甲信越

【無雪期PH】八ヶ岳天狗岳・硫黄岳

日  程    2021年9月19日(日)~20日(月)

     1日目 日高4:10=唐沢鉱泉7:10/7:40~西尾根展望台9:20~西天狗岳11:00

         ~東天狗岳11:30/11:40~本沢温泉13:10(テント泊)

     2日目 本沢温泉4:50~硫黄岳7:10/7:50~東天狗岳10:10~黒百合平11:30

         ~唐沢鉱泉13:20=日高20:30

参 加 者  浅見(単独)

  本沢温泉のホームページで、夏の長雨による土砂崩れで閉鎖されていた野天風呂「雲上の湯」が16日に再開したことを知り、今回の山行を計画した。

 3連休の2日目、唐沢鉱泉の登山者用駐車場は満車。手前の林道脇に車があふれている。300mほど戻った所に駐車。鉱泉前の橋を渡り天狗岳西尾根に北側から取り付く。シラビソの暗い林の中の急登が続く、足元にはダケカンバの黄色い葉が落ちている。シラビソとダケカンバの混交林のようだ。1時間ほど登ると西尾根に乗り展望が開ける。台風一過の雲一つない晴天で北岳、甲斐駒、穂高、槍、鹿島槍など中部山岳の主な名峰が一望できる。第二展望台と呼ばれる場所からは目指す天狗岳、主峰赤岳をはじめとする南八ヶ岳の峰々が迫ってくる。森林限界を超えて岩がゴロゴロした急斜面を登ると西天狗岳山頂(2646m)である。鞍部に降りてまた登り返すと東天狗岳山頂(2640m)。八ヶ岳主稜線にあるのでこちらの方が人が多い。東側の展望が開け奥秩父や浅間山が見える。主稜線の東側は火口壁で断崖になっている。断崖の縁を南にたどる。根石岳との鞍部に降りると白砂新道の分岐がある。本沢温泉への近道なのでこの道を利用する。降り口はザレた白い岩の急斜面で緊張する。しばらく下ると樹林帯に入り安心するが、道は不明瞭で目印のピンクテープを探しながら歩く。白砂新道はあまり利用されていないようで、1時間ほどの下りの中で3人しか会わなかった。条件の悪いときは利用しない方がいいだろう。

西尾根から西天狗岳

鞍部から東天狗岳

 

 

 

 

 

 

 

 

 本沢温泉の小屋でテン場代1000円と野天風呂入浴料1000円を払い、野天風呂再開の感謝を伝える。テン場は5分ほど下った所にあり、すでに30張りほどのテントがあった。シラビソの下の平らな場所にテントを張る。野天風呂は小屋から5分ほど登った所から沢に降りた所にある。沢に降りる火山性の白い斜面が崩れ、3日前に再開したのである。4人が入れる長方形の木枠に白濁した温泉が湧き出すのみ。順番を待つこと10分ほどで入浴することができた。「雲上の湯」は日本最高所(2150m)にある野天風呂で、適温の掛け流し温泉は自然からの贈り物と言えるだろう。女性は水着で入浴したり、足湯だけ楽しんだりしていた。

 2日目も晴天、日の出前にヘッドライトを着けて出発。夏沢峠への道は整備されていて暗くても安心して歩ける。夏沢峠は樹林の中でナナカマドやミヤマザクラの紅葉が始まっていた。森林限界を超え硫黄岳の山頂に着く。朝日に輝く阿弥陀岳が美しい。赤岳、橫岳の西壁はまだ影になっているが、稜線上だけに日が当たっている。硫黄岳の表示のあるケルンから東に5分ほどのところに最高地点がある。ここまで来ると赤岳の裏に隠れていた富士山が見える。

ミヤマザクラの紅葉

硫黄岳から南八ヶ岳

 

 

 

 

 

 

 

 

 夏沢峠に戻り樹林帯の主稜線を北にたどる。箕冠山、根石山荘を過ぎると森林限界を超える。根石岳と天狗岳の西斜面はカール状で雪が着けば滑れそうだ。東天狗岳を越えて分岐を左へ、岩がゴロゴロした「天狗の奥庭」を通って黒百合平へ。ここからは北八ヶ岳らしいコケとシラビソの林の中の道を通って唐沢鉱泉に下山した。宿の手前では登山道の脇に青白い源泉を見ることができる。日帰り入浴料700円を払って、汗を流す。源泉の温度が低く加温している。打たせ湯は加温していないので冷たく感じる。

 天狗岳西尾根は八ヶ岳への登路のなかでも景色の良いルートだった。天候に恵まれて展望と温泉を満喫できた。