埼玉県熊谷市の山岳会 海外トレッキング、登山、山スキーなど幅広く活動しています。
上越 那須
【山スキー】尾瀬西山右の俣沢・江戸沢滑降 2025/1/13
尾瀬西山山スキー記録
2025年1月13日(月)合宿2日目
行動 「湯の宿 松かぜ」8:00=ホワイトワールド尾瀬岩鞍8:20→ゴンドラ山頂駅9:00/9:15→
西山山頂(1898m)10:30/10:45~西面・右の俣沢(1700m)11:10/11:20
→西山南西ジャンクション(1840m)11:50/12:10~江戸沢源頭斜面(1460m)12:50/13:00
→西山ゲレンデ(1460m)13:15/13:20~レストラン「ホルン」13:30/13:40
~スキー場ベース14:10=「湯の宿 松かぜ」14:30=川本17:00
「湯の宿松かぜ」は片品の集落の中で奥まったところにあるがリーズナブルな料金で食事と温泉がいい。スキー場までバスで送り迎えしてくれるので駐車場代もかからない。ゴンドラ営業開始前にスキー場に着くもすでに行列ができている。チケットを買って入山届を出す人と列に並ぶ人を分担する。すぐ前には外国人スノーボーダーのグループが並んでいる。ゴンドラが動き出せばすぐに行列も解消し9:00には山頂駅に着いた。ここは地形の影響かいつも風が強く寒い。建物の陰で風を避けながらシールを付ける。寒いのでヘルメットの下に目出帽をつける。人は多いが山に入るグループは我々だけのようだ。
はじめは最終リフト降り場までスキー場連絡コースの端を登る。ここでビーコンの確認、リーダーがメンバー3名のビーコンが作動しているかをチェック、その後サブリーダーがリーダーのビーコンをチェックした。リフト降り場の手前から尾根にとりつく。前日のトレースが残っている。尾根上は適度に樹林で風は気にならない。積雪量は多い。約1時間で西山山頂。シールをはがすため板を外すと膝上まで沈む。ディープパウダー滑降への期待が高まる。準備が終わるころ後続者が一人到着。
山頂から西へ右の俣沢へ滑り込む。はじめだけシラビソ林が濃いがすぐにブナの疎林になる。パウダースノーを舞い上げてスキーに加重し、跳ね返ってくる力を使って体をフォールラインに投げ出す。沈んで浮き上がるリズムが心地よい。脳内に快楽物質ドーパミンが放出される。この快楽を知ってしまうともう元には戻れない。パウダー中毒である自分を再認識する。リスクと快感を共有する仲間がいることもうれしい。みんなの笑顔がパウダー中毒の証だ。
標高差200m滑ると谷が狭くなるので登り返す。滑った斜面ではなく登った尾根の屈曲点を目指す。快適な滑りと次の斜面への期待で登りも苦にならない。ピタリと目標地点についてシールをはがして昼食。ここからシラビソ林をトラバースするように滑って江戸沢源頭の疎林帯にでる。こちらは標高差が400m弱あり滑りごたえあるコース。前回は左側の尾根上の小ピークの手前の沢状を登り返してゲレンデに復帰したが今回は石川さんの案内で沢の上の斜面をほとんど水平移動でゲレンデに出た。自由にルートを決められることは雪山登山の醍醐味だ。今回の登り返しのルート取りは効率的で気持ちいいものだった。
西山ゲレンデ唯一のレストラン「ホルン」でまったりする誘惑もあったが、帰りの渋滞が予想されるのでトイレ休憩のみとする。ここで山頂で会った単独の人から声を掛けられた。地図を出してどこを滑ったかと聞かれる。脳に快楽物質が残っていたのか笑顔で「右の俣沢いいよ」と答えた。今、冷静に考えるとあまり他人には教えたくない斜面である。自分たちだけの秘密のコースであってほしいと願う心の狭い自分がいる。まあ、一人で西山まで登ってくる人にだったら教えてあげてもいいかと納得する。
ゲレンデ下には宿の送迎バスが待っていてくれた。宿のおばあちゃんが風呂をすすめてくれてありがたかったが、やはり渋滞を気にしてお断りした。そのかいあって17:00には川本に着いた。雪と仲間と宿に恵まれ楽しく充実した2日間だった。 浅見記
【山スキー】根子岳 2025/1/26
根子岳山スキー
山 域:根子岳(長野県)
登山形態:山スキー
日 程:2025年1月26日(日)
参 加 者:CL木村 SL石川 橋本 浅見 駒崎
行動記録
8:55根子岳登山 峰の原ルート駐車場(標高1500m) →9:22料金所 →10:25根子岳避難小屋 →11:31小根子岳分岐 →11:43スノーキャット終点 →11:52/12:42根子岳(2207m) →12:56小根子岳分岐 →13:22/13:50根子岳避難小屋 →14:02料金所 →14:22根子岳登山 峰の原ルート駐車場
<天候:雪時々曇り>
朝5時30分に深谷市川本を出発。高速道は順調に流れ上田菅平ICから一般道を菅平へ向かう。菅平エリアの一番奥にある峰の原高原(実際は須坂市仁礼)のこもれび広場に到着。ここは無雪期の根子岳登山者の駐車場になっていて、登山届用のポストとトイレがある。トイレは冬季閉鎖されていて使えなかった。
峰の原スキー場は経営主体が変わり現在は「ニンジャスノーハイランド」と名を変えている。駐車場はスキー場上部のペンション村のなかにあり、15分程その中の車道を歩き、夏道の登山道入り口をやり過ごして渋谷区の山の家の玄関先でスキーを装着する。すぐに菅平牧場のゲートがあり、無雪期は大人300円ほどの料金がかかるようだ。
牧場の有刺鉄線柵に沿って左に雪に埋まったゴルフ場、右に菅平牧場・奥ダボススキー場を見ながら進む。後でこの有刺鉄線柵の鉄製支柱に手痛い目に合うのだがこの時は知る由もない。標高でスキー場のリフトの頂上と同じ高さになるころ牧場内の雪原に入る。リフトまでの距離は200mぐらいか。我々と同じように根子岳を目指す人々がちらほら登って来ていつしか合流する。スキーヤーが半数以上、ついでスノーボーダー、ツボ足(スノーシュー、わかん)の登山者。
奥ダボススキー場にはスキーヤーを雪上車で根子岳山頂付近まで運んでくれる「スノーキャット」というサービスが2シーズン前まであったが雪不足、人員不足等で現在は運航中止。その名残りで雪上車が通れる切り開かれた道が山頂付近まで続いている。峰の原から夏道もほぼそれに沿っていて、冬季も同じルートで登って行く。時折薄日の挿す瞬間があり、時間にして1分も続かないが、雪原と木々の枝に着いた雪の結晶が輝くさまはいつ見てもきれいだ。
途中2度ほど休憩をはさみ、スキービンディングの登高補助モードを最高にして何とか登りきった頃(木村さんは終始フラットのまま)スノーキャットの終点(雪上車の回転場所)に着く。ここから標識に沿って南東方向に向かうと祠のある山頂である。拝礼し皆で写真におさまり、林間の風の避けられる場所で昼食とする。
食後いよいよ滑降である。固い雪の上に軽い新雪が15㎝ぐらいの状態でした。過去の根子岳、四阿山エリアでの個人的な経験ではかなり上等の部類です。この辺りは雪が少なく晴天率が高いので雪面がカチカチになることが多い。滑り出しで吹き溜まりにスキーの先から突っ込んだりしたものの、その後はより慎重になってほぼキャット道の左側の新雪を楽しむ。メンバーも思い思いのシュープールを刻んでいく。登りの時はやり過ごした根子岳避難小屋で休憩した。入口のシャッターをあげて中に入ると10畳ほどの内部には丸太ストーブと燃料用の薪がうず高く積まれていた。
休憩後、最後の滑りで雪に隠れていた牧場の柵の鉄柱にスキー板を乗り上げ引っ掛かって派手に転倒。体は何ともなかったもののスキーのソールが30㎝にわたり傷つき、一部芯材が露出する事態になる(涙)。
反省:ビーコンチェックをしなかったこと。ビーコンの電源を入れ忘れていました。すいません。(石川記)
【山スキー】松手山 2025/2/2
松手山・山スキー記録
山 域:平標山系・松手山(新潟県)
登山形態:山スキー
日 程:2025年2月2日(日)
行動記録:川本(5:30)=火打峠駐車スペース (8:00)→元橋別荘地入山点965m(8:35)→
松手山山頂1614m (12:30/13:20)→入山点(14:10)→駐車スペース(14:35)=川本(17:00)
参 加 者: L浅見 駒崎 木村 3名
平標山の前衛の松手山は2021年の1月に初めて入山したとき頂上直下までせまるも時間切れで打ち切った場所である。今回はぜひ山頂までと思い集合時間を30分早めて再挑戦である。また登りのルートは沢の中心部ではなく左岸の斜面を登ることとする。
国道から二居川を渡り元橋別荘地を北へ歩く。積雪は豊富だが2月にしては気温が高い。杉の植林の斜面から入山。わずかな登りで落葉した広葉樹林にでる。ここで沢の底に降りずに高度を保ちながら右寄りにルートをとる。樹間の空いているところを繋いで登る。松手山南西のコブ1600mで稜線に出る。南東側に張り出した雪庇に気をつけながら山頂に着く。南西側に苗場スキー場が見える。東側の平標は山頂がガスで見えないが3人分のシュプールと上部に雪崩の破断面を確認できた。春のような陽気の山頂でランチタイム。
滑降前に少し降りたところでピットを掘って雪の状態を観察する。衝撃を加える力を徐々に強めていくと肘からの強さで上から20㎝くらいの層がずれる。弱層の上に昨日今日の湿雪が乗っている。雪崩のリスクがあるのでお互い目視できる範囲、3~4ターン程度で区切りながら滑ることを確認する。オープンバーンを滑っても止まる場所は木の下に回り込んでリスク軽減を図る。山頂直下はしっとりパウダーを楽しめた。高度を下げると滑った後、上部の湿雪が雪だるま状に大きくなりながら転がり落ちていく。やがて雪が重くなり操作が難しくなる。ケガをしやすい雪質なので慎重に滑る。最後は杉の植林を抜けて道路に降りる。
滑りは快適とはいかなかったが4年越しの山頂を踏めたので充実した山行だった。
(浅見記)
【山スキー】鹿俣山矢後沢 2025/1/12
鹿俣山夜後沢
山スキー&ビーコン訓練
山域山名:鹿俣山(群馬県)
期 日:2025年1月12日(日)
参 加 者:CL木村 SL石川 浅見 駒崎
行動記録:ゲレンデTOP9:50→鹿俣山10:15→鹿俣山東鞍部<弱層テスト>10:30/11:00
~1450m11:30<昼食・ビーコン訓練>13:30→稜線14:00~1500m14:10→鹿俣山東斜面15:00<フラックスライン確認>15:15~ゲレンデTOP15:20
<天候:曇り/晴れ>訓練だけでなく滑りも楽しみたいとの参加者からのリクエストにより、今回はゲレンデTOPまでリフトを利用。何気に私はたんばらでリフトを利用したのは初めてだったかも。ゲレンデTOPに着いてみると、今年は積雪十分で、取り付きは1m程の雪壁になっている。去年は笹だらけだった斜面も、もちろんきれいな雪面となっており、鹿俣山のピークへの登りも、あまり苦労することなく登ることが出来た。山頂の標柱も完全に埋まっている。
夜後沢源頭となる鹿俣山東の鞍部に移動し、滑る前に弱層テストを行う。直径30cm程の雪柱を切り出し、シャベルを載せて上から叩くコンプレッションテストを行ってみると、手首支点、肘支点では破断は起こらず肩支点で強く叩いた何度目かでようやく破断した。破断面は深さ70cm程の所にあり、さらさらの雪質で、週初めに気温が上がった際に出来たこしもざらめ雪だ。
安定とまでは言えないが、注意しながら滑る分には問題なしと判断した。シールを剥がし、1本目の滑降。やや左にルートを取りすぎてしまい、樹間の狭めなところに入ってしまって少しもったいなかった。1名が木の間の落とし穴にハマり立て直しに苦労する。
1450mまで滑って、昼食をとった後、ビーコン訓練を始める。最初は去年と同じく手順や留意点を確認しながら全員で捜索を行った。去年と違い斜度があり、新雪が積もっていると、埋没点に近づくのに苦労した一方で、掘り出しを埋没点下方からV字ベルトコンベア法できっちり行うと、目標物を深く埋めたにもかかわらず、掘り出しに要した時間は去年よりも短かったと感じた事など、いくつか気付く点があった。以前、県連救助隊の深雪搬出訓練で講師の渡辺輝男氏が、訓練は出来るだけ実際の状況を再現して行わないと意味がないとおっしゃっていたのを改めて思い出した。この後、2グループに分かれて捜索に要する時間を計る。みんなビーコンの操作は慣れているので、今回もかかった時間は5分前後。最後にザックに訓練用ビーコンを入れて埋め、この状態でゾンデによるピンポインティングを行ったらどんな感じなのか検証してみる。ザックほどの大きさがあると、ビーコンで特定したポイントでゾンデもほぼヒットすることが確認できたが、差し込む角度がいいかげんだと外してしまう可能性はやはり有り、道具の使い方をきちんと認識していることが大切だと感じた。
訓練後、稜線まで登り返し、2本目の滑降。今度は右寄りの適度な樹間の斜面にルートを取り、非常に快適なパウダー滑降となった。1500m位まで滑って満足し、鹿俣山のピークを巻いて登り返した所で、フラックスラインの確認を行い、ゲレンデに戻った。
今晩の宿は、岩鞍スキー場近くの「松かぜ」。たんばらから思ったより距離があり到着が5時を過ぎてしまい宿には申し訳ない。県連のスキー交流会で何度かお世話になり、良い印象だったので選んでみたが、今回も美味しい食事と温泉で、コスパ最強でした。
(木村記)