埼玉県熊谷市の山岳会 海外トレッキング、登山、山スキーなど幅広く活動しています。
東海中部
【縦走】白山縦走 2021/7/22-26
山域山名:白山(石川県)
目 的:白山を南北に縦走&白山のお花畑を辿る
山行形態:無雪期一般登山(避難小屋、営業小屋泊)
期 日:2021年7月22日(木)~26日(月)
参 加 者:L木村、駒崎、新井浩
行動記録 :
7/22 熊谷駅5:12=東京駅6:22/6:42=名古屋駅8:22/8:43=美濃太田駅9:22/9:56=北濃駅12:04=<タクシー>石徹白登山口13:20→神鳩ノ宮避難小屋15:45
<天候:晴れのち雨>
熊谷朝一番の電車に乗り込んで出発。東京駅で新幹線に乗り換え名古屋駅へ。自由席が混み合うかと思ったがガラガラであった。名古屋駅からの特急ワイドビューひだは、方向転換のため岐阜駅までは座席が進行方向に対して後ろ向きになるのが変な感じだ。美濃太田駅からは長良川鉄道に乗り換え、各駅停車でのんびり揺られて北濃駅に到着した。ここからは計画ではバスに乗り換え終点から登山口まで2時間半ほど歩く予定であったが、体力温存のためタクシーで登山口まで向かった。
いよいよ長い縦走の始まりだ。美濃禅定道「南縦走路」に足を踏み入れる。登り始めてすぐの所に樹齢1800年の「いとしろ大杉」がある。立派な杉の巨木だ。初日は避難小屋まで標高差600m、2時間程の行程であるが、標高がまだ低いため、とにかく暑い。こまめに水分を補給しながら登って行く。
登り始めて間もなく雷鳴が聞こえ始めていたので、何とか降り出す前に小屋に着きたかったが、小屋まであと20分程のところで降られてしまった。雨具を出す羽目にはなったが、無事、神鳩ノ宮避難小屋に到着。今晩の宿泊者は12名と思ったより多い。水場も5分程のところにあり、混んでいなければ快適な小屋である。マーボー茄子で夕食として、明日も夕立の可能性があるので出来るだけ早出しようと打合せて就寝。
7/23 神鳩ノ宮避難小屋4:30→銚子ヶ峰5:35/5:40→一ノ峰6:50/7:00→二ノ峰7:40/7:50→三ノ峰避難小屋8:40/9:00→三ノ峰9:15→御手洗池10:30→別山11:10/12:00→南竜山荘15:30
<晴れのち時々曇り>
3時起床。朝食、準備を手早く済ませ、予定より30分早く4時半出発。登り始めて間もなく日の出を迎える。良い天気だ。母御石から森林限界となり、見晴らしの良い笹原の中に続く道を1時間程で銚子ヶ峰に到着。今日これから辿る別山までの眺めが素晴らしい。ここから一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰とアップダウンをこなしていく。花は一ノ峰への稜線からササユリ、ニッコウキスゲがちらほらと咲きだし、「花の山、白山」がいよいよ始まったという感じだ。三ノ峰への登りの辺りからは、ヨツバシオガマ、ミヤマキンポウゲ、コイワカガミ、ダイモンジソウ、ハクサンフウロ、ハクサンコザクラ、コバイケイソウなどなど、次々とお花畑が現れる。
三ノ峰の避難小屋はお花畑の中のロケーションの良い小屋だが、水の確保に難がありそうだ。三ノ峰を過ぎたあたりからガスが多めの天気となってきたが、すぐに天気が崩れそうな感じでは無い。御手洗池のある別山平はニッコウキスゲが咲き盛る別天地であった。お花畑にウキウキしながら進んで、2日目のメインピーク、別山に到着した。稜線の西側はガスに巻かれてしまっているが、東側はまだ視界はさえぎられておらず、大白川のダム湖を見下ろしながら昼食休憩をとった。
別山から先も、お花畑のなかを緩やかなアップダウンを繰り返しながら進んで行く。特に、別山から先ではコバイケイソウの群落が見事であった。道の両脇はずっとコバイケイソウに縁どられているし、行く先の斜面全体が白っぽく彩られているのも全部コバイケイソウである。今年はどうやら当たり年のようだ。遅くまで残雪があったと思われる窪地にはハクサンコザクラのお花畑。そしてハクサンコザクラと並んで白山を象徴する花だと思うクロユリの花もチラホラと見掛けるようになってきた。
油坂の頭からは一旦主稜線を離れ、南竜ヶ馬場へと下っていく。お花畑についつい足が止まり、予定より1時間到着が遅くなったが、無事南竜山荘に到着した。幸い、今日は夕立はこの辺りには来ませんでした。山荘のテラスで本日の素晴らしい花の山旅に生ビールで乾杯した。
(7/22、23木村記)
7/24 南竜山荘4:45→アルプス展望台5:50→室堂センター7:00/7:15→御前峰8:00/8:35→大汝峰9:40/9:50→雪渓上お昼11:00/11:40→お花松原12:00/12:05→三俣峠14:55→ゴマ平避難小屋16:00
<晴れのち雨>
3時起床、テラスで朝食を摂り4時45分出発。昨日来た道を少し戻り左に折れ木道を行く。硬い雪渓を注意しながら渡り、オオシラビソの林の急登になる。開けてきて、アルプス展望台に着く。昨日の別山が朝日を浴びて輝き、御嶽山、槍ヶ岳が雲海の上に見える。
ここからはお花畑の中を緩やかに登る。ハクサンフウロ、ハクサンコザクラ、コバイケイソウ、イワギキョウ、ミヤマキンバイなど。平瀬道に合流し雪渓を見ながら水平に進み室堂に着く。ここもコバイケイソウの群落が見事。休憩して御前峰を目指す。歩き出して直ぐにまだつぼみのクロユリの群生を見つける。イワカガミ、クルマユリ、オトギリソウなどが続く。ハイマツの展望のよい道をジグザグに進むと社が現れ山頂。写真を撮りその先の絶景ポイントで休憩する。
その景色は大汝峰と雪に覆われ少し水面がみえる池が二つ、その水面のブルーの色がとてもきれい。景色を十分楽しみ次の大汝峰へ、池まで下り、緩やかに雪渓を上る。振り返ると御前峰の鋭い岩峰と尖った剣ヶ峰が青空に突き上げている。大汝峰分岐まで行き、ザックをデポして大汝峰を往復する。ガレ場の登山道にもミヤマダイコンソウ、イワギキョウ、イワツメクサがあちらこちらに咲いている。頂上からの展望、御前峰、剣ヶ峰、翠ヶ池がいい。分岐まで戻り中宮道をゴマ平へ向かう。この辺りはチングルマが咲いている。ザレ地を歩いていると「コマクサが咲いてないですか?」と声を掛けられる。確かに咲いている。白山ではここにだけ咲いているそう。低木林に入り下るとキヌガサソウ、ミヤマキンバイが現れる。大きな雪渓を下り大きな岩が出て来た辺りで昼休憩する。
うぐいす平を過ぎ、三俣峠を下り登り返す。林の中の急な下りになり小屋はまだかなと思っていたとき雨が降り出す。雨具を着るが5分ほどで小屋到着。小屋少し手前の登山道でピンク色のニョホウチドリを見つける。小屋は二階建てで先客は1階に3名、混んでいなくてほっとする。2階で休ませて頂く。その後も3名来ただけでゆったり出来る。雨がやみ、水汲み、食事、就寝。花と展望、変化に富んだよいルートでした。 (駒崎記)
7/25 ゴマ平避難小屋(5:00)→妙法山(8:30)→野谷荘司山(11:10)→馬狩(14:40)→白川郷(15:40/16:02)=平瀬温泉(16:18)
<天候:曇りのち晴れ>
3時起床。雨の音がする。朝食を済ませ出発準備。出発時には雨は止んでいたが、草木からの濡れを防ぐために雨具を着ることにする。小屋の裏から、水場を経由して進む。しばらくは笹が生い茂る道を下る。鉄の橋をわたり、妙法山に繋がる尾根を登り始めると、ポツポツとササユリが咲いている。
尾根を上り詰めると、念仏尾根の標識があった。しばらく緩いアップダウンを繰り返す。尾根沿いにはコメツツジとササユリが咲いており、時折ニッコウキスゲも見られた。風がなく非常に蒸し暑い。尾根の見通しの良いところで休憩し、雨具の上着を脱ぐ。すぐに妙法山1775.5mに到着し、ガスは多いが時折晴れ間が見えるようになって来た。これから進む野谷荘司山に続く山々が見える。さらにこまかなアップダウンを繰り返し、もうせん平というところに出た。神庭池は、水草、苔で埋まり、ニッコウキスゲがたくさん咲いており、とてもいいところだ。ここで昼休憩する。苔のふさふさの中にモウセンゴケがたくさんある。ここからもササユリが咲く尾根道はアップダウンを繰り返し、東側斜面が崩壊している野谷荘司山1,797.2mに着いた。ガスで展望はないが、ガスの切れ間に白川郷が見えるようになって来た。
少し行くと三方岩山への道を分けて、白川郷へ続く尾根に入るルートに向かう。計画では三方岩山経由で降りる予定だったが、遅れているため2時間ほど短いこちらのルートを選んだ。激下りで一気に1000mも下る。滑りやすいザレた尾根道であるが、展望の良いところでは白川郷の合掌作りの集落が見えるようになる。標高が下がってくるとブナが美しい森に入り、やがて舗装道路が見えて来て、鶴平新道入口の看板があった。木陰で休憩し、車道をテクテク歩き、白川郷のバスターミナルに到着する。冷たいものでのどを潤して休憩する。予約したバスで平湯温泉まで行き、宿に入りすぐに温泉に入り汗を流した。
7/26 平瀬温泉(9:30)=白川郷(9:50/12:20)=金沢駅(13:35/13:57)=熊谷駅(16:33)
<天候:晴れ>
朝に温泉に入り、9:30のデマンドバスで白川郷へ移動する。萩町合掌作り集落を歩き、合掌作り民家園(有料)に入り内部の見学や農機具の展示を見て、昼にそばを食べてバスターミナルへ戻る。金沢駅までの高速バスに乗り、金沢からは新幹線にて熊谷へ戻ってきた。
今回は、白山を南から北まで3泊4日で縦走。石徹白道(南縦走路)で御前峰、大汝峰。中宮道でゴマ平避難小屋まで。北縦走路で野谷荘司山まで。そこから鶴平新道で登山口までと充実した山行となりました。おまけで平湯温泉での宿泊と白川郷の観光まで出来てとても満足しました。
(7/25,26新井浩 記)