'03 山スキー報告 Vol.2
守門・浅草岳 平標山 谷川 八方尾根 妙高三田原山 燧ヶ岳 双六 白馬鑓 針ノ木


‘マヤクボカールで憩う’針ノ木岳

     アルバムを見る
山域山名:北アルプス・白馬乗鞍&針ノ木岳(長野県)
期  日:2003年6月7日(土)〜8日(日)
参 加 者:6/7白馬乗鞍 CL宮田 SL青木 須藤裕、駒崎、井上 <計5名>
     6/8針ノ木岳 CL宮田 SL青木 須藤裕、駒崎、井上、豊島、木下 <計7名>

 山スキーシーズンもいよいよ締めくくり。さすがに6月となると、標高差1000mも滑れる山は少なくなるが、過去2回とも「滑り納め」の期待を裏切らなかった針ノ木岳を目指した。前日の足慣らしに行った白馬乗鞍と併せて報告します。

行動記録:
6/7(土) 江南町(5:40)=花園IC=長野IC=栂池スキー場(9:15/9:40)=ゴンドラ&ロープウエー
 =山頂駅(10:20)→栂池自然園(10:30/10:45)→2140m(11:30/11:40)→船越の頭稜線直下
 2380m(12:30/13:10)→休(13:30/13:35)→栂池自然園着(14:00)=ゴンドラ&ロープウエー=
 栂池スキー場=来馬温泉=大町夕食=扇沢<テント泊>

 長野市在住の井上君とインター近くで合流して栂池スキー場のゴンドラ中間駅へ。標高1850mの栂池自然園までは、ここからゴンドラとロープウェーを乗り継いで行けるが、往復料金3000円という値段の高さに少々驚く(JAF会員証提示で1割引となりました)。ゴンドラ山頂駅から舗装道路を200mほど歩くと自然園に到着。辺りは50pの残雪で真っ白。ほとりに建つ栂池ヒュッテや栂池山荘とも、最近立て替えられたらしく、どちらもウッディな作りでとてもきれいだ。うっすらと白馬岳山頂も見えるが、天気は曇天で、稜線は時折ガスに隠れる。今日は足慣らしなので、行けるところまで行こう。それにしても、この時期の自然園は水芭蕉や雪見の観光客が多数押し掛けている。軽装の彼らから、スキーを担ぐ我々を皆物珍しそうな目で、どこを滑るのかと質問攻めに遭う。
 自然園を通過するのに‘入園料’300円をビジターセンターでしっかり支払い出発。ところどころ残雪が口を開けた場所には、咲き始めた水芭蕉が見える。スキーを進めながら、今日の滑降ルートを探す。自然園から真西方向奥に見える一番広い沢に照準を定める。途中1回休憩し、急傾斜をさらにジグザグに登る。シール登行が限界となった岩基部2380mを今日の最高到達地点とする。30度の斜面に張り付いた雪の頭で昼食を取る。
 休んでいると、時々ガスが覆うようになった。寒気の影響で雷の恐れもあるので、早く降りることにする。視界が良くなったときを見計らい、急斜面の沢に飛び込む。雨水が流れた後の溝で滑りづらいが、6月なら仕方ないこと。デコボコの雪面に負けないように、トップを走らせジャンプターンで飛ばす。アッという間に、自然園の端に到着。後は真っ平らの湿原上をスケーティングと腕力で進みヒュッテ前へ到着。
 せっかくなのでビジターセンターを見学し下山。風呂は村営来馬温泉へ。鉄分豊富な天然湯で、入浴料300円はとっても魅力的だった。熊谷を午後に出発していた豊島さんと大町駅で合流し、閑散とした商店街の食堂で夕食。扇沢に向かう途中からは、けっこうな雨が降っていた。                           (宮田記)

6/8(日) 扇沢(5:45)→雪渓末端(6:40/7:00)→マヤクボ沢出合(8:30)→針ノ木岳山頂
 (11:20/11:45)→マヤクボカール底・大休止(11:55/12:45)→雪渓末端(13:30)→
 扇沢(14:40)=大町温泉=花園

 前夜は雷雨であったが、未明には雨は上がって快晴となっていた。今シーズン最後のスキーということで、各自は特別な思いを胸にトロリーバス駅裏の林道を歩き始めた。ザックにつけたスキーとブーツがずっしりと重い。堰堤をいくつか越えると雪が現れ、アプローチシューズをデポしてスキーに履き替えた。先行パーティーが数組、スキーとツボ脚が半々である。針ノ木雪渓の谷底にはまだまだ豊富な残雪があり、はるか上方のスカイラインへと白いスロープが続いていた。
 出だしは小枝や小石混じりであったが、間もなく綺麗な雪となった。ほとんどのパーティーは、針ノ木雪渓をまっすぐ詰めていったが、われわれは右手のマヤクボ沢に入った。とたんに傾斜がきつくなり、ここでスキーをアイゼンに履き替えた。トレーニング不足が崇り、喘ぎあえぎしながらようやくマヤクボのコルに到着した。稜線の向こう側には、まだまだ白い立山が広がっており、気持ちの良さそうな斜面が山スキーヤーを魅了していた。ここから雪のない夏道をたどり針ノ木岳山頂へ到着。
 離れた針ノ木雪渓に、ツボ脚で一列に登っていく大集団が見えた。この日は慎太郎祭というものがあったようで、その参加者であろうか。駒崎さんは少し後から上がってくる須藤さんと合流するため、同じ道を降りていった。
 そして、いよいよ今シーズン最後の滑降である。山頂から少し右手に降りたところから大斜面に滑り込んだ。出だしは少し急であったが雪の状態が良く、あっという間にマヤクボカールの下に達してしまった。ここで遅れて登って来た豊島さんと合流し、昼食となった。朝は快晴であったがいつの間にか下り坂となり、流れてくる雲で視界が遮られるようになってきた。マヤクボカールにかかった白いガスの中から駒崎さんと須藤さんの声が聞こえ、やがて滑り降りてくる二人の姿が見えた。
 ここから全員揃っての滑降となった。針ノ木雪渓に合流した辺りから雪が腐ってきたが、まだそれなりには滑れる状態である。予想したほど石を引っ掛けることもなく、デポ地点に到着。再び雲が取れた針ノ木岳ははるか遠くに見え、スケールの大きい滑降に満足感を覚えた。
 6月でこれだけのスキーが出来ればもう言う事はない。こうして2002〜2003年のシーズンは幕を閉じたのであった。 (木下記)



  

‘山頂から滑降す!’白馬鑓ヶ岳

        アルバムを見る
山域山名:北アルプス・白馬鑓ヶ岳(長野県)
期  日:2003年5月17日(土)〜18日(日)
参 加 者:CL宮田 SL浅見 福田、井上 <計4名>
行動記録:
5/17 江南(5:00)=猿倉1230m(9:50)→小日向のコル1825m(12:55/13:30)→
   鑓沢杓子沢出合・水場あり1620m(13:55/14:30)→白馬鑓温泉2010m(15:30)

 日本海に高気圧があり、太平洋側はぐずついた週末でも、日本海側の晴天が期待できる予報に胸を躍らせながら、上信越道をとばす。白馬のコンビニで井上君と合流。ブナの新緑が美しい猿倉の駐車場はいっぱいだった。
 駐車場からすぐにシールで登りはじめるが、猿倉台地にあがる夏道は雪が切れているので林道をもう少し登って長走沢から台地にあがろうとする。長走沢は雪が切れていて、左側から巻いて行こうとするが、15mほどの藪こぎを強いられる。スキーと大ザックをもった藪こぎはつらかった。次回は夏道を行きましょう。
 小日向のコル直下は傾斜が急だが、どうにかシールで登り切る。コルからはシールをはずして約20分の滑降。鑓沢と合流したところのすぐ上で水を補給できたのはラッキーだった。ここから1時間のシール登行。幕営道具を入れたザックは重く、もうちょっとで限界という場面で、雲上の楽園、鑓温泉に到着する。
 すでに都職山の会など4張・18名ほどの先客がいた。私たちは温泉のすぐそばの雪の斜面を整地してテントを張った。この日は夕方と夜の2回入浴。青空のもと、星空のもと、重い荷物からも、下界の煩わしさからも解放されて、しばし心の洗濯である。この時期の鑓温泉は小屋はまだ、解体されたままで湯船はむき出し、脱衣場もなければ、虫やコケも多い。しかし、それらを補ってあまりある開放感があって何度でも入りたいところである。

5/18 白馬鑓温泉2010m(6:45)→大出原2525m(8:50)〜主稜線2750m(10:15)→
   白馬鑓ヶ岳2903m(10:15/11:40)→大出原→白馬鑓温泉2010m(12:05/13:50)→
   杓子沢出合1620m(14:00)→小日向コル1825m(14:50)→猿倉(16:30)=江南(20:30)

 快適な天場でつい寝坊をして、出発が遅くなった。私たちは夏道ではなく忠実に鑓沢を詰めた。夏道は沢の北側の尾根沿いについている。アイゼンをはいて、スキーをザックに着けて登るが、重さがこたえた。もう、限界と思う頃に白馬鑓山頂に到着。山頂からは剣や槍まで見える大パノラマが広がっていた。 
 いよいよ山頂直下から急斜面の滑降である。最初、緊張を感じるが、快適なザラメの斜面を飛ばす。4時間かけて登った所をわずか20分ほどで降りてしまった。…痛快である。大出原は天気が良ければ問題ないが、ガスがでると方向を失いやすい。旗竿は必携である。
 滑り終えたあと、もう一度風呂に入り、今日も開放感を満喫する。昼食を取ったりテントをたたんだりしてから往路を戻る。
 私に取っては今シーズンの山スキーの滑り納めとなったが、大満足の2日間でした。
 また、行きましょう。 (浅見記)




あこがれの黒部源流、大斜面の双六カールを爽快に滑った

   北アルプス・双六岳周辺山スキー報告

5/3 大ノマ乗越を目指す  他の画像も見る


山域山名:北アルプス・双六岳、三俣蓮華岳、黒部源流(岐阜県、富山県、長野県)
期  日:2003年5月2日(金)〜6日(火)
参 加 者:CL宮田 SL青木 大嶋、南雲、木下、宮内 <計6名>

 「いつかは滑ろう」と仲間達と語っていた双六岳から黒部源流にかけての山スキー。最高の天気に恵まれて、思う存分に満喫した2003年GW山行を報告します。

行動記録:
5/2(金) 江南町(19:00)=花園IC=松本IC=新穂高温泉無料駐車場(23:45)<テント泊>

 江南町某所に集合し、花園インターから関越道へ、木下さんと合流予定の上里SAに立ち寄る。夜8時前とは思えない混雑ぶりで、駐車場や軽食コーナーも満杯であった。心配した八風山トンネルの渋滞には巻き込まれずに、順調に松本インターから安房トンネルを越え、日付け変更前には新穂高温泉無料駐車場に到着した。先着の山屋の車が100台以上あったが、端の場所を確保しテント2張りを無事張り終える。ほどなくして、新穂高温泉露天風呂に入浴してさっぱりした顔で、奈良から新車を飛ばして来た宮内君と久しぶりの再会を喜び、シュラフにもぐり込んだ。空には綺麗な天の川が輝いていた。

5/3(土) 天気:快晴
 駐車場(6:40)→新穂高温泉ターミナル1100m(6:40/7:00)→左俣林道橋付近1350m(8:00/8:10)
 →ワサビ平小屋1400m(8:40/9:10)→秩父沢1580m(10:00/10:10)→1820m(11:00/11:10)
 →2100m(12:00/昼食/12:40)→2320m(13:20/13:35)→大ノマ乗越2450m(14:08/14:30)
 →双六谷2200m(14:50/15:05)→双六カール出合2370m(15:45/15:55)
 →双六小屋2540m(16:35)<泊>           [登行高度1540m/滑降高度250m]

 朝から快晴。爽やかな朝の空気を吸い、仮眠を取ったテントをたたんで出発した。歩き始めた林道に雪はなく、スキーをザックに付け歩いた。今回、南雲さん以外の5名はアプローチシューズを用意しており、兼用靴をビンディングに付けていたため、ザックの重さはひとしおである。程なく、日陰になったところに雪が現れたがそのまま歩き続け、大きなデブリを越えたところでわさび平小屋に到着した。ここでスキーに履き替え、アプローチシューズは小屋に預かってもらうことにした。5日で小屋を閉めるが、デポされたものは小屋の前に出しておくとのことであった。スキーをはずしたザックは羽が生えたように軽くなり、意気揚々と大ノマ乗越へと出発した。
 左手の秩父沢から押し寄せた巨大なデブリを越えると、小池新道の遥か奥に大ノマ乗越の鮮やかなスカイラインが見え、その手前の急傾斜の雪原には、小さな黒点となった登山者達がバラバラと取り付いていた。五月晴れと呼ぶには凶暴すぎる紫外線にじりじりと焼かれながら、我々はこの長い斜面をただひたすら登り続けた。途中、地元高校生の大集団と抜きつ抜かれつしたが、ジャージにデイパックでやって来た彼らを見ていると、重装備の我々のほうが間が抜けて見えたのは、あまりにも暖か過ぎる陽気のせいであったのだろう。
 最後の急傾斜までシールのままで詰め、ようやく大ノマ乗越の峠に到着した。ここでシールを外し、お待ちかねの今山行初滑降である。狭く急な沢へ飛び込むが、雪の状態もよくあっという間に高度を落とし、そのまま降りすぎないよう途中右手にトラバースして双六谷の底に達した。ここで再びシールをつけ、谷底をひたすら詰めて行った。途中左手に双六カールが開け、後日の快楽的な滑りを約束するかのように、魅惑的な白い姿を覗かせていた。程なく双六小屋に到着、本日の長い登高は終了した。
 小屋の前にはたくさんのスキーが並んでおり、なかなか盛況のようであったが、運良く我々だけで一部屋を占有することができた。小屋の食事は予想以上に良かった。満腹した後は軽く酒を飲み、明日の滑りへの期待に胸を膨らませて、早々に床へ就いた。

5/4(日) 天気:晴れ、午前中時々曇
 双六小屋2540m(7:00)→2854m峰南側鞍部2750m(8:05/8:20)→2854m峰(8:50)
 →三俣蓮華岳2841m(9:15/10:05)→黒部川源流2450m(10:20/10:45)→岩苔乗越2730m
 (11:35/11:55)→黒部川源流2450m(12:05/昼食/13:00)→三俣山荘2545m(13:30/13:45)
 →弥助沢2240m(14:00/14:10)→モミ沢出合2040m(14:25/14:40)
 →モミ沢2230m(15:20/15:30)→2390m(15:50/16:00)→双六小屋2540m(16:30)<泊>
                         [登行高度1240m/滑降高度1176m]
 日の出は午前五時。東向きの窓から朝陽が差し込む。窓を開け外の空気に触れると、本当にGWかと疑うほどの暖かさだ。空は今日も快晴で、また暑くなりそうだ。昨日の反省から、日焼けには十分注意しよう。小屋の朝食は午前6時。予定の6時前発から1時間遅れとなったが、天気の心配がないのでまったく不安はない。今日も標高差、距離とも長丁場だ。がんばろう。
 小屋右手から双六岳をトラバースして2854m峰鞍部を目指す。雪面にスキーアイゼンがよく効く。双六岳から三俣蓮華岳にかけての東面は、カール底へ落ち込む急斜面やパラレルに持ってこいの中斜面など、どこを見ても山スキーヤーには天国と思えるほどの斜面が拡がっていた。途中で雷鳥のつがいに出迎えられ2854m峰に立つ。振り返ると北鎌尾根を従えた槍ヶ岳がひときわ高い。三俣蓮華岳へは、シールで狭い雪庇上を60mほど降り、鞍部から少し登り返すと、大展望待つ山頂だ。山頂直下で立山からスキー縦走してきたという単独行の若者と話を交わす。「今朝の黒部五郎小屋から、今日中に槍の肩を目指したい。立山室堂から6日目だが、五色ヶ原で吹雪に遭い2日間停滞したので予備日がなくなった。明後日から仕事があるので、今日は槍までがんばる」と。記念写真を頼まれた後、スキーを担いだまま稜線を下っていった。単独で成し遂げる精神力と体力に感心させされる。
 三俣蓮華岳山頂からは、北アルプス核心部の山々がすべて見渡せた。剣立山から、次の目標としている薬師岳と黒部五郎岳の美しいカール群、黒部源流を挟んで雲ノ平の大雪原がとても大きい。東には、融雪にはほとんど雪のなくなった燕から大天井の表銀座の山々、それに岩峰連なる槍穂高連峰、双六岳の右手には真っ白な笠ヶ岳が印象的だ。後続のパーティが2854m峰に見えた。
 大休止の後は、いよいよ待ちに待った黒部源流への滑降だ。鷲羽岳を正面にみて、眼下には素晴らしい斜面が拡がっている。踊る気持ちがはやる。まずは山頂から北に派生する尾根沿いに滑り出す。雪質も申し分なく、リズムよくシュプールを刻む。尾根から急斜面を滑り、あとは斜度20度、幅は500mもある大斜面を気持ちよく飛ばす。15分足らずで黒部川源流部の大雪原に降り立つ。本当に爽快な1本であった。
 目前には所々デブリが発生していた雲ノ平の雪壁が迫る。この斜面を滑ることも考えていたが、転倒すると谷底まで滑落の危険があったため、黒部川源頭の岩苔乗越を空身で目指すことにする。宮内君のザックに水筒を詰めて登り出すが、就職後に街の生活にどっぶり浸かっていたせいか、長時間歩行のためひどい靴づれを起こし、テーピングで補強するも表情が痛々しい。谷は緩傾斜で周りの山が大きすぎるのか距離感がつかめず、近くに見えているはずの乗越がなかなか近づかなかった。乗越に立つと、このまま飛び込んでみたくなるような岩苔小谷と水晶岳が大きく望めた。休憩中に上がってきた後続3人パーティとあいさつを交わす。今度は大嶋さんを先頭に黒部川を滑り出す。空身なこともあり、みな踊るように滑っていくのがおかしい。ザックデポ地に戻り、昼食と雪を溶かし水筒に補給する。
 三俣山荘までは標高差100m、広い緩斜面をひと頑張りだ。夏まで閉めている小屋脇を通り、このあと滑る弥助沢源頭に立つ。真正面に槍ヶ岳がそびえ、最高のシチュエーションだ。出だしは35度くらいの急斜面、午後の高温のため雪は腐っていたが、そんなのはお構いなしだ。谷底に立つと、背後には鷲羽岳の岩壁と三俣蓮華の雪壁が迫り、スケールの大きい沢だった。左岸の中腹には廃道となっている伊藤新道も見える。途中、右手から樅沢が合流した所が一番広くなっていた。この辺りから沢が口を開けていて右岸を行くようになり、ほどなくモミ沢出合に出た。
 ここからがモミ沢をつめて双六小屋までが最後の標高500mの登りだ。間食を取りエネルギーを補給する。2230mで左手からおいしそうな斜面の大きな沢が合流する。樅沢岳東側鞍部から落ち込む沢だ。双六小屋から半日周回コースによいだろう。モミ沢はだんだん傾斜を増していき、疲労が追い打ちをかける。のど状の急斜面をトラバースすると、展望が開けた。陽が傾いた斜光に照らされた三俣蓮華と鷲羽岳が美しい。ここまでくれば小屋はもうすぐだ。
 小屋前の岩の上に座り、静かな夕刻の山々を見ながらビールで乾杯する。今日も長い1日であったが、北アルプスの尾根と沢をつなぎ、何よりも黒部源流を滑れたことに、心地よい充実感と疲労感を感じていた。

5/5(月) 天気:快晴
 双六小屋2540m(7:10)→2800m(7:50/7:55)→双六岳2860m(8:20/…東面カール滑降2720m
 …/10:05)→双六谷2370m(10:20/10:25)→双六谷2200m(10:30/10:45)→大ノマ乗越2450m(11:30/12:00)→秩父沢2020m(12:15/12:25)→ワサビ平小屋1400m(13:10/13:35)→左俣林道1380m(13:40/スキー脱/13:55)→新穂高温泉林道ゲート1130m(14:45)=栃尾温泉<泊>
                         [登行高度710m/滑降高度1870m]
 午前5時、昨日と同じく朝陽がまぶしい。毎日、快晴無風の天気が続きうれしい限りである。朝食をすませ、小屋前で準備する。辺りを見渡すと、急な尾根をスキーを担いで登るパーティが多い。それでも小屋に泊まった人数と比べるとごくわずかだ。秩父沢の登りも同じであったが、山スキーでも夏道沿いの稜線ルートをとる人の多さに少々驚く。我々は昨日と同じく小屋右手からシール登行をはじめ、山頂から南東に延びる尾根上をトラバースしながら双六岳山頂に到着。
 眼下の双六カールをのぞきこむと、そのスケールの大きさに吸い込まれそうだ。今日中に帰途につく木下さんはさっそうと飛び込んでいった。「最高だー」との言葉を残して。
我々は、誰もいない東面カールを1本滑る。アッという間にカール底まで140mを滑ってしまった。山頂に戻り、黒部源流の山々の景色をゆっくりと眺める。稜線上には我々のほか登山者は見当たらない。雑音もなく、時おり吹く風を感じながら静かな時間を楽しむ。
 大休止の後は、標高差500m、上部の幅600m以上という広大な双六カールの大滑降だ。思い思いに自分のシュプールを刻む。しかも槍の穂先を正面に。ウェーデルンに自然と声が交じる。今シーズン最高の1本だった。双六谷からは緩斜面となり、大ノマ乗越出合までは直滑降で進む。乗越までは標高差250mの急登だ。板の重さに耐えながら、黙々とステップを切る。乗越から秩父沢方面を見おろすと、皆急いで下山したのだろう、登ってくる単独者が見えるだけだった。間近となった槍穂高を眺めながら最後のコーヒーブレイク。 乗越からの出だしは30度くらいはある急傾斜だ。気持ちよく滑って、と思ったが、時間も昼を過ぎ、板が沈むくらいに雪が重たい。雪面もいたるところにデブリ後でデコボコ。標高を下げるにつれて、苦痛になってきた。途中で、秩父沢と下抜戸沢の大デブリを乗り越える。左俣谷からワサビ平までもいくつもデブリを越え、ブナ林があらわれるとワサビ平小屋は目前だ。2日前になかった小川が流れていた。小屋には初老のつぼ足パーティが休んでいた。小屋番もGW営業を終え、忙しく片付けていた。この時期は軽食は作っていないと昼のラーメンの願いはかなわず、缶ビールで少し早めの下山祝いをする。
 ワサビ平から少し滑ると、林道上の雪が途切れた。小屋に預けてあったスニーカーに履き替え歩き出す。所々雪がないため、その都度のスキーの脱着と滑走面の傷を惜しまなければ、1250m付近までは何とかスキーで滑れた(スニーカーを持たない南雲さんは、横を何度か通り過ぎていった)。林道ゲートで荷物を降ろした青木君と宮内君が車を回してくれた。
 今宵の宿は栃尾温泉民宿にとる。汗くさい身体を内風呂の温泉で流し、夕刻には皆で無料露天風呂へ。夕方4時頃に飛び込みで世話になったにかかわらず、すべて手作りの豪華な料理に大満足。とてもよい宿でした。<民宿宝杉(0578)9-2525、税込7500円>

5/6(火) 天気:快晴
 栃尾温泉(8:30)=松本IC=花園IC=江南町(12:40)

 平湯温泉バスターミナルで奈良に帰る宮内君とお別れ。新緑の梓川の景色を楽しみ帰途につく。安曇野から見上げる春霞みの常念岳が印象的だった。
                         (5/3 木下記、5/2,4,5,6 宮田記)




尾瀬燧ヶ岳山スキー報告

山域山名:尾瀬・燧ヶ岳(福島県)
期  日:2003年4月29日(火)
参 加 者:CL大嶋 SL中野 豊島、石川、須藤裕、花森、駒崎、大山 <計8名>
行動記録:御池(6:50)→熊沢田代(8:50)→燧ヶ岳山頂(11:15/12:10)→御池(13:20)

 28日、予定より遅れて20時25分に市役所を出発して、29日の0時30分に御池の駐車場に着く。七入あたりから雪が出てきて、駐車場は3m程の雪の壁に囲まれていた。
 29日は6時50分に駐車場(1500m)を出発。ブナの樹林帯を進むとすぐに急斜面になり、スキーアイゼンを装着して40分ほど汗をかくと広沢田代に入った。この緩斜面を過ぎると再び急斜面になり、これを越して8時50分に熊沢田代(2000m)に入る。このあたりから展望が良くなり、那須連峰や会津駒ヶ岳方面の山が見えだした。風が強いものの好天に恵まれ絶好の山スキー日和になった。
ここから山頂までは樹林のない急斜面となっていて、高度差も350mほどあり絶好の山スキーゲレンデである。ここをジグザグに登るが、急斜面のためかなり苦労して登る。休憩なしに一気に上がると雪原となった尾瀬沼が見え、11時15分に山頂に到着。お茶と展望を楽しんだ後、山頂を出発し、山頂直下の大雪原を一気に熊沢田代まで滑降する。この下は樹林帯なのでルートを選びながら、御池の駐車場に到着。
 同人としては3回目の計画であったが、天候に恵まれ今回山頂を踏むことが出来た。
                                   (中野記)



‘乙妻山から転進するも’、雨中の妙高三田原山



山域山名:頸城・妙高三田原山(新潟県)
期  日:2003年4月19日(土)
参 加 者:CL宮田 SL浅見 石川、南雲、青木 <計5名>
行動記録:江南(5:10)=笹ヶ峰林道除雪最終地点・池ノ峰南方1350m(8:40/9:25)→
 三田原山1670m(10:20/10:35)→1970m登行終了(11:25/11:45)→
 除雪点1350m(12:10/12:40)=杉の沢温泉=江南(17:00)

 標高差1000m乙妻山北東斜面を滑るべくテント泊2日間の行動予定であったが、当日朝の天気予報で初日の午後と次ぐ日いっぱいの雨が予想されたため、少しでも滑って帰ろうと、急きょ谷をはさんだ隣の三田原山を日帰りで目指した。
 この頃の笹ヶ峰林道は、例年なら牧場までほぼ除雪を終了しているが、今年は残雪が多く、数キロ手前の池ノ峰まで。この当たりでも雪壁はゆうに2mを越えていた。この日は、高谷池ヒュッテ恒例のトイレ掘り出し隊結集日で、車が何台も壁に横つけされていた。青木レガシーも迷惑にならない場所を見つけて駐車。まずは、ザックの中の荷物整理。日帰り用にパッキングし直して出発。高速から見えていた本峰周辺には黒い雲が迫っていた。
 池ノ峰を巻き鞍部から尾根に取り付く。その途端に雨が降り出し、本降りとなった。慌てて雨具を着る。予報よりも随分と早く雨が来たようだ。三田原稜線が遠のいていく気分だ。雨は強くなったり弱くなったりであるが、降り続いている。最初の急登を登り終えた1670mで1本いれる。もう起きているだろう留守本部の安藤氏に電話を入れ、経過を説明する。前線が近づいているのか、風も出てきた。標高差300mでは少々物足りないので、雨のなかをさらに登る。標高を上げるにつれガスも出てきて、さすがに寒い。針葉樹林からダケカンバに変わりはじめた1970mを今日の最高地点とする。
 雨具を着ていても、何もかもがびしょ濡れで意気消沈である。標高差600mの滑降であったが、あまり気合いが入らず、ただ高度を下げていくような感じだった。車デポ地まであと少しというところでアクシデント。青木君のスキー板(アトミックツアーキャップガイド)が折れたのだ。表面とエッジでつながっているものの、板の構造が見えている。この程度のグサグサ雪につっこんだくらいで折られては困る。昨今の山板は軽量化を追求することが流行になっているが、やはり軽量化と耐久性は両立しないだろうか。
 車デポ地に到着し、温泉に直行。冷えた身体を温めて帰路に着いた。 (宮田記)




八方尾根山スキー報告



山域山名:北アルプス・唐松岳八方尾根(長野県)
期  日:2003年4月6日(日)
参 加 者:L中野 駒崎、花森、中野夫人(ゲレンデのみ) <計4名>

 集合場所を4時30分に出発、至る所まだアスファルトは濡れているが、天気は回復するという予報である。上信越道佐久平付近の路肩には雪が10センチ位積もっている。昨日こちらも雪が降ったと思われる。
 八方尾根スキー場に7時40分につくと春スキーの陽気である。身支度をし、ゴンドラに乗り込む。ゴンドラで山々を見ていると山頂でガスがかかったり晴れたりする。風が相当吹いている事が感じられる。しかし ゴンドラ着のうさぎ平では、風もほとんどなく気持ちよい。
 何本かゲレンデで練習後、かま池〜八方池山荘までシールを付けて昇る。山スキー初めてのH氏はシール付け方、歩き方等をリーダーの指導を受ける。かま池〜八方山荘までは40分位シールを付けて昇る練習であるが、風で身体が倒れそうである。風速20m/s以上もあろうかと思われる中しばしば休む。八方池山荘前で小休止する。
 山荘前でもかなり風が強いが、山頂に向かう7〜8名のグループがアイゼンを付けて登ろうとしている。リーダーらしき人が一人一人ビーコンの動作確認をしていたので感心した。しばらくこのグループの登って行くのを見ていたが、相当風が強いらしく、しばしば立ち止まっている。
 それを見ながら私たちもシールを付けたまま体験してみるが山荘前より40m位登ったところで断念、シールを付けたまま山荘前まで下山、うさぎ平レストハウス前に1時着、ここで大休止する。時間が少しあるので午後1時から2時までゲレンデスキーを楽しむ。
 八方尾根午後3時10分出発 集合場所に午後6時に着いた。4名とも顔がかなり焼けたのでないかと思います。                      (花森記)





谷川岳山スキー行



山域山名:上越国境・谷川岳(群馬県)
期  日:2003年3月30日(日)
参 加 者:CL浅見 SL木下 大山、駒崎 <計4名>
行動記録:ロープウェー駅(7:00)=天神平スキー場(8:30)〜熊穴沢非難小屋(10:30)〜
 谷川岳(12:50/13:30)〜天神平スキー場(15:15)=ロープウェー駅(16:00)

 まだまだ雪量の豊富な谷川岳でスキーを楽しんできました。天神平でロープウェーを降りると、ゲレンデ端の急斜面にスキーを担いだ山スキーヤーの列が出来ていた。団体が入っているらしい。我々はシールを着けて登り始めたが斜面が急なうえ硬く滑りやすいため、途中からクワガタスタイルに変更となった。そして結局、そのまま山頂までシールを使う事はなかったのであった。天気は微風快晴で、ヤッケを着ていると汗だくになっていまいそうな陽気であった。
途中にあるはずの熊穴沢の避難小屋は完全に雪に埋もれていた。右手に落ちる熊穴沢は、木は疎らだがけっこう斜度がある。新雪ならちょうど良さそうである。スキーを背負って重量が増したためか、大山さんが登りでやや苦戦をするも励ましあって山頂へ到着。雪庇を踏み抜かないように注意しながら記念撮影をした。この頃から天気は下り坂となり、高曇りで風が出てきた。
準備を済ませ、肩の広場から天神尾根の大斜面に滑りこんだ。表面が硬くなりターンしにくい。登っているときとは明らかに雪質が変化していた。強引なターンを繰り返し、あっという間に非難小屋に到着。当初、熊穴沢に滑り込む予定であったが変更し、再びスキーを担ぐ。そのまま天神平スキー場まで往路を戻り、田尻沢を下ってロープウェー駅に到着した。谷川岳を振り返るとずいぶんと遠くに見え、「良くあんなところを滑ったなー」と感慨であった。                           (木下記)






‘国境稜線はアイスバーンと強風’
   
平標山 山スキー報告


山域山名:平標山(新潟県)
期  日:2003年3月29日(土)
参 加 者:CL浅見 SL宮田 大嶋、中野、駒崎 <計5名>
行動記録:江南(5:10)=元橋登山口980m(7:15/7:55)→ヤカイ沢分岐1040m(8:35/8:45)
 →林道終点1200m(9:30/9:45)→尾根1385m(10:20/10:40)→1585m(11:15/11:20)
 →1670m(11:40/11:55)→稜線1780m(12:30/13:00)→尾根1630m(13:30/14:15)
 →林道終点1200m(15:00/15:05)→元橋登山口980m(15:35/16:00)=猿ヶ京温泉
 =江南(18:30)

 月夜野ICから国道17号で三国峠に向かう。土曜日の早朝であるのに、走っている車はまばらだ。スキー客が減少しているのを実感する。峠手前の斜面は南向きのためか雪が少ない。峠のトンネルを越えると雪の壁が現れるがそれでも1mほど。上越は例年より少雪のようだ。天気も小雨模様に変わり、外気温も3度の表示。登行意欲も消沈模様となるが、ほどなく除雪された駐車場に着く。駐車場には先行者の車が2台止まっていた。
 共同装備を分けて出発する。河内川に沿った林道脇には豪華な別荘が並ぶ。冬場も入っているためか林道は除雪されていたので、脇の杉林の中を登る。500mくらい進むと除雪も終わり、林道上をシールを滑らす。気温が下がったのか、あられが時折強く舞っていた。約40分でヤカイ沢分岐の橋を渡る。視界などの条件が良ければヤカイ沢から稜線につめることも考えていたが、稜線はまったく見えず、低温で雪面も硬かったため危険と判断し、夏道の尾根ルートをとることにする。更に林道を進み、道標が顔を出した夏道登山道入口に着く。ゆるやかな少し進み子尾根に取り付く。次第に傾斜も増し、ジグザクで登る。登っている尾根はルートガイドにあった夏道の尾根ではなく、トレースや赤布がつけられいた西側隣の尾根である。こちらの方が尾根幅が広く、傾斜も緩いようだ。条件が悪くなければ十分シールで登れるくらいだ。
 高度を上げるにつれて雪面もアイスバーン状となってきた。エッジを効かせて登る。スキーがずり落ちるようになってきた1385m地点からは、スキーを担ぎアイゼンに履き替える。左手に見える尾根には雪面に無数の亀裂が入り、所々雪塊がずり落ちている。気温が更に上がれば底雪崩となるのであろう。1670m当たりで傾斜もいくぶん緩くなったので、またスキーに履き替えて登る。スキーアイゼンがよく効く。尾根はダケカンバが混じり木々もまばらになったため、更に風が強くなる。気温も低く、風の当たる左頬がとても冷たい。ひとがんばりで稜線上に立つ。
 すぐ下には雪に埋まった平標小屋の赤い屋根が見える。上には通り過ぎる雲の合間から本峰南面の大斜面が時折姿を見せる。巻機山を思わせるような魅力的な斜面だ。しかし、今日はアイスバーンと強風という悪条件のためここで登行終了とする。ダケカンバのたもとで長めの休憩と間食を取った後は、いよいよ滑降だ。滑落の危険があるため転倒は許されない。アイスバーンに負けじとエッジを切る。モナカ雪などの悪雪に比べれば格段に滑りやすく快適だ。風が弱くなり雪も緩んだ1630m地点で遅い昼食を取る。熱いコーヒーともも缶がおいしい。自然と山スキー談義に花が咲く。山スキーの基本は斜滑降とキックターン、シュテムターンに横滑り。厳しい条件化になるほどこの技術がものがいう。しかし、昨今のゲレンデスクールではこれらは一切教えてくれない。初級者には更なるステップアップのためには、是非ともマスターしてほしい。
 尾根上を更に滑るが、だんだん木が込んできた。1500m付近から尾根左手に木々がまばらな開けた斜面があったので、迷わず滑りこむ。出だしは斜度30度くらいの急斜面、途中から20度強の中斜面に変わる快適斜面を気持ちよく飛ばす。このあとは藪をかき分け右トラバースで子尾根を3本越え林道上に出た。雪が硬かったため林道もよく滑り、駐車場に到着。青空がのぞくものの、朝よりも気温が3度も下がりちょうど0度を指していた。

 「春のザラメ」を期待したものの、寒気の影響で稜線はアイスバーン。春浅い頃の山は冬も同居し、時に荒れることも多い。ウェアや装備の選択など難しい時期でもある。
 山頂付近の大斜面を滑れなかったのは誠に残念。再度挑戦したい。   (記;宮田)





越後の名山を滑る
  −− 守門・浅草岳スキー山行 報告
期日: 2003年3月21日、22日
参加者:
 21日(守門)   青木L、須藤、南雲
 22日(浅草岳) 青木L、中野、石川、須藤、南雲
報告:
 21日(守門)
行程
 (スキー場トップ)8:50-9:55(880m地点)10:00-10:55(1080mやや平らな地点)11:00-12:00(1300m地点)12:15-13:10(山頂)13:50-14:20(1080mやや平らな地点)14:25-14:40(急な坂の下部)14:15-15:25(スキー場トップ)

 8時過ぎに、大原スキー場のリフトが動き出す。650mまでこれで登る。最近降った雪によって20〜30cm程度の新雪があり、トレースはない。所々に赤布あり。スキー場トップから約10m程度下がった場所でシールをつけ、755mのこぶをめざして登る。6人の先行パーティがありこれについていく。755mをすぎ、稜線が別れる分岐で先行パーティの休憩をやり過ごし、新雪を踏みながら進む。 尾根の分岐点からは緩い斜面となるが、その先に急な斜面がある。当初スキーで登ったが途中から断念(東は雪庇・西は濃いブッシュで逃げられない)して、つぼ足に切り替える。急な上に雪がまだ柔らかく潜ってしまい苦労する。天気は曇りがちだったがこのころから晴れてきて、南面であったこともあり大汗をかく。トップは、6人組と交代しながらいった。
 この急坂を越えると適度な斜面となり、快適に登る。
 主稜線に出ると、緩やかな斜面が延々と続く。天気も良くなり、新雪に覆われてきれいである。途中の稜線は広くてガスられると、下山時に北に派生する尾根に間違って入り込む危険あり。
 山頂部分が一部急斜面となっており、そこは左にトラバースして登る。
 本日の登山者は、前後した6人パーティ、夫婦連れ、主稜線の末端方向からまっすぐ登ってきた3人パーティぐらいなもの。
 天候は安定し、浅草岳が大きく、むじな沢もよく見える。
 大休止の後に、滑降に入る。当初やや滑れるがその後は、主稜線上は緩やかすぎて物足りない。1カ所雪庇のために雪に割れ目が入っている。雪庇は南側に大きく張り出している。下降点を少しやり過ごしてしまい、20mほどバックした。雪庇があり、南側をのぞき込めないので、この下降点は下手すると見落としかねない。
 枝尾根に入ると当初は快適だが、登りで苦労した急斜面は下りでも苦労した。東は雪庇、西はブッシュ、そのブッシュのさらに西に広い斜面があるが、その上に派手な雪庇があり雪崩が怖い。木の間を苦労しながら下る。急斜面を過ぎても、雪が重くてとても快適な滑りとはいえなかった。最後は灌木帯の中をすべってスキー場トップにつく。

(全体的な感想)
 代表的なルートらしいが、急すぎる斜面と緩すぎる斜面があり、さほど快適とはいえない。
 
22日(浅草岳)
行程 
 浅草山荘7:20-8:10(むじな沢手前の平地880m)8:15-9:08(955m)9:18-10:05(滝上1200m)10:15-11:10(1485mピーク)11:25-12:00(山頂)12:30-14:05(浅草山荘)

 前日音松荘に泊。睡眠不足もあり早めに寝る。食事はいい。
 早朝7時。合流組をあわせて、国民宿舎玄関前から登り始める。前日に多くのパーティが入っており、トレースはついていた。
 当初、顕著な地形ではないが、電線が張ってありそれに沿って登る。地図上で、山道になっている末端からはさらに緩く登り、770m〜830mに掛けての沢沿いの顕著な尾根状の出っ張りを右側の沢状地形から登って、850mのやや平らな地形にでる。ここに立ち枯れた太い顕著なブナがあり、これを目印に後はほぼ水平に沢に降りていく。
 沢は、この900m地点で既に一部割れている。深さは7mほどもあり落ちるとやばい。沢スジには一部雪崩の後あったが、危険は感じない。
 沢スジにそって2〜3つほど穴をやり過ごしながら快適に登る。1100mの滝の手前1030m付近で左側の尾根から滑り降りた後が多数あった。登りは、沢沿いにさらに進み、右側の斜面にとりつき滝を過ごして、その後沢に降りて沢沿いを進み、1180mで、二俣になる手間で左側のやや平らな斜面に登る。そこからは左側の広大な斜面をジグザグに登りながら1484ピークから伸びる稜線に乗り上げる。後は稜線上を快適に高度を上げていく。1484ピークは右側が巻ける。ここから前岳、山頂はごくわずか。
 山頂には、前日6人パーティと夫婦連れ。3人組と単独。この他にはあまり昇っている人はいなかった。
 天候は薄曇り。守門が大きく、飯豊が白く長い連山となり、さらに、磐梯山、安達太良山、吾妻、那須(茶臼の噴煙がよく見えた)から、燧、平ヶ岳、至仏、越後三山と展望を愉しんだ。
 大休止後、滑降にはいる。当初は快適に滑降するが、1484mのピークを過ぎると徐々に雪が重くなってくる。最近降った雪が気温が高いことで重くなっている。転倒をしながらも、順調に下る。登ってきた尾根の1350m地点で右に1246ピークをめざして滑る。1246ピークからは、ほぼ真下に、滝の下部めがけて滑り降りる。最後はやや急であるが、特に悪いところはない。沢に降りてからは、沢沿いに快適に下るが、雪は重い。足がそろっていることもあり、快適な滑降を繰り返し、2時には下山した。

(全体的な感想)
 いい山だと思った。ただ、岳人で紹介されていた山頂から北に延びる広大な尾根も魅力的であり、アプローチの問題もあるが、一度試してみる価値はありそうである。

 浅草山荘で入浴(600円)。ちなみに泊まりは平日7500円、休日前は8500円とのこと。建物は非常にきれいで、風呂もいい。  (南雲 記)