紅葉の栗駒山・船形山
山 域:栗駒山1626.5m(秋田県)船形山1500.1m(宮城県)
山行形態:無雪期ハイキング
目 的:紅葉を楽しむ
日 程:2021年10月2日(土)~3日(日) 前夜泊
参 加 者:新井浩、駒崎
行動記録:
10/1(金)移動日
東松山17:50=須川温泉25:10 448km
東北道をひた走り岩手県の一ノ関ICで降りて須川温泉へ。
途中で夕飯を食べて約7時間のドライブ。須川ビジターセンターのある駐車場はまだ余裕があり、端の方に車を停める。トイレあり。すぐに就寝。
10/2(土)
須川温泉6:30→産沼分岐8:15→栗駒山9:05→天狗平9:45→秣(まぐさ)岳12:30
→秣岳登山口13:35→須川温泉14:30
<天候:曇りガス、強風>
5時起床、朝食を食べているときに小雨がぱらつくがすぐに止んだ。着いた時には星空だったのに、曇りの様子で、ガスが出ているので、上下雨具を着て出発。温泉が流れている脇を登り始める。硫黄のいい匂いだ。登山道脇の木々は黄色に色付いており、ナナカマドの実が真っ赤になっている。すぐに湿原の中の木道を歩く。名残ヶ原と言うらしく、草紅葉がきれいなところだ。三途の川を渡渉して、産沼の分岐を栗駒山方面に向かう。なだらかな尾根を登っていくと、登山道の両側は紅葉がきれいだ。
カエデの種類であろう低木が赤や黄に色付いてとてもきれいで、ナナカマドの真っ赤な実もたくさんある。晴れていれば見事であろうが、ガスって視界はそれほどないのが残念だ。出発から2時間半ほどでにぎやかな栗駒山に着く。
台風の影響であろう風が有るが、山頂はそれほどでもない。ガスで視界がないので、記念写真を撮ってすぐに秣岳方面へ進む。急に静かになり歩く人はまれだ。天狗平までは穏やかであったが、この先強風に遭う。稜線を歩くコースで、ガスで視界がないが、左右の紅葉はきれいだ。風が強くなり、すれ違ったひとから、この先風が凄いですよと話を聞く。1573mピーク付近では、今まで経験したことがないほどの強風。ストックで体を支えながら横歩きでやっとバランスを保てるほど。立ち止まっていてはしようがないので、横歩きで何とか前に進む。30分ほど格闘してやっと穏やかな場所になった。登ってくる人たちにこの先風が凄いですよと話す。この風で引き返した人たちがいることを後から知る。
穏やかな稜線上の紅葉がきれいなところで昼休憩。真っ赤に色付いている楓は、葉の柄までも赤くなっている。なだらかなアップダウンを越え湿原の木道を歩き進むと、秣岳。1424m。標識には東成瀬村で一番高いところと書いてある。ここからは下りだ。登山道はぬかるんでおり、避けるように左右に足を運ぶ。長靴が良さそうだ。足元は悪くても紅葉は素晴らしく、紅葉のトンネルの中を歩いているようだ。下るにつれてブナ林がきれいになる。ブナの紅葉はまだで、緑色の葉のままだが、とてもきれいだ。やがて視界に須川湖が見えるようになる。秣岳登山口の標識のある車道に出て、ここからはテクテク車道を須川温泉まで1時間ほど歩く。秋田県から岩手県の県境を越えると、にぎやかな須川温泉に戻った。この後大崎市の道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」に移動。
10/3(日)
大滝野営場(船形山登山口)8:00→小栗山コース→船形山9:50/10:30→蛇ヶ岳11:40→大滝野営場13:10/13:30=東松山20:30 往復956km
<天候:晴れ/曇り>
大滝野営場へは林道を約17km走る。ほとんど未舗装で一部相当悪路で、車高が高くないと腹をこすりそう。突き当りの大滝野営場の駐車場は舗装されている。すでに10台以上あるが、後続車が続々来てすぐに満杯となる。何か地元の山岳会のイベントがあるようで、おそろいのTシャツを着ている人たちが集まっている。キャンプ場の炊事場には「人名水」という湧水が水量豊富に湧き出ており、冷たくおいしい。登山口は駐車場のすぐ近くで、美しいブナの森をスタート。
登り初めの頃はブナの葉は緑色で登るにつれ黄色に近づいてくる。登山道はやがて沢の中を行く。振り返ると下界はまだ紅葉しておらず、登って来ている船形山の斜面だけが色付いている。船形山の肩に出て稜線を行くと、船形山避難小屋が見えてきた。
山頂に立つ小屋はこじんまりしている。山頂では10名程度の人がそれぞれ休んでおり、風もなく穏やかないい日だ。船形山の山頂付近の紅葉の状況は、ピークを過ぎて葉が散っているが、中腹の山肌は紅葉のピークできれいだ。ぐるっと360度の展望があるが、山々が連なるだけでどこの山かはわからないが、天気がいいので気持ちがいい。鳥海山、月山、蔵王、大朝日岳などらしい。コーヒーを飲みながらのんびり昼休憩。足元の岩場にはミヤマウスユキソウがまだ咲いている。蛇ヶ岳に向かい見晴らしのいい稜線を歩く。背丈ほどの灌木の間を紅葉を楽しみながら進む。振り返ると、船形山の山頂の小屋が小さく見え、紅葉の山肌越しに見る風景はメルヘンチックだ。
標識だけの蛇ヶ岳を過ぎると、下降に入る。初めの頃は歩きにくい谷筋の悪路だったが、草原状の明るい谷に変わって、草紅葉の中を下る。トラバースに変わってブナ林に入る。あとひと月もすれば紅葉がきれいになるであろうブナ林は見事だ。瓶石沢を渡渉し登りの登山道に合流して、大滝野営場の駐車場に着いた。駐車場付近の林道にはあふれた車が路駐している。かなりの人が入ったのであろう。この後、6時間掛かる帰路に就いた。
(新井浩 記)