1. 【その他の山行】ビバーク体験

投稿日時: 08/16 hasimoto

風布ビバーク体験等記録

この時期でも、風布の谷は夜になると結構冷え込んだ

 

   

         小さなツエルトで簡易テントができる

山域地名:寄居町風布 

期日:2024年6月7日(金)8日(土)

参加者:L橋本 浅見 花森 相澤 8日の参加 木村 駒崎

行動記録:7日 風布集合19:00-ツエルト設営、非常食を摂りビバーク開始21:00

8日 起床6:00-朝食6:30-ツエルト片付け7:30-ハイキング発9:00-中間平10:00-ビバーク地の釜伏川でうどん、天婦羅の昼食11:00-13:00-付近の斜面でロープワーク練習(3名)13:20-15:45

7日<天気、曇>

ビバーク体験 

「日帰りのハイキングで道に迷い、ビバークすることになった。」という想定で、ツエルトによるビバーク体験を計画した。秩父に通じる140号国道とそのバイパスを外れると風布の集落、釜伏川に沿った谷は大変静かだ。この川沿いで、ビバーク体験をする。今まで、ツエルトによるテントの設営は学習会で実施してきた。これを実際の野外で体験する。午後7時に集合し、杉林の平坦な場所を選び、設営場所とした。4名は各々選んだ場所にツエルトを張る。場所選びだが、落石の無い所、雨が降っても浸水のない所、横になりやすい平らな所、細引きを使うには立木のある所になる。ストックをツエルトの両端に立ててポールにし、細引きで引き、その後、下端を広げてスリングや木の棒で止めると中に空間ができ、三角テントの出来上がりだ。あとは、持ち合わせのシートを敷くと簡易テントができる。これとは別に細引きをツエルトの中に通し、立木の間でこれを張り、下端を広げると前の作り方と同様にテントができる。7時を過ぎて、空は暗くなり、杉林の中で一層暗い。ヘッドランプが必要だった。

 夕食は、簡単な物で済ます。簡易テントが出来上がったので、杉の森の中でしばし歓談する。風は無く、人も車も通らない。寒気が流れ込んでいるので、長袖でないと寒い位だ。この沢には蛍が生息しているが、この寒さでは飛ぶことはない。遠くの街灯の下には昆虫、ガの類が元気に飛び回っている。男4人が、静寂の暗い森の中で趣味の話などするのもいいものだ。

 時間になったので、各自ツエルトの中で休むことにする。以下記録者の体験。ビニルシートを下に敷きクッションを枕にして横になるが、徐々に冷えてきたので雨具を上下ともに着込み寝る。いつもは布団をかけて寝ているので、何もかけずに眠ることに不安感、違和感が強い。寒いので蚊など虫がいないのはありがたい。一時、寒くて起き、スタッフバックに足を入れ寒さをしのぐ。どうにか眠る。5時前に明るくなり、目を覚ました。

      屋外でも天婦羅は割合簡単に上げられる、しかもおいしい

8日<天気、曇> 

ハイキング 

この時期は、日の出が1年で一番早くなるが、ビバーク地は谷間の杉林の中で、天気も曇りで5時ころ明るくなってきた。簡単に、食事を済ませ、ツエルトを片付ける。「この時期にしては結構寒かった」という感想が出された。地面からの冷気を遮る銀マット等が有効であるが、かさばるので、携行するなら薄手のマットにするなどの工夫が必要か。また、秋冬で乾燥していれば、落ち葉を敷くと幾分快適さが増す。

 ハイキングからの参加者2名を加え、6名でハイキングに出発する。寄居町の釜伏川沿いの風の道を歩く。昼は天婦羅とうどんのメニューで、天婦羅になりそうな山菜を探すも、6月になり新芽は大きくなりすぎている。ユキノシタ、ミツバが幾らかある。

 直ぐに、姥宮神社の横に出た。この集落の小さい神社で、胎内くぐりが出来、大杉も見ごたえがある。全員胎内くぐりでは通り抜けることができた。橋を渡り、風布館前を通り、釜伏川の支沢沿いの道を中間平に向かって林道を歩く。杉林だが、林床には、灌木、シダなどが青々と茂っている。この林床の草木の繁茂は奥秩父には無い。ウリノキ、コクサギなど、沢沿いを好む草木が生えている。葉の中央に種を付けるハナイカダも生えていて、植物の不思議に触れる。白いアジサイ系の花も咲いている。40分ほどで中間平の公園に着く。ここは高木を切り、園芸種のツツジなど植栽したが、それらは見当たらず、草地となっており、紫色のアザミ、ホタルブクロが目につく。

 公園に通じる車道を南側に歩き、展望台に行き、ここで休憩する。白いもやがあるが、視界が開け、すぐ下の寄居町が良く見える。荒川が東に流れ、関越道が荒川を横切り、熊谷周辺も見える。日差しが強くなり、日陰で休んで、風に吹かれて気持ちがよい。

 下りは、尾根道をたどる。雑木林、人工林の尾根を下り、風布側の谷に下る付近は、コナラの大木があるなど深山という雰囲気だ。途中に、ミツバ、タラノメがあり、柔らかい部分を摘む。車道に出る付近に空家があり、家庭で使う道具等が放置されていた。

 ビバーク地の近くの沢に着き、ここで昼食作りを行う。うどんを茹でるグループと、天婦羅をつくるグループに分かれ、準備をする。

 天婦羅は、山菜としてユキノシタ、タラノメ、準備したシイタケ、ピーマン、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、竹輪などを揚げる。うどんも茹で上がり、揚げたての天婦羅をのせ、いただく。仲間とともに、自然の中で、ゆったりと、揚げたての天婦羅とうどんをいただく。贅沢とまでは言わないが、豊かな時間だと感じる。天婦羅係にも感謝したい。次々に揚げて直ぐに食べる天婦羅が熱くおいしい。2時間ほどの時間はあっと言う間に過ぎ、お腹も十分満足できました。参加者の協力のお陰でした。

ロープワーク 

3人の参加 昼食後、沢登りに備え、近くの山の斜面を使いロープワークの練習を行う。

基本的な技術であるハーネスの装着、ロープでエイトノットホロースルーを作り、ハーネスへの結び付け、2人での確認方法、トップロープでのクライマーとビレイヤーに分かれての登攀、ビレイの練習を行う。落下を想定しての練習も行う。

 3人1組での、ロープワーク練習。リード役で支点をつくり登る人、それをビレイする人、リードの人がトップ地点で支点をつくり、ATCでセカンドを引き上げる練習、さらにサードを引き上げ、支点を回収する練習などを行う。ビレイ解除前にセルフビレイをする練習、「ビレイ解除」の声だしの練習も行う。

 ロープワークだけにポイントを絞り、練習することでロープの結索、カラビナ・ATCの使い方、役割分担と、実際に近い練習ができた。

                          (橋本記)