山スキー記録    熊谷トレッキング同人

春霞の日白山
アルバム

山域山名:谷川連峰・日白山(新潟県)
期  日:2008年3月12日(水)
参 加 者:L宮田 木村、栗原昌(計3名)

行動記録:循環器センター(4:30)=二居宿場の湯820m(6:50/7:30)→二居峠1010m(8:10/8:20)
 →1250m(9:10/9:20)→東谷山1553m(10:15/10:40)→日白山1631m(11:20/12:10)
 〜林道1040m(12:55/13:10)〜二居神社830m(13:35)→宿場の湯(13:40)

 二居集落南端にある町営の共同浴場・宿場の湯に車を置いて出発。この温泉、なんと朝7時から開いていて出発準備をしていると入浴客が入っていった。東谷山稜線に取り付くには、二居スキー場跡から稜線にある鉄塔に登り上げるルートと、遠回りだが二居峠を経由するルートがあるが、前者は見るからに急峻で消耗が激しそうなので、斜度の緩い二居峠ルートを取る。

 集落のメインストリートをスキー板担いで歩いていると、7時30分はちょうど小学生の登校時間。すれ違った2人の子供から「おはようございます」と挨拶され、大人のこちらが戸惑ってしまう。平日の朝から山に向かうオヤジ達をみて挨拶とは、田舎は昔と変わらずしつけがしっかりされているのか、それとも厳しい自然が子供の心も磨くのだろうか。

 集落の一番北側に二居峠→の看板があり、民家脇の除雪最終地点が峠への入口である。先週末のトレースがあった。登り初めてふたつめのヘヤピンの先に半分くらい雪で埋まった鳥居があった。峠までの下半分は針葉樹、上半分は広葉樹帯で、厳冬期にも滑れそうだ。二居峠には立派なあずま屋があった。濃霧で日射はないがすでに気温は0℃以上、暑いのでヤッケを脱ぐ。

 ここから南側に雪庇が張り出した狭い尾根上を登る。北側も波打った急斜面で非常に登りづらい。この尾根、樹林が尾根上までしっかり生えているのに雪付きが非常に悪く、南側には立派な雪庇ができている。真冬の季節風がまともに強く吹き抜けているのだろう。今日は春の濃霧が立ちこめている。途中からその濃霧が消えさらに暑くなったので中間着も脱ぎ、額にはバンダナを巻く。

 狭い尾根の急登も1330mまでで解放され、ここから上部は美しいブナ林帯の別世界へ。尾根上のブナの幹は陽光に照らされ、霧氷が輝いていた。西に延びる広い尾根はおそらく素晴らしいパウダールートでしょう。天国へ続くような斜面を登ると東西に広い東谷山へ。これから目指す日白山の北斜面は、☆☆☆☆☆のヨダレがでそうな好斜面が広がっていた。厳冬期にここを滑るためには…。

 いったん80mほど鞍部まで下り、大きな雪庇張り出す快適な雪稜を登ると、日白山山頂に立つ。南側には青空の下にたおやかな谷川連峰の大展望!のはずが、今日はすっかり春霞がかかっている。それでも万太郎山西面や仙ノ倉・平標山北面を間近に眺めながらゆっくりとランチタイム。西にはテーブル状の巨大な山塊苗場山と神楽峰も遠望できるが、かぐら中尾根もずいぶんと明るく見える。10日前までの厳しい冬はどこへやら、もうすっかり春山である。土樽からの冬山入門バリエーションルートのタカマタギからの坪足トレースが1本、南側尾根にもスキートレースがあった。

 この日白山は私自身にとっては特別な山である。初めて登山靴を履いた高校1年生のGW新人歓迎合宿、小松沢と毛渡沢出合に幕営して雪上訓練をした山で、高校3年の時にはナガツル尾根を登ってこの山頂に立ったのは、もう23年も前のことである。

 気温もだいぶ上がったので、北面滑降は次回ということにして雪が腐る前に二居までの斜面を滑り降りてしまおう。山頂直下の無木立急斜面は安全に南側へ30mほどトラバース、樹林帯に入ってから地王堂川源頭に向かって滑り出す。地形図ほど斜度も急に見えず、ブナの広い原生林で幹間とも申し分ないが、出だしから雪質は春の重重腐り雪。ターンすると雪玉がアンモナイト状に転がり出して、直径80pほどになると崩壊を繰り返す。ターンするのも大変で、5ターンもすると汗が噴き出す。これが粉雪だったらどんなに気持ちいいだろうか…。それでも1240mの沢底に滑り降りるまで、斜面は良かった。是非、パウダーシーズンにまた来よう。

 右岸側からの雪崩を警戒しながら標高を下げ、地形図にない1050m辺りにある堰堤を左岸側からひとつ越える。右岸側からの小沢を通り抜けて林道上にトラバース。振り返ると見上げる日白山ははるか彼方に見える。この林道、トレースなくても斜度があるのでスイスイ滑れる。870m地点で除雪終点へ。それでも林道の左右側と雪上をスキーで下る。二居集落東側の神社鳥居をすり抜けて、メインストリートの民家の軒先に出てスキーを脱ぐ。

 人里と雪山が近い、最後まで上越の山の雰囲気を満喫した。100mほど車道を歩けば宿場の湯。そのまま温泉に浸かるご褒美付き、久しぶりに登った日白山はとてもいい山でした。         (宮田記)