山 域:北アルプス・立山(富山県)
期 日:2006年11月25日(土)〜27日(月)
参 加 者:L宮田 浅見、木下(計3名)
11/25(天候:快晴)
扇沢ターミナル(8:30)=室堂ターミナル(10:45)〜雷鳥沢テント場(11:40/13:20)→
真砂岳山頂(15:30/16:00)〜テント場(16:30)

昨年と同じく、アルペンルートの第一便はスキーヤー・ボーダーでごった返していた。少しでも早く室堂に着こうとする静かな争いを続けながら、ようやく室堂ターミナルに到着した時にはぐったりとする疲れが貯まっていた。しかし、駅の外に出ると雲一つ無い快晴で少し気分が良くなる。とは言っても、先日降った雪のために雪面はカリカリとなっており、至る所に雨の流れた縦筋が走っている。ああ、パウダースノーは何処に…
気を取り直して雷鳥沢のテント場へ向かう。雷鳥荘の前から滑り込む時には雪が堅く荷物が重いために緊張したが何とかなった。事前の情報で板を細めで硬い板にしてきたのが良かったようである。意外と賑やかなテント村から少し外れた称名川のすぐ側にテントを設営し、昼食を済ませると真砂岳に向かって出発した。雪面が固いのではじめからアイゼン歩行である。大走の夏道沿いに急登をこなし尾根へ上がると、目の前に岩と雪が混在する雄山の険しい斜面が現れた。雪の着いたルンゼに目を走らせるが、山崎カールを除いて滑降可能な場所はなさそうだ。振り返ると、西方に大日岳方面の大展望が得られた。太陽は西に傾いて谷間は陰に沈み始めている。急がないと暗くなってしまう。少しペースを上げて固い雪面を登っていった。

山頂に立つと剣岳が現れた。険しい斜面のために雪付きが少ない。北に目を向けると後立山の山並みがくっきりと見えた。空には雲の切れ端すら見当たらず、今この辺りは高気圧のど真ん中にいるようだ。西の方では太陽が山の端に近づき、空は赤く染まり始めていた。さて、急いで戻らないと暗くなってしまう。夕日に向かって滑降を開始した。予想通り雪は固く気を抜けない。斜度があるので転倒したら大滑落だ。途中、ヘリコプターが山崎カールの辺りを旋回していた。滑落事故でもあったのだろうか。気温がどんどん下がり始め、雪面の状態はさらに厳しくなってきている。気を引き締めて滑り降りていった。斜度が無くなった所で一息つく。シーズン初めで慣れていない脚の筋肉が悲鳴を上げている。後ろを振り返ると立山三山が赤く染まっていた。
11/26(天候:曇り)
テント場(7:30)→雷鳥沢2650m地点(9:10/9:30)〜テント場(9:50/12:45)→
雷鳥沢の東の沢2400m地点(13:20/13:40)〜テント場(13:50)
朝、テントから顔を出すと雲が広がっていた。稜線はガスの中に隠れている。好天はどうやら終わったようだ。予定では雷鳥沢を詰めて剣沢に滑り込む事になっていたが、クラストした雪面状態と視界の悪さから難しそうだ。モチベーションは上がらないが、とりあえず行けるところまでという事で出発をした。
雷鳥沢は昨日につけられたシュプールとツボ足の跡が固まり、最悪の状態であった。閑散とした谷を横切り、左手の尾根からアイゼン登高を続けていった。とてもシールが効く状態ではなく、置いてきたのは正解であった。途中、ツボ足で下山してくる登山者数名とすれ違う。昨日までの好天で剣の山頂を踏めたのではないだろうか。時々ガスが上がって剣御前の小屋が見えていたが、2650m地点で終了とした。雷鳥沢の中も雪の状態が悪そうなので、登ってきた尾根を下ることにする。荒れて固まった雪面はガタガタでスキーが弾かれてしまう。本当に洗濯板の上を滑っているようだ。とにかく転ばないよう気をつけながら、快適とは程遠い滑降を繰り返して高度を下げていった。
テントに戻り昼食を終えると、浅見さんは下山のため室堂に向かって行った。他の二人は予定より早いが一緒に下山するかどうか迷った。あまりにも雪の状態が悪い事と、天気が下り坂にある為である。しかし、夜に雪が降ることを期待して、計画通りにもう一泊することとなった(後で後悔するのだが…)。暇を持て余した二人は雷鳥沢の右手に見える沢に登り、本日二本目の滑降をした。少し気温が上がったためか表面の雪が緩んでおり滑りやすくなっていた。夜は荒れそうなのでテントの周りに雪のブロックを積み上げておく。残りのアルコールを全て片付けると、明日のパウダーを夢見ながら眠りについた。
11/27(天候:雨)
テント場(9:00)→室堂ターミナル(9:55)=扇沢駐車場(12:20)
細かい何かがテントを激しく叩く音で夜中に目が覚める。何たることか、外は土砂降りの雨である!翌朝、腰の高さまで積み上げておいた雪ブロックが、ほとんど溶けてしまっていた。水を含んで雪はグサグサ。こうなってはスキーどころではない。雨が小降りになるのを待ってテントを撤収。寂しく雷鳥沢を後にした。今日は月曜日。室堂ターミナルは人影もまばらであった。貸し切り状態のアルペンルートで扇沢へと戻った。 (木下記)
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