【ピークハント】台湾玉山

投稿日時: 2023/10/31 hasimoto

富士山よりも高い、台湾玉山3952mに挑戦

山域山名:台湾玉山

 目的:海外の山を楽しむ 台湾最高峰に登る

期日:2023年10月24日~28日 玉山登山は25日26日

参加者:L橋本 大嶋 高橋 赤坂 黒澤

 

 

    2023年10月26日午前5時50分 熊トレ2023は5人全員登頂

行動記録 登山日の25日、26日

25日

嘉義市内ホテル6:00=タクシー=上東埔駐車場8:10=登山事務所8:20/40=バス=搭搭加登山口9:10-モンロ-亭10:10-排雲山荘16:00=夕食17:30 同山荘泊 

26日

排雲山荘で朝食1:30-発2:10-落石シェルター4:30/5:30-玉山山頂5:50/6:10-排雲山ブランチ8:00/8:50-登山口14:05=バス=上東埔駐車場14:25=タクシー=高鉄嘉義駅17:00/17:19=台北駅18:44=タクシー=ホテル19:10  同ホテル泊

25日<天気晴れ> 

嘉義市内のホテルから、タクシーで登山口に向かう。5人なので三列シート7人乗りのタクシーをチャーターした。天気は晴れだが靄がかかっている。しばらく車の少ない平野部の道を走ってから、山道になる。カーブを右、左と曲がり、高度を上げていく。亜熱帯らしく、バナナ、ヤシ、里芋のような大きな葉の植物などが、目につく。尾根を辿るように走る。天気もよくなり、遠い山も見えてきた。また、南斜面には茶畑、農家があり、製茶工場や茶店の看板が目立つ。少し登った所で、「山脈の一番奥にある山が玉山だ」と運転手が教えてくれた。頂上付近は岩山らしいのが分かる。高度を上げ、標高2000m位になると、落葉樹の葉の一部が紅葉している。また、斜面の岩肌の地層が見える。2時間10分で駐車場に着く。ここで降車し、登山事務所まで10分ほど坂道を歩く。事前にネットで見た建物があり、この登山服務中心(登山事務所)で、入山・入園の手続きをする。年配の女性が手続きしてくれ、料金も支払った。スマホ片手に、翻訳ソフトを立ち上げ、伝えたい事をスマホに話し、画面を私に見せる。この後、パソコンを操作し、「スマホ、カメラ」等という。意味が分からないが、同行のAさんのスマホを渡すと、パソコンの、申請画面を撮って、「ポリス」と言う。隣の交番のような警察の建物での手続きと思い、そこに行くと、警察官は手続きが必要ないと仕草で示す。言い間違えたのかも知れない。事務所前から登山口まではワゴン車に乗る。1人100NTD。10分余りで塔塔加(タタカ)鞍部登山口に到着した。

上から:・登山事務所前 ・登山口 ・巨木の森付近 ・排雲山荘 

天気は晴れ、全員、意欲が高まる。登山口石碑前で記念撮影をして、出発した。道は尾根の西側山麓を横切るように作られ、急登は無い。登山口が標高2610mで排雲山荘が3402mなので、約標高差800mの登りとなる。天気が良く太陽が眩しく暑い位で半袖の人もいる。歩き始めてしばらくは、大木もなく高さ数mの木が生え、稲科の草が繁る。遠くには、別の尾根、山が見える。1時間ほどでモンロー亭につき、一休みする。こんな感じで斜度の緩い道を進み、1時間に1回ほど休憩をしながら歩く。私達のグループはゆっくりペースなので他の登山者が追い抜いて行く。

 道端の草花、周囲の山々、木々などを見ながら進む。草花は、シャジンのような花、黄色いカタバミの仲間、リンドウの仲間(日本のリンドウよりも小さく空色)、白いリンドウ、ウスユキソウの仲間、ミゾソバの仲間、ナデシコの仲間、黄色いキリンソウのような花、ヤマハハコに似た花などが咲いている。日本の里山に咲いているような花だが形、大きさ、色などが異なる。ススキも穂を出している。また、この後高度を上げても、コマクサやチングルマなど日本の高山植物のような花は咲いておらず、花については地味な印象を受けた。台湾という島が数百万年前に隆起したことと関係あるのかも知れない。

 登山道は、よく整備されている。橋、手すり、岩場には鎖、急坂には階段が設置されている。要所にはトイレ、自然解説の掲示板、分岐と約1㎞ごとの標識が設置されている。このルートの山小屋は、排雲山荘だけだが、入山者、宿泊者を約100名に限り、事前の予約が必要だ。10時位からは、下山の登山者に会うことが増える。多くは台湾人と思われ、「こんにちは」「がんばって」と日本語で声を掛けてくれる。私達も、日本と同様に挨拶をした。親日的な雰囲気を感じる。標高3000m位からは松や杉、栂に似た巨木が増える。説明の掲示板によると、「台湾冷杉、台湾鉄杉、台湾雲杉、紅檜林」であるという。直径1mから1.3mほど、高さ30mほどの巨木が林立している。林床には笹が生えている。

 進んで行くと、大しょう壁下になり、ここを通過する。道の左に平らな岩壁が50mほど立ち上がっている。地層が垂直になり、層理面が出ている。事前に学習したように、台湾はプレートの衝突で、隆起してできた島なのだ。道には地層がでているので、歩きやすい。谷を隔てた向かいの山の岩壁にも地層が見える。山荘はまだかと、思いつつ進んで、やっと、木々の向こうに山荘を見つけ、安心した。到着は予定よりも遅くなったが、無事、全員到着することができた。

 排雲山荘はこじんまりした建物で斜面の森の中にある。ここで宿泊の手続きをする。部屋、食事の時間の説明を受け、食券とシュラフを受け取る。費用を支払う。こと細かい説明は無い。

 夕食は1階の食堂で5:30から。金属の皿にご飯、豚肉、煮物などがセットになった物とスープだった。ベッドルームは2階にあり、2段(続きの床)で16人ほどの部屋だった。未明の登山に備え、早めに暖かい寝袋に入る。 

 

 

上:荒々しい岩肌には地層が見える 下:台湾のリンドウは青空の色

26日<天気曇り、晴れ>

 1時に起床する。1時30分に朝食を摂る。献立は、お粥に、おかずが5品ほどの質素な物だった。山頂で日の出を迎えるために、ペースが遅いことも考え、2:10に出発した。背中のサブザックは、最小限の物で軽い。ヘッドランプで地面を照らし歩く。台湾では3000m位が森林限界で大きな木が無くなり、日本のハイマツのような低い常緑の植物・玉山圓松が生えている。砂礫の斜面には、ほとんど植物がない。斜度はあるが、左右に道が切られているので、それほどきついとは感じない。他の登山者も私達の上の方、下の方ヘッドランプを光らせている。また、風もなくそれほど寒く感じない。幾分、岩場もあるが道が作られ、鎖が設置され、安全に登れる。4時ころに長さ100mほどの落石防止ネットが設置された場所に着く。そこから進むと、尾根に出た場所で先行者が、「風が強い」と引き返してきた。確かにそこに出ると大変な強風で寒い。道標は玉山頂上0.3kmとある。頂上まで近い、日の出までまだ時間がある、強風と寒さなどを考え、風のない落石防止ネットの場所で1時間ほど待機することにした。着こんだり、温かい飲み物を摂ったりして待った。

 5時半になり、少し空が明るんできた。全員で山頂を目指して歩き始める。急坂、岩場だが一歩一歩登る。20分かけて、5時50分に玉山山頂3952mに全員が到達した。5時55分、東の低い雲のある所から太陽が眩しく昇った。山頂には40人ほど登山者がおり、朝日で皆、登頂の赤い笑顔を輝かせていた。南方にも北方にも山波が長く続く。西方の薄雲には玉山の影が映っていた。

 山頂での充実した時間を過ごし、下山した。8時には山荘に着き、ブランチを摂る。献立は、野菜やフォーのような麺が入った物だった。食事後、山荘を出発した。良い天気が続く。下りなので幾分ペースは速い。だが、他の登山者が抜くことが多かった。下り道であるが、数か所登り返しもあった。距離の道標を確認し、予定の13:30に着くか、計算しつつ歩く。駐車場には、前日利用したタクシーを待たせてある。待っていてくれると思いつつ急ぐ。歩き続け、時々休み、巨木の森を抜け、登山口付近の車道が見えたときには、無事に下山できると分かり安心した。予定よりも30分ほど遅く着いて、駐車場で待っていたタクシーに乗り込んだ。

 その後は、予定どおり、高鉄嘉義駅から、新幹線で台北に戻った。駅からタクシーで20分ほどの淡水河左岸のホテルに着いた。手続き後、ホテル近くのレストランで食事を摂り、ホテルでゆっくりと休んだ。

 

上から:・鮮やかな黄色の花 ・巨木の盆栽のような幹 ・森が深い