埼玉県熊谷市の山岳会 海外トレッキング、登山、山スキーなど幅広く活動しています。
関東
【残雪期ピークハント】景鶴山
残雪期限定の景鶴山へ
山 域:群馬県:景鶴山2004m
目 的:残雪期の、群馬・新潟県境の景鶴山を往復する
山行形態:残雪期ピークハント
参加者:(単独)高橋仁
期 日:2021年04月25日(日)、26日(月)
4月25日(日)
熊谷7:30=尾瀬戸倉10:10=鳩待峠11:15→山ノ鼻12:10/12:45➝尾瀬ヶ原→燧小屋14:30(泊)
23日に道路が開通して24日に山小屋が営業開始したので残雪期限定の景鶴山に登ろう。満開の桜と水仙の戸倉。バスから降りてきた5人位の若者が「水芭蕉を見に来たが鳩待峠の残雪を見てそのまま帰ってきた」と言う。軽装にスニーカー履きでは当然だろう。尾瀬はまだ早春と冬が同居している。
鳩待峠からアイゼンを着けて山ノ鼻へ下る。昨日入山して今日帰る人たちが、疲れた顔つきで黙々と登ってくる。山ノ鼻で、コーヒーとパンで一息入れて尾瀬ヶ原へ向かう。燧ヶ岳が正面にどっしりと構えて、山頂部は気流がぶつかって時々ガスが湧いている。所々で木道が出ていて、踏み抜の後もある。早すぎの水芭蕉が雪や霜にやられて、白い苞の先端が茶色になっている。熊?鹿?食べ散らかしたのか、ちぎれた花が散らばっている。
前にも後にも人のいない雪原を燧ケ岳、振り返れば至仏山を見ながら、牛首を過ぎると左側に、黒く尖がった山頂の景鶴山が見えてきた。明日は東電小屋から与作岳を経由した長い尾根ルートをピストンして、尾瀬ヶ原を戻り、鳩待峠まで登り返しだ。雪の状態と天気が良ければよいが・・・。
竜宮小屋を過ぎ、見晴の燧小屋に到着した。雪に埋もれた小屋の周りを、除雪機がエンジン音を響かせている。今日の宿泊は埼玉からの3人と自分の4人だけ。入山者が少ない。
4月26日(月)
燧小屋5:40→東電小屋➝笹山➝与作岳(松嵓岳)8:20/8:40m→景鶴山9:30/10:20➝与作岳10:50→11:20→笹山➝東電小屋12:25→ヨッピ吊橋➝牛首➝山ノ鼻14:00/14:40➝鳩待峠15:50=戸倉16:20=熊谷19:30
昨夜は満月で外が明るかったが、朝は風が強く粉雪が舞っている。山頂でゆっくりし、バスに遅れないように用意してもらったおにぎりを食べて出発。東電小屋から少し笹薮の出てきた斜面を登り始める。雪も止んで青空が見えてきた。雪は固くアイゼンが効くし、踏み抜の心配も無い。
久々の重いザックとアイゼンで足が重いが、二つのピークを越えて与作岳まで一気に登って休憩。山頂がなだらかで、コメツガ(シラビソ?)に付けられた山頂プレートを見つけるまでうろついてしまった。ここから見る景鶴山は至仏山を凌駕しそうな雄姿だ。大きく下って登り返し、景鶴山頂部に取りつくと雪の切れた大岩の右をよじ登って山頂に到着した。
先行した加須市の若者が「与作岳でも景鶴山でも山頂標がいくら探しても見つからなかった」と言っていたが、足元の雪の中に埋まっていた。針金が切れて木から落ちて今朝の雪に埋もれたようだ。風で飛ばされないように、細紐で括り付けて置いた。
眼下に尾瀬ヶ原、至仏山、赤城、富士山、袈裟丸、皇海、錫ヶ岳、日光白根、尾瀬沼、燧ヶ岳、会津駒、平ヶ岳、巻機と絶景の広がる山頂で至福の時を過ぎしたら、急いで下山開始。柔らかくなってきた雪は、流しながら快調に下れる。与作岳で最後の景色を見たら一気に東電小屋に下る。
ヨッピ川と下の大堀川は、橋板が外され、むき出しの鉄骨の上を慎重に渡る。見渡す限り雪原でたまに人影が見えるだけの尾瀬ヶ原は、長く長く感じる。ひたすら歩いて、山ノ鼻に到着した。バスの時間には余裕なので、お湯を沸かして暑いコーヒーを飲んで、寛いだらバスの待つ鳩待峠へ最後の登り返しだ。(高橋仁)