山スキー記録    熊谷トレッキング同人

尾瀬・景鶴山山スキー、敗退の記

山域山名:尾瀬・景鶴山(福島県)
期  日:2007年4月26日(木)
参 加 者:CL宮田 SL木下 栗原昌(計3名)

行動記録:循環器センター(5:00)=鳩待峠(7:15/7:45)〜山ノ鼻(8:30/8:50)→
 ヨッピの吊橋(10:05/10:30)→ケイズル沢1550m(11:05/11:30)〜ヨッピの吊橋(11:45/12:30)→
 山ノ鼻(13:30)→峠下1480m(14:10/14:20)→鳩待峠(14:45)=循環器センター

 尾瀬ヶ原からひょっこり頭を持ち上げている景鶴山。至仏山、燧ヶ岳と百名山の影隠で目立たない山であるが、夏道はなく残雪期しか登れない渋い山である。例年より早く鳩待峠の林道が開通したので、日帰りでアタックしてきました。

 午前7時15分に鳩待峠着。気温は4℃、早くも予想外の小雪が舞っている。装備をザックに詰め、尾瀬ヶ原に向かって滑降開始。樹林で残雪は1mと思ったより多い。アヤメ平からの枝沢も少し口を開けていたが、すべてスノーブリッジをスキーで越える。尾瀬ヶ原も一部水辺を除いて真っ白、積雪も70pほどもある。至仏山頂はすでに雪雲に覆われていたが、ムジナ沢の全容は見える。次は快晴の空の下で、本邦屈指とも言えるこのムジナ沢を尾瀬ヶ原に向かって滑ろう。

 尾瀬ヶ原のどこを歩いても問題ない。ただし、小さい沢が蛇行していて、ショートカットしようとしたら沢が渡れず、結果的には遠回りとなってしまった。時間ロス、急がば回れである。ヨッピの吊り橋までノーシールでノルディッククラシカル走法で進む。尾瀬ヶ原のような真っ平で雪質がザラメなら、ウロコがなくてもこれで十分。1歩で1m弱も進むのだから、楽チンである。途中の川で板が取り外されたままの鉄骨だけの橋を2回渡る。滑りやすく少し傾いたりしていて、ちょっと緊張。

 ヨッピの吊橋に到着するまで、晴れたり雪が舞ったりとめまぐるしかったが、ここまでは何とか天気はもった。目標のケイズル沢は上部雪面が割れていたが、沢底は雪で埋め尽くされ、何とかなりそうだ。危なくなったら、沢の中間部付近にある樹林の生えている左側尾根斜面をアイゼンで登って、尾根上から山頂を目指そう。左岸側にも滑降にうってつけの好斜面があった。

 長さ20mほどもある鉄骨の吊橋を渡り、景鶴山を目指す。ケイズル沢下部は幅にして約100mほど線を引いたようにまともな木が生えておらず、中間から上部を折られた樹がたくさんあった。表層や全層雪崩の通り道である。沢に入って登っていくと、景鶴山の背後で雷鳴が1回とどろく。早くも寒気の影響が出始めたか。小雪も舞いだし、2回、3回と続けて雷鳴が響く。最後のやつはかなり近かった。今まで見えていた燧ヶ岳が見えなくなり、ケイズル沢を吹き上がる強風が吹き初めた。間もなく、もの凄い湿雪が降り出した。視界も数十メートルに低下、これはやばい。1550m付近の沢左岸側の樹林帯に逃げ込んで、撤退決定。見る見るうちにザックが白くなっていく。樹林も霧氷となり、アッという間に冬に逆戻りだ。

 吹雪のなか滑降開始。まともに滑ったのは約50mで、あとは直滑降で吊り橋へ。吊り橋を渡って昼食を取る。周囲の山は雪雲のなかだが、原まで下りると明るく視界も良い。しかし、時折冷たいアラレが降って寒い寒い。この時期は服装を間違うと、遭難してしまう。体が冷え切って寒いので早く動きたい。

 約1時間で山ノ鼻を通過。峠への道中も、ノーシールで進んでいく。緩い箇所を選んで登り、若干の下りではスイスイと滑れる。これは快適。テレのウロコ板はこんな感じなのだろう。欲しくなってしまった。少しの登りでも滑らないのは、雪面に沈んだ板のたわみと重心の置き方が大きい。これはシールを効かすテクニックのひとつにも近い。結局、鳩待峠の直下1480mまで登れた。ここから板を担いで峠へ。朝、15台くらいあった山ヤの車はすべて下山していた。車に積もった雪を払い、強風のなか撤収する。車の温度計も1℃と、朝より3℃も低下していた。今晩は大荒れのようだ。

 まるで尾瀬ヶ原クロカンに行ったような感じでしたが、景鶴山の偵察もできました。来年、リベンジします。     (宮田記)