清流、滝、岩の逆川を遡行する
上:滝壺の端を回りこむ 下:登れるか慎重に判断
山域沢名:奥多摩、川苔谷逆川
期日:2025年7月6日
参加者:L橋本 浅見 木村
行動記録:熊谷5:00=関越道・圏央道=青梅線鳩ノ巣駅P6:45/駅7:12=奥多摩駅7:17/7:29=路線バス=川乗橋7:44-聖橋上流下降点9:00/9:15-大ダワ沢分岐13:40-ウスバ林道木橋15:00/15:30-鳩ノ巣駅P17:10=往路と同じ=熊谷18:00
<天気曇時々晴れ>今回は、3名のグループで川苔谷逆川の沢登りに挑戦した。今年初めての沢登りで、天気は曇りでまずまず。青梅線鳩ノ巣駅近くの駐車場に車を置き、電車とバスで川乗橋まで移動し、川苔谷を、逆川入渓地点まで歩き、そこから川に下り、沢登りをする。沢登り後は大ダワ経由で鳩ノ巣駅まで歩くコースを設定した。駐車場はタイムズの管理になり、土日は1時間200円で平日よりも高く、登山者泣かせの駐車場となっていた。電車は予定どおり運行。混んでははいないが、半分以上はハイカー、登山者だ。奥多摩駅で、日原駅の路線バスに乗る。25名のほとんどはハイカーだ。川苔山の登山口の川乗バス停で15名ほどが降車。ここからの車道は一般車進入禁止で、鉄格子の横から歩き始める。車道を30分ほど歩いて、聖滝の場所で川に下りる。沢の両側には樹木が繁っていて逆川の合流点がよく見えない。滝の上流にも渕があり、川原を歩いて、逆川に行けないので、車道に戻る。さらに上流に行き、合流点の付近から川に下りる。杉桧の人工林の急傾斜で濡れている。慎重に下る。川に下る最後は数mの崖となっているので、飛び降りるわけにはいかない。やや上流側の杉木の白ペンキを目印に横に移動すると緩い斜面が見えた。そこで沢装備を身に着ける。
上:逆川の合流点 下:岩には苔、草が生え庭園のよう
川に下り、下流に移動、逆川の合流点を確認し、ここから東方向の逆川に入り、遡行を開始する。水量はかなりあり、大岩、大石の間からドードーと清流が白い泡となって落ちる。大岩には緑の苔がびっしりとついている。左右の斜面は樹木が鬱蒼と繁り、急傾斜の上は見えない。冷たい沢の水を心地よく感じながら遡ると、渕、滝が次々と現れる。腰ほどの深さの渕の端をへつり、滝を攀じ登る。幅1mほどの滝は、水を浴びないと登れない。先頭の浅見さんがシャワークライムで突破。続く2名もしぶきを浴びて登る。ちょっときつい滝は脇から滝を巻く。
上下:清流の水しぶきを浴びながら突破!
また、深い淵の向こうに5mほどの高さの狭い滝が現れる。右壁が登れそうだが安全策をとって左岸を巻くことにした。かなりの急傾斜なので、ロープを出して確保し合いながら、無事に上流に出ることができた。このとき1名の単独遡行者が追い抜いていった。幾つもの滝を登り、巻いてきたので、かなり疲労がたまったので暫時休憩。上に木がない場所では、晴れ間から強い日差しが射す。
上:突破できない滝は左右の斜面を登る 下:斜度がきついので慎重に登る
さらに上流に進む。直径1~2mの大岩が沢を埋め、その岩には苔がびっしりと付き、イワタバコやウワバミソウ、シダが生えている。日本庭園のような瑞々しさだ。水は透き通り、夜も昼も流れは留まることを知らない。一体、この水はどこから湧き出てくるのか。不思議な気持ちにさせられる。水が澄んでいるが魚影は見えない。こげ茶のカワガラスが飛び去っていった。トンボもほとんどいない。岩は硬く、割れ目は少ない。黒~灰色で、落ち着いた色の谷だ。ただよく見ると所々に地層のある岩があり、堆積岩であることが分かる。
苔むした大岩は岩と苔と草と沢によってできる
大ダワ沢分岐点からは、水流は少なくなる。大岩も少なくなる。トイ状3段の滝は両手足を突っ張って登れそうだがホウルドが少なく木村さんが挑戦するも苦労する。やっとウスバ林道下の10m滝に到着し一安心。ここは右壁を登れると遡行図にはあるが、支点がないので、右岸の急斜面から林道に登った。腐りがすすみ、落ちそうな木橋を渡ってから、沢装備をはずす。予定の時刻よりも遅れたが、日の入りも遅いし、天気は落ち着いているので慌てなくてよい。濡れた装備、衣服をザックに詰め込むと何と重いことか。一休みの後、大ダワを経て鷹ノ巣駅に無事に下った。水が澄み、難易度の違う滝、形の違う滝、深さ広さの違う釜をもつ滝が適度にあり、飽きのこない沢だった。樹木が沢を覆い、日陰を作り陽射しの強い季節にも登り易い沢だった。
ウスバ林道下10m滝に到達
(橋本記)