東海中部

【ハイキング】寸又三山(前黒法師山,朝日岳,沢口山)

山  域:寸又三山(前黒法師山、朝日岳、沢口山)(静岡県)

 前黒法師岳登山中に朝日岳を見る

期  日:2020年10月31日(土)~11月3日(火)

参 加 者:CL木村、SL新井浩、高橋仁、橋本義、駒崎

 行動記録:

10/31(土) 江南8:00=寸又峡温泉15:30

 初日はアプローチだけなので8時と遅めの出発にした。しかし、八王子JCTで大渋滞に巻き込まれる。大井松田付近の工事渋滞の通過にも時間が掛かった。コロナ禍の影響でみんな車での移動を選択するので今年は高速の渋滞が激しくなるのを考慮に入れるべきであった。寸又峡に到着したのは予定よりだいぶ遅れて3時半。当初は夢の吊橋でも散策してこようかと思っていたが、この時間では無理なので、温泉街を少し散策して早速露天風呂へ。ぬるっとした泉質で丁度良い湯温のいい湯だった。

 

11/1(日) 寸又峡温泉5:40→猿並橋6:00→朝日岳登山口6:15→合地ボツ8:05→栗山沢の頭9:50→朝日岳10:05/11:00→合地ボツ12:35→寸又峡温泉14:30

<天候:晴れ>

3日間の内、今日が一番天気が安定しているので、一番行動時間の長い朝日岳を目指す。まだ薄暗い散策路を抜けて猿並橋へ。この吊橋も夢の吊橋に劣らず長くて景色も良い。吊橋を渡り急登を一登りで一旦林道に出たところが朝日岳の登山口だ。登山口からも、ひたすら急登が続く。基本的に樹林の中の道だが、振り返ると時折木々の間から沢口山や前黒法師岳を望むことができた。標高が上がるにつれ、徐々に紅葉も鮮やかさを増していく。1200m付近で道は一旦トラバース道となり、朝日岳に突き上げる主稜線に合流した所が合地ボツだ。変わった地名だが由来は何であろうか。ここからしばらくは傾斜も若干緩やかになり、紅葉を楽しみながら進んで行く。モミジやカエデからカラマツの黄葉になってきた1500mあたりから道は再び急登となり、ここを頑張ると朝日岳の山頂に到着した。

 

山頂は樹林の中で展望は良くないが、東側の切り開きから富士山が見える。また、木々の向こうに大無間岳のどっしりとした山容が望まれ、むしろこちらの方が気になった。この朝日岳から尾根続きとなっており縦走が可能な様だが、分岐点からそちら方面への踏み跡はほとんど分からなくなっていたので難度の高そうなコースである。いつか踏破してみたいものだ。山頂で昼食休憩をとった後、また紅葉を楽しみながら往路を戻り、無事下山。予定よりだいぶ早く下山できたので、宿に荷物を置いて、昨日行きそこなった夢の吊橋を見に行く。吊橋入口に着き、そこにいた案内人に聞くと、渡るまで1時間以上待つとの事だったので上から眺めただけであったが、コバルトブルーの湖に架かる吊橋はやはり絵になる景色であった。

(木村記)

 

 

11/2(月)寸又峡温泉5:55-木馬の段7:40-富士見台8:00-沢口山8:45/9:05-富士見台9:40-猿並平10:15-寸又峡温泉11:15

<天気:曇り後雨>

天気予報では昼ころからの雨予報なので、早めに出発する。寸又峡温泉奥の沢口山登山口1425mの道標を確認して登山口から入る。すぐに急斜面の杉林に入って右左に曲がりながら高度を上げていく。杉林はうっそうと茂り下草なく、曇りでかなり暗い。息が上がる。30分ほどで尾根に上がり南方向に進む。西側が雑木林になり幾分明るくなる。途中にテレビ中継塔と道標がありそこを通過する。下草はほとんどないが登って行くと「ヤマイワカガミ」の案内板があり、付近に濃緑の葉のヤマイワカガミが群生している。花は白で、ヒメイワカガミの変種だという。登山道はよく整備され、崖には転落防止のしっかりしたロープが張ってある。大岩がでている場所もある。岩は薄茶色の硬い堆積岩だ。古い岩石のようだ。

 

道の右左とも雑木林になり、朝日も射し、紅葉もはっきりと見えるようなった。紅葉はモミジ、ウリハダカエデ、ヤシオツツジなどだ。赤や朱色、黄色と変化に富んでいる。また、徐々にコメツガも増え、大木もある。ほぼ林の中だが、寸又峡温泉が展望できる場所にさしかかる。紅葉の合間から建物の屋根が少し見えるた。また、急にアセビの林が出てきてそこも通過する。尾根から少しそれて木馬(きんま)の段を通過する。急登を一登りし、富士見に着く。ここは日向山ルートとの分岐だ。沢口山を目指し右に折れて進む。そこからは割合平坦な尾根を進み、鹿のヌタ場や大ミズナラを見る。鹿はヌタ場を使っていない様子。大ミズナラは確かに太く高い。苔を着けた太い根を周囲に張り巡らせ、堂々とした風格である。幹周6.5mとある。またヒメシャラの赤茶のすべすべした幹も目立つ。カラマツの混じった林を登り、沢口山に着いた。本当に真新しい「沢口山」の表示板、表示柱が設置されていた。山頂には東北方向を見渡せるベンチがあり、ここで長い休憩をとる。カラマツが薄茶色で、晩秋の雰囲気だ。その向こうには昨日登った朝日岳を望める。風もなく、天気もまだ良いので、ゆっくり目に休んだ後、雨に降られないで宿に着けるようにと願いながら沢口山を後にする。

 

富士見平分岐からはまっすぐの尾根を直進する。植林が増え、暗い。檜が多く、よく手入れされている。また、大きな崖崩れがあり、上から見下ろす。後、1時間くらいで宿に着けるかという時間にぽつぽつと雨粒が落ちてきた。雨具を着けたり、傘をさしたりしてさらに下る。後は暗い杉、檜の植林になる。下草はほとんどないが、雨に濡れてきた苔がきれいだ。沢を横切り林道を歩き、寸又峡温泉の宿に着くことができた。

(橋本 記)

 

 

11/3(火) 寸又峡温泉5:30→前黒法師岳登山口6:15→栗ノ木段7:50→白ガレの頭9:15→前黒法師岳10:15/11:00→往路を戻る→寸又峡温泉14:20
<天候:晴れ>
4時起床、各自朝食を取り出発準備をする。今日は最終日だ。マエクロホウシ、前黒法師岳。なんとも言えない響きの読み方だ。暗い中をヘッドランプを点けて宿を出発。二日目に散歩した道を飛龍橋に向かい歩く。ガスが山に掛かっているが天気は良さそうだ。飛龍橋の上から山々の紅葉を楽しみ、登山口の林道入り口に到着。ここからしばらく林道を歩き、前黒法師岳の登山口に着く。

 

登山口とは思われない林道のガレた斜面に踏み跡が付いている。今回の山行で一番危険と思われる岩場のガレた斜面を気をつけながら登り始める。しばらく登ると、昔栄えたであろう集落跡を通過。杉と雑木の林を進み、林道へ出た。広くなっておりここから一昨日登った朝日岳が朝日に当たって良く見える。登ったルートを確認する。尾根に付いた登山道を進み、尾根が広くなったところが栗の木の段の標識と呼ばれるところ。色とりどりの落ち葉を踏みしめ登っていくと白ガレの頭。南方が開けて、太平洋が見えるようだ。途中に南アルプスの山々が樹間から見えるところあり。標高はすでに1800mくらいになり、足元は苔で覆われいい感じになってきた。急登の道を過ぎると平坦になり、1943.8mの前黒法師岳に到着。残念ながら苔むした樹林で展望はなく、少し寒いので陽の当たる場所で休憩する。

 

登山道はずーと樹林の中で展望は望めなかったが、今回の山行で予定通りの寸又三山を制覇でき満足。下山途中で南アルプスが見えるところで、山座同定で盛り上がる。光岳、聖岳あたりであろう。赤石岳も見えたか。二組にすれ違うが、静かな山であった。宿の駐車場に戻り、直行で帰路につきました。
(新井浩 記)