1. 【ピークハント】日光 錫ケ岳

投稿日時: 2021/06/29 hasimoto

日光 錫ヶ岳(すずがたけ)

山域山名:栃木県 日光 錫ヶ岳 2072m

期日:2021年6月12日(土)13日(日)

参加者:L高橋仁 橋本

行動記録

6月12日

熊谷6:00=足尾道路=金精峠駐車場8:30-金精山7:45-国境平10:10-五色山10:40-前白根山11:15/11:50-五色沼避難小屋12:20/12:30-白根山(2578m)13:30/14:00-五色沼避難小屋 14:30(泊)

<天気 曇り時々晴れ>順調に熊谷から足尾を抜けて、時刻どおりに金精トンネル手前の駐車場に着いた。30台位の車で駐車場は満杯で道路端に駐車した。支度をして登山開始。金精峠までは急登だ。丸太の階段、梯子などもある。金精峠まで登ると男体山を中心に日光の山々が見える。手前には湯ノ湖も見える。風無く爽やかだ。笹原も広がりゆったりした景色だ。オオカメノキの白い花や、シャクナゲの紫の花が咲く尾根を進み、岩ごつごつの金精山北側の道を登り、金精山頂上で一休みする。今回は避難小屋泊りでシュラフ、食料と日帰りよりもザックは重いが、背負えばそれほどに感じない。里は新緑で緑があふれるが標高2200m位からは、笹原に芽吹かない樺の木々が生える。標高の高いここは季節が下の平野よりも2月以上も遅いようだ。また、樺の樹形は高さがそれほどでもないのに太く枝は横に広がり、相当な強風と積雪ですんなりと上には伸びられないようだ。窪地に雪渓が残り、さらに標高をあげたことが分かる。国境平を過ぎ、五色山まで登ると残雪を少し残した白根山とその手前の青い五色沼が見えた。尾根なので東西の山々がよく見える。火山地形で尾根の道にも岩がゴツゴツだ。金精峠付近では散っていたミネザクラがこの付近では満開できれいだ。尾根を歩き前白根山で少し休み、昼食とする。青空も見え、登山者が多い。休憩後、五色沼避難小屋に行く。今夜宿泊する場所だ。ここに荷物を置き、白根山に登る。富士山、男体山と同じ成層火山で、登山道は急登だ。歩き始めてすぐに、草を食べているニホンジカがいた。角が生えているのでオスだが角は柔らかいようだ。急登を何人もの登山者とすれ違い、頂上の平坦な場所まで出ると360度の展望が広がる。明日登る白錫尾根も見え、皇海山、赤城山も見える。会津駒ケ岳も見える。中禅寺湖は相当に広く青い水を一杯にたたえゆったりとしている。

 避難小屋に戻ったが時間が早いので、ゆっくりし、それから豚・レタス鍋の夕食をとり翌日の山行に備え早めに眠りについた。

 

 

上 五色沼 中 ミネザクラ満開 下 オスの鹿が現れる

上 白根山頂付近 天気よくたくさんの登山者でにぎわう

下 白根山頂

 

6月13日

五色沼避難小屋5:10-白根隠山6:00-白桧岳6:30-錫ケ岳8:30/8:50-白桧岳10:50-避難小屋11:40/12:00-前白根山12:30-五色山13:00-国境平13:30-金精山14:00-滑落14:20-金精峠駐車場17:00

 <天気 曇り>避難小屋には我々のグループの他に男性1名が泊まった。この方も錫ケ岳を目指すという。昨晩は早めに休み、十分な睡眠時間だった。朝食を簡単に済ませ、使わない荷物は小屋にデポして出かける。尾根に上がると白錫尾根で南東への稜線を歩く。ここからはバリエーションルートなので踏み後をよく確認しながら進む。標高が2000mほどだが草地でまだほとんど芽吹いておらず枯れた草原だ。右に白根山、左に男体山と中禅寺湖となかなか良い眺望だ。白根隠山から白桧岳の付近は東面に笹原、西面にあまり高くないくねくねした樺が生え、枯れた樺も混じり見慣れない林だ。道は尾根を通っているが笹原に入ったり、林の中を通ったりしている。笹原は膝下位で踏み跡があり、見失わなければ歩きにくくはない。少し、朝露が付くがそれほどでもない。白根隠山の下りは高さ数十mあり、急な岩場で注意して下りる。帰りは、ここに登り返さないで谷におり避難小屋に直接行こうと、下降場所など見ながら進む。白桧岳のネーミングだが、木は桧ではないが、確かに白い枯れた立木があるのでそれからつけたようだ。前を見ると白錫尾根が延々と続いている。白桧岳から下るときに、直進し、踏み後を見失う。付近はシラビソの林になり、地面は腐植の苔などで、踏み後らしく見える。少し戻り無事にルートに戻れた。このあと針葉樹と広葉樹の混ざった森の中を進む。この道は登山道として整備しておらず、赤色などのリボンと境界の杭などが目印になる。倒木がかなりたくさんあり、太い倒木はよけて歩く。アップダウンがきつくないほどにあり、最後の標高差300mほどを登りきると錫ケ岳に到着した。予定よりも早く着いた。南面からは中禅寺湖が見え、落ち着いた良い山頂だ。

 小休止の後、来た道を戻る。天気は曇りだが眺望はきく。尾根歩きで、緩い斜面の笹原なので危険はあまりない。森には苔がかなり生えている。シャクナゲがちらほら咲いているが花のシーズンはまだのようだ。白桧岳を過ぎて白根隠山の手前から左の谷に下る。木々も生えており、岩場でもないのでずんずん下る。下りた場所は地形図上で窪地地形になっており、どんな感じかと思っていた。グランドが幾つか入るくらいの広さがあり、砂利混じりの平坦な場所で草木も生えていない。白錫尾根が外輪山でカルデラの落ち込んだ場所だと思う。この窪地の続きの場所に五色沼、弥陀ケ池がある。ここは礫などが多く水が抜けてしまったのか。避難小屋に向かい高さ50mほど斜面を上がり、苔と草の場所を歩くと避難小屋に着いた。

 避難小屋で腹を満たしてから、前白根山、五色山と金精峠に向け歩く。前日と違い、天気の関係か、登山者はほとんどおらず、寂しいようだ。ガスが山頂を通過するようにもなってきた。結構なペースで標高を下げる。金精山まで一登りして、休む。2時位なので、3時前には着けるかと話す。金精山の北面の道は急な大岩の道で注意して下りる。それが終わってほっとするような平らな道で、14:20に1名が谷側に滑落した。頭部を中心に負傷した。救急車を要請し、金精峠登山口には17:00に着き、その後病院に入院し治療を受けることになった。登山は自然の山野で高低差のある場所を歩くスポーツなので常に落ちる、転ぶ、迷う危険がある。潜む危険の察知、それに対応する技術、体力を身につけ、安全に登山をしたい。 

 

 

上4枚 白錫尾根

  

 

上 錫ケ岳山頂 中 中禅寺湖が光る 下 イワカガミがしっかり咲く