東北

【ハイキング】焼石岳 花山行 2022/6/18-19

山  域:焼石岳1547.3m(岩手県)


山行形態:無雪期避難小屋泊ハイキング
目  的:春の花を楽しむ(ハクサンイチゲ)
日  程:2022年6月18日(土)~19日(日) 前夜泊
参 加 者:新井浩、駒崎
行動記録: 
6/17(金)東松山16:30=中沼登山口駐車場24:00 移動距離450km
東北道を羽生から平泉までひた走る。平泉から一般道を走り、胆沢ダムに掛かる橋を渡り終えると、焼石岳登山口の標識があり、未舗装の尿前林道を20分ほど走ると、中沼登山口に着いた。
6/18(土)中沼登山口5:15→銀明水7:30→姥石平9:10→焼石岳10:00/10:50→焼石神社11:25→東焼石岳12:30/13:00→金明水避難小屋15:00
<天候:晴れ>
4時起床で朝食と出発準備をする。40台ほど置ける駐車場は5:00ですでに満杯だ。人気の山だとわかる。トイレ有り、水道無し。5時を過ぎると皆さん続々と出発して行く。ポストに登山届を出して出発。すぐに木道が出てくるが、雪解け水でひたひたの状態だ。長靴で登る人を多く見かけたが、うなずける。中沼、上沼を通過する。途中にはシラネアオイやリュウキンカ、ミズバショウが咲いている。

 

谷筋を登るようになると雪が出てきた。柔らかいので、アイゼン不要で登れる。進行方向左手には残雪が多い横岳に日が当たっている。時折ミズバショウの群落がみられるようになると、銀明水に着いた。皆さん休憩をしている。冷たい水がおいしい。銀明水避難小屋の直下に銀明水が湧いている。しばらく休憩し、残雪の上を進む。

 

シラネアオイとオオバキスミレが登山道脇にずっと咲いている。天気も晴れ間が広がり良くなってきた。姥石平近くになるとお待ちかねのハクサンイチゲが出てきた。咲きたての真っ白できれいだ。ピンク色のミヤマシオガマがいいアクセントになって咲いている。姥石平では休憩する人がたくさんいる。足元にはヒナザクラが真っ白な花を咲かせている。ハクサンイチゲは多いが、思ったほどの群落はなくがっかり。焼石岳をバックにハクサンイチゲの花の写真を撮りたかったのだが。青空が出て来て風もさわやかで、気を取り直して焼石岳に向かう。なんとミヤマダイコンソウが出てきた。登るにつれ一杯咲いている。焼石岳の山頂は人で一杯だ。風が少しあり寒いので、風よけになるところで昼休憩とする。

 

焼石岳の山頂から北に向かい、焼石神社まで行く。大きな岩がゴロゴロした気持ちのいい縦走路だ。計画では南本内岳に行く予定だったが、パスして東焼石岳に向かう。大きな残雪を歩くとひんやりとして気持ちがいい。残雪の縁には溶けた水が溜まって青色がきれいだ。森林限界であると思われる灌木帯の登山道脇には、ミツバオウレン、ツマトリソウ、イワカガミが一杯咲いている。湿地にはヒナザクラが満開だ。

 

さわやかな風の中、広大な草原を進むと焼石岳と東焼石岳のコルにはお花畑が待ち受けていた。これが見たかった。ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマシオガマ、チングルマが絨毯のように咲いている。よく見ると、ユキワリコザクラやムシトリスミレもたくさん咲いている。東焼石岳の西斜面がお花畑になっていた。

 

東焼石岳の山頂に立つと、今までの人が全くいなくなった。ここまでは足を延ばさないらしい。行く手には、ハクサンイチゲ越しに経塚山までの稜線が続いている。素晴らしい眺めだ。これから金明水避難小屋を目指す。アップダウンを繰り返しながら六沢山を越え、しばらく進むと、赤い屋根の金明水避難小屋が見えてきた。

 

東焼石岳から約2時間で避難小屋到着。外では何人かの人が談笑している。中に入ると、かなりの人だ。内部はとてもきれいで、2階の一角に荷物を下ろした。1階には団体が居り、障がい者のグループのようだ。金明水は小屋からすぐのところにあり、冷たくておいしい。周りの人と話をしながら夜は更けました。

 

6/19(日)金明水避難小屋6:10→尿前川徒渉8:30→中沼登山口9:30=東松山18:50
<天候:晴れ>
4時起床で6時出発。午後から天気が崩れる、午後になると雪解けで尿前川の渡渉地点の水量が増すとのことなので、経塚山の往復は無しにして、下山とする。下山路は沢沿いを歩くが、残雪が多く、踏み抜きや滑落など気が抜けない。ピンクテープはところどころあるが、ルートをよく探さないと迷う事が数回あった。この時期は中沼への下山ルートは使わないほうが賢明だ。

 

林の中に入ると、通常の山道となるが、また沢沿いとなり残雪に注意をしながら下る。沢音が大きくなると、尿前川の渡渉地点だ。前のグループが渡っている。この時のために沢靴を持参した。膝程度の水量で、流れはそんなに早くない。沢靴に履き替え問題なく徒渉。水は冷たくて気持ちよかった。この後は通常の山道を下り、尿前林道に出て、駐車場が見えてきた。

 

3年越しの念願がかない、前情報通りにお花畑が広がる名山でした。登りのルートは雪解け水が有り、残雪も多いがはアイゼンは不要であった。金明水から中沼の道は徒渉や道迷いがあるので、なかなか厄介なコースでした。夏油温泉への縦走コースもあるが、橋が落ちて通行止めとの情報有りました。

(新井浩 記)

【ハイキング】桃洞・赤水渓谷と森吉山

山  域:森吉山1454.2m(秋田県)

赤水渓谷

日  程:2022年10月7日(金)~10日(月)

参 加 者:L新井浩、駒崎

行動記録:

10/7(金)深谷5:30=東松山6:00=秋田内陸縦貫鉄道阿仁前田温泉駅15:55 626.2km

 東北道、秋田道をひた走り、五城目八郎潟ICで高速を降りて16時前に宿に着く。

 

10/8(土) 阿仁前田駅7:15=森吉山野生鳥獣センター8:20→桃洞渓谷(桃洞滝まで)10:00→桃洞・赤水分岐10:40/11:00→赤水渓谷(赤水・玉川分岐まで)12:50/13:25→往路戻る→森吉山野生鳥獣センター15:45/16:30=阿仁前田駅17:30

<天候:曇り>

森吉山野生鳥獣センターに車を停めて、出発。最初はブナの森の中の整備された道を歩く。落ち葉が積もった歩道は良い感じだ。桃洞・赤水分岐を桃洞沢(桃洞滝方面)に進む。

 

やがてナメている沢が見えるようになり、桃洞横滝が見える。小滝だがナメた感じの緩やかな段差がなんとも言えないいい感じ。左岸の脇を歩くようになり、しばらく行くと、対岸に渡る飛び石のような足場を作ってあるところを渡る。

 

右岸は遊歩道を整備したように岩盤が歩き易いようになっている。小滝の脇をテクテク歩いていくと渓谷が狭まってきた。行く手が曲っていて先が見えないところを進んでいくと、待ってましたの桃洞滝だ。写真では見ていたが、なかなかの迫力だ。しばらく見とれる。

 

沢の水は茶色掛かっている。濁っているのではなく透明な茶色。今日は曇りで肌寒いので、休まずに来た道を戻り、赤水渓谷へ向かう。赤水・玉川分岐まで戻り、沢靴に履き替えて赤水沢(赤水渓谷)に入渓する。しばらく巻道となっていたが、いよいよ天国の散歩道に入る。

 

沢の流れは多くなく、浅いところがずーっと続いている。ジャブジャブ楽しい。こんなにナメている沢は見たことない。一枚岩盤のU字渓谷だ。小滝もあるが、沢の真ん中を登れる。ところどころ甌穴(水流による浸食で出来たくぼみ)があり、気を付けないとだが、光の加減で水の中は見えにくいので、そろそろ歩く感じだ。どこまで歩いてもナメ沢は続き、小滝があると思えば、全くの平滑な流れだけになったりと変化がありとても楽しい。紅葉はまだな感じだが、一部紅葉が始まっている。今年は遅いようだ。

 

やがて赤水・玉川分岐だ。右沢左沢に分かれており、兎滝の右沢へ向かう。時間を見ると、大分遅れており、兎滝まで行きたかったが、今回はここまでとして、昼休憩を取り、戻ることにする。帰りは下りで難しいかと思ったが、ゆるい傾斜なので思ったよりも歩き易く、問題なく、沢靴を履いた地点に戻る。そのまま森吉山野生鳥獣センターまで戻り、沢靴を脱ぐ。

 

時間があったので、森吉山野生鳥獣センターを見学する。係りの人になぜ沢の水の色が茶色(透明な)なのか聞いてみたら、気温が低く、腐葉土の腐敗が遅く、その色が染み出たものと思います。との回答でした。後で調べたら、溶存有機物と呼ばれる、植物(落ち葉や根っこ)から染み出たもの。北欧やカナダ北部の河川水は茶色をしているとのこと。

宿に戻り、温泉に入って冷えた体を温めました。

 

10/9(日) 阿仁前田駅7:25→阿仁スキー場8:00→ゴンドラ山頂駅9:15→森吉山11:00/11:55→ゴンドラ山頂駅13:20→阿仁スキー場13:40→阿仁前田駅14:30

<天候:晴れ>

今年の2月、厳冬期に快晴の森吉山で山スキーをした。その山を紅葉の時期に登って来ました。

晴れ渡った空は気持ちよく、山頂の気温は7℃と書いてある。ゴンドラを降りて、登山道を石森と呼ばれるピークへ向かう。

 

周りの木々は茶色で紅葉とは呼べない代物。ブナの葉は黄色と茶色。ナナカマドは葉っぱがすべて落ちて赤い実だけになっている。山麓では見ごろとあったが、今年の紅葉は期待外れか。石森のピークからは森吉山の全景が見え、山スキーで滑った斜面が手に取るようにわかる。池塘がある湿原は草紅葉できれいだ。たくさんの人が登っている。阿仁避難小屋の前後は笹原の中を歩く。針葉樹の森になり、すぐに森林限界で樹木がなくなる。紅葉する木々が少ない。そんな感じだ。

 

やがて山頂。これで3度目だ。風が出てきているので、窪地に陣取り昼休憩。これからの季節は温かいものがいい。小学校の遠足らしき集団で山頂はにぎやかだ。岩木山、八甲田などは多少雲がかかっているが確認できた。まだまだ登ってくる人がたくさんいる。その中を下り始める。下りはあっという間に石森のピークへ到着。森吉山を目に焼き付け、ゴンドラ駅へ向かった。

 

10/10(月) 秋田内陸縦貫鉄道阿仁前田駅8:00→東松山19:25→深谷19:55

 3泊お世話になった宿を出て、田沢湖、盛岡IC経由で帰ってきました。往復距離1,338km。

(新井浩 記)

【ハイキング】東北山旅_2023夏 2023/7/2-7/9

東北山旅_2023夏_20230702-09

以東岳山頂より、以東岳避難小屋と大鳥池を望む
山  域:以東岳、神室山、真昼岳、和賀岳、姫神山
目  的:東北の夏の花と山を楽しむ
日  程:2023年7月2日(日)~7月9日(日)
参加者:新井浩、駒崎
行動記録:
 7/2(日) 移動日
 7/3(月) 以東岳 以東岳避難小屋
 7/4(火) 以東岳
 7/5(水) 神室山
 7/6(木) 真昼岳
 7/7(金) 和賀岳
 7/8(土) 姫神山
 7/9(日) 移動日

 

7/2(日)
深谷7:00=東松山7:30=鶴岡市朝日屋15:15
 東北道、東北横断道をひたすら走り、月山ICで降りて、旅館朝日屋に到着。時間が早いので、隣にあるタキタロウ館を見に行く。タキタロウとは、滝太郎と書くらしい。明日の通過地点の大鳥池に住むという幻の大魚のことでした。

 

 

7/3(月)
朝日屋5:00=泡滝ダム大鳥登山口手前通行止め地点5:30/50→泡滝ダム493m6:30→七ツ滝沢橋8:50→大鳥小屋10:50/11:35→分岐11:40→東沢徒渉地点12:20→以東岳避難小屋16:35
<天候:曇り/ガス/夕方晴れ>
宿で朝ご飯を食べて5:00に出発。林道は補修のために途中で通行止めとなっている。泡滝ダムの手前約2キロ地点だ。約35分歩いて泡滝ダム大鳥登山口へ到着する。とんだアルバイトでした。

 

0/10から10/10までの表示のある登山道を進む。すぐにきれいなブナ林となり、途中まだ残雪があちこちで見られた。冷水沢と七ツ滝沢を渡るつり橋が2か所あり、結構揺れてスリリングでした。湧き水のところでは、山葵がいっぱい生えていた。

 

歩き始めて5時間で大鳥池の大鳥小屋(タキタロウ山荘)に到着する。大鳥池は目の前だ。水場、トイレ、キャンプ場があるが、人影は見えない。昼食を取り出発する。大鳥池のすぐ脇を通り、オツボコースを左に分けて直登コースを取る。

 

雪解け水で水量が多い東沢を渡渉する。直登コースは名前の通りで容赦のない直登で、雨の時は大変だろうと想像がつく。急登が一段落した1400m過ぎになると草原状になり、ヒメサユリがポツポツ出てきた。周りはガスで視界はあまり効かないが、湿原の様でイワイチョウも咲いている。

 

ガスが晴れて振り返ると、眼下に大鳥池が見える。熊の毛皮を開いたような形だ。避難小屋を目を凝らして見つけるがなかなかたどり着かない。ガスが晴れたら避難小屋が目の前にあった。以東岳避難小屋に入ると、先客3名あり。2階建てで、1階はトイレ、管理人室。2階に両側に2段ベッドがあるタイプ。

 

水場を探すが雪渓の末端に行かなくてはならないので、小屋のスコップで雪を砕いて小屋に持ち帰り、コッヘルで雪を溶かし夕食とした。夕方晴れて、展望がすこぶる良かった。20時前にはマットと寝袋を出して、2段ベッドにもぐりこんだ。

 

7/4(火)
以東岳避難小屋5:20→以東岳1771.9m5:30→オツボ峰7:00→大鳥小屋9:35/10:00→七ツ滝沢橋11:37→泡滝ダム14:10→手前通行止め地点14:50
<天候:晴れ>
 4時起床して、朝食を取り出発。快晴のいい天気だ。避難小屋から以東岳の山頂まで10分で到着。360度の展望だ。朝日連峰が気持ちのいい尾根を伸ばしており、その先に大朝日岳の三角錐の姿がよく見える。しばらく下るとヒメサユリが出てきた。ヒメサユリの群落をバックに朝日連峰を入れて写真を撮る。

 

チングルマやイワカガミも咲き残っている。草原にはイワイチョウ、岩場にはミヤマダイコンソウも咲いている。オツボ峰を過ぎた風衝地帯の砂礫の尾根には、ヒナウスユキソウがたくさん咲いている。

 

このオツボ峰コースは、上部は尾根歩きで快適だが、後半は激下りで、昨日の直登コースと変わらないか、それよりもひどいかもという状態であった。大鳥小屋で昼休憩をして、吊り橋を二つ渡り、泡滝ダムを過ぎて、やっとのことで駐車地点に到着した。

 

7/5(水)
役内口(やくないぐち)登山口417m 5:40/6:00→西ノ又コース→不動明王8:40→分岐11:10→神室山1365m11:35/12:40→分岐→パノラマコース→前神室山14:30→第二ピーク15:45→役内口登山口17:35
<天候:曇り>
 今日も登山口には先行者はいない。沢沿いを登る西ノ又コースを登りに使い、尾根のパノラマコースを下りに使う予定だ。しばらく林道を歩き、沢沿いを高巻きしながら進む。壊れそうな傾いた吊り橋を二つ渡り、不動明王の標識のある場所から急登の山道に入る。

 

胸突き八丁の表示がある通りの急登で、それを過ぎると草原状の草地で、まずはニッコウキスゲの群落があった。続いて御田の神と呼ばれる湿原となっており、ヒナザクラが登山道の両側に満開で咲いていた。

 

湿原の登りの斜面には、両側にキヌガサソウが一杯咲いていた。日本一の群生地らしいと避難小屋の中の新聞記事があった。西ノ又分岐前後には、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、センジュガンピなどが咲いていた。灌木地帯のアップダウンを過ぎると、やっとのことで神室山の山頂だ。

 

風が強いので、すぐ下に見える避難小屋で休むことにして移動する。小屋の内部はとてもきれいで、先行者1名が休んでおり、その方と少しお話をした。

 

休憩後に山頂に戻ると、ガスが晴れてきた。分岐から先のパノラマコースが良く見える。これから進む前神室山はなかなか格好がいい山だ。その後は第3ピーク~第一ピークを越えて、ブナ林を下り無事駐車地点に到着した。

 

7/6(木)
赤倉登山口321m 6:25/45→石台8:05→やせづる尾根865m9:40→分岐10:20→真昼岳1059.4m10:55/11:55→分岐12:15→やせつる尾根12:40→石台13:50→登山口15:00
<天候:曇り時々晴れ>
山の天気予報では、今日は和賀岳は雨模様で明日が晴れマークが付いて良さそうなので、明日の予定の真昼岳を本日に入れ替えをした。

 

今朝も登山口には、先行者はいない。沢沿いの登山道を登り、石台の標識のあるブナ林に到着。なかなか見事なブナ林が続く。この後に、真昼ブナ林、真昼ブナ原生林の標識が有り、きれいなブナ林が見られた。やせづる尾根に乗り、周りが見渡せるようになると、下界の大曲の街並みが見渡せるようになった。

 

音動岳との分岐からは南に登路を取り、30分ほどで真昼岳に到着。山頂に建つのは避難小屋かと思ったが、扉を開けたら神社が祀ってあった。外に腰かけて昼休憩とした。この時期の1,000mの山ではめぼしい花は咲いていなかった。

 

下山は花が無いので、コシアブラ(山菜)のきれいな葉っぱを写真に収めながら順調に下り、駐車地点に着きました。

 

7/7(金)

薬師岳登山口370m4:25/45→甘露水口5:00→滝倉6:30→倉方7:40→薬師岳8:50/9:00→薬師平9:10→小杉山9:30→小鷹倉10:00→和賀岳10:25/35→小鷹倉11:00→小杉山11:25→薬師平11:45/11:55→薬師岳12:10/12:50→滝倉14:20→薬師岳登山口15:30

<天候:曇り>

3時起床でおむすびを食べて出発、秋田県側の登山口へ向かう。最後は悪路の林道を走り、1時間弱で登山口に着く。休憩所をかねたトイレがある。林道を少し歩くと甘露水口に着き、ここから山道の上りになる。初めは杉林、直ぐにミズナラの巨木が現れ、ブナ台へ着く。ここからはブナの原生林が続く。更に進むと尾根筋へ出て、急登を上ると笹原の展望のきく尾根へ出る。前方は薬師岳の肩の偽ピーク、後方は真昼岳方面だが、山名分からず。偽ピークを越えていくとキスゲが現れ始め、遠くに和賀岳が見えてくる。

  

キスゲの中を上りきると薬師岳山頂、少し下るとキスゲが一面に咲くお花畑の丘、見たかった風景だ。ゆっくりは後回し、時間を決めて和賀岳を往復する事にしたので先を急ぐ。薬師平から緩やかに下り上ると、小杉山に着く。更に1キロ先の次のピークに進む。胸まで笹が生い茂る笹道に少し苦戦しながらも小鷹倉、そこからは和賀岳の全容見える。尾根先に和賀岳。笹に覆われてぬかるみもある道だ。

 

緩やかに下り上る。山頂近くになると笹は少なくなり足元にトキソウを見つける。キスゲが現れてくると山頂、周りはキスゲのお花畑でウスユキソウやオノエランも咲いている。小休止して戻る。薬師平でキスゲとの写真を撮り薬師岳でお昼休憩して、来た道を戻る。

 

 薬師平と和賀岳のお花畑が見る事が出来て良かったです。    (駒崎記)

 

7/8(土)
一本杉登山口511m9:40/55→姫神山1123.6m12:10/55→登山口14:25
<天候:曇り時々晴れ>
姫神山の登山口駐車場は、大きな公園のようなところで、トイレもある。時間が遅いのにも関わらず、登り始めている人が多くみられる。最初は広い登山道であったがすぐに細くなり、階段が出てきた。

 

5合目からは合目ごとに標識が建っている。特に変わったところはないが、8合目からは大きな岩が出始め、ぬかるみも有り足の置き場に苦労する。やがて山頂に到着する。

 

岩がゴロゴロしているところで、風が強いので風よけになるところに腰を下ろす。下界の平野が良く見える。風が強く寒いので早めに切り上げて下山した。

 

7/9(日)
乳頭温泉8:05=東松山18:25=深谷19:00
天気予報通り雨だ。道の駅あねっこに寄りお土産を購入し、東北道をひた走り帰宅した。


あとがき
今回の東北山旅の天候は曇り~晴れが続き、梅雨時期にしては非常にラッキーであった。ヒメサユリとニッコウキスゲがお目当ての花であったが、ヒナザクラ、ヒナウスユキソウ、センジュガンピやイイデリンドウなどの夏の花が見られて良かった。また、以東岳で前泊した旅館朝日屋で、同宿したお客さんの案内で、暗くなってからすぐ近くでゲンジボタルが見られた。

 

(7/7 駒崎、それ以外の日は新井浩 記)

【ピークハント】八幡平 早池峰山

花咲く盛夏の2山に登る

山域山名:東北 八幡平 早池峰山 

期日:2023年7月23日24日 

参加者:橋本(個人山行)

行動記録:22日 熊谷17:00=東北道=茶臼口登山口P0:30 

八幡平

23日 茶臼口登山口P5:20-八幡沼7:50-八幡平山頂8:15-田代沼入口8:50-車道-茶臼口登山口P10:40=早池峰キャンプ場15:30

 

左:南に岩手山を望む 右:静かな八幡沼、八幡平で一番大きい

 <天気曇>熱い熊谷を後に、東北道をひた走り、深夜、八幡平の登山口に着くと寒い位の気温だ。満天の星を眺め、こんなにたくさんの星を見たのはいつだったかと感慨にふける。4時には明るくなり、簡単な朝食を摂り、茶臼岳に向かい、緩い斜度の道を登り始める。十和田八幡平国立公園の看板が、この山の成り立ちが火山であることを記載している。山頂まで森に覆われているので、できた時代が古いことが分かる。振り返れば南に岩手山が聳え、尾根が八幡平に続いている。また、すぐ下には、水蒸気が立ち上り、地熱発電所が稼働している。古くなったが木道が敷かれ、笹等も刈りはらわれ歩きやすい。シモツケの類の白い花が咲いている、モミジカラマツも咲いているが、鮮やかな花は咲いていない。サンカヨウやツバメオモトの花は咲き終わり、種になっている。花や木、景色を見ながら登っていくと茶臼山荘があった。ここから南に少し歩くと眺望のある1578mのピークに出る。南方、西方に緩やかな山脈が広がり、森や草原に被われている。湖も点在する。雲海も広がる。ここから黒谷地湿原までは、緩い森の中の単調な道だ。急に森が終わり、草原になる。キスゲがたくさん咲いている。車道方面にも湿原が広がっているので歩いてみる。湿原の中央に戻り、八幡沼を目指す。道端にもキスゲが咲き、朝日に光る。安比岳分岐を源太森方面に進む。斜面が草原でウサギギクなどが咲いて、ここはカラフルなお花畑だ。森の中から八幡沼が望める。下って行くと木道があり尾瀬のような湿原で白い花が咲いている。八幡沼の湖岸で一休みする。森の中の静寂な湖。心安らぐ。ガマ沼横を通り、八幡平最高地点に至る。標高1613m。藤助森を通り、田代沼の入口に向かう。このルートには登山者はおらず静かだ。白い花のコウメバチソウや黄色い花のカンチコウゾリナが道端に咲いている。沼で、西に進むと車道に直ぐに出た。 この後、バスの便はないので、ひたすら車道を駐車場まで歩いた。

 

 

左右:穏やかな山容、数多くの湖沼、森、湿原、お花畑が八幡平の魅力だ

早池峰山

24日 河原の坊P5:00=小田越5:30-早池峰山7:00/7:30-早池峰剣ケ峰8:10-小田越10:10-河原の坊P10:40=東北道=熊谷19:30

上:蛇紋岩の岩峰が目立つ 下:早池峰剣ケ峰から北方の山波

<天気晴れ>平日なのでキャンプ地から車で河原の坊駐車場まで行く。(この期間の土日は岳から上はシャトルバスでのみ入れる)10台ほど停まっていて登山者が準備をしている。直ぐに支度をして車道を30分ほど歩く。小田越には携帯トイレ持参、熊の出没の注意書きがある。ここから北の早池峰の登山道に入る。あまり高くない樹林の中の緩い斜度の道を登る。木道が整備されている。標高100mほど登ると樹木は無くなり、ハイマツと草原になる。山を見上げると薄茶色の大岩があり朝日に光っている。早池峰は蛇紋岩でできており、固有の植物があるので有名である。またこの標高で森林がないのはその地質によると言われている。少し登り、南方を振り返れば薬師岳が濃緑の樹林に被われている。道端にはウスユキソウやカライトソウが咲いている。次第に大岩が近づいてくる。草の丈も小さくなる。岩の割れ目に小さな草花が根付いている。ツメクサの類やイブキジャコウソウも咲いている。梯子のある辺りには、桃色のミヤマアヅマギクが何輪も咲いている。尾根に出てからは平坦になり、西に進む。コバイケイソウが群生し、クリーム色の花が咲く。山頂には祠、山小屋(建替え中)がある。山頂西側で一休みする。北上川を挟んで、北から岩手山、和賀岳、焼石岳、栗駒山、蔵王山までの連なりが見え、その向こうに残雪の鳥海山がわずかに見える。

 登山者はちらほら登ってくる。会話すると、岡山からで岩手山、鳥海山に登るという。一休みした後、薬師岳には登らず、剣ケ峰まで足を伸ばすことにした。道端にはヨツバシオガマの赤紫が目立つ。ウスユキソウとミヤマウサギギクが同じ場所に咲いていて、頭花からこの山の固有種ハヤチネウスユキソウであることが分かる。

剣ケ峰までは尾根で、低木に被われている。早池峰の蛇紋岩とは違う岩石が出ていた。植物はハイマツやツガの類があり、シャクナゲ、ツツジなども生えている。

晴れて、微風あり、眺望もきく。山脈が幾重にも重なる。地味な標柱のある山頂で一休み後、草花、地形、眺望を愛でながら小田越に下った。

 

 

 

早池峰の花々 上から右回りで ミヤマアズマギク ハヤチネウスユキソウ コバイケイソウ カライトソウ イブキジャコウソウ ヨツバシオガマ  

 

 

 

【ピークハント】朝日連峰

 小朝日岳、大朝日岳、西朝日岳を巡る

オヤマリンドウ群生

山域山名:東北 朝日連峰

期日:2023年9月3日、4日

参加者:橋本 (個人山行) 

行動記録:2日 熊谷21:00=東北道・山形道=日暮沢小屋登山口2:00 3日 日暮沢小屋登山口7:40-小寺山11:20-小朝日岳12:10-大朝日岳避難小屋14:20 大朝日岳往復1時間 大朝日岳避難小屋泊

4日 大朝日岳避難小屋5:30-西朝日岳7:00-竜門山7:50-清太岩山経由日暮沢小屋10:50=山形道、東北道=熊谷18:00

3日<天気曇>

深夜、登山口近くの駐車場で仮眠して朝、起きた。車のエンジンをかけようとするがかからなかった。JAFのお世話になり無事に移動できた。余り遅れずに日暮沢登山口に着いた。奥の駐車場は30台ほどで満車。手前の駐車場に停める。すぐに支度をして、予定のコースを歩きだす。根古川沿いの林道を歩く。時間が遅いせいか、登山者に出会わない。左からの沢を少し山側に登って越す。さらに歩き、左の尾根に取りつく。周囲は大きな木々で暗い。尾根には、ブナが生えており、その太さは直径1mほどもあり、巨樹といえる太さだ。低木や下草も結構生えている。標高が上がるにつれ、ヒヨドリバナの類や鮮やかな紫のリンドウなどが心を和ませる。傾斜のきつい場所は他の山と同様、道が抉られ心が痛む。ハナヌキ峰まで登ると東側の尾根が現れた。直ぐに分岐になり、小寺鉱泉からの道を合わせる。下山してくる登山者は数名で少ない。小寺山まではそれほど急登ではないが、道は荒れており、ネットや丸太で整備がされている。主には登山道の水をその外に逃がすよう溝が付けられていた。高度を上げると木々が低くなり、笹原、ハイマツが現れる。顕著なピークでない小寺山で一休みする。南に聳えるピークに道が見え、下山してくる登山者が見える。あそこまでの急登を登るのかと、心がひるむ。だが、一歩一歩ゆっくりでもしっかり登っていくと間もなく山頂に立つことができた。シャツ、ズボンは汗でぐっしょりだったが。1647mの山頂で数名は休めるほどの広さがあった。ここからは大朝日岳を望むことができ、そのすぐ下に避難小屋があるのが分かった。今日はあそこまで行くと気持ちを強く持った。コースタイムは約2時間。途中には、朝日連峰一の清水銀玉水がある。

 この後、一旦下る。約標高差150mの急坂悪路を下った。そしてまた、登り返し。小寺山の標高1500m位からは、木々は灌木になり、笹原、草原が増えてきた。草原には秋の花が可憐に咲いている。特にオヤマリンドウとトリカブトは群生して色鮮やかだ。大朝日岳までの登りの道は程々登り易い。銀玉水を見逃さないよう注意して登り続ける。先行の2人連れがザックを置いて道の左の窪みにいる。それで銀玉水の所在が分かった。早速冷たい清水をコップ2杯いただいた。美味しい清水で感動し、疲れが飛んだ。、夜の分の水を容器に入れた。後少しで小屋まで着くと頑張って歩くことにした。

道が平坦になり、北側の西朝日岳方面までなだらかな草原が続く。あまり予定より遅れることなく避難小屋に着くことができた。

 大朝日岳避難小屋には、この日、管理人が、おり受付して使用場所の指示を受け2000円を納めた。鉄骨作り2階建て、ロフト、トイレ付きだ。水場は10分ほどの場所に金玉水がある。先客10名ほどがおり、この晩の宿泊者数は20名ほどだった。

 時間に余裕があるので、山頂まで行く。秩父の山よりも500mほども低い標高1870mの大朝日岳山頂付近には、低木と草原とガレバが混じっている。ガンコウランとコケモモの小さな実がついているので味見する。この標高では、高木が生えるはずであるが、多雪で雪解けが遅く、草原になっているのではと推測した。頂上に立てば涼風が吹き、南方に連なる山々、北には西朝日岳などを望むことができた。

 小屋に帰って間もなく、管理人が「ブロッケンがでた」と皆に声をかけた。外に出ると、傾いた西日が東側の霧に自分の影を映しだしていた。しばらくブロッケンを見た跡、早めに暖かい夕食を摂り、ゆっくり休むことにした。

上から 小朝日岳 大朝日岳稜線 大朝日岳山頂 大朝日岳避難小屋

4日<天気曇>明るくなると同時に起床し、簡単な朝食を済ませ5時30分には出発した。曇っているが雨が降るほどではない。小屋から北に延びる稜線の道をたどる。直ぐに金玉水に至り、清水をいただく。さらに草原、ハイマツの混じる尾根をずんずんと進む。この尾根にはトリカブトとマツムシソウが咲いている。ハクサンイチゲやウスユキソウは咲き終わっている。背の低いミネサクラは気が早く、もう紅葉している。ウメバチソウもちらほら咲いている。雨滴のついたシャジンも咲いている。竜門山から右の道に進む。幾つかの小ピークを越しながら清太岩山で休む。後は、落葉樹林の中、下草も生えている尾根筋をずんずんと下る。他の登山道と同様、急斜面の道は沢状で深さ2mの深さの谷になっている。そこは歩きにくいので脇に新しい道がついている。標高1000m

ほどの標高では、太いブナが生えている。また、小屋の裏の尾根には五葉松の巨樹が10本ほど太い幹を天に伸ばしている。この尾根は、マツが育つのに条件が合っているのかと思う。そんなことを考えていると、小屋が木々の向こうから現れ無事に日暮沢小屋に着いた。ほぼ予定のコースタイムで歩くことができた。

上から シャジン トリカブト 西朝日岳を望む