木が登山道を遮っている。越せない、潜れないので登山道から外れて歩き、新しい踏み跡ができている。倒木と、その倒れ方、斜度などを見て、作業手順を考える。1か所を鋸で切り、ロープで引いて道から移動させる手順で撤去することにした。丸太の上側から鋸で切り始める。丸太の周りは腐ってぼそぼそで芯の部分が20cmほど固い。切っていくが腐っている部分が濡れていて、鋸が動きにくい。それでも、2人で交代して少しずつ切り進む。出てきたおが屑を嗅ぐと松のにおいがする。15分位切って揺らいできた。バールで叩くとずれた。ロープを使い2人で引くと折れた部分も外れ、そのまま引いて道の下に移動させた。残った部分もさらにロープで引いて、道の下に移動させた。道が歩けるようになり、すっきりした。

 

 

上左:太い倒木が道を塞ぐ 上右:撤去して道が歩けるようになった

下左:手鋸で頑張る 下右:撤去してすっきりしました 

さらに、陣見山方面に進み、倒木を撤去する。古くなって芯になっている倒木、最近折れて道をふさいでいる倒木などがある。事故にも注意しながら労少なく、安全な方法で、登山道から倒木を撤去し、歩きやすくした。美里町の表示のある標柱まで進み、休憩後、下山した。風無く、湿気あり、気温高く相当に汗をかいた。

 登山中は、立ち止まって倒木を片付けることはできないが、登山道整備のための登山なのでしっかり作業ができた。また、登山をする者と、整備をする者の両者の気持ちを味わうことができた。倒木のないすっきりした道を通るとき、傍らに倒木が片付けられていたら、その作業をした方は、登山者の安全な、楽しい登山を願って作業をしていたと想像することができた。太い倒木も撤去でき、登山道整備の充実感と達成感を味わうことができた。  

 

 

上左:撤去前 上右:撤去後 下左:撤去前 下右:撤去後  

 

 

 

 

 

 

【ハイキング】尾瀬ヶ原 春の花山行 2022/6/5

山  域:尾瀬ヶ原(群馬県片品村)

山行形態:無雪期ハイキング
目  的:尾瀬の春の花を楽しむ 
日  程:2022年6月5日(日)
参加者:新井浩、駒崎
行動記録:江南(4:00)⇒戸倉P(6:10/30)⇒鳩待峠(7:00)→山の鼻(8:10)→ヨッピ橋(9:35)→赤田代(10:35)→うろうろ→赤田代(12:30)→見晴(13:05)→山の鼻(15:00)→鳩待峠(16:10/25)⇒戸倉P(16:50)
<天候:曇り/晴れ>
戸倉の第1駐車場は朝6時で半分くらいの埋まり具合。天気予報が思わしくないため、今日の出足は鈍いようだ。鳩待峠までの乗車券1000円を買いすぐにバスに乗車。30分掛からずに鳩待峠に着く。峠の広場は最盛期とは思えないほどの人の少なさ。山の鼻に向かう木道沿いにお待ちかねのミズバショウが出てきた。ほぼ満開状態だ。

 

木道で立ち止まっても迷惑にならないくらい人が少ないのでゆっくり写真を撮ることが出来る。山の鼻も閑散としている。気温は8時で12℃。かなり涼しく、立ち止まると寒い位だ。尾瀬ヶ原を進む。湿原はまだ春には程遠い茶色のままだ。時折ショウジョウバカマのピンク色が目立つ。牛首分岐からヨッピ橋方面に向かう。目の前にはほぼ雪が消えた燧ヶ岳がでっかい。時折ミズバショウとリュウキンカが群れて咲いている。ヒメシャクナゲはまだ硬い蕾だ。

 

ヨッピ橋を越えて東電小屋では、イワツバメがたくさん飛び交い、地面をつついている。ミネザクラは満開。三条の滝方面に向かい、お目当ての花を探す。ちょっと探すと咲いてる~。その花はトガクシショウマ。ちょっと小ぶりだが薄いピンクの花が咲いている。あちこち探すと咲いているが、ピークを過ぎて、花びらの先が茶色になっているものが多い。11年ぶりの再会でした。

 

温泉小屋の前で赤田代を目の前にして昼休憩。さわやかな晴れとなり、気温もちょうどいい。ほとんど人影が見えず、静かな尾瀬ヶ原だ。見晴方面に向かう。ここが一番のミズバショウの映えるいいところと思う。日が当たってタテヤマリンドウも開いている。見晴から竜宮へ向かい、富士見峠方面へ少し入る。ここも静かなミズバショウの群生がある穴場スポット。後ろに至仏山が映える。

 

この後はスタスタと歩き山の鼻に到着。15時で気温は20℃。バスの時間を調べ、17時過ぎまであることを確認して、のんびり鳩待峠まで戻る。乗車券1000円を買い、すぐに乗り込み、戸倉に17時前には帰り着いた。24.3km、歩数42000歩。今日も良く歩いた。
(新井浩 記)

【ハイキング】シャクナゲ尾根→白泰山避難小屋 2022/5/28

山  域:白泰山(埼玉県)

日  程:2022年5月28(土)
行動記録:江南4:30=こまどり荘P740m6:50/7:10→タツマノ尾根→シャクナゲ尾根→白泰山避難小屋(のぞき岩)12:45/13:30→こまどり荘P17:45
参 加 者:駒崎、新井浩

今朝は寒い位の気温だ。途中道の駅大滝で休憩し、中津の集落を越してこまどり荘の駐車場へ車を停める。すぐに身支度をして出発。中津川林道を歩いて進み、中津川に掛かるたつまの吊り橋を渡る。展望の森として整備されているが、階段が多く辟易する。それも急登だから始末が悪い。軽いハイキングのつもりで来た人は引き返すのではないか。通行止めのロープを潜りタツマノ尾根に乗る。

 

ここからは踏み跡が有ったりなかったりでGPSを見ながら広い尾根を登る。アセビが多い。山ツツジはもう散っており、少し残っているものが見られた。1350m付近で一度平らな尾根に乗る。時折進行方向右手に山並みが見える。白泰山から続く尾根と思われる。気温は低く、風が少しあり、少し汗ばむくらいで登るにはちょうどいい。

 

1546m峰を巻きトラバースした後に1485m付近でシャクナゲ尾根に乗る。この尾根は細く、歩く方向には神経を使わずに進める。時折ミツバツツジが咲き残っている。ツツジの木がとても多く感じる。相変わらずアセビの木は多い。アップダウンを繰り返し、1600m手前でやっとシャクナゲが咲いているのが見えた。今まで1本もなかったので、名前負けと思っていた。シャクナゲの花は終盤で下にかなり落ちている。しばらく登ると、満開状態のシャクナゲの森に入る。が、シャクナゲの藪地獄が待っていた。花は満開でちょうどいいタイミングだが、シャクナゲの間を登るのはなかなか厄介だ。シャクナゲの藪地獄は1700m付近まで続いていた。

 

その後、針葉樹の苔むした林となり、明るい広葉樹のピークに立つ。この先少し下ったところに白泰山避難小屋が建っていた。少し先の、のぞき岩と呼ばれる眺めのいい岩の上で休憩する。展望は良く、雁坂嶺、破風山、木賊山、甲武信岳、三宝山の稜線が良くわかる。誰も来ないと思っていたら単独の人が来た。栃本から上がって四里観音避難小屋へ向かうとのこと。

 

涼しく風がさわやかだが、のんびりもしていられない。白泰山避難小屋の中を覗いてから来た道を戻る。シャクナゲ尾根の細い尾根はいいが、それ以外はGPSで登ってきたトラックとにらめっこでルートを探しながら下る。登ってきた踏み跡はわからないものだ。涼しいのが気持ちよく、下界は暑いのだろうと思いながら約10時間の楽しい山行を無事終えました。

(新井浩 記)

 

【その他】県境リレー登山

雲取山県境リレー登山 

=新緑の雲取山から仙元峠までの県境を歩く=

日の出の時間に雲取山に着く

山域山名等:雲取山、酉谷山、長沢山等長沢背稜(都県境尾根)

期日:2022年5月28日、29日 

参加者:橋本 木村 雲取山-仙元峠グループ( L橋本 SL上野  鹿喰 真 木村)

雲取山-鴨沢グループ(SL岩岡 瀬下)

行動記録

5月28日 県境尾根コースと鴨沢コース共通

西部秩父駅集合8:15/三峰神社行バス発8:30=三峰神社着9:50/10:05-霧藻ケ峰休憩所11:55/12:20-白岩山14:40-雲取山荘16:10-雲取山荘泊

5月29日

雲取山-仙元峠コース

雲取山荘4:00-雲取山4:30/40-雲取山荘5:00/5:30-芋ノ木ドッケ1946m6:25-長沢山7:50-水松山8:30-酉谷山・酉谷峠10:00/10:15-七跳山分岐11:10-大栗山・三ツドッケ経由一杯水避難小屋12:45-仙元峠13:45-仙元尾根を通り、浦山大日堂15:40

鴨沢コース

雲取山荘4:00-雲取山4:30/5:00-奥多摩小屋5:40-堂所7:00-鴨沢9:00

<天気晴れ>8時過ぎに、参加者7名が西武秩父駅に集合し、急行三峰神社行バスに乗り移動する。登山者や観光客が多く50名ほどになり、バス2台が運行された。前日の雨があがり、晴天、2日間の晴れ予報に気分が高まる。バスの車窓から、秩父の谷、山が新緑で輝いている様子が見える。大滝の谷に入りと尾根・谷が険しくなる。二瀬ダム堰堤上を過ぎ、三峰神社へバスは高度を上げる。西側の和名倉山が大きな姿を現す。標高1060mのバス停に到着、身支度、顔合わせをして出発する。今回の山行は埼玉労山理事会の担当で理事6名、元理事1名計7名のグループである。バスから降りた登山者も雲取山を目指し歩き始める。歩き始めは杉・檜の人口林の中で傾斜は緩い。人工林を抜け落葉樹林に入ると新緑が眩しい。1時間ほどで炭焼平に着き一休みする。案内板があり、近くに石積みの炭焼き窯がある。30分ほどで霧藻ケ峰の地蔵峠に着く。ここからは南側の太陽寺に下りる道が分岐する。少し進むと岩に秩父宮のレリーフが設置されている。その先に霧藻ケ峰の休憩所があり、長めの休憩をとる。休憩所では飲み物等を販売している。幾分岩場も出てきて紫のミツバツツジが咲いている。また、姿は見えないが、大きな声で「テッペンカケタカ・・」とホトトギスが鳴き、「ジュリジュリ」と小鳥がさえずり、「ポポーポポー」とツツドリが鳴く。

エネルギーを補給し歩き出す。植生は原生林となり、太いアセビ、ミズナラなどが増える。倒木、落ち葉も増えてくる。平坦なお清平を過ぎ、白岩山の急登にかかる。標高は1500mを越え、常緑針葉樹となり、登山道は岩が多くなる。岩の上には苔が生え、ヒノキの幼木が生えていて盆栽のようだ。その辺りで鹿に会う。尾根なので明るく、ツガの幼木の新芽が本当に鮮やかだ。また、黒い大岩があり、高山の雰囲気になってきた。秩父の山々は標高2500m以下であり、森林限界以下なので、ほとんどの山頂も木々に被われている。そのため、南北アルプスのようなお花畑はなく地味な山々だ。標高を上げ、木々の間から和名倉山が見える。奥秩父らしい、常緑針葉樹の森を歩き、14:40白岩山標高1921mに着く。やや下って芋ノ木ドッケを通過する。案内板があり「芋ノ木」とはコシアブラを指しドッケとは突起がなまったものとある。急傾斜を横切る登山道となり、西向きで、下草の生えている場所に、スミレ、黄色のスミレ、ミヤマカタバミなどが生えて地味ながらも色を添えている。空を見上げると青空にやっと萌芽したシラカバが光る。地面にはオオスギゴケやマンネングサの仲間の苔類が生える。大ダワから男坂を登る。テントが幾つも張られている尾根になり、少し歩いて、雲取山荘に到着した。7人全員へたばることもなく歩ききれた。天気がよく、登山シーズンに入り、テントの登山者、小屋泊りの登山者とかなりな人数が入っていた。

上:急な尾根を登る 下:西には両神山などの山々

5月29日

<天気晴れ>天気の変化が多い5月で2日間とも晴天に恵まれた。昨夜は山小屋の窓から東に夜景が見えた。日原の谷の向こうなので青梅市街であろう。3時半位から明るみ、その中で出発の準備をして、ザックは外に置き、ヘッドランプを付け出発する。針葉樹林の道を登る。他の登山者も山頂に向かう。20分歩いて、ヘッドランプを取り登る。頂上手前で東に赤い太陽が昇った。山頂に着き日の出、周囲の景色を眺める。西に稜線が伸び、その北に和名倉山がどっしりとしている。南西に残雪を抱く富士山が見える。立派な山頂石碑の前で県境リレー登山の旗を掲げ記念撮影する。

一旦、雲取山荘に戻り、弁当の朝食を食べる。

 いよいよ出発だ。約11時間の長丁場の稜線歩きとなる。男坂を下り、大ダワを通り、芋の木ドッケへの分岐の道標を確認し右の道を登る。急登であるが左右が切れ落ちていないので安心して登る。息が荒くなり、汗もでる。出発して1時間ほどで針葉樹林の中の標高1946mの芋の木ドッケに着き休む。直ぐの分岐で東方向の長沢山・酉谷山方面に進む。以前このルートを登ったKさんが「今回の一番の急登はここだった」と言い、少しほっとする。緩い下り道で、ダケカンバや小さい落葉松の明るい森になり、コバイケイソウが群生している。ダケカンバは若芽がやっと少しでたくらいで空が明るい。少し登りがあり、長沢山に着く。ここにも雲取山と同じ山頂の石碑が設置されている。この都県境の稜線は長沢背稜というがこの山に因んでいるのだろう。長沢山の付近にはシャクナゲが群生して、蕾、開花と色鮮やかだ。水松山(あららぎ)の南側を東に進む。ちょっとした鞍部になり、北側が望める。下は大血川の谷だ。ここは整地され臨時のヘリポートHのマークがある。道は、稜線の南斜面を等高線に沿うようについており、歩くのには楽で、ずんずんと進める。そして、酉谷山(とりだにやま)の登りとなる。この付近も明るい広葉樹林で落葉が積もっているが、歩きやすい。酉谷山は秩父盆地の南なので平野部が近づき、盆地の東側や宝登山を望むこともできる。稜線の道には珍しくやや北斜面の道の付近には、びっしりとシダが群生しており、落ち着いた様子だ。また、西方に望む両神山は、稜線が目立たない岩ごつごつの山という感じで、当然だが、見る場所で山の形も随分違う。少し下り、酉谷避難小屋の後ろに出る。3人が見に行く。都県境尾根をさらに南東に進む。植生は同じようだ。坊主山、七跳山、大栗山を左に稜線南斜面を進む。今回の稜線の最後の大きいピークとなる三ツドッケに登る。それまでもちらほら登山者とすれ違っていたが、三ツドッケでは大きなグループに出会う。景色を見る暇もなく、南の尾根を下る。直ぐに一杯水避難小屋に着く。白っぽいこじんまりした平屋の建物で、詰めれば30人位は泊まれそうだ。この小屋の水場は東5分位の谷にあるので、そこで美味しい水をいただく。ここから1時間ほど仙元峠までまた稜線を進む。風も無く、広葉樹林の広い尾根は新緑に満たされている。植生や地形も同じようだ。

 この長沢背稜は埼玉県と東京都の都県境であるが、道標の設置者名は東京都となっている。道標は分岐、また途中に「長沢背稜」と行先が表示されており、踏み跡もあり、安心して歩くことができる。岩場には、しっかりした階段、橋が設置されており、登山道としてはよく整備がされている。太い倒木もチェーンソーで切り、片付けられている。歩いてくるだけでも距離があるのに、整備の道具を持参するとなると大変なのではないかと感じる。

上:ミツバツツジが鮮やか 下:秩父盆地平野部を望む

 午後2時前に石の祠のある仙元峠着。最後の休みを入れる。付近にシロヤシオが咲いている。道標に沿い仙元尾根を下る。標高1000m位から下は杉、檜の人工林で暗い。でもその下部では雑木林があり、また高圧電線の鉄塔が4か所あり、明るい。ぐんぐん標高を下げ、最後の急斜面の杉林を下ると下に浦山の大日堂の建物の屋根が見え、着いたことが分かった。階段を下り、5人全員が、長い稜線を歩き切った達成感・充実感をグータッチで分かちあった。午後4時の駅行のバスに間にあい、これに乗り西武秩父駅まで戻り、各自帰路についた。 (橋本記)