北大 山スキー部山行報告書

記入者 小河健伸

目的:春の沢滑り

目的地:北大雪、ニセイカウシュッペ 地図:ニセイカウシュッペ2万図

期日:1998年5月2日〜5月5日 行動3、停滞1、計4日

人員: L 小河健伸 北大山スキーX 熊高山岳部H5年度卒

現在北大農学部農業工学科4年

SL 藤当雄治 北大山スキーV 北大文学部西洋哲学専攻3年

Es 薮内かおり 北大山スキーU 北大獣医学部獣医学科2年

Eq 松倉隆一 北大山スキーU 北大水産学部2年

SN 臼井大輔 北大山スキーU 北大水産学部2年

計画

装備 共同:エスパース一式、スベア一式、ガス、なべ×2、手なべ、医療、修理、無線、ノコ、スコ×2、

個人:サマースキー標準(ゲレンデ靴、ゲレンデ板)+山靴、EP(アイゼ ン、ピッケル)

 

実際の行動

5/2

札幌(5:30)=旭川=清川(10:00,11:00)―C(11:40)

典型的なメイストームの襲来で全道的、全国的に大荒れの空模様。 降りしきる雨の中、リーダーの愛車で層雲峡のちょっと手前の清川までドライブ。清川の街は噂どうり全て廃屋で、電話は層雲峡方面へ車で5分のドライブインが一番近いでしょう。林道途中のゲートに車を置き、雨にも負けず、がんばって行けるところまで行こうとするも、40分でヌレヌレになり、やる気を失いリタイヤ。テントは5人用のエスパースだが、間違えてスタードーム用のフライを持ってきてしまい、テント内も不快。

夜ラジオを聞くと道内全域に大雨警報が出ていたが、明日には回復するようだ。

 

5/3

C(5:00,7:20)―C1371BC(11:00,11:50)―1533ポコ超えて(13:00,14:10)内スキー(13:15,14:00)―BC(14:20)

朝5:00はすでに明るく、雨も上がっていた。当然のように夏道が出ており、長靴はいてGO。冬使うルートは地図には途中まで道がついているように書いてあるが、実際には踏跡すらないササブッシュだった。夏道は問題ない。尾根取付きは崩壊しているが、ロープが張ってあり、つかんで行く。チャカチャカ登って台地上に出ると、なんと車も通れるほどの林道になっていた。・1137くらいからやっと雪が出てきて、GWの山らしくなってきた。が、見えてきた西尾根には全く雪がなく、こりゃあ困った。

・1371の見晴しのいいところに張って、ちょいと夏道を偵察に行く。夏道も南側には全く雪が付いていないが、北側にはべっとりと付いており、そのコントラストがすばらしい。西尾根はハイマツのじゅうたんだ。全く行ける気がしない。白く抜けているスロープを1本滑って沢まで降りる。沢には下りられるが、下の方では口を開けて滝が顔を出していた。もし落っこちたら這い上がる所がないので助からんだろう。しかしここより上には沢が割れていそうなところはないので、明日は上から滑って帰って来られそうだ。

登り返してブッシュをよけながらトラバース気味に帰る。

 

5/4

BC(4:00,6:25)―1533(7:20,7:35)―1742手前(8:05,8:10)―1743捲き終わり(9:00,9:15)―PEAK(9:55,11:00)―「ニセカウカール」スキー(11:25,12:20)―西沢上(12:30)―「日高」の隣りスキー(13:05,13:35)―BC(15:00)

放射冷却で冷え込み、長靴では無理そうなので山靴にEP持って行く。右手には大雪の山並みがでかでかと見える。雪解けが1ヶ月早いようですね。尾根上のうっとおしいブッシュをよけつつ行く。1742だけ硬くて急なのでEPで。登るにつれて夏道尾根と西尾根の間の沢に細長くルンゼ状に雪が残っているのが見えてくる(写真の白いところ)。おお、これは行ける!と確信するとだんだん興奮してきた。大槍からは全く雪がなくなり、夏道になってしまったのでツボ。これじゃあ全くスキー縦走だよ。夏道がある山にきて大正解だと思う。

広めのPEAKにはハイマツの海が広がり、そこに身を投げ出して太陽光をいっぱいに浴びるとなんとも気持ちいい。2日前にグチョグチョになってしまった靴も靴下も脱ぎさって、しばし日光消毒する。

さて、そんじゃあスキーでも、ということでニセピークから東を覗きこむとニセカウと軍艦山に囲まれたカール状の真っ白なスロープが広がっているではありませんか。準備でもたつくメンバーをせかせて「早くすべろうよ」を連発する。ストレッチをしてエイヤッと飛び出す。標高差300m、まさに「ザラメのカールを飛ばそうよ」といった豪快スキー。沢が顕著になる地図の切れはしまで滑ってしまった。登り返しが結構時間をくう。帰りのことは考えずに軍艦に突っ込んで行くこのスロープの名を「ニセカウカール」と命名する。

もう一本滑りたかったが時間もないので今度は西沢へ。ちょっとハイマツの上を歩いてスロープの上まで行く。大槍から見ると相当急だったが、実際は大した事ない。まあいつもそんなもんだ。気合を入れて谷底に向かって滑り出せ!まず滑り出し30mくらいにあるちょっとした段差をクリアー。C1550付近で2ヵ所雪が解けていて沢が出ているところがあったが、ちょっと板を脱いで捲く。あとは快適沢滑り。最広幅10m、最狭幅4m、長さ1000m、標高差450m、平均傾斜角20度くらいのほそながーい沢筋。「ニセカウカール」とは一味ちがった興奮スキーになりました(写真は先頭切って滑り出すサブリーダーの藤当。左手は1742峰、右には大雪の山が見える)。

時間があったのでスロープ「日高」の隣のスロープで1本滑ってから、昨日のステップを使って帰る。尾根を歩いて沢を滑る、なかなか理想的な山行となりました。ちなみに一日中快晴無風のまさに五月晴れ、GWを満喫した1日でした。

5/5

BC(3:30,5:50)―清川下山(8:30)

西尾根は行けないのでもう下山。渋滞を予想して朝一で帰ることにした。・1137までは無理やり滑ったが、それを越えてからはスキーを脱いだりまたはいたりなのですぐにあきらめてスキーを担ぐ。下りはらくチン。あっという間にお車まで。ごくろうさまでした。

帰りに「層雲峡国際ホテル」で風呂に入ろうとしたらあまりに汚い格好だったからか、掃除中といわれ断られてしまった。しかたなくロープウェイ下の共同浴場「不老の湯」で汗を流す。まあ分相応といったところか。

 

反省感想

薮内 ×登り返しで滑落

×毛帽子持って行かなかった

×荷物把握いまいち

松倉 ×なし

臼井 ×なし

藤当 ×なし

小河 ×トレペわすれ

×反省会遅刻

 

総括

今年は記録的な小雪、雪解けの速さで山は真黒け。「GWの時期ならニセカウは滑りまくりだ」と計画段階では息巻いていたが、西尾根はほとんど雪がなく、スキー量としては寂しいものとなってしまった。しかし、夏道のある山だったのと、かんじんな所には雪があったことで救われた。また、おかげで雪崩の心配なく西沢が滑れてまあ満足。あと1m雪が残っていれば西尾根もスキー可能で行動範囲が広がっただろう。

平年並みのGWとはならなかったが、とにかくこの時期のニセカウに初めて行って、なかなか収穫があったのではないだろうか。見た所、「ニセカウカール」の反対、南側の沢型は、今回でもけっこう雪が残っていて、斜度も急でスーパースキーも可能。PEAKの北の沢型もなかなかすごそうだし、西尾根の北面も雪が残っていた。日程があれば軍艦山を越えて有明、天狗方面に行くのも面白いかも。軍艦山は無理に上行かんでも、滑って向うに登り返せば良い。

いろいろプランは浮かぶでしょうが、GWに小粒でピリリと辛い山行としてちょっとオススメな山域です。