山スキー記録    熊谷トレッキング同人

‘山頂から豪快にヤカイ沢を滑降す!’
平標山スキー報告


山域山名:上越国境・平標山、ヤカイ沢(新潟県)
期  日:2004年3月21日(日)日帰り
参 加 者:宮田、木下 (計2名)
行動記録:本庄(5:30)=元橋登山口980m(6:50/7:15)→林道終点1200m(8:30/8:45)
 →尾根1600m(9:50/10:05)→平標山山頂1983m(11:10/昼食/12:30)
 →ヤカイ沢1380m(12:45/12:55)→林道1050m(13:05)→元橋登山口980m(13:20/13:50)
 =本庄(15:30)

 当初計画した頸城山群・乙妻山は小生が土曜日の都合がつかず、木下さんと急遽相談し、日帰り速攻で‘滑り’が楽しめる平標山ヤカイ沢に変更、期待どおりの豪快な滑降が楽しめました。
月夜野ICから国道17号で三国峠に向かうが、雪がずいぶんと少ない。元橋駐車場周辺の残雪は約50pほど。昨年3月末日に来たときと比べて半分程度。標高の低い上越の山々で、スキーが存分に楽しめるのは4月初めまでかもしれない。気温は−5℃と、春の陽気に慣れた体にはさすがに寒い。
 今日は木下さんの2人のみ、体力も技術も問題ない。ガンガン行こう。凍った林道も難なく進み、最初の休憩を尾根取付で取る。傾斜が急になってきた尾根1400m付近でスキーアイゼンを装着。それでもバリバリに凍った斜面のトラバースは嫌らしい。おまけに少雪で熊笹が顔を出すところなどは、階段登行で逃げる所がしばしばあった。1600m付近で2回目の休憩。対岸には、音楽やDJをけたたましく流す苗場スキー場がよく見える。どうして、自然の懐で楽しむスポーツに流行の音楽が要るのか?まったく理解できない。吹く風や樹木の奏でる音、動物達の鳴き声の方がよっぽど似合っているのに。
 さらにアイスバーンの急登を登り、昨年引き返した1800mの稜線に出る。仙ノ倉山を右手に見て広い尾根をさらに登る切ると、平標の山頂だ。快晴の青い空に純白の山々がズラリ。仙ノ倉谷を挟み、高校山岳部時代の思い出の山、日白山が目前だ。仙ノ倉から谷川岳、巻機山、越後三山まで越後山脈の名山が延々と並ぶ。「どこが滑れるだろうか」と、山頂より沢や斜面に視線がいく2人は、ほとんど病気である。南には、浅間山から早春ハイクで登っているはずの鼻曲山もよく見えた。
 我々の主目的、ヤカイ沢は山頂からダイレクトに落ちる超急斜面、雪がもう少し緩むまで長い休憩を取ろう。今日は天気も良く、たくさんの人達が山頂に憩う。ちょっと驚いたのが、ボーダーとテレマークが圧倒的に多く、ここではアルペンは少数派だったことだ。それともうひとつ、登路の元橋に戻らず、山頂から土樽側のシッケイ沢と西ゼンに滑り降りていくスキーヤーの方が多かった。きっと『雪崩の危険とスノーブリッジ』の許す時期が、この2,3週間しかないからであろう。皆、この日の好天をねらい、勢い滑りに来た中毒者達である。シッケイ沢を目指すスキーヤーは、平標の山頂など見向きもせず、鞍部をトラバースしていく。木下さんと「来年はシッケイ沢を滑ろう」と話す。
 さあ、我々もお待ちかねのヤカイ沢にトライしよう。雪がつながる滑降地点は、山頂から30mほど北西稜線をいったところからだ。そこから、ヤカイ沢の急斜面に飛び込む。表面の解けかかった薄氷が‘ザー’という音を立てて落ちていく。ターンを続けていくと、板が隠れるくらいに足下を流れていく。平均斜度は35度超、部分的には40度近い無木立の一枚バーンだ。ターンするたびに「最高だ!」と叫ぶ。お互いの滑りを写真に撮りながら交互に滑る。標高差600mを約15分、アッという間であった。谷底からヤカイ沢を見上げると、一番山頂寄りの急な所を滑ったようだ。振り返って自分のシュプールを追うこの瞬間が山スキーの醍醐味のひとつ、山スキーはこれだからやめられない。ここからは20度ほどの広い中斜面となり、ロングターンで風を切っていく。
 林道に出たら、駐車場まではすぐだ。平標山頂から登山口まで標高差1000m、賞味40分間のご馳走でした。           (宮田記)