埼玉県熊谷市の山岳会 海外トレッキング、登山、山スキーなど幅広く活動しています。
甲信越
【ハイキング】桜満開 光城山、長峰山 2023/4/10
山 域:光城山911.7m、長峰山933.4m 長野県安曇野市豊科光
目 的:春の花散歩 桜
日 程:2023年4月10日(月)
参 加 者:新井浩、駒崎
行動記録:深谷6:00⇒光城山登山口P9:10/9:30→光城山10:50→烏帽子峰11:40→長峰山12:10/13:45→光城山登山口P15:05
光城山の駐車場は一杯であったが、ちょっと待って何とか滑り込む。ここは安曇野の市民のお手軽ハイクの山のようで、早朝登山の人たちは、すでに下山してきたようだ。今日は月曜日なのであまり人はいないかなと思ったが大違いで、桜満開でにぎやかであった。
登山道を登り始めると、桜の大木が続いており、満開だ。桜の樹間から北アルプスの山並みがきれいに見えて、登っている最中ずっと心が躍った感じであった。桜の花びらと、常念岳をきれいに入れて写真を撮ろうとするが、かなかなかうまくいかない。登り始めて一時間ほどで光城山の山頂エリア。そこには桜の林が広がっており、ここも満開。花見をする人も多い。こんないいところがあったんだと、またも感動ものでした。
桜を堪能して、長峰山に向かう。舗装されたハイキング道、歩き易い山道、とてもよく整備されている。光城山から烏帽子峰を通過し、長峰山に到着。山頂には展望台と鎖(クサリ)のモニュメント。ここも桜があり、大勢の人が休んでいる。展望台に登ると360度の展望。北アルプスと安曇野の街並み、いい景色だ。ここで昼休憩とする。桜の下に腰を下ろしのんびりする。
目の前に広がる北アルプス、蝶ヶ岳~常念岳~餓鬼岳~蓮華岳と山頂部が白く化粧された山並みがきれいだ。安曇野への移住者が多いと聞く。こんな景色が見られるからだろう。桜の中を下山始める。つづら折りの登山道を安曇野の街に向かって降りていく。やがて麓の集落へ降り車道を駐車場へ戻るが、集落の庭先の春の花を見ながら歩くのも楽しく、あっという間に駐車場へ着いた。時間があったので、この後わさび農園に行き、わさびコロッケとわさびソフトクリームを食べました。
(新井浩 記)
【無雪期PH】北八ヶ岳 同人秋合宿 2022/10/8,9
秋の合宿(一日目) ぬかるみの山路に苦戦 茶臼山・縞枯山
山 域:北八ヶ岳 茶臼山・縞枯山
期 日:2022年10月8日 (土)
参 加 者:C L橋本、S L高橋(仁)、須藤、黒澤、赤坂、相澤
行 程:熊谷駅南口5:00=川本5:20=白駒池駐車場7:30/9:20→麦草峠9:45→大石峠10:00→茶臼山11:10→縞枯山展望台11:30/50→縞枯山→12:30→雨池峠13:10→雨池14:20/30→白駒池駐車場14:20
八千穂高原に入ると白樺の樹々が目立ってくる。黄葉を残したもの、すっかり葉を落した白樺が沿道を囲むように林立。「日本一の白樺の群生地」の看板が目に飛び込む。この白樺の群生を楽しみ、しばらく爽やかな林道を進めると目の前に車の縦列。白駒池駐輪場に到着だ。混雑するとは聞いていたものの、まさかこんなに早くから渋滞になるとは驚き。いつ入場できるのか見当がつかない。
9時少し前に駐車場に入ることができた。待つこと1時間30分。早速に登山支度を済ませ、白樺の森に入る。森はコメヅカの大木が林立、その中に白樺・ダケカンバが混じる。木もとは苔が一面に蔓延る。横たわっている岩にも覆いかぶさり、幻想的な景色を作る。
ここを抜けると視界が開け、山を背景に自然が作った庭が現れる。岩が散らばり、その間にハイマツ、芍薬、ナナカマド等の低木が生え、日本庭園を思わせる。美しい。この「白駒の奥庭」を後に、又、森に入る。「黒曜の森」と記されている。この森も、下地は苔に覆われ、神秘的な空間を醸し出す。フウリンゴケと記された札が目に入ったが、これにあたる苔がよくわからなかった。やがて森は苔に代わり熊笹が覆いかぶさってくると茶水池に入る。ここからはシラビソの森の中を歩く。シラビソのほのかな香りが漂う。道は木道で整備された遊歩道となり歩き易いが、雨で濡れ、かなり滑る。自分を含め、あちらこちらで滑り、尻餅をつく光景を見る。中小場に着く。
ここからは木道と岩場の道が繰り返し、茶臼山・縞枯山・雨池と続く。山路の両側はシラビソの森。横たわる岩に苔が覆いかぶさり、「もののけ姫」の世界に入ったかのような情景が続く。どこからか、妖精が飛び出すかのよう。 ゴロゴロとした岩を登り詰めると、茶臼山山頂に到着。視界が悪く、一息ついて縞枯山へ。道すがら立ち枯れたシラビソの木立群が目に入る。枯れた木立の脇には新しい生命が宿り、鮮やかな緑を見せている。大きく成長した若木も目に付く。やがて大きな岩塊が現れる。この岩塊をよじ登ると縞枯山展望台へ。どんよりとした天候では周囲の景色をのぞめない。ここを下り、縞枯山の頂上へ向かうが、頂上がどこなのか、はっきりしない。「ここが縞枯山」との標識があったが、そこであろうか。
スケージュールから大分遅れている。雨池に急ぐ。水面は静かに佇み、対岸に立ち並ぶ緑の濃淡がコントラストされ、おぼろげな景色を作る。東山魁夷の絵画が思い浮かぶ。その中に混じるナナカマドの赤が映える。ここでも長居は無用。急ぎ、白駒池駐車場に向かう。駐車場の渋滞、山路のコンデションの悪条件の重なる中での山行、お疲れ様でした。
(相澤記)
秋の合宿(二日目) ニュウ・中山・高見石コース
山域山名:北八ヶ岳(天狗岳コースを変更)
期 日:2022年10月9日(日)
参 加 者:CL高橋 SL橋本 須藤 相澤 浅見 黒澤
行動記録:白駒池8:05-白駒池分岐8:15/8:20-ニュウ9:40/9:55-中山峠分岐10:55/11:10-中山11:30/12:00-高見石手前13:00/13:05-高見石13:15/13:30-白駒池駐車場場14:20
<天気曇り後雨>今日の午後3時ころから雨になるとの天気情報から、昨夜の打ち合わせで、下山時間を早めるため天狗岳をコースから外した。登山順路もニュウを先にする時計回りにした。歩く時間が大分短くなったので起床を午前6時とゆっくりめに。温かいスープと赤飯で朝食。食後、テントと食器類を片付け、手分けして駐車場の車まで運び、改めて白駒池に全員集合の後、午前8時5分、我々のグループが最初に出発。出発するとすぐに木道となり10分ほど歩いたところで白駒池周回コースとの分岐に着いた。池の景色が素晴らしかったので写真休憩。
ここからニュウに向かう木道に入る。しばらく進むと木道はなくなりぬかるみの道を進むようになり、倒木や石の上を選びながらできるだけ靴を濡らさないよう歩く。転ばないよう足元ばかり見ていて、周りの苔むした美しい景色を楽しむ余裕がない。ニュウが近づくと斜度がきつくなったが、ぬかるみは少なくなり歩きやすくなってきた。尾根に出ると左手に岩の積み重なったニュウ。ニュウの岩の上に登ると雲が多かったが、西方面の北アルプスや昨日登った茶臼山や縞枯山はよく見えた。振り返ると天狗岳の荒々しい峰とこれから向かう稜線が見えた。15分ほど休憩し中山を目指す。先ほど見た稜線の道は樹木に覆われているが左手は急峻な斜面。
ニュウにいた時よりだんだんガスが多くなり景色は見えにくくなってきた。中山と中山峠の分岐に着く。歩く人の邪魔にならない所を探し休憩。ここから岩の急登になり20分ほどで中山の展望台に着く。展望台は風が吹き抜けていたので風の弱い場所を探して昼食休憩。中山からは下りになるが最初は岩の多い険しい道だったが、緩やかになるにつれぬかるみの多い道になってきた。
高見石が近づくと緩やかな上りになって、高見石まであと数分というところの広場状の場所で休憩。つくづく北八ヶ岳は本当に苔が豊かだ。こんな感じのところはそうはないだろう。改めて北八ヶ岳が気に入った。高見石小屋に着き、ザックをデポして高見石に登ったが眼下の白駒池はガスに覆われて全く見えなかった。ここから駐車場までの下山路は白駒池を通らない斜度が緩やかな左側の道を選んだ。
駐車場に到着し靴の履き替え荷物の整理を始めたところで雨が降り始めてきた。天狗岳をカットして正解だった。しかし我々より先に下山していると思っていた大島グループはまだ戻って来てませんでした。雨はだんだん強くなり、寒くもなってきて心配もしましたが、我々から1時間ほど遅れて無事下山してきました。
(黒澤記)
北八ヶ岳 ニュウ、中山、高見石ゆっくり組報告
山 域:北八ヶ岳 ニュウ2352m、中山2496m、高見石
日 時:2022年10月8,9日
参 加 者:CL木村 SL石川 白根 新井勇 大嶋 赤坂 豊島
行動記録:
10月8日 熊谷駅南口7:00=川本7:20=途中買い出し=白駒池駐車場→青苔荘
熊谷で調理用具を積み込み、川本で石川車と合流して出発。中部横断自動車道を終点手前で降りてスーパーで今晩の食材を買い込み白駒池へ。駐車場手前500m程から駐車待ちの長い列が出来ており、停められるまで1時間以上かかった。皆で手分けして青苔荘まで荷物を運ぶ。駐車待ちで予定が狂ってしまったので、ゆっくり組の今日の行動は荷物運びの2往復だけとなった。テントの板場を4か所確保し、青苔荘に受付に行くと、小屋の主人は熊トレの事を良くご存じでびっくり。のんびりと夕餉の支度に取り掛かる。健脚組は予定時間になっても到着しないが、あちらも駐車渋滞に巻き込まれたのだと気付く。夕食のキノコ鍋が出来上がる頃には健脚組も到着し、テントを手早く張って、皆で鍋を囲みながら歓談した。
(木村記)
10月9日 青苔荘8:08~08:25ニュウ方面分岐~09:06白駒ニュウ分岐~09:54稲子湯分岐09:55~10:19ニュウ10:40~12:04中山分岐(昼食)12:19~12:38中山~12:43中山展望台~14:14高見石小屋(高見石)14:29~15:15白駒の池~15:29白駒の池 駐車場
9日早朝天気は良く、木村さんは朝焼けに染まる白駒池を写真におさめる。予定外の赤飯ときのこ汁の朝食をいただきしっかりカロリーを摂取できた。テント装備、炊事用具などを一旦駐車場まで撤収し、再び青苔荘に戻る。
用意ができたところで、先発組に続いて出発する。白駒池の周遊路はほぼ木道になっている。半分ぐらい進んだところ、池の南東部からニュウへの登山道に入る。池の周辺からこのあたり一帯はコメツガやシラビソなどの針葉樹林帯である。地面や岩、倒木が幾種類もの苔で覆われ、また幼木もそこかしこに育っていて、うっそうとした雰囲気は独特のものだ。
ここのところ雨の日が多かったせいか登山道はかなりぬかるんでいて、湿った木の根や岩も滑りやすい。ゆっくり慎重に高度を上げニュウに到着。3連休の中日、巨石を不規則に積み上げたような頂上部分はかなりの人で混雑している。何とか記念撮影し、時折ほんの一瞬ガスが晴れる時には歓声が上がる。爆裂火口の硫黄岳、冬に行ったことのある天狗岳が近い。
ニュウから中山へ向かう。登山者も幾分少なくなった稜線の道をすすみ、中山峠への分岐でちょうどお昼になり昼食を摂る。昼食後、展望のない中山を通過、すぐ先の展望台で蓼科、雲のかかった北アルプスを望む。この後雲行きも徐々に怪しくなりひたすら高見石目指して下りる。下に向かうほど道もぬかるんで歩きづらい。
高見石小屋に到着し、高見石に上って小屋に戻る頃ぽつぽつと降り出してきた。雨具を着け早々に白駒池へ向かう。ほどなく雨も本降りになる。今回メンバー誰も転倒など事故無く歩き先発組の待つ駐車場に着いた。 (石川記)
【ピークハント】乗鞍岳
乗 鞍 岳 (個人山行)
バス利用で登れる3000m峰
山域山名:北アルプス 乗鞍岳
期日:2022年9月26日
参加者:橋本
乗鞍岳剣ケ峰はあそこだ
行動記録:25日 熊谷=上信越長野道=三本滝バス停 26日 三本滝バス停7:15=シャトルバス=畳平バスターミナル7:50/8:00-乗鞍岳剣ケ峰9:10/9:30-肩ノ小屋-10:00-位ケ原山荘10:50-三本滝バス停13:00=上信越長野道=熊谷
<天気晴れ>台風15号の影響で連休は広い範囲が雨で、乗鞍岳のシャトルバスも24日は運休となっていた。25日は運行する予定なので乗鞍岳山行を計画した。畳平までのシャトルバスは長野県側からのエコーライン経由のみで、岐阜県側からはスカイラインが通行止めで運行中止となっている。
5時過ぎに起きる。周囲はスキー場で草原が広がっている。ススキの穂が朝日で光っている。空が青く、秋の雲が少しかかっている程度の良い天気だ。朝食を摂り、準備をして朝一番6:15のバスに乗ろうとバス停に行くが、6:15発は赤字で日祝日のみの運行と記されていた。PC画面では気づかなかった。次の7:15の便に乗る。ここのバス停では、1人しか乗車がないが、2台のバスは登山者でほぼ満席だった。バスは、畳平目指し、ダケカンバの混じる急な針葉樹の森を走り、標高を上げていく。下の乗鞍高原、その向こうの松本市街、さらに向こうの八ヶ岳などが見えてくる。冷泉小屋、位ケ原山荘前を通過すると樹林を抜け、一気に視界が広がり、乗鞍岳、周囲の山々がよく見える。尾根を越え、畳平バスターミナルに着く。ここで全員下車する。標高2700mだが北側の恵比寿岳はハイマツの緑と岩の崩壊地で色づいている草木は少ない。駐車場から登山道を南に進む。薄茶の草原が広がり、草花はない。7月頃には花が盛りだと想像する。摩利支天岳には観測用のドームの建物が建ち目立つ。右に不消ケ池が緑っぽい水をたたえる。尾根に出て、その東側の作業道を進むと正面に蚕玉岳と乗鞍岳剣ケ峰が聳える。標高2500mを超え、ハイマツの帯が長く伸びている。東側には、山脈が幾つも重なって見える。肩ノ小屋を過ぎてからが本格的な登りで、息が切れ、汗が吹く。この辺にきて、登山者が増えた。老若男女が山頂を目指す。道は砂礫、大石、大岩だが濡れていないので、確実にステップを踏んで標高を上げる。景色はよく見えるし、風も無く、快適に登れる。乗鞍岳は火山で、少し登ると西側に火口湖の青い権現池が見える。最後の斜面を登り、神社の建物の建つ乗鞍岳剣ケ峰に到着した。四方の山々が本当によく見える。北には、焼岳、穂高の山々、槍ヶ岳、笠ヶ岳、双六岳等が、東には、南アルプスの山脈、八ヶ岳が、南には御嶽山が、西には白山が見える。次々と登山者が登ってくる。しばらく休憩し、景色を楽しんだ後、下る。
上:不消ケ池 中・下:北アルプスを望む
肩ノ小屋まで往路をたどり、そこから東斜面の道を下る。春スキーでこの辺まできたと思い出すが、雪があり場所は大体でしかわからない。大石がある道で、景色を見ながら下る。乗鞍岳東斜面には帯状にハイマツが生えている。土砂の留まる凸部に帯状に生えている。標高2500mを超えて灌木、草が生えているので、火山活動は相当以前に止まったのだろう。足元近くを見れば、大石の間に砂礫が溜まり、そこに草が生えている。
三本滝までの登山道があるが、数か所、乗鞍エコーラインのため途切れている。次の入口に確実に入るには行き過ぎないよう注意が必要だ。ガードレールなどに赤のペンキでマークがあり入口などと記されている。最初は登山道に車道から入る場所を見過ごし、1度戻り、沢筋の道に入り、下る。植物も生えているが、岩間に生えるミヤマダイコンソウが赤くなっている位で、他は黄茶色で目立たない。少し下ってからナナカマドの紅葉、赤い実に出会う。ヒョウタンボクの赤い実も見つける。急斜面を下って、ダケカンバの林を抜け、車道に出る。車道は、マイカー規制で車はほとんど通らない。通るのは自転車でちらほら。位ケ原山荘を過ぎて登山道に入る。この辺から、木々が大きく、樹種も常緑針葉樹が増える。斜度がきついが、板で道が整備されている。冷泉小屋を過ぎ、道は沢沿いになる。ムシカリの紅葉と赤い実、地味な花のハグマなどがある。最後の車道を横切り、尾根筋に入る。針葉樹の鬱蒼とした森の中を進む。笹がその下に生え、道沿いには、マイヅルソウ、ユキザサが赤い小さな実を付けている。三本滝レストハウスのほぼ真北で尾根道からの分岐があるはずだと右を見て歩く。直ぐに分岐の標識があり、右に曲がり斜面を沢に下る。そして橋を渡り、少し登っていき、出発した三本滝の駐車場に着くことができた。肩ノ小屋から位ケ原山荘までは、登り下りの登山者に会ったがその後は1人の静かな山歩きだった。登山道が車道で分断されており、特に入口に注意が必要だ。車道とはいっても車は通らず、静かである。時期を選んで行けば地形、森、植物が変化に富んだ道で、景色も植物も楽しめる山である。また、植物の垂直分布もよく分かる山である。
上左:ナナカマド 上右:ムシカリ 中:透明感のあるユキザサの実 下:静かな森を歩く
【ピークハント】越後駒ケ岳
越後駒ケ岳(個人山行)
初秋の越後の山を味わう
紅葉の向こうに越後駒ケ岳
山域山名:新潟県 越後駒ケ岳
期日:2022年8月19日
参加者 :橋本
行動記録:枝折峠(しおりとうげ)5:30-小倉山7:10-駒ノ小屋8:40/50‐越後駒ケ岳9:05/10:30-駒ノ小屋10:40-小倉山10:50-枝折峠12:40
上:荒沢岳も険しい 下:雪渓の上に山頂がある
<天気曇>この夏は猛暑に続いて雨続きで、山に出かけられなかったが、1日だけ晴れ間がでるとの天気予報に、念願の越後駒ケ岳に登ることにした。情報収集、計画立案し、夕方出かけた。小出-枝折峠は通行止めで、シルバーラインのトンネル利用、銀山平経由で枝折峠に行く。新潟に入って湯沢辺りから雨が降り始め、インターを降りた小出は相当な雨だ。峠に登る付近でも強い雨が降っていた。枝折峠のPには数台が駐車している。外にも出られないのでそのまま休む。
朝、5時起床、曇りなので一安心。直ぐに支度し、朝食をとり5:30出発する。銀山平方面も見える。昨晩よりも車が増えている。このルートは峠からずっと尾根歩きで、標高差1000mほどだが、水平距離が長く、コースタイムは11時間とある。荷物も少なく、速めに歩く。尾根道なので木々は高くなく、下草少なく、昨日の雨の後、風があったせいか夜露、雨露で脚が濡れることもない。リョウブが茂り、白い花を一杯つけていた。明神峠を過ぎ、南方にある荒沢岳が朝日に陰影深く聳える。西には今日登る尾根と、山頂が雲で隠れた越後駒ケ岳が見える。相当長い尾根だ。道は、階段、木道とよく整備されていて歩きやすい。ホツツジやオクモミジハグマ、コゴメグサ、ヨツバヒヨドリバナ、白い花のアジサイの仲間などが咲いている。派手ではないが、個性がある。
数十m以下の小ピークの登り下りを繰り返しながら進む。所々に小さいながらも湿原がある。道行山を過ぎ、小倉山付近から斜度が増す。雲が多く、すっきり晴れない。前駒で灌木が切れ、視界が効く道に出て左右の山麓、谷が見える。谷が深い。岩場が出てきた。左右は草原になり、黄色のキンコウカが鮮やか。岩場といっても足場はあり、バランスさえ崩さなければ問題ない。上の方にアンテナの鉄柱が立っており、あれが山小屋かと思いつつ登ると、そのとおりだった。水は流しっぱなしで、冷たい雪解け水を美味しくいただく。駒ノ小屋の東側に平らな休憩所があり数人休んでいる。小屋の裏から山頂が見えるはずだが雪渓が見えてその上は雲の中だ。小屋裏の黄色いキク科の花とトリカブトが綺麗に咲いている。山小屋の管理人に尋ねると花は自生だと言う。晴れるまでここで待っていても仕方がないので、山頂に向かう。笹も低くなり花も増える。リンドウ、アザミ、せり科の白い花、ゆっくり咲いたコバイケイソウなど。尾根になって右折150mで山頂に着いた。小さな像が祀られている。西の八海山は見えない。南に続く尾根がガスの切れ目に見える程度。30分間、他の登山者と晴れ間を待っていたが、晴れそうにないので下山することにした。
上1:リョウブの花 上2:キンコウカ 上3:ツバメオモト 上4:コシアブラの花
登りとは異なり、ナナカマドの葉の一部と実が赤くなっていることに気付く。岩場の岩がチャートで地層があること、アジサイの花が桃色になっていることなどにも気付く。10時ころまでは登る人とすれ違う。ハチとカマキリを合わせたような虫や、ヤマカガシに出会ったりしながら、峠に向かう。ツバメオモトの青い実がかわいい。コシアブラの花が咲いていて白い線香花火みたいだ。オオカメノキも実を赤くしている。オヤマボクチは牛蒡と同じような蕾を付けている。晴れ間も時々出て、日陰でないと暑い。順調に下って枝折峠に予定よりも早く着いた。
今回、水平距離が長く、コースタイムは山と高原地図で11時間10分、分県ガイドで8時間50分となっていた。5:30発、12:40着なので7時間10分かかり、休憩を35分引くと6時間35分で往復したことになる。コースタイムより幾分速く歩けるとは思っていたが、結構速く歩いたことになる。晴れていて、道も整備されており、日帰りで荷物も少ない条件もあったとも思う。転倒、滑落等事故せず、ばてない歩きかたが一番速い歩き方になるので、その範囲で歩くことを心がけ、この歩行力を維持したいと思った。
【ハイキング】志賀高原 2022/08/06,07
夏の志賀高原合宿
山域山名:志賀高原・赤石山、岩菅山、焼額山、自然探勝コース
期日:2022年8月6,7日
参加者:
6日 [登山組] 赤石山 :CL石川 SL橋本 高橋 木村 須藤 黒澤 赤坂
[散策組] 自然探勝コース :L相澤 大島 新井
7日 [岩菅山Aコース] L石川 黒澤 相澤
[岩菅山Bコース] L橋本 須藤 木村
[焼額山] L大島 高橋 赤坂
記録:
6日 赤石山
山域山名 : 志賀高原 赤石山(2109m)
期日:2022年8月6日(土)
参加者:CL石川 SL橋本 高橋 木村 須藤 黒澤 赤坂
行動記録:熊谷駅南口5:40=道の駅かわもと6:00=志賀高原道の駅9:20=大沼池入り口駐車場9:30→大沼池10:25/10:45→赤石山山頂12:25/13:00→14:20大沼池→15:15駐車場=ホテル一乃瀬
暑い熊谷から脱出し、志賀高原山の駅に到着、散策組と分かれて大沼駅駐車場まで車で移動し出発した。お天気を心配していたがよく晴れていて暑くも寒くもない。
登山道入り口からはしばらく山道を歩きその後、林道に出てそこから大沼池まで林道歩きが続いた。山の中には長い年月を感じられる自然に歪められた巨木や大きな岩を巻き込んだ木々も見られ森の中は苔むしていて深い森を感じさせられた。思ったより多くの花々が出迎えてくれた。ウツボグサ、イチヤクソウ、ギボウシ、ウスユキソウ、ゴゼンタチバナ、マイズルソウ(実)、エゾシオガマ、ヤマブキショウマ、イワシャジン 等など
林道の先に突然、目の前にコバルトグリーンともエメラルドグリーンとも見える大沼池が現れた。なんとも言えない深くて鮮やかな美しい池です。対岸には赤い鳥居が水の中にあり、神秘的です。少し大沼池を眺め休憩した後、池に沿って山道を歩きその後、池から離れて赤石山に向かう。少し緩やかな道を進んだあと急坂の登りが続く。運動不足と急な登りで体を持ち上げるのに足の短い私には大変だ。風もなく暑く、息も絶え絶えに「もう少し」と皆に励まされながら登る。時折、足元の可愛らしい花と優しい小鳥の声に癒やされた。ツルリンドウ、オダマキ(黄色)、シラタマノキ、アカモノ、花はつけていないがイワカガミ、ミツバオウレン、イワナシ等など
稜線に出ると涼しい風が吹き抜け背中を押してくれる。頂上近くはザレ場でその上の大岩が見事だ。狭い大岩の上は交代で景色を楽しんだ。360度素晴らしい景色です。
赤石山の頂上で記念写真をとり、頂上のすぐ下のザレ場で昼食休憩。陽が出でいて2000mの山とは言え風もなく暑い。トンボが目の前をたくさん飛び交っている。
帰りは来た道を下る。大沼池まで一気に下り一息つきそこから散策組が待つ地点まで石川CLが一人で先を急ぎ、残りのメンバーは池の周辺でしばらく休憩を取った。大沼池は志賀山からの溶岩流でせき止められて誕生した池です。強酸性のため魚も生息できないそうだ。強酸性なのは明石山から流れ出る赤石沢に硫酸イオンを含む強酸性の鉱泉が湧き出しているからです。コバルトブルーに見えるのもそのためです。透明度が高く浅瀬部分では底が透けて見えます。見る角度、光の加減で色が変化するようです。
しばし休憩後、駐車場をめざして大沼池のほとりから帰りは林道を駐車場までひたすら花を楽しみながら歩き、散策組と合流した。
エメラルドグリーンの大沼池、赤石山の岩峰、花々と鳥の声、山はいつの季節でもそれぞれの自然の美しさを見せてくれ、自然のエネルギーに心が洗われる。コロナ禍の3年ぶりの夏合宿、参加でき皆様に感謝です。(赤坂 記)
6日 自然探勝コース(蓮池~木戸池)
期日:2022年8月6日(土)
参加者:L相澤 大嶋 新井勇
行程:志賀高原山の家9:30→蓮池→ワタスゲ平→下の小池→ 信州大自然教育園10:30→まが玉の丘一周11:40→長池12:00/12:40→三角池→田野原湿原13:20→木戸池14:00
「自然探勝コース」とワクワクする楽しいタイトルに魅せられ選定。天候に不安があったが、志賀高原山の駅を歩き出す頃は、薄日が差してくる。睡蓮が浮かぶ蓮池から一歩を踏み出す。水面にはトンボが飛び交い、池を囲むあぜ道には、ヤナギラン、ギボシの花が咲き乱れ、タイトルに恥じないスタートである。
周回の先はホテルにぶつかり、その周りは車道となり、ワタスゲ平へ行く道が見つからない。ホテルは休業中。周辺を隈なく探し道標をみつける。この遊歩道を抜けるとスキー場が広がり、はたまた、どのみちを行くべきか道に迷う。運よく、地元らしき人が作業しており、道をたずねると、親切に教えてくれた。その方面に向かうと、小さな標識が現れる。これは、判りにくい。
ワタスゲ湿原周辺はヤナギラン花の群落に目を見張る。コオニユリもあちこちに点在。これらの花は最盛期を迎え映える。キスゲやワタスゲは花後の姿で寂しい。アサキマダラの飛び交うのが見える。フジバカマの花に数匹が群がっていた。黒の網目が掛かり浅黄色の羽の美しい蝶である。
下の小池を通り抜け、車道を横切ると信州大学自然教育園に着く。新井さんはここに留まり長池広場を散策。大嶋さんと私は、まが玉の丘コースを選ぶ。針葉樹林の鬱蒼とした中をうねった道を巡る。「くろべ」と樹名板がついた樹木、檜の仲間が目に付く。しばらく上ると展望台に着く。ここから周辺の山を眺める。明日、出発点となる東館山がくっきりと。
再び自然教育園に戻り、長池で昼食を取る。道沿いのヒュッテ前にテーブルとイスがあり、「ご自由に利用ください」と記されおり、ここを使わせていただく。
田ノ原湿原に向かう。ここからは少し勾配があり登り坂となる。湿原は笹の浸食がすごい。ここでもワタスゲやキスゲの花後の寂しい姿。家族連れの散策が目立つ。上り詰め、振り返ってみると湿原の全容が目の前に広がる。背景は緑の山、手前の湿原は笹の葉のグレーかかった緑、あちこちに点在する白樺。幹の白と葉の濃い緑。これらの色の調和は見事。美しい情景を作る。散策路の端に生えるすすきは穂をつけ、秋の気配。最終地の木戸池へ。
木戸池は鯉の養殖をしており、えさを撒くと大きな鯉が口をパクパク開け、何十匹と群がり寄ってくる。ここで登山組の車を待つ。
志賀高原は山野草、高山植物が豊富なことに驚く。あちこちに自然のお花畑が作られ、どのコースも可憐な花を満喫でき、楽しめる。(相澤記)
7日 岩菅山A コース(尾根とお花畑コース )
山域山名:志賀高原 岩菅山2,295m
期 日:2022年8月7日(日)
参 加 者:CL石川 相澤 黒澤
行動記録:ホテル8:15=(送迎車)=東館山ゴンドラ駅8:30=山頂駅8:35/8:40-岩菅山登山口9:10/9:15-赤石山分岐9:40/9:45-休憩10:35/10:40-ノッキリ11:15-岩菅山12:00(Bコースグループと合流・昼食)12:30-ノッキリ13:00-アライタ沢14:00-登山口駐車場14:20/14:35=(Bコース車)=ホテル14:50
<天気晴れ>
ホテルの送迎車で東館山ゴンドラ駅まで送ってもらう。ここで焼額山に向かうグループと分かれる。ゴンドラ駅は下車した所からかなり坂下に有ったが、うまいことにゴンドラ駅の送迎カートに乗せてもらいラクラク到着。
8時30分はまだゴンドラの営業時間外だったが予約しておくと動かしてもらえ、石川さんが予約をしておいたので、我々の乗ったゴンドラ1台だけが山頂駅を目指した。
山頂駅に着くとすぐ周りは高山植物のお花畑。観光客向けに植えられたものだが様々な花が満開だった。花に囲まれた岩菅山に向かう階段を進み、お花畑を抜けるとスキーゲレンデの中の道になる。この道をまっすぐ登り切り寺子屋ゲレンデの一番上に30分ほどで到着。岩菅山登山口の案内看板がありここで一休み。すぐ下にはヤナギランとニッコウキスゲが群生していた。
ここから登山路となり丸太階段道を登りきったところに寺小屋峰0.5Km,岩菅山3.4Kmの案内。登山口から30分ほど進んだところで赤石山への分岐。寺子屋峰は気づかず通り過ぎてしまったようだ。この分岐から先は、尾根のすぐ下の右斜面を巻く道で、右手には昨日登った赤石山が谷を挟んで見えた。ところどころ笹が生い茂って視界を塞ぐが、笹のないところは高山植物の花がずっと咲き続いた花道で下の斜面がお花畑になっているところもあった。
岩菅山が近づいてくるにつれ勾配がだんだんきつくなってきた。ノッキリに近づいた頃、岩菅山の方からアライタ沢グループのヤッホーの声が聞こえてきたが、登山路や山頂に目を凝らしても姿を認識できなかった。合流してから聞くと山頂からだったとのこと。ノッキリを過ぎるといよいよ最後の登り。ノッキリと山頂の標高差は約220m。ゆっくり登って1時間と見込んで登りに入る。私は無理せずマイペースで登ったが、時々照りつける焼けるような日差しが応え、体力のダメージを感じた。もう少しで山頂なのに思うように足が進まなくなってきた。それでもノッキリを出て約45分で山頂に着いたが、山頂に着いてから息が苦しくなり荒い息がなかなか収まらなかった。熱中症の初期症状だったのかもしれない。
30分の昼食休憩では私的に不安があったが下山開始。下山はアライタ沢グループと同一行動。ノッキリまでは足元が危なかしかったが、ノッキリを過ぎてアライタ沢の下りに入ると道が歩きやすくなり時間が経つに連れ調子が良くなってきた。ほとんどノンストップで登山口の駐車場に到着。ここからアライタグループの車でホテルに帰った。
ホテルのお風呂で汗を流し帰路に。最後の方、私事の記録になってしまいましたが、無事登山が終へて良かったです。また「信州割」の補助とホテルの対応もよく、全体的になんだか嬉しくなった今年の夏山でした。(黒澤)
7日 岩菅山Bコース
山域山名:志賀高原 岩菅山(2295.3m)
期日:2022年8月7日(日曜日)
参加者:L橋本 須藤 木村
行動記録
ホテル一ノ瀬8:15=聖平登山口8:25-アライタ沢出会い9:00-中間点表示9:50-ノッキリ10:30-岩菅山頂上11:15/12:30-聖平登山口14:30=ホテル一ノ瀬=川本道の駅19:00
7:30からバイキングスタイルの朝食をとり、晴れてはいるが午後から雨予報の中、車2台で出発、間もなく登山口に到着した。身支度を整え、急坂を10分程登ると、用水路に沿った平坦な道にでる。針葉樹や広葉樹の枝越しに日が入る、明るい道である。やがてアライタ沢を横切り、樹林帯の中のよく踏まれた道は急になる。
岩菅山中間点表示の陽当たりの良いとこをに赤く色ついたイワハセの実(アカモノ)群生地があり、食すが美味しくはない。やがて左手に頂上直下が急峻な岩菅山が見えるようになる。ノッキリで寺子屋峰からの道と合流し、眺望が開けた背の低い笹原の中を進む。
ガレた道端には黄色、紫や白の花々(オミナエシ、シャジン、ヤナギラン、シラネニンジン等か)が散在し、注意して登ると遠くからの声が聞こえる。注視すると石川さん達が見える。このまま登り予定時刻に着く。
頂上は広く祠や避難小屋があり、先に裏岩菅山が見える。しかし遠くの山は見えない。北方面からのガスの動きは早く特に東方面は白い。予報も良くないことから、裏岩菅山は諦め、頂上で石川さん達3人を待って、下山する事にした。蝶や赤とんぼが乱舞するなかノンビリ食事をとる。秋のリンドウも咲いている。12時丁度に石川さん達が到着。食事後6人で記念撮影するがガスの為取り直しする。
白砂山方面は真っ白の中、12時30分下山開始。中間地点表示のある所で1回休憩し丁度2時間で登山口に到着。車に分乗しホテルに戻り、お風呂で汗を流す事が出来た。
ロビーで精算し、貰ったクーポン券を使うべく山ノ内町道の駅に寄る。最盛期のモモは日曜という事もあり、買い損ねた。近くの店で傷物を購入したが、おいしかった。
今回歩いたルートには滑落等危険な所はなく、気楽に歩くことが出来た。また裏岩菅山迄行けなかったが、天候の心配さえなければと時間は掛かるかもしれないが、十分対応出来そうに感じ嬉しかった。
今回初めてのホテル宿泊付き山行となり、おいしい食事、補助金、クーポン等、登山というより旅行という記憶が残りそうな2日間であった。 (須藤俊記)
7日 焼額山
山域山名:志賀高原 焼額山2,009m
期 日:2022年8月7日(日)
参 加 者:CL大嶋 高橋仁 赤坂
行動記録:ホテル8:15=(送迎車で東山館ゴンドラ駅経由)=奥志賀ペンション村8:30/8:45-リフトトップ10:00/10:10-山頂(稚児池)11:00/11:40-樹林帯入口12:10-下山口12:40/12:50=シナの木コース入口13:00―ホテル13:30
<天気晴れ>
ホテル送迎車で出発。先ずは岩菅山コースの3人を東山館ゴンドラ駅に送ってから、折り返し奥志賀スキー場のペンション村に送ってもらう。夕立が来そうなので、白樺池周遊はカットして、スキー場のリフト管理用の砂利道を登り始める。日当たりの良い作業道は暑くて、日影を見つけながらゆっくりと登る。開けた斜面はお花畑そのもの。どこまで登っても花が途切れることは無い。ヤナギラン、フジバカマ(サワヒヨドリ、ヨツバヒヨドリ)、ハクサンフウロ、ヒメシャジン、ヤマハハコ、コオニユリ、サラシナショウマ、ヒオウギアヤメ、ヤマウド、キミズヒキ、クガイソウなど、夏の終わりと秋の初めの花々が次々と登場して、アサギマダラなどの蝶が舞い、暑さを忘れさせてくれる。
300mほど登り、標高1800m位から、展望が開けて(ゲレンデは展望が良いのは当たり前か)涼しい風も出てきて、時々休憩を入れて花と眺望を楽しむ。岩菅山はガスの中で見えないが、新潟県につながる山波や、眼下の一ノ瀬温泉や、奥志賀スキー場が一望できる。リフトトップでようやく作業道が終わり、湿原の登山道に変わる。イワショウブ、ウメバチソウ、アカモノ、モウセンゴケ(モウセンゴケの花を初めて見た)、花の終わったコバイケイソウなども現れて、途中の池塘にはカルガモの親子が泳いでいる。
コメツガの樹林を抜けると山頂の稚児池に跳び出す。周囲を木道で囲まれた稚児池は会津の田代山湿原をミニサイズにしたようなたたずまいで、気持ちの良い湿原も広がっている。登山者も多く、木道の休憩所は賑やかだ。昼食を取りコーヒーを飲んでいるうちに、雲が広がり始めた。夕立が来ないうちに早めの下山を開始。南のプリンスホテル側へゲレンデの道を下る。草の上を歩くので柔らかくて歩きやすい。ガスの消えた岩菅山、裏岩菅山が見えてきた。こちらはフジバカマとヤナギラン、まだ花が咲いてないがエゾリンドウがたくさんある。
ゲレンデを外れて樹林帯の急坂を抜ければ登山口に跳び出す。夕立は無さそうなので、山ノ神スキー場から「シナの木コース」を周遊する。樹齢800年、樹高25m、幹回り8.6mのシナの大木と、その周りには、黒い実をつけたツバメオモトの大群落が広がる。これほどのツバメオモトを見たのは初めてだ。涼しい樹林からダイヤモンドスキー場のゲレンデを突っ切ってホテルに帰着。足の不調で待機していた新井さんが出迎えてくれた。
温泉で汗を流し、カンビールで一息入れてみんなの帰りを待つ。 (高橋仁記)
【ハイキング】高妻山・乙妻山 2022/6/26
山 域:高妻山2353m、乙妻山2318m(長野県)
山行形態:無雪期ハイキング
目 的:春の花を楽しむ
日 程:2022年6月26日(日)前夜泊
参 加 者:新井浩、駒崎
行動記録:
6/25(土)移動日
江南19:30=戸隠キャンプ場駐車場23:00 216km
戸隠キャンプ場の入り口の反対側に登山者用駐車場有。そこに車を停める。20台くらい停まっている。トイレ有り。
6/26(日)行動時間13:00(CT=11:50)15.1km
戸隠キャンプ場P4:15→一不動避難小屋6:05→六弥勒7:40→高妻山9:40→乙妻山11:10/11:50→高妻山13:05→六弥勒15:00→弥勒新道→戸隠キャンプ場P17:25
<天候:晴れ>
3時過ぎに起床。朝食を取り出発準備。明るくなってきたころに出発する。戸隠キャンプ場の中を通り、牧場を通過し、登山道の柵を抜ける。一不動避難小屋までは沢を登る感じで、途中3か所に鎖場あり。タニウツギとミゾホオヅキの花が咲いている。
避難小屋を少し過ぎたところで休憩。風が心地いいが、虫が多く、顔にまとわりつく。この後は一日中虫には悩まされ、辟易する。他の登山者の人も同様で、網をかぶっている人も見られた。虫よけ剤は効かないようだ。ヤマオダマキ、タカネグンナイフウロ、ベニサラサドウダンなどが見られる。下界に戸隠牧場、その先に飯縄山、黒姫山が近い。イチヨウランも群生があった。お目当てのキバナアツモリソウも咲いている。
登山道沿いには、マイズルソウとミツバオウレン、イワカガミ、ツマトリソウがずっと咲いている。ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲも。六弥勒で下山道を見送り、八観音辺りではシラネアオイが咲いているはずだが、すでに散っていた。最期の急登を踏ん張り、稜線に乗る。岩場の中にトガクシナズナが咲いていた。高妻山の山頂はにぎやかだ。
少し休んで乙妻山へ向かう。良く踏まれた登山道だが、ところどころ崩壊地があった。ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、コケモモが咲いている。アップダウンを繰り返し、乙妻山の手前の残雪を登る。雪の上は虫が少なかった。山頂直前の登山道脇に、シラネアオイの群生があり、満開であった。乙妻山の山頂は展望がとてもよく、妙高から火打山、雨飾山、堂津山から中西岳、東山、そして北アルプスの山々が手に取るようにわかる。この乙妻山まで約7時間。虫との戦いで疲れた。
たっぷり休んで、来た道を戻る。高妻山には誰も残っていなかった。が、まだ登ってくる人にすれ違うが、皆さん疲れている様子。展望を楽しみながら六弥勒まで戻り、弥勒新道を降りる。最初はかなり荒れた登山道だったが、明確な尾根道になると、展望が開け、下界を見ながら下山。
下部はブナ林を通り、戸隠牧場に出て、牛が草を食んでいる中を通過し、駐車場へ戻った。13時間の行動となり、大変疲れたが、花の時期に再訪出来たのと、未踏だった乙妻山に登れて満足でした。
(新井浩 記)
【冬山ハイキング】初級冬山 北八ヶ岳
北八ヶ岳 縞枯山 茶臼岳
山域山名:北八ヶ岳 縞枯山 茶臼山 (長野県)
登山形態:アイゼン・ピッケルによる雪山登山
目的:積雪期登山の基礎的技術の習得
期日:2022年3月13日(日)
参加者:CL木村 SL橋本 大嶋 須藤 相澤 黒澤 高橋仁 豊島 赤坂
行動記録:川本6:00=北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅9:00→山頂駅9:30/10:00→雨池峠10:30→縞枯山11:05/11:20→茶臼山(昼食)12:15/13:00→五辻13:30→ロープウェイ山頂駅14:40→駐車場15:15=熊谷
<天候くもり>
北八ヶ岳ロープウェイ駐車場から100人乗りの大型ロープウェイで標高1771mの山麓駅から一気に山頂駅2237mの坪庭へ約7分で到着です。駐車場では風も静かでしたが、山の上は風が冷たく少し雪が舞っていた。アイゼンを装着し出発する。樹氷はもう見られなかったが一面の雪景色が素晴らしい。曇り空で風もあり先が見えづらい。足元の雪はトレースがしっかり付いていて固く締められていて歩きやすいが、少し道をそれて足を踏み入れるとズボッと30cm位足が雪に埋まってしまう。雪もすぐ止み、青い屋根の縞枯山荘を通り過ぎ、雨池峠にでる。標識が雪の中からちょこんと顔を出していて雪の深さが分かる。そこから縞枯山に登る。雪の登りはアイゼンがしっかり雪を捉えて登りやすい。頂上から展望台に移動する。風が強く曇り空で展望は悪い。少し休憩し下山する。
10分足らずで縞枯山を下山し、茶臼山に登る。急登だが30分足らずで頂上につく。見晴らしが少し良くなっていたが、立っていられないくらいの爆風で早々に樹林帯の中に入り昼食を摂る。ほんの少し樹林帯に入っただけで風は不思議なくらいに静かです。
雪上の昼食が新鮮です。昼食休憩後もと来た道を下山し五辻に向かい進む。五辻で休憩をとり、ロープウェイ山頂駅に向かう。なだらかな道の途中、縞枯山の縞枯れの様子がよくわかる。縞枯れとは亜高山の針葉樹であるシラビソ、オオシラビソの優先林に限って見られる現象で、山の自浄作用とも木々の世代交代や天然更新とも考えられているそうです。
山頂駅につくと朝は雪で見えなかった坪庭が見渡せる。
くもりで眺望はよくなかったが、雪山の景観は素晴らしく、アイゼンでの雪上登山が経験でき感激でした。晴れた青空のもと、また雪の上を是非歩いてみたいと思います。(赤坂 記)
【ハイキング】茅ヶ岳、金ヶ岳 2021/11/20
山 域 : 茅ヶ岳1704m金ヶ岳1764m(山梨県北杜市明野町)
山行形態 : 無雪期ハイキング
日 程 : 2021年11月20日(土)
参 加 者 :新井浩、駒崎
行動記録 :東松山5:30→PICA明野ふれあいの里P8:45/9:10 156km→金ヶ岳11:20/12:40→茅ヶ岳13:30/40→茅ヶ岳登山口15:35→ふれあいの里P16:10
<天候:晴れ>
今回は、金ヶ岳の西尾根を登り、茅が岳の西尾根を下るメインルートから外れた静かなルートを歩いてきました。
朝の圏央道で混んでいて、そのまま中央道も混んでいた。紅葉で混んでいるのか、1時間も余計にかかった。ふれあいの里は、現在PICA明野という名前に変わっていて、キャンプ場だ。すでに陽が当たっていて温かいので、上着無しで歩き始める。林道から山道へ。すでに冬枯れの尾根道は歩き易い登山道だ。
明るい尾根道が続く。目線の先には茅ヶ岳と金ヶ岳らしき山が見えるが、定かではない。金ヶ岳の手前は岩が出て来ていい感じの登り。展望も良く、八ヶ岳が全部丸見えだ。 富士山は茅ヶ岳の上にちょこっと見えるが、霞んでいて良く見えない。天気が良すぎるからであろう。2時間ほどで 金ヶ岳山頂に到着する。先着者が居なくなって我々だけ。座るところを一番いいところを探し、餃子鍋、ラーメンを食べる。続々と人が来て山頂は満員御礼。いい時に陣取って良かった。
満腹となり、のんびりし過ぎなので、重い腰を上げて、茅が岳に向かう。途中石門があり、岩に空いた穴の中を通過する。金ヶ岳から50分で茅が岳に到着。山頂はすでに人はまばらで、広い山頂は片隅に数人が休んでいるだけだ。昼前後は相当な人が休んでいたのだろうと想像する。金ヶ岳の後ろには八ヶ岳が並んで見え、富士山は相変わらず霞んで見える。
みかんを食べて記念撮影してから下山へと移る。下りは、落ち葉と石がゴロゴロで歩きにくい。周回するなら逆回りだな。登りも下りも行きかう人はなく静かなルートだ。やがて林道に出てテクテク。時折もみじが紅葉してきれいだ。鳳凰三山に日が入るときに駐車場に着いた。
(新井浩 記)
【縦走】中ア 越百山、奥念丈岳、安平路山 2021/10/15-17
激藪の縦走
山 域:越百山2613.2m、安平路山2363.1m、摺古木山2168.5m(長野県)
山行形態:小屋、避難小屋泊登山
目 的:縦走(藪)を楽しむ
日 程:2021年10月15~17日(金~日)
参 加 者:駒崎、新井浩
南木曽岳の山頂で中央アルプス、越百山から安平路を見たとき、この稜線を歩きたいと思った。天候やコロナで行けず、4回目のチャレンジでした。2日目のお昼より天候が荒れる予報でしたが天気は良く、3日目に少し降られただけで激笹薮を歩き通すことができた。
行動記録:
10/14(木)東松山20:00=道の駅大桑24:20 279km
10/15(金)道の駅 6:25=伊奈川ダム手前1キロP 6:55/7:20→福栃橋登山口 8:55→水場 12:20/13:25→越百小屋 14:40
<天候:晴れ>
ダム手前にゲートがあり、その手前のスペースに車を停めて出発する。ダム脇を進むと登山道入り口とあり広い駐車場がある。以前はここに置けたのだろう。直ぐに空木岳分岐になりチャリが1台置いてある。ここまで林道を乗ってきたのか。さらに林道を進み、南駒ケ岳分岐過ぎ遠見尾根登山道に入る。
下のコル、上のコルを通り樹林の中を登る。御岳見晴台は名ばかりで展望なし。その先の水場でゆっくりお昼休憩をとる。水場は登山道より2~3分下った所に流れている。自炊、明日の行動分用に水5リットルを汲む。ザックはかなり重く、ゆっくり小屋に向かう。この辺りからは色づいた木が見られ、木々の間から南駒ケ岳の稜線が見えるようになる。足元には赤いゴゼンタチバナの実があり、越百へ行って来たと言う自転車の持ち主に会う。一登りして、少し下ると、目の前に青空に越百山、下に赤い越百小屋が現れる。小屋の営業は先週日曜日までで、冬季小屋になっている。小屋のおじさんは冬支度でペンキ塗りしている。きれいに掃除された解放部屋を利用させて頂く。他に泊り客はなく、外で景色を見ながら夕食を摂り、明日に備えて早めに就寝。
10/16(土)越百小屋4:30→越百山5:30/5:40→南越百山 6:20→奥念丈岳2302m 8:40→安平路山 17:35→安平路避難小屋 19:00避難小屋泊
<天候:晴れ後曇り>
暗い中ヘッドランプを点けて出発する。越百山頂に着くころには明るくなる。写真を撮り先へ進む。20分位で日が昇る。雲海が素晴らしく、富士山も見える。日の出の景色を眺めながら稜線を歩くと南越百山に着く。展望がよく安平路への稜線や御嶽山が見える。
ハイマツ、砂地を下るといよいよ笹が現れる。奥念丈岳までは見晴らしの良い所もありどうにか進む。紅葉樹は少なく、笹と針葉樹の景色だ。その先は背丈を超える笹の中、足が動きやすいと感じる所は笹が少なく道のようだ。でも直ぐにその感覚は無くなり、密に生い茂っていてとても歩けない。笹を踏みつける事ができず足が前に出なくなり進まなくなる。GPSで確認しているので位置がわかり危険な場所はないが、笹薮が続き時間がかかる。藪が途切れた場所で休憩をとる。
後から風が強まり天気が崩れる予報だが、風の音は聞こえるが歩いているところは静かだ。ガスが出てきて、やっとのことで安平路山直下にたどり着く。休憩し、どこを攻めていくか考え、暗くなるのでヘットランプも出して最後の上り、ここももちろん笹薮。暗い中安平路山登頂。直ぐに小屋を目指して下る。歩きやすくなった道だが笹は道に覆いかぶさっているところが多くあまり歩かれてないようだ。途中水場(小屋から20分位の所)、ここも笹の中を下り水が流れているところを往復して汲む。小屋の直ぐ側(5分位)にも水場の表示がある。そして小屋にたどり着く。入ると土間のようなところにヒカリゴケ、笹も中まで侵入している。さらに内扉を開け入る。誰もいない、シュラフが5つほど干してある。温かい食事を摂り就寝。夜中雨音がする。
10/17(日)安平路避難小屋 6:25→白ビソ山 7:05→摺古木山8:40→摺古木自然園憩舎 10:25→林道ゲート 11:55/12:10 タクシー→伊奈川ダム手前1キロP 13:55
<小雨後晴れ>
朝雨は止んでいたが昨夜の雨で笹がびっしょり、視界はあるがガスっている。雨具を着て出発する。小雨が降ったり止んだりの天気で笹と樹林の中を進む。摺古木山で1人安平路山に向かう人に会う。展望台方面5分ほど行ったところで携帯が通じて予約していたタクシーに時間の確認をする。
晴れ間が出てきて紅葉もきれいになり景色を楽しみながら下る。予定より30分早く着いたがタクシーは直ぐに来てくれ助かった。運転手さんは会社の社長さん(弟)から途中会長さん(兄)に代わり高齢でも好きで続けているということで楽しくお話を伺った。10年以上前はここを縦走する団体さんもいてマイクロバスで迎えに行ったとのこと。天気に恵まれ、充実した山行でした。
(駒崎記)
【ピークハント】北アルプス 鷲羽岳 水晶岳 三俣蓮華岳(個人山行)
鷲羽岳・水晶岳
=北アルプス最奥の名峰に登る=(個人山行)
山域山名:北アルプス 鷲羽岳、水晶岳、三俣蓮華岳
期日:2021年9月27日から29日 前夜泊
参加者:橋本義彦
行動記録:26日 熊谷=関越道上信越道長野道=松本IC=新穂高P 前夜泊
27日 新穂高P6:10-鏡平10:10-双六小屋13:00-三俣山荘15:30-同所テント泊
28日 三俣山荘5:45-鷲羽岳6:45-水晶小屋8:00-水晶岳8:35/9:00-水晶小屋9:25-鷲羽岳10:30-三俣山荘11:30/12:20-三俣蓮華岳13:30-双六小屋15:15 同所テント泊
29日 双六小屋6:20-樅沢岳6:50-双六小屋7:25/8:00-鏡平9:20-新穂高P12:50=松本IC=長野道上信越道関越道=熊谷
鏡平からの槍ヶ岳 鷲羽岳
夜、新穂高登山者駐車場に着くと、ほとんど満杯であった。隅に空きを見つけて停め、そこで車中泊をする。27日、起きると快晴だ。朝食、身支度をして、出発する。登山指導センターに登山計画書を出してワサビ平小屋方面左俣谷の林道を歩き始める。谷の西側に笠ヶ岳が高く聳え、朝日を浴びる。小池新道入口までは、なだらかな林道歩きで周囲はブナ林だ。途中、笠ヶ岳登山口やワサビ平小屋があり、登山者が準備をしている。キオンの仲間やシロヨメナなど秋の花が咲いている。橋の手前を小池新道に入り本格的な登りとなる。沢は水量があり、朝日に照らされている。深い森でなく、数mの高さの広葉樹は紅葉が始まっている。ナナカマドは実をたくさんつけている。赤い色が鮮やかだ。小池新道は、斜度もきつくなく、道も整備されていて歩きやすいが、距離は長い。抜戸岳の麓の道で秩父沢などの沢を横切る。途中には数か所休憩場所がある。息を切らして鏡平に着き池の手前のベンチで休む。ここは名「槍ヶ岳展望地」で、ガス、風も無く、池に槍ヶ岳が写る景色は本当に美しい。紅葉が味わいを深くしている。
ここを過ぎると、小尾根をたどり、弓折岳鞍部まで登る。標高は2000mを超え木々は低くなり、道からも眺望が効く。ミネカエデ、ナナカマドが紅葉している。小尾根を抜けると道は険しくなり、梯子もでてくる。弓折岳鞍部に着くと何人もの登山者が休んでいる。予定どおりなので弓折岳まで登ることにする。登山道を3人の方が整備している。石をバールで動かしたり、栗石を敷いたり、草や灌木を刈ったりと大変な仕事だ。感謝のあいさつをすると「弓折岳まで登ってもらいたいからね」と言っていた。頂上は平坦で平凡だが、紅葉のチングルマ、ガンコウランも見られた。笠ヶ岳に続く稜線もすっきりとしている。再び双六小屋に向かう。ほとんどアップダウンは無く、歩きやすい。ナナカマドの紅葉、赤い実が鮮やかで目を引く。ハイマツなどが目立つ左の谷に双六小屋が現れ、下ると直ぐに小屋に着いた。小屋の南の平坦な場所に茶色の植物が群生しているが、コバイケイソウの残骸だ。ハイマツと紅葉、それにゴツゴツ岩が混在している山が左右に広がる。双六小屋は水が自由に使え有難い。鞍部で平坦、広々して、景色も良い。北に鷲羽岳、水晶岳を望むことができた。一休みして双六岳巻道分岐まで登り、巻道コースで三俣山荘に向かう。数年前、野口五郎岳から鷲羽岳を抜け、この分岐に来たことを思い出した。巻道は程々に下ったり、登ったりして三俣山荘に続く。前に見える鷲羽岳、水晶岳は森林限界を超した2900m峰であり、ハイマツの生えない斜面は白い。三俣蓮華岳分岐を過ぎ、下って行き三俣山荘に着いた。
三俣山荘から槍ヶ岳を望む 鷲羽岳から三俣蓮華岳双六岳
テント泊の手続きを山荘で行う。テント1泊1張1000円、一人1000円。直ぐにテントを張った。テント場は山荘の近くにあり、10張以上張られていた。テント場の中に湧き水が流れており、ここでは水が十分使えた。ゆっくりして、夕食後シュラフに入った。気温は10度以下になり、ダウンのシュラフであったがマットを忘れたため、背中が冷えやや寒かった。
28日 テントに荷物を置き、鷲羽岳、水晶岳を往復し、早ければ双六小屋まで戻ることにする。天気は曇りだが、鷲羽岳の南の雲が朝日に染められ赤い。槍ヶ岳が南に黒い。周囲の山々はよく見える。日の出の後、すぐに出発する。鷲羽岳まで標高差400mをまず登る。軽いデイパックなので、ぐいぐい登れる。道の辺りの石は白い。石英閃緑岩(火成岩)だという。登るにつれ、黒部五郎岳や三俣蓮華岳を朝日が染める。黒部源流が深い谷を刻んでいる。氷河の跡のカールらしき地形はそこかしこにある。
そして鷲羽岳頂上に至ると南側に鷲羽池が光る。火口湖のように見える。二度目の登頂で周囲の眺望を楽しむことができた。ここから稜線を北に進む。森林限界を超え、白っぽい尾根が見え、ハイマツが生えている。ワリモ岳は西側を巻く。そこを少し下り、「水晶小屋15分」の標識を見て進み小山を越すとこじんまりした水晶小屋に着いた。小屋の付近には、水晶岳に登る人、そこから下ってくる人、休んでいる人など10名ほどいる。なだらかな道を進むと真っ赤な紅葉(シラタマノキ)が目につく。梯子や大岩を進むと岩ごつごつの水晶岳山頂に着いた。北アルプスの南部最奥にあり、周囲に名だたる山がずらりと並んでいる。壮観だ。北に赤牛岳と黒部湖も見える。西に薬師岳から黒部五郎岳の稜線と手前の雲ノ平、南には槍ヶ岳、笠ヶ岳、その向こうに御嶽山が水蒸気を立ち上げている。景色を十分楽しみながら一休みして山を下る。途中の稜線からは30cmほどの岩の斜面が広がる。高い木は無く、黄色、茶色の草と緑のハイマツ、白い斜面で山が被われている。鷲羽岳の下りでは、三俣蓮華岳・双六岳とその東のややなだらかな地形が見える。
水晶岳 赤牛岳稜線
昼には三俣山荘に戻れたので昼食、テント片付けをして双六小屋に向かう。三俣蓮華岳分岐まで登り返し、分岐から標高差約100mを登り頂上に着く。3回目の登頂になるが秋は初めてで、景色も一番良い。なだらかな稜線を南に向かう。標高2800m森林限界の上であるが、ハイマツが道の左右に生えている。歩いているうちにガスが双六岳の辺りに出てきたので、分岐で中道を選んで進むことにした。緩い下り斜面はもう、薄茶の草原になっている。晩秋といった雰囲気だ。西側は崖で大岩が崩れてきて斜面をつくり荒々しい。道端にライチョウを見つけた。逃げないので写真を撮る。薄茶で白い部分が少しあり、冬に向け換羽途中らしい。足の下まで羽毛が生え、厳寒の山で生き抜く鳥だと分かる。中道の景色を楽しみながら中道分岐、巻道分岐を通り、無事に双六小屋に到着した。
三俣蓮華岳再訪 樅沢岳から西鎌尾根ー槍ヶ岳
水を汲み、手続きして小屋南にテントを張る。南に双六池のある広いテント場だ。30張ほど張られていた。前日寒かったので下に衣類を敷き、ジャケットを着こむと温かく朝まで安眠できた。
29日 時間的には余裕があるので樅沢岳に登ることにした。往復1時間ほどなので、空身で登る。頂上からは周囲の山々がすっきり見える。東には、西鎌尾根が続き、槍ヶ岳が天をついている。北には鷲羽岳が白い。登山者もグループで登ってきており、槍ヶ岳を目指すという。
下山後、テントを片付けて下山する。鏡平までは東に槍ヶ岳、南に笠ヶ岳稜線を見ながら進む。ナナカマドの向こうに槍ヶ岳が見える。次第に雲が下りてきて稜線を隠す。鏡平で一休みして、小池新道をひたすら下る。さらに、林道を歩き、新穂高の駐車場に無事に到着し、2泊3日の充実した山行を終えた。秋の北アルプスは空気が澄んでおり、秋景色を十分楽しむことができた。