山 域:乗鞍岳3025.7m(北アルプス)
登山形態:山スキー
目 的:春山スキーを楽しむ
日 程:2022年5月15日(日)
参 加 者:CL新井 SL石川 橋本 駒崎 花森 木村
行動記録: 深谷市川本(4:00)=乗鞍高原観光センター(7:50/9:30)=位ヶ原山荘2350m(10:05/10:20)→肩の小屋2750m(12:13/12:52)→位ヶ原2525m(13:13/13:52)→位ヶ原山荘(14:14/15:24)=乗鞍高原観光センター(15:55/16:30)=川本(20:25)
<天候:曇> 夜が明けようとする高速道をひた走り予定通り乗鞍岳春山バスの発着所である乗鞍高原観光センターに到着する。スキー支度を始めていると親切な方に8時半の始発バスが路面凍結のため運休になったと教えていただいた。次のバスは9時半、運行されるかは未定という。各自時間をつぶしていると9時前に運行決定、チケット販売が始まった。
定刻通りバスは標高2350mの終点位ヶ原山荘前に到着。山荘の前の道路は5台のバスと大勢の人でごった返すなか、床下トランクに預けたスキーを取り出し登山届を提出して車道わきから雪面に取りつく。スキーヤー、ボーダーが6割程、残りはツボ足の登山者と観光客がごく少しといった感じか。3000m級の登山にしてはスタート時間が遅すぎると思うがバス利用なので自力ではどうにもならない。日差しがなくやや寒い。気温は5度前後だろう。ヤッケを着たまま登り始める。
たくさんの登山者が富士見沢を思い思いのルートで登っていくなか夏道の北側と思しきルートを進む。うっかり他パーティーについていくと意図した所に行けないことはよくあるのでルート選びは慎重さを要す。左の尾根に乗り上げ通称‘屋根板’の壁の上部に出て、トラバース気味に谷を二つばかりえぐるようになおかつ高度を稼いでいく。乗鞍大雪渓下部のハイマツ帯が現われ、風が出てきたためハイマツの陰で小休止。
再び歩き始め車道を超えて大雪渓を進む。広くてなだらかな雪面で固く凍っている。剣ヶ峰に向かうルートは徐々に急傾斜になり危険が増すと判断し右手の肩の小屋を目指す。
肩の小屋のすぐ下に到着。風が強く寒い。ハイマツの陰でなるべく風を避けて昼食を摂る。山頂まであと標高差250m、地肌と凍った雪面が混じるルートだったが今日はここまでとして下山することにする。
この付近は氷点下の気温で雪面はカチカチのスプーンカット、滑り始めると板への連続的な振動、衝撃を受ける。転んだらさぞ痛いだろうと思うとおのずと慎重になる。日が差して雪面の温度が上がりゆるんでくれば快適な斜面になるだろうに、今日は我慢の滑りで高度を下げ位ヶ原で大休止を取った。さすが独立峰だ。曇天ながらかなり見通しが利く。北に黒い山体の霞沢岳を挟んで前穂高岳、奥穂高岳の吊尾根、槍ヶ岳が、南には中央アルプス、南アルプスの山々が見えた。
この後、標高が下がったおかげで少し滑りやすくなった斜面をトラバースして富士見沢に滑り込み位ヶ原山荘前の車道に到着。1時間ほどバス待ちをする間に吹雪いてきたが、観光センターの戻るとまた曇天でした。
この山行で今シーズン約半年間にわたる山スキーは板(いた)納(おさめ)となった。皆さん大きな事故無く滑り切れて何よりです。お疲れさまでした。(石川記)