関東

【沢登り】冠岩沢

秩父浦山川冠岩沢

 透明な水がほとばしる沢を楽しむ

山域山名:秩父浦山川冠岩沢 

期日:2024年9月23日(月)

参加者:L 橋本 浅見 木村 駒崎

行動記録:熊谷6:00=冠岩沢入口P8:25-冠岩集落跡8:50-沢登り-稜線13:00-

大持山13:20/13:50-冠岩沢左岸尾根経由-冠岩沢入口P15:45=熊谷19:00

上:15m滝上部二股で 下:20m滝ー水量多く見事

<天気、曇り>朝の天気は曇っているが、晴れ間もでるとの天気予報で、計画どおり沢登りをする。

 冠岩沢の入口で、車を道路脇に寄せて停める。沢装備を身に着け、出発する。「水量、多い」の話に沢を覗くと、前回の時の2倍位流れている様子だ。崖崩れがあり、草の繁った荒れた林道を、旧冠岩沢集落まで歩く。最近の雨で、道にも水が流れている。車道終点からは、橋を渡ると、登山道だ。沢側は明るいが右の杉林は暗い。倒木が何本もあり、跨ぐか、潜るかして進む。3戸ほどの旧冠岩沢集落には廃屋があり、生活用品が散乱放置されて物悲しい雰囲気だ。その脇を沢沿いに進み、入渓する。

 まず、3mほどの滝があり、腰ほどの深さの淵の左をへつり、登る。冷たい沢水が下半身を濡らす。大岩、小滝、中滝を越えて登っていく。岩には苔が生え、深山の雰囲気だ。天気は相変わらずで、時々、陽が射して、暗い沢が明るくなる。大岩に太い桂の木株が生え、抱き着いているようだ。これも奥秩父の雰囲気だ。水量が多く、2mほどの高さの滝でも大きな水音を出している。4人で黙々と登る。2日前からの気温の低下と、沢の涼しさで、寒い位だが、どんどん高さを上げて行くので汗が出てくる。大きなヒキガエルが岩の上にいて少し驚く。樋状の滝もあるが両足を突っ張ると、フリクションも効き登れる。途中一息入れる。

 さらに登ると、15mほどの高い滝が立ちはだかる。滝の右は、泥付きの急傾斜面、左も急傾斜のゴツゴツの岩の斜面。遡行記録を参考に、左斜面のルートを探すと、10mほど上に立木があり、支点となるので、ロープを出してこちらから登ることにする。50mロープを使い、順に登る。ビレイは浅見、リードは橋本で、ロープをはる。3mほど登り、右に移動し、少し登って、古いくさびを中間支点にして、その上に登る。そこにある径20㎝ほどの立木に支点を設置。セカンド駒崎、サード木村と登り、最後に浅見が登る。中間支点付近の大岩でホールドが取りにくく、やや手こずるが、登れた。ここでリードを浅見に交代し、上に支点を作ってもらい、順に登り、急登を登りきることができた。登った場所が、二股地点で、右と左に沢が伸びている。水は澄みきれいな沢だ。ここからは右の沢に登る。ここにも滝があり、その左を登って行く。滝には、時々、太陽の光があたり、白い水玉が流れ落ちるのが眩しい。

 元わさび田と思われる所で休憩。石垣が積んであり、それらしい。だが、こんな山奥まできて栽培したのか、疑問が残る。登り始めると、錆びた有刺鉄線があり、危なかった。ワサビの盗難防止か、獣の食害防止か。水量は少なくなり、樋状のなめ滝が続く。石、岩、岩盤の岩石は水に濡れ、また、透明な沢水を通して、鮮やかだ。赤、薄緑、薄茶など。そして縞々の岩、地層もある。この付近は、秩父中古生層の岩石でチャートが多い。

上:入渓地点からしばらくは大岩が多い 下:樋状滝を登る

森の中の沢を登って行くと、高さ20mほどの幅の広い滝に達する。岩のゴツゴツを幅広く流れ落ち、薄日に照らされ、細かい水玉が白く輝く。ここは直登できないので左岸の尾根に登り、滝の上にでた。この後は、岩盤の上を水が流れる沢となり、左右の岩には苔、草が生えている。イワタバコなどもあり、この時期にはその花がない。そして赤い滝に着く。ここも右の尾根に出て、滝の上に出る。沢をつめると水流は細くなり、水は無くなる。そこからは、右の急な尾根に登り上を目指す。泥の急斜面を沢靴で歩くので、キックが効かず、立木を掴んだりして一足一足登り、遂に、稜線の道にでた。

 せっかくだからと、大持山まで登ることにする。大持山山頂は、数人が休むのには十分な広さがあり、ここで沢装備を解く。沢水の冷たさと、2日ほど前からの気温低下で、体が冷え、陽射しのぬくもりが有難い。4人全員、元気に沢を登り切り、満足な沢登りとなった。

 一休みの後、尾根を辿り、横倉山を過ぎた場所から右の尾根に入り、その尾根をひたすら下った。尾根から鳥首峠からの登山道に出て、駐車場に着いた。2時間ほどだった。

                        (橋本記) 

下山の尾根は太い木々が多い