東海中部

【ハイキング】天城峠→八丁池・伊豆山稜線歩道

天城峠→八丁池・伊豆山稜線歩道(izusanryousenhodou)

 アルバム

【個人山行】

山  域: 天城峠→八丁池、伊豆山稜歩道(静岡県)


日  程: 2019年11月30日(土)、12/1(日)
参加 者:L 駒崎、新井浩

行動記録:
11/30(土)

東松山5:30=天城峠水生地下P10:00/20→旧天城トンネル10:40→天城峠11:00→上り御幸歩道→向峠11:40→八丁13:25/14:30→下り御幸歩道→水生地下P16:20

<天候:晴れ>

6年前に天城高原ゴルフ場から天城山、八丁池まで歩いたが、未踏の八丁池から天城峠を歩いてきました。
天城峠近くの水生地下の駐車場に車を停める。もみじの紅葉がきれいだ。すぐ横を走る国道414号を新天城トンネル方面に歩き、トンネルの脇を天城峠へ向かって登ると20分程で旧天城トンネルに着く。なかなか趣のあるトンネルだ。その旧天城トンネルの脇を天城峠に向かい、20分程で天城峠に着く。ここから東へ向う。落ち葉を踏みながら明るい稜線を快適に歩く。ブナやアセビなどの木が多く、シャラの大木は、皮が禿げておりサルスベリに近い木肌が異様な感じだ。この道は「上り御幸(gyoko)歩道」と呼ばれ、整備が行き届いている。おだやかな歩道を進むと、谷下にはワサビ田が見える。

 


やがてアセビの大木のトンネルが出てきた。両脇に大きなアセビが茂っており、天城山の縦走の時を思い出した。伊豆特有の風景に思える。見晴らし台の道標があったので、行ってみると、鉄製の展望台があり、眼下には八丁池、周りの山々が見渡せる。八丁池は直ぐで、数組の人たちが休んでいる。おだやかな天気なので、湖畔の芝の上でのんびりと昼休憩をとる。青空と雲が湖面に映ってきれいだ。帰りは「下り御幸歩道」を歩く。出だしはアセビのトンネルだ。やがてブナの大木の林になりおだやかな稜線を下る。林道に当たり、もみじの紅葉の葉が落ちた林道を進むと、川端康成のレリーフと伊豆の踊子の出だしの石碑があった。この林道は旧天城峠の道のようだ。駐車地点に戻り、今宵の宿、道の駅天城越えに向かう。これで天城縦走路を完歩できました。

 

12/1(日)

 道の駅天城越え7:00=船原峠7:35=仁科峠8:00→猫岳展望台8:45/55→伊豆山稜線歩道、仁科峠9:35→宇久須峠10:35→ピーク昼休憩10:50/11:40→魂の山12:05→棚場山13:35→船原峠14:15 

<天候:晴れ> 

伊豆山稜線歩道は天城峠から修善寺までの42kmをつなぐ縦走路。昨年(2018/11)に天城峠から猫越岳(ねっこだけ)までを往復歩きました。今年は、その続きの猫越岳から船原峠までを歩いてきました(約13km)
ゴール地点の船原峠に車を置いて、タクシーで仁科峠まで西伊豆スカイラインであっという間に到着。笹原のなだらかな丘陵地帯の感じのところから猫越岳に向かう。逆に向かうのだが、去年の最後のところまで行き、歩いたところを繋ぐため。適度なアップダウンと笹原からアセビの森の中を快適に歩く。

 

 

途中後藤山を越えて、アセビの森の中に続く整備された歩道を登ると、猫越岳手前の展望台に着く。去年はここまで来た。眼下に西伊豆の海が光っている。もと来た道を戻り、仁科峠に着く。時間が早いせいかもしれないが、車の通りはほとんどなく、バイクが何台か通るだけだ。 

 

ここから牧場らしい柵にそってなだらかな笹原を歩く。常に海が見える稜線歩きだ。ほどなく風早峠。名前の通り風が吹き抜けるのだろう、今日は穏やかですが。いくつかのアップダウンを繰り返し宇久須峠。開けた明るい峠だ。トレランの表示があるので、大会があるようだ。のびやかな笹原の稜線を登って行き、眺めのいい場所があったので、昼休憩にする。晴れて穏やかな日でハイキング日和でのんびりする。沼津の街の上には富士山が見えるのだが、裾野と頭だけで中腹に雲がある。すっきりした富士山が見られないのは残念。

 

この後は、笹原の草原やアセビのトンネルで変化あり、アップダウンも結構多かった。魂(こん)の山、土肥峠、南無妙峠、吉奈峠、棚場山と通過し、車を置いた船原峠に到着。全体的によく整備された歩道で歩きやすいが、交通の便が悪いのが欠点。帰り道にある達磨山レストハウスに立ち寄ると、すっきり晴れた富士山が見られました。手前には沼津の街と沼津アルプスがくっきりと見られ、ラッキーでした。

【ハイキング】寸又三山(前黒法師山,朝日岳,沢口山)

山  域:寸又三山(前黒法師山、朝日岳、沢口山)(静岡県)

 前黒法師岳登山中に朝日岳を見る

期  日:2020年10月31日(土)~11月3日(火)

参 加 者:CL木村、SL新井浩、高橋仁、橋本義、駒崎

 行動記録:

10/31(土) 江南8:00=寸又峡温泉15:30

 初日はアプローチだけなので8時と遅めの出発にした。しかし、八王子JCTで大渋滞に巻き込まれる。大井松田付近の工事渋滞の通過にも時間が掛かった。コロナ禍の影響でみんな車での移動を選択するので今年は高速の渋滞が激しくなるのを考慮に入れるべきであった。寸又峡に到着したのは予定よりだいぶ遅れて3時半。当初は夢の吊橋でも散策してこようかと思っていたが、この時間では無理なので、温泉街を少し散策して早速露天風呂へ。ぬるっとした泉質で丁度良い湯温のいい湯だった。

 

11/1(日) 寸又峡温泉5:40→猿並橋6:00→朝日岳登山口6:15→合地ボツ8:05→栗山沢の頭9:50→朝日岳10:05/11:00→合地ボツ12:35→寸又峡温泉14:30

<天候:晴れ>

3日間の内、今日が一番天気が安定しているので、一番行動時間の長い朝日岳を目指す。まだ薄暗い散策路を抜けて猿並橋へ。この吊橋も夢の吊橋に劣らず長くて景色も良い。吊橋を渡り急登を一登りで一旦林道に出たところが朝日岳の登山口だ。登山口からも、ひたすら急登が続く。基本的に樹林の中の道だが、振り返ると時折木々の間から沢口山や前黒法師岳を望むことができた。標高が上がるにつれ、徐々に紅葉も鮮やかさを増していく。1200m付近で道は一旦トラバース道となり、朝日岳に突き上げる主稜線に合流した所が合地ボツだ。変わった地名だが由来は何であろうか。ここからしばらくは傾斜も若干緩やかになり、紅葉を楽しみながら進んで行く。モミジやカエデからカラマツの黄葉になってきた1500mあたりから道は再び急登となり、ここを頑張ると朝日岳の山頂に到着した。

 

山頂は樹林の中で展望は良くないが、東側の切り開きから富士山が見える。また、木々の向こうに大無間岳のどっしりとした山容が望まれ、むしろこちらの方が気になった。この朝日岳から尾根続きとなっており縦走が可能な様だが、分岐点からそちら方面への踏み跡はほとんど分からなくなっていたので難度の高そうなコースである。いつか踏破してみたいものだ。山頂で昼食休憩をとった後、また紅葉を楽しみながら往路を戻り、無事下山。予定よりだいぶ早く下山できたので、宿に荷物を置いて、昨日行きそこなった夢の吊橋を見に行く。吊橋入口に着き、そこにいた案内人に聞くと、渡るまで1時間以上待つとの事だったので上から眺めただけであったが、コバルトブルーの湖に架かる吊橋はやはり絵になる景色であった。

(木村記)

 

 

11/2(月)寸又峡温泉5:55-木馬の段7:40-富士見台8:00-沢口山8:45/9:05-富士見台9:40-猿並平10:15-寸又峡温泉11:15

<天気:曇り後雨>

天気予報では昼ころからの雨予報なので、早めに出発する。寸又峡温泉奥の沢口山登山口1425mの道標を確認して登山口から入る。すぐに急斜面の杉林に入って右左に曲がりながら高度を上げていく。杉林はうっそうと茂り下草なく、曇りでかなり暗い。息が上がる。30分ほどで尾根に上がり南方向に進む。西側が雑木林になり幾分明るくなる。途中にテレビ中継塔と道標がありそこを通過する。下草はほとんどないが登って行くと「ヤマイワカガミ」の案内板があり、付近に濃緑の葉のヤマイワカガミが群生している。花は白で、ヒメイワカガミの変種だという。登山道はよく整備され、崖には転落防止のしっかりしたロープが張ってある。大岩がでている場所もある。岩は薄茶色の硬い堆積岩だ。古い岩石のようだ。

 

道の右左とも雑木林になり、朝日も射し、紅葉もはっきりと見えるようなった。紅葉はモミジ、ウリハダカエデ、ヤシオツツジなどだ。赤や朱色、黄色と変化に富んでいる。また、徐々にコメツガも増え、大木もある。ほぼ林の中だが、寸又峡温泉が展望できる場所にさしかかる。紅葉の合間から建物の屋根が少し見えるた。また、急にアセビの林が出てきてそこも通過する。尾根から少しそれて木馬(きんま)の段を通過する。急登を一登りし、富士見に着く。ここは日向山ルートとの分岐だ。沢口山を目指し右に折れて進む。そこからは割合平坦な尾根を進み、鹿のヌタ場や大ミズナラを見る。鹿はヌタ場を使っていない様子。大ミズナラは確かに太く高い。苔を着けた太い根を周囲に張り巡らせ、堂々とした風格である。幹周6.5mとある。またヒメシャラの赤茶のすべすべした幹も目立つ。カラマツの混じった林を登り、沢口山に着いた。本当に真新しい「沢口山」の表示板、表示柱が設置されていた。山頂には東北方向を見渡せるベンチがあり、ここで長い休憩をとる。カラマツが薄茶色で、晩秋の雰囲気だ。その向こうには昨日登った朝日岳を望める。風もなく、天気もまだ良いので、ゆっくり目に休んだ後、雨に降られないで宿に着けるようにと願いながら沢口山を後にする。

 

富士見平分岐からはまっすぐの尾根を直進する。植林が増え、暗い。檜が多く、よく手入れされている。また、大きな崖崩れがあり、上から見下ろす。後、1時間くらいで宿に着けるかという時間にぽつぽつと雨粒が落ちてきた。雨具を着けたり、傘をさしたりしてさらに下る。後は暗い杉、檜の植林になる。下草はほとんどないが、雨に濡れてきた苔がきれいだ。沢を横切り林道を歩き、寸又峡温泉の宿に着くことができた。

(橋本 記)

 

 

11/3(火) 寸又峡温泉5:30→前黒法師岳登山口6:15→栗ノ木段7:50→白ガレの頭9:15→前黒法師岳10:15/11:00→往路を戻る→寸又峡温泉14:20
<天候:晴れ>
4時起床、各自朝食を取り出発準備をする。今日は最終日だ。マエクロホウシ、前黒法師岳。なんとも言えない響きの読み方だ。暗い中をヘッドランプを点けて宿を出発。二日目に散歩した道を飛龍橋に向かい歩く。ガスが山に掛かっているが天気は良さそうだ。飛龍橋の上から山々の紅葉を楽しみ、登山口の林道入り口に到着。ここからしばらく林道を歩き、前黒法師岳の登山口に着く。

 

登山口とは思われない林道のガレた斜面に踏み跡が付いている。今回の山行で一番危険と思われる岩場のガレた斜面を気をつけながら登り始める。しばらく登ると、昔栄えたであろう集落跡を通過。杉と雑木の林を進み、林道へ出た。広くなっておりここから一昨日登った朝日岳が朝日に当たって良く見える。登ったルートを確認する。尾根に付いた登山道を進み、尾根が広くなったところが栗の木の段の標識と呼ばれるところ。色とりどりの落ち葉を踏みしめ登っていくと白ガレの頭。南方が開けて、太平洋が見えるようだ。途中に南アルプスの山々が樹間から見えるところあり。標高はすでに1800mくらいになり、足元は苔で覆われいい感じになってきた。急登の道を過ぎると平坦になり、1943.8mの前黒法師岳に到着。残念ながら苔むした樹林で展望はなく、少し寒いので陽の当たる場所で休憩する。

 

登山道はずーと樹林の中で展望は望めなかったが、今回の山行で予定通りの寸又三山を制覇でき満足。下山途中で南アルプスが見えるところで、山座同定で盛り上がる。光岳、聖岳あたりであろう。赤石岳も見えたか。二組にすれ違うが、静かな山であった。宿の駐車場に戻り、直行で帰路につきました。
(新井浩 記)

 

【縦走】白山縦走 2021/7/22-26

 山域山名:白山(石川県)

コバイケイソウ咲く尾根道 

 目  的:白山を南北に縦走&白山のお花畑を辿る

 山行形態:無雪期一般登山(避難小屋、営業小屋泊)

 期  日:2021年7月22日(木)~26日(月)

参 加 者:L木村、駒崎、新井浩

アルバム

行動記録 :

7/22 熊谷駅5:12=東京駅6:22/6:42=名古屋駅8:22/8:43=美濃太田駅9:22/9:56=北濃駅12:04=<タクシー>石徹白登山口13:20→神鳩ノ宮避難小屋15:45
  

<天候:晴れのち雨>

熊谷朝一番の電車に乗り込んで出発。東京駅で新幹線に乗り換え名古屋駅へ。自由席が混み合うかと思ったがガラガラであった。名古屋駅からの特急ワイドビューひだは、方向転換のため岐阜駅までは座席が進行方向に対して後ろ向きになるのが変な感じだ。美濃太田駅からは長良川鉄道に乗り換え、各駅停車でのんびり揺られて北濃駅に到着した。ここからは計画ではバスに乗り換え終点から登山口まで2時間半ほど歩く予定であったが、体力温存のためタクシーで登山口まで向かった。

  

いよいよ長い縦走の始まりだ。美濃禅定道「南縦走路」に足を踏み入れる。登り始めてすぐの所に樹齢1800年の「いとしろ大杉」がある。立派な杉の巨木だ。初日は避難小屋まで標高差600m、2時間程の行程であるが、標高がまだ低いため、とにかく暑い。こまめに水分を補給しながら登って行く。

  

登り始めて間もなく雷鳴が聞こえ始めていたので、何とか降り出す前に小屋に着きたかったが、小屋まであと20分程のところで降られてしまった。雨具を出す羽目にはなったが、無事、神鳩ノ宮避難小屋に到着。今晩の宿泊者は12名と思ったより多い。水場も5分程のところにあり、混んでいなければ快適な小屋である。マーボー茄子で夕食として、明日も夕立の可能性があるので出来るだけ早出しようと打合せて就寝。


7/23 神鳩ノ宮避難小屋4:30→銚子ヶ峰5:35/5:40→一ノ峰6:50/7:00→二ノ峰7:40/7:50→三ノ峰避難小屋8:40/9:00→三ノ峰9:15→御手洗池10:30→別山11:10/12:00→南竜山荘15:30
  

<晴れのち時々曇り>

3時起床。朝食、準備を手早く済ませ、予定より30分早く4時半出発。登り始めて間もなく日の出を迎える。良い天気だ。母御石から森林限界となり、見晴らしの良い笹原の中に続く道を1時間程で銚子ヶ峰に到着。今日これから辿る別山までの眺めが素晴らしい。ここから一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰とアップダウンをこなしていく。花は一ノ峰への稜線からササユリ、ニッコウキスゲがちらほらと咲きだし、「花の山、白山」がいよいよ始まったという感じだ。三ノ峰への登りの辺りからは、ヨツバシオガマ、ミヤマキンポウゲ、コイワカガミ、ダイモンジソウ、ハクサンフウロ、ハクサンコザクラ、コバイケイソウなどなど、次々とお花畑が現れる。

  

三ノ峰の避難小屋はお花畑の中のロケーションの良い小屋だが、水の確保に難がありそうだ。三ノ峰を過ぎたあたりからガスが多めの天気となってきたが、すぐに天気が崩れそうな感じでは無い。御手洗池のある別山平はニッコウキスゲが咲き盛る別天地であった。お花畑にウキウキしながら進んで、2日目のメインピーク、別山に到着した。稜線の西側はガスに巻かれてしまっているが、東側はまだ視界はさえぎられておらず、大白川のダム湖を見下ろしながら昼食休憩をとった。

  

別山から先も、お花畑のなかを緩やかなアップダウンを繰り返しながら進んで行く。特に、別山から先ではコバイケイソウの群落が見事であった。道の両脇はずっとコバイケイソウに縁どられているし、行く先の斜面全体が白っぽく彩られているのも全部コバイケイソウである。今年はどうやら当たり年のようだ。遅くまで残雪があったと思われる窪地にはハクサンコザクラのお花畑。そしてハクサンコザクラと並んで白山を象徴する花だと思うクロユリの花もチラホラと見掛けるようになってきた。

   

油坂の頭からは一旦主稜線を離れ、南竜ヶ馬場へと下っていく。お花畑についつい足が止まり、予定より1時間到着が遅くなったが、無事南竜山荘に到着した。幸い、今日は夕立はこの辺りには来ませんでした。山荘のテラスで本日の素晴らしい花の山旅に生ビールで乾杯した。

(7/22、23木村記)

  

7/24 南竜山荘4:45→アルプス展望台5:50→室堂センター7:00/7:15→御前峰8:00/8:35→大汝峰9:40/9:50→雪渓上お昼11:00/11:40→お花松原12:00/12:05→三俣峠14:55→ゴマ平避難小屋16:00

<晴れのち雨>

3時起床、テラスで朝食を摂り4時45分出発。昨日来た道を少し戻り左に折れ木道を行く。硬い雪渓を注意しながら渡り、オオシラビソの林の急登になる。開けてきて、アルプス展望台に着く。昨日の別山が朝日を浴びて輝き、御嶽山、槍ヶ岳が雲海の上に見える。

  

ここからはお花畑の中を緩やかに登る。ハクサンフウロ、ハクサンコザクラ、コバイケイソウ、イワギキョウ、ミヤマキンバイなど。平瀬道に合流し雪渓を見ながら水平に進み室堂に着く。ここもコバイケイソウの群落が見事。休憩して御前峰を目指す。歩き出して直ぐにまだつぼみのクロユリの群生を見つける。イワカガミ、クルマユリ、オトギリソウなどが続く。ハイマツの展望のよい道をジグザグに進むと社が現れ山頂。写真を撮りその先の絶景ポイントで休憩する。

  

 その景色は大汝峰と雪に覆われ少し水面がみえる池が二つ、その水面のブルーの色がとてもきれい。景色を十分楽しみ次の大汝峰へ、池まで下り、緩やかに雪渓を上る。振り返ると御前峰の鋭い岩峰と尖った剣ヶ峰が青空に突き上げている。大汝峰分岐まで行き、ザックをデポして大汝峰を往復する。ガレ場の登山道にもミヤマダイコンソウ、イワギキョウ、イワツメクサがあちらこちらに咲いている。頂上からの展望、御前峰、剣ヶ峰、翠ヶ池がいい。分岐まで戻り中宮道をゴマ平へ向かう。この辺りはチングルマが咲いている。ザレ地を歩いていると「コマクサが咲いてないですか?」と声を掛けられる。確かに咲いている。白山ではここにだけ咲いているそう。低木林に入り下るとキヌガサソウ、ミヤマキンバイが現れる。大きな雪渓を下り大きな岩が出て来た辺りで昼休憩する。

  

うぐいす平を過ぎ、三俣峠を下り登り返す。林の中の急な下りになり小屋はまだかなと思っていたとき雨が降り出す。雨具を着るが5分ほどで小屋到着。小屋少し手前の登山道でピンク色のニョホウチドリを見つける。小屋は二階建てで先客は1階に3名、混んでいなくてほっとする。2階で休ませて頂く。その後も3名来ただけでゆったり出来る。雨がやみ、水汲み、食事、就寝。花と展望、変化に富んだよいルートでした。            (駒崎記)

  

7/25 ゴマ平避難小屋(5:00)→妙法山(8:30)→野谷荘司山(11:10)→馬狩(14:40)→白川郷(15:40/16:02)=平瀬温泉(16:18)
<天候:曇りのち晴れ>
3時起床。雨の音がする。朝食を済ませ出発準備。出発時には雨は止んでいたが、草木からの濡れを防ぐために雨具を着ることにする。小屋の裏から、水場を経由して進む。しばらくは笹が生い茂る道を下る。鉄の橋をわたり、妙法山に繋がる尾根を登り始めると、ポツポツとササユリが咲いている。

  

尾根を上り詰めると、念仏尾根の標識があった。しばらく緩いアップダウンを繰り返す。尾根沿いにはコメツツジとササユリが咲いており、時折ニッコウキスゲも見られた。風がなく非常に蒸し暑い。尾根の見通しの良いところで休憩し、雨具の上着を脱ぐ。すぐに妙法山1775.5mに到着し、ガスは多いが時折晴れ間が見えるようになって来た。これから進む野谷荘司山に続く山々が見える。さらにこまかなアップダウンを繰り返し、もうせん平というところに出た。神庭池は、水草、苔で埋まり、ニッコウキスゲがたくさん咲いており、とてもいいところだ。ここで昼休憩する。苔のふさふさの中にモウセンゴケがたくさんある。ここからもササユリが咲く尾根道はアップダウンを繰り返し、東側斜面が崩壊している野谷荘司山1,797.2mに着いた。ガスで展望はないが、ガスの切れ間に白川郷が見えるようになって来た。

  

少し行くと三方岩山への道を分けて、白川郷へ続く尾根に入るルートに向かう。計画では三方岩山経由で降りる予定だったが、遅れているため2時間ほど短いこちらのルートを選んだ。激下りで一気に1000mも下る。滑りやすいザレた尾根道であるが、展望の良いところでは白川郷の合掌作りの集落が見えるようになる。標高が下がってくるとブナが美しい森に入り、やがて舗装道路が見えて来て、鶴平新道入口の看板があった。木陰で休憩し、車道をテクテク歩き、白川郷のバスターミナルに到着する。冷たいものでのどを潤して休憩する。予約したバスで平湯温泉まで行き、宿に入りすぐに温泉に入り汗を流した。

  

7/26 平瀬温泉(9:30)=白川郷(9:50/12:20)=金沢駅(13:35/13:57)=熊谷駅(16:33)
<天候:晴れ>
朝に温泉に入り、9:30のデマンドバスで白川郷へ移動する。萩町合掌作り集落を歩き、合掌作り民家園(有料)に入り内部の見学や農機具の展示を見て、昼にそばを食べてバスターミナルへ戻る。金沢駅までの高速バスに乗り、金沢からは新幹線にて熊谷へ戻ってきた。

  

今回は、白山を南から北まで3泊4日で縦走。石徹白道(南縦走路)で御前峰、大汝峰。中宮道でゴマ平避難小屋まで。北縦走路で野谷荘司山まで。そこから鶴平新道で登山口までと充実した山行となりました。おまけで平湯温泉での宿泊と白川郷の観光まで出来てとても満足しました。

(7/25,26新井浩 記)


【沢登り】北アルプス赤木沢

北アルプスの名渓=赤木沢を楽しむ

 山域場所:北アルプス赤木沢

期日:2023年8月19日20日

参加者:橋本 他会員外11名 (埼玉県勤労者山岳連盟沢人主催 、個人山行扱い)

  

          赤木沢に入ってすぐの滝・滝壺

行動記録:18日 上里SA21:30=関越道、上信越道、北陸道=立山IC=立山アルペン村 19日2:00 同所泊 

19日立山アルペン村6:00=有峰林道小見線(有料)=折立登山口7:20-太郎平小屋12:20-薬師沢小屋14:10 薬師沢小屋泊 

20日薬師沢小屋5:40-赤木沢出合6:50-北ノ俣岳稜線登山道11:10-太郎平小屋13:10-折立登山口15:35=往路を帰る=上里SA22:00

19日<天気晴れ>有峰林道小見線のゲートは6:30開門でこれに合わせて出発するが、すでに20台以上が開門を待っていた。開門後、折立登山口目指して、トンネルの多い道を進む。有峰ダムが見えてから、そのダムを回り込んで、2kmほど走り折立登山口駐車場に着く。手前の駐車場は満車、奥の駐車場に誘導されるが、ここも混んでいる。有料道路開門後すぐに来たのにこの混雑ぶりは、前夜からの宿泊者が多いということか。支度して登山口に向かう。標高1350mの登山口から標高2330m太郎平まで、約1000m登り、薬師沢小屋に下るルートだ。晴れて陽射しが強い。登山道は、尾根筋の樹林の中にあり、程々の斜度だ。はじめはカンバ等の広葉樹が多い。登るにつれ、ツガ、ヒノキの常緑樹が増える。結構太い木も生えている。尾根なので、木の根元の土が流され、根が出ていて歩きにくい。場所によっては、登山道がえぐられ、深さ1mほどのU字の溝になっている。高くなるにつれ、大石や岩の露頭の道になる。標高2000mほどになると左右に草原が出てきた。草原にはキンコウカの類が多く生えている。道端には、マイヅルソウやゴゼンタチバナが生えているものの花も実も無く目立たない。アカモノの実は目立つ。五光岩ベンチまでは傾斜もきつく、休憩を入れながら歩く。その後は、緩やかに伸びる尾根を太郎平まで登る。登山者が多いためか、尾根が幅広く裸地になり、植生回復工事がされ、敷石の登山道が整備されていた。薬師岳等へのメインルートで登山者が多いことも影響していると思われる。

 太郎平小屋まで着くと、登山者が沢山行き来し、ベンチで休んでいる。また、薬師沢小屋の宿泊もここで確認するよう掲示されている。雲が多くすっきりしないが南に水晶岳や雲の平が見える。

 一休み後、薬師沢に沿って、薬師沢小屋に下る。南面になったせいか、紫色のリンドウが目立つ。ずんずん下って沢を2回渡り、その後は沢の右岸を小屋に向かって下る。ただ、小沢を横切るので、その都度、登りもある。冷たい水が豊富にあるのでありがたい。湿原、草原、篠原もあり、植生も変化がある。最後の、急坂を下り、赤い屋根の薬師沢小屋に着いた。

ここは黒部川と薬師沢の出会い地点にあり、透き通る豊かな流れが、白い渦を作り、深みは周囲の深緑を映していた。小屋はこじんまりして建物はやや傾いているが、傾斜計を設置してその傾き具合を見せるなどしていた。展望の開けたテラスのベンチに集まり皆で冷たいビールを飲みながら歓談する。夕食後、翌日の沢登りに備え、準備をしてから眠りについた。

    上:標高2000m位から丸い尾根は草原となる 下:薬師沢小屋への道

 20日<天気晴れ後曇>5時に朝食を摂り、準備して5:40に小屋の下から、黒部川を遡る。他のグループも同じルートで赤木沢を登る。黒部川本流の大岩のある川原を歩く。花崗岩系の大岩、石で白っぽく明るい川原だ。両岸は急峻だが、樹木が鬱蒼と茂っている。水に濁りがない。川底まで見える。しばらく遡ると、大淵があり、数mの滝から水が落ち込む。右岸のわずかな岩の割れ目を伝って抜ける。メンバーのほとんどは、沢登りの経験者で、ずんずんと水を蹴って歩くと冷たく気持ちがよい。川底の石で滑り、転ぶメンバーもいる。1時間ほどで、赤木沢入口に着く。晴れてきた。皆、これからが本番と気分が高揚する。右の岸をへつり、腰ほどまで水に浸かり、赤木沢に入って行く。赤木沢は東向きの谷で陽射しが一気に強くなる。最初の滝の水が白く光りながら、濃緑の淵に流れこむ。淵を回り、段状の滝を次々に登る。岩に藻がついておらずフリクションが効いて登れる。この後、最後の高さ40mの滝まで階段状の滝、樋状の滝、なめの滝と変化に富んだ滝が続く。滝の下には滝壺、渕があり透き通る水を湛えている。周囲の景色も登るにつれ草原になり、天気がよく青空も見え、明るい。急な滝では、滝の横を登るか、少し離れたルートを巻くか各自の好みで登る。この谷の岩石は薄茶色で堆積岩だと思われるが相当硬そうだ。滝などで、地層が現れている場所もある。沢に入って2時間ほどで、沢の奥に稜線が見えた。北ノ俣岳の稜線だ。相当登って来たと実感する。さらに登り右に曲がると正面に垂直の大岩壁が見えた。これが最後の高さ40mの大滝だった。階段状の沢を岩壁まで行くと、右側に滝が落ちていた。岩壁にはクラックもあり、ロープを出せば登れそうだが、時間もかかるので右の踏み跡を辿る。

     上:黒部川本流  中:赤木沢入口  下:滝の横を登る

流れは細くなり、斜度も緩くなる。沢の幅は1mほどに細くなる。沢の両側にはベニバナイチゴの赤い実があり、摘んで口に入れる。熟れた実は結構甘い。その後、北ノ俣岳に近い登山道に出るよう、右寄りの小沢を辿る。草原で一休みする。ここまで登り、反対方向を眺めると、水晶岳、鷲羽岳、雲の平などの山々が連なる。この上には、大きな樹木は無い。笹原、草原、ハイマツのなだらかな尾根でここを、ひたすら登る。それにしても、沢靴ではグリップも効かず登りにくい。11時過ぎ、登山道に出た。約5時間かかった。ロープを出すこともなく、滑落も無く登れた。ガイドブックには、この地域にあっては、登りやすい沢という説明があり、登ってみてそれが分かった。

 沢装備を外し、濡れた衣類を脱ぎ、一般登山の装備に着替え、太郎平小屋に向かう。1時間ほどで小屋に着き、さらに折立の登山口に下った。雲が増え、薬師岳は見えたり、隠れたりという様子であった。名渓と言われる赤木沢を仲間とともに楽しめ充実した山行となった。

 

上:最上流部の2段40mの大滝 下:小沢を抜け、草原、ハイマツ帯を抜けて登山道に至る