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山域山名:南会津・大戸沢岳(北東尾根)(福島県)
期 日:2005年4月24日(日)日帰り
参 加 者:宮田(単独)
行動記録:4/23 北本(19:10)=羽生IC=那須塩原IC=下大戸沢スノーシェッド840m(22:40)
4/24 下大戸沢スノーシェッド840m(5:45)→北東尾根1220m(6:50/7:07)→シール対策(7:20/7:30)→
1553m(8:12/8:30)→1940m(9:30/9:40)→大戸沢岳2089m(10:15/10:45)→滑降点(11:00)
→ムジナクボ沢1800m(11:15/11:35)→大戸沢岳北方鞍部1920m(11:50/11:55)→
北東尾根ジャンクション2075m(12:20/13:05)→北東尾根1200m(13:45/13:50)→
下大戸沢スノーシェッド840m(14:05/14:35)=檜枝岐温泉(16:20)=北本(19:40)
(天気:快晴)2日前の真冬並寒気で檜枝岐周辺は約10pの新しい雪が積もっていた。例年なら山麓の雪は消えている時期だが、下大戸沢スノーシェッドの積雪は約30p。GWまでには解けてしまだろうが、10分も歩けば残雪豊富な尾根に取り付けるだろう。登山道がない山であるが、このアプローチの近さが何ともうれしい山だ。2月に登ったルートで大戸沢岳北東尾根に取り付く。
朝の冷え込みで表面がバリバリに凍っていたため、すぐにクトーを付けて登る。木の幹周りの雪解けによる段差が急登に拍車をかけている。1300mを越えた辺りからは、雪質が氷状から湿雪に変わった。その途端にシール底に雪が下駄のように付着する。休憩のたびにシールワックスを塗りたくるが、水分たっぷりの雪のため効果は20分程度しか持たない。いい加減あきらめモードで登るが、まるで重石を引きずっているようだ。標高を上げるほど湿雪は増していき、ラッセルのしんどさより、この下駄状態にうんざりだ。
約2時間で2月の最高点1553mに到着。赤布をつけておいたが、雪面は1mほどしか下がっていなかった。ほぼ同時に出発した単独のボーダーはまったく姿が見えない。静寂のなかに時折吹く微風が心地よい。下大戸沢を挟んで対岸、三岩岳の三個の岩がよく見える。2月の最高点であった尾根上のダケカンバもはっきり見えた。山頂まであと僅かの距離、1時間少しほどだろうか。厳冬期のラッセルに耐えてよくがんばったものだと感心する。
ここから山頂までは急な大斜面となる。東向き斜面では相変わらず雪がダンゴとなるが、北向き斜面では幾分湿雪から乾雪に変わってきた。もしかしてパウダーが滑れるかも?と少々期待する。黙々と登り続け、北方の三岩岳から続く稜線に出た。この辺りの新雪は約50pくらいも積もっていた。大戸沢岳山頂はここから南西に300m、夏の登山道も三角点もないため、標識もない寂しい山頂だった。
それでも景色は雄大だ。日光連山から尾瀬、越後駒ヶ岳から浅草守門、見下ろす南会津の山々の向こうに飯豊連峰も見える。今年は多雪で、どの山もみな麓まで真っ白だ。今回の目的は大戸沢岳北東尾根と山頂から北西に落ちるムジナクボ沢の滑降だ。しかし、大戸沢岳山頂部は真っ平らの上に針葉樹林が密に生え、降り口が判然としない。地図では会津駒方面に広葉樹の記号があったため少し様子を見に行くが、それらしき樹林も発見できなかった。また戻って北西側の尾根に進むと、針葉樹林がまばらになった。このすぐ下がムジナクボ沢の源頭のようだ。シールを取り、いよいよ滑降体制に入る。
滑り出すとこれがなかなかのパウダー! うれしさで思わず口笛ターンが弾む。上から覗いた沢底は少々深かったため、沢左岸の針葉樹まばらな斜面を滑る。誰もいない斜面にシュプールを刻む、山スキーは最高だね。沢が真北から北西に向きを変える1800m地点で滑降終了とする。
ここからシールを付けて真東の稜線鞍部を目指す。鞍部に着いて振り返ると、中門岳をバックにシュプールが美しいラインを描いている。しばし自己陶酔に浸る。鞍部からさらに約100m登ると、北東尾根とのジャンクションだ。北東尾根には会津駒を登ってきた白河山岳会の10人程のパーティが滑り込んでいった。他にこの尾根にいるのは単独行が3,4人ほど、快晴の日曜日とは思えない静かな山である。もう少し時期が早ければ、中尾根から急斜面を滑って桑場小沢から下大戸沢までつなげるし、山頂から南東尾根を滑れば会津駒の登山口にも合流できる、また三岩岳への縦走や御神楽沢の周りを囲む会津駒と中門岳をからめれば幾通りもの素晴らしいスキールートが可能となる。まさしく大戸沢岳は絶好の山スキーフィールドだと思う。
昼食のあとは標高差1250mの北東尾根だ、さあ行こう。朝から太陽に照らされ続けた東面はグッと雪が重たい。それでもクラストがなく適度な急傾斜のため、気合いのショートターンを刻む。上部は無木立の超開放的な大斜面、中腹からは美しいブナの林間滑降へと続いていく。真冬の突き刺すような空気と違い、風も太陽も雪も心地よい温かさを感じながらの春山も、とてもいいものだ。腿筋が悲鳴を上げ始めた頃、下大戸沢スノーシェッドのトンネルが見えた。
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