山スキー記録    熊谷トレッキング同人

‘東北の山々も春近し’       
        西吾妻山&日中飯森山
宮田 幸男



山 域:西吾妻山<若女平>(山形県)、日中飯森山<鉢伏山南東尾根>(福島県)
期 日:2005年2月18日(金)〜19日(土)
参加者:宮田、木下 (計2名)
記 録:
 パウダーを求めて2人で東北の山に出掛けました。南岸低気圧の暖気が入ったため期待した粉雪には巡り逢えずに下部の悪雪には苦労しましたが、東北地方にはあまり知られていない隠れた名山がまだまだあるんだな、と実感しました。

2/18〔西吾妻山〕 北本(3:00)=加須IC=福島飯坂IC=天元台スキー場P(7:20/待機/8:20)=
 ゲレンデBASE(8:25/待機/9:40)=ゲレンデTOP1810m(10:10/10:25)→中大填南鞍部→
 天狗岩2004m(11:30)→西吾妻小屋1980m(11:50/昼食/12:30)→
 1930m(12:40/13:00・滑降開始)→1500m(13:25/13:35)→若女平→
 吾妻スカイライン道路合流860m(14:15/滑降終了/14:25)→駐車場(14:40)=小野川温泉

<天候:霧昼頃一時薄日、のち雪> ETC深夜割引を使うため少々早めの出発。先週走ったばかりの東北道を北上し、順調に福島飯坂ICから国道13号に入り天元台スキー場に到着。ロープウェー始発1時間前のため駐車場はガラガラ、スキー場従業員よりも早く着いたようだ。でも、始発に乗り込んでみると他のスキー客は6名のみ。いくら平日といってもあまりの客の少なさにびっくりである。バブル期には、このロープウェー始発に乗るために整理券を配っていたのに。
 ゲレンデは濃い霧でほとんど視界なし、気温−3℃。最初のリフトに乗り、縦に3本つながる中間リフト乗り場に行くと、係員から「除雪中で30分以上は動かない」と。仕方がないので、ベースまでいったん滑り休憩所で待機することにする。しばらく待たされた後、閑散とするリフトを乗り継ぎゲレンデTOPでシールを付ける。
 霧はいくぶん薄くなったが、視界は相変わらず30m程度。数年前まで毎年のように通った西吾妻山であるが、目標物のない平らな稜線はちょっと気分が悪い。要所に立ててある旗竿を発見すると気持ち的に安心する。時折指す薄日に大雪原の樹氷が浮かびあがる。素晴らしい景色だ。天狗岩から南南東に若干下り気味に進むと吾妻小屋の屋根が前方に見えた。1階が埋もれているため2階から入る。約10年振りの再訪であるが、まったく変わっていない。お茶を沸かし昼食を取る。
 2人とも今日は「滑り」に来たため、西吾妻山頂にこだわりはない。低気圧接近前の少しでもよい条件のうちに若女平を目指すことにする。滑降する若女平への尾根西側の沢が判別できないため、1930mまではシールで進む。この時に雲が切れ、左に1890mの顕著な尾根と奥に西大填が見えた。地形の確認ができたため、あとは滑り込むだけである。
 最初はオオシラビソの狭い樹林を滑ったため少々ストレスがたまったが、そのうちに樹林の間隔が空いた沢に出たため気持ちよく滑る。気温が高いためパウダーとはいかなかったが、なかなか楽しかった。この一番おいしい斜面を滑った約30分ほどだけが唯一視界が良く、とてもラッキーであった。1600mから所々沢に穴が開いていたため、右岸をトラバース気味に滑る。下手して落ちたら大変である。1500m付近で尾根上に上がる。ダケカンバ生える若女平はとても気分の良い平坦地だった。締まり雪のため、スキーもよく滑る。
 ところが、標高が1300mを切ると急に雪質がモナカ状に変化し、最悪となった。右に雪庇を張り出した狭い尾根は慎重に下り、1042mから藤右エ門沢に落ちる急斜面はグサグサの腐れ雪となり、全身を使った気合いターンで滑る。2人とも汗びっしょりとなってしまった。植林帯を過ぎるとたっぷり雪の積もった藤右エ門沢に架かる橋を渡り、吾妻スカイラインに滑り込むと同時にあられが降ってきた。
 スキーを担ぎ車道を登って車を回収、今日の宿がある小野川温泉に向かう。宿の内湯に入る前に共同浴場尼湯で体を温めて、ホッと一息つく。やっぱり冬の温泉はいいですね。明日もがんばろう。

2/19〔日中飯森山〕 小野川温泉(8:30)=大峠トンネル出口P670m(9:00/9:20)→
 鉢伏山南東尾根1000m(10:20/10:30)→1400m(12:20/昼食/12:40)→
 1462m(13:00/13:20・滑降開始)→P670m(13:50)=熱塩温泉=喜多方=東北道=北本

<天候:曇りのち雪> 日中飯森山は飯豊連峰と吾妻連峰の中間に位置する標高1595mの小さな山である。関東の人間には馴染みのない山であるが、スキーアルピ二ズム研究会の会報誌「ベルクシーロイファー」にはブナ林が素晴らしいと紹介されている。粉雪滑降を期待して目指すことにした。
 米沢から喜多方に抜ける大峠トンネル福島県側が登り口である。うまいぐあいにトンネル入口に休憩用の駐車場があり、そこに車を停める。脇の雪壁をよじ登り、美しいブナ生える尾根に取り付く。いきなりの急登である。低気圧の暖気で気温0℃、汗が一気に噴き出す。谷合いからは雪崩の爆音がこだました。この鉢伏山南東尾根は、100mの急登、100m緩い傾斜、また100mの急登と交互に現れる。それも斜度30度以上とかなりの急傾斜だ。最初の標高700〜800mの急登は左側から、次の900〜1000mの急登は右側から、1200〜1300mの急登は右側から登ると若干斜度が緩いようだ。標高を上げるとラッセルも加わり少々苦労した。それでも終始広い間隔のブナ林が続いていて、快適な山スキー向きの尾根である。ほぼ50m間隔で赤布がつけられていたため、地元ではかなり登られているようだ。
 1360mから尾根が狭くなり東北東に雪庇張り出すナイフリッジ状となるが、南側から巻いていく。このナイフリッジは、標高1300m付近から北側にトラバース気味に巻き、1462m斜面下に出る方が良さそうである。下りの時もその方が危険が少ないと思う。
 ナイフリッジを越えたところで昼食を取る。これまで見えていた喜多方の街が見えなくなり、南からの風も出てきた。関東に雪を降らせた発達中の南岸低気圧が接近し、いよいよ会津の山も本格的に荒れそうである。急いで昼食を食べて、1462m直下の急斜面に取り付く。雪はさらに深くなりラッセルがしんどいが、その分滑りが期待できそうだ。雪庇の切れ間から1462mの尾根に這い上がる。
 前方に見えるはずの日中飯森山の前鋭鋒・鉢伏山はガスに隠れてまったく見えない。この場所からは距離約750m、標高差100mほどであるが、右手に大きな雪庇を張り出している。飯森山はコルを越えてさらに奥に行かねばならない。この1462m尾根まででも急登の連続でかなり登り応えがあった。一般的に厳冬期の飯森山山頂に立つためには、山頂直下
1400m平坦地にテントを張るようである。「ふくしまの山50」に載っている飯森山山頂付近の残雪期写真を見ると、いくつも大きな雪庇を張り出させている。豪雪の山なのであろう。隣の飯豊や西吾妻に比べれば小粒な山ではあるが、東北の山の良さを凝縮したなかなかの名山である。
 雪も降ってきた、さぁ滑りましょうか。急斜面に飛び込むと、予想どおり深雪は気持ちよかった。さらに急斜面が続いていく。やっぱりブナ林滑降は最高ですね。しかし快適だったのは標高1000mまでで、そこから下部は雪が腐り始め、モナカ雪に苦労する。道路上の急斜面100mは雪面もガタガタで悲惨な状態であった。昨日に続き、最後は汗びっしょりとなって滑降終了となる。標高差800mの登りに3時間20分、下りは30分であった。
 すぐに熱塩温泉に直行し、治療湯で名高いお湯に浸かる。途中で偶然見かけた、廃線・日中線の終着駅で保存してある熱塩駅を見学し、最後に定番の喜多方ラーメンで満腹となり、帰路に着いた。                        

西吾妻-1 重パウダー

重パウダー Skier:木下