埼玉県熊谷市の山岳会 海外トレッキング、登山、山スキーなど幅広く活動しています。
甲信越
【ピークハント】乗鞍岳
乗 鞍 岳 (個人山行)
バス利用で登れる3000m峰
山域山名:北アルプス 乗鞍岳
期日:2022年9月26日
参加者:橋本
乗鞍岳剣ケ峰はあそこだ
行動記録:25日 熊谷=上信越長野道=三本滝バス停 26日 三本滝バス停7:15=シャトルバス=畳平バスターミナル7:50/8:00-乗鞍岳剣ケ峰9:10/9:30-肩ノ小屋-10:00-位ケ原山荘10:50-三本滝バス停13:00=上信越長野道=熊谷
<天気晴れ>台風15号の影響で連休は広い範囲が雨で、乗鞍岳のシャトルバスも24日は運休となっていた。25日は運行する予定なので乗鞍岳山行を計画した。畳平までのシャトルバスは長野県側からのエコーライン経由のみで、岐阜県側からはスカイラインが通行止めで運行中止となっている。
5時過ぎに起きる。周囲はスキー場で草原が広がっている。ススキの穂が朝日で光っている。空が青く、秋の雲が少しかかっている程度の良い天気だ。朝食を摂り、準備をして朝一番6:15のバスに乗ろうとバス停に行くが、6:15発は赤字で日祝日のみの運行と記されていた。PC画面では気づかなかった。次の7:15の便に乗る。ここのバス停では、1人しか乗車がないが、2台のバスは登山者でほぼ満席だった。バスは、畳平目指し、ダケカンバの混じる急な針葉樹の森を走り、標高を上げていく。下の乗鞍高原、その向こうの松本市街、さらに向こうの八ヶ岳などが見えてくる。冷泉小屋、位ケ原山荘前を通過すると樹林を抜け、一気に視界が広がり、乗鞍岳、周囲の山々がよく見える。尾根を越え、畳平バスターミナルに着く。ここで全員下車する。標高2700mだが北側の恵比寿岳はハイマツの緑と岩の崩壊地で色づいている草木は少ない。駐車場から登山道を南に進む。薄茶の草原が広がり、草花はない。7月頃には花が盛りだと想像する。摩利支天岳には観測用のドームの建物が建ち目立つ。右に不消ケ池が緑っぽい水をたたえる。尾根に出て、その東側の作業道を進むと正面に蚕玉岳と乗鞍岳剣ケ峰が聳える。標高2500mを超え、ハイマツの帯が長く伸びている。東側には、山脈が幾つも重なって見える。肩ノ小屋を過ぎてからが本格的な登りで、息が切れ、汗が吹く。この辺にきて、登山者が増えた。老若男女が山頂を目指す。道は砂礫、大石、大岩だが濡れていないので、確実にステップを踏んで標高を上げる。景色はよく見えるし、風も無く、快適に登れる。乗鞍岳は火山で、少し登ると西側に火口湖の青い権現池が見える。最後の斜面を登り、神社の建物の建つ乗鞍岳剣ケ峰に到着した。四方の山々が本当によく見える。北には、焼岳、穂高の山々、槍ヶ岳、笠ヶ岳、双六岳等が、東には、南アルプスの山脈、八ヶ岳が、南には御嶽山が、西には白山が見える。次々と登山者が登ってくる。しばらく休憩し、景色を楽しんだ後、下る。
上:不消ケ池 中・下:北アルプスを望む
肩ノ小屋まで往路をたどり、そこから東斜面の道を下る。春スキーでこの辺まできたと思い出すが、雪があり場所は大体でしかわからない。大石がある道で、景色を見ながら下る。乗鞍岳東斜面には帯状にハイマツが生えている。土砂の留まる凸部に帯状に生えている。標高2500mを超えて灌木、草が生えているので、火山活動は相当以前に止まったのだろう。足元近くを見れば、大石の間に砂礫が溜まり、そこに草が生えている。
三本滝までの登山道があるが、数か所、乗鞍エコーラインのため途切れている。次の入口に確実に入るには行き過ぎないよう注意が必要だ。ガードレールなどに赤のペンキでマークがあり入口などと記されている。最初は登山道に車道から入る場所を見過ごし、1度戻り、沢筋の道に入り、下る。植物も生えているが、岩間に生えるミヤマダイコンソウが赤くなっている位で、他は黄茶色で目立たない。少し下ってからナナカマドの紅葉、赤い実に出会う。ヒョウタンボクの赤い実も見つける。急斜面を下って、ダケカンバの林を抜け、車道に出る。車道は、マイカー規制で車はほとんど通らない。通るのは自転車でちらほら。位ケ原山荘を過ぎて登山道に入る。この辺から、木々が大きく、樹種も常緑針葉樹が増える。斜度がきついが、板で道が整備されている。冷泉小屋を過ぎ、道は沢沿いになる。ムシカリの紅葉と赤い実、地味な花のハグマなどがある。最後の車道を横切り、尾根筋に入る。針葉樹の鬱蒼とした森の中を進む。笹がその下に生え、道沿いには、マイヅルソウ、ユキザサが赤い小さな実を付けている。三本滝レストハウスのほぼ真北で尾根道からの分岐があるはずだと右を見て歩く。直ぐに分岐の標識があり、右に曲がり斜面を沢に下る。そして橋を渡り、少し登っていき、出発した三本滝の駐車場に着くことができた。肩ノ小屋から位ケ原山荘までは、登り下りの登山者に会ったがその後は1人の静かな山歩きだった。登山道が車道で分断されており、特に入口に注意が必要だ。車道とはいっても車は通らず、静かである。時期を選んで行けば地形、森、植物が変化に富んだ道で、景色も植物も楽しめる山である。また、植物の垂直分布もよく分かる山である。
上左:ナナカマド 上右:ムシカリ 中:透明感のあるユキザサの実 下:静かな森を歩く