山スキー記録    熊谷トレッキング同人

アイスバーンと雪煙の乗鞍岳
南雲 芳夫



山  域:北アルプス・乗鞍岳(長野県)
期  日:2005年3月19日(土)〜20日(日)
参 加 者:CL宮田 SL青木 浅見、南雲(計4名)
行動記録:
3/19 熊谷(4:00)=乗鞍高原休暇村駐車場(8:00)=スキー場TOP1990m(10:00)
 →位ヶ原直下幕営地2330m(11:00/幕営&昼食/12:35)
 →摩利支天岳東方ピーク2790m(14:35/14:50)…滑降…位ヶ原山荘上2450m(15:10)
 →トラバース後アイゼンで約30m直登→位ヶ原2470m(15:40)→幕営地(16:08)

 事前の天気予報では移動性高気圧に覆われることが予想され、期待が大きくなる。当日、二日酔いでまだ寝ていた青木君を最後に拾って一路、乗鞍高原へ。途中に見上げた常念岳も麓から雪煙が見え、乗鞍高原についても冷たい風が吹いていた。見上げる稜線は雪煙を上げている。幕営用の重い荷物はリフトに乗るのに荷物代を1人分余計に取られた。 ゲレンデトップからはツアーコース用に針葉樹林が切り開かれており、ルートは明瞭。スキー、スノーシュー、わかんと各種の足準備のパーティがおり、にぎやかである。ルートは、当初急な斜面があるが、その後は緩斜面が続く。春の日差しに東面の登りで、照り返しで顔が熱い。2300mに平坦地があり、そこから先に行った2330mの樹林帯の中に幕営。これ以上登ると森林限界を超えてしまう。
 幕営後、体調不十分の青木君はあとから登って合流すると言うことで3名で出発。若干の急斜面を越えると広い位ヶ原の雪原に出る。まれに岳樺。ところどころにカーブミラーの頭部のみが雪面に飛び出ている。風は徐々に弱まる。快晴であるが、穂高だけが雲をかぶっていたが、時に奥穂、槍が頭を覗かせる。
 約2時間弱の登りで、摩利支天岳と富士見岳の間の2790mのピークに。ここから東側の広い緩傾斜の斜面を思い思いに滑る。その後、沢状近いに入り、位ヶ原山荘をめざして滑る。積雪は既に固まっていたが、その上に、さらさらの新雪が乗っている。新雪さらさらの斜面、それが一部風でとばされたシュカブラ、完全にとばされているバーンの斜面と条件が変化するが、総じて、さらさら雪の上で楽しく滑り、あっという間に位ヶ原山荘の上につく。
 さらに下る斜面を探して東側の急斜面にトラバースするも、カリカリバーンで急傾斜となり、結局アイゼンに履き替え、位ヶ原に登り返し待ち合わせをしていた青木君と合流。その後は、ツアーコースを幕営地にひと滑り。
 雪で作ったテーブルで乾杯をしたが、陽が沈むと共に急激に気温が低下し、水筒の水が見る見る凍っていく中、冷えたビールを飲み、体が内と外から冷えた。



3/20 幕営地2330m(7:45)→肩の小屋2760m(9:20/9:50)→朝日岳2970m(10:40/11:00)
 →乗鞍山頂・剣ヶ峰3026m(11:20/11:35)→朝日岳2970m(11:45/昼食/12:05)
 →肩の小屋(12:25/12:55)…滑降…幕営地(13:15/撤収/14:25)→スキー場休暇村前(14:43)

 夜間はさほど冷えなかった。朝焼けがきれいだったが、出発する頃までには高曇りとなってしまった。しかし視界は良好。粉雪を求めた昨日とは異なり、今日は山頂をめざして登り始める。
 位ヶ原に登ってからは、真っ直ぐに肩の小屋をめざす。高度を上げると、風が強くなる。肩の小屋では雪煙が待っている。ここからはスキーをデポしてアイゼンに履き替えて、登る。朝日岳と蚕玉岳の間の沢状地形を登るグループもあるが、朝日岳へそのまま稜線を突き上げるルートを取る。雪も固く、斜度も出てきて、ピッケルが欲しいところであった。一番厳しい斜面で宮田君のアイゼンがはずれるというハプニングがあり、ヒヤリとさせられる。朝日岳の山頂付近では、まっすぐ立っていられないほどの風に吹かれる。
 朝日岳ピークで息を整え、小休止後、稜線どうしに山頂に至る。山頂からは、南アルプス(赤石から甲斐駒)、中央アルプス全景、八ヶ岳、浅間、槍穂高から白馬、剣、白山、御岳とまさに360度の展望である。しかし、如何せん風が冷たく、早々に下山。
 このピークには、スキーを担いで登るガイドツアーらしきグループもいるが、他方で、アイゼンを履いた確保者にザイルで結ばれてはいるもののアイゼンもつけずに登っているパーティもおり(見ていて怖かった)、いろいろであった。
 肩の小屋からは、待望の滑走である。やや北よりの摩利支天下の斜面をそれぞれが快適に滑走する。さらさらの新雪の斜面は滑りやすいが、たまにがりがりのアイスバーンの地が出てくる。しかし、前日同様快適に滑走して、あっという間に位ヶ原に着き、さらに幕営地へとつく。
 ビールで乾杯の後、テントを撤収。重い荷物で、2日間のスキーヤー滑走でスキー場のようになっている切り開きを快適に滑走し、さらにスキー場から駐車場への滑り降りた。
 サラサラ斜面の滑走と、3000m峰の登頂という目的を達して充実した山行が終了した。麓の温泉で汗を流す頃には雪が降り出し、稜線はガスに隠れていた。だだっ広い位ヶ原が吹雪になっているだろうと想像しながら露天風呂に浸かった。     

乗鞍岳-7 烈風の山頂に立つ

乗鞍岳 烈風の山頂に立つ




槍・穂高連峰の大展望が拡がる