1. 【その他の山行】県境リレー登山 甲武信ヶ岳=笠取山

投稿日時: 2023/09/08 hasimoto

甲武信ヶ岳-笠取山を歩く

担当 埼玉労山県連理事会

期日 2023年8月28日、29日 

参加者 L橋本 相澤 他の会1名

 

  

上から 笠取山山頂 3河川分水嶺 雁坂峠 縞枯れの針葉樹 甲武信ヶ岳山頂 甲武信ヶ岳  

記録 

28日 熊谷5:00=140号国道・雁坂トンネル=道の駅みとみ7:40-新地平8:10-雁峠11:10-笠取山11:50-雁峠12:25-燕山13:15-古礼山14:15-雁坂小屋16:00泊(小屋泊り、テント泊)

29日 雁坂小屋6:10-雁坂嶺7:25-破風山9:15-甲武信ヶ岳12:20-木賊山・東分岐13:20-戸渡尾根・近丸新道・新道分岐15:00-徳ちゃん新道・西沢山荘16:25-道の

28日<天気晴れ時々曇り>道の駅みとみは、国道140号雁坂トンネルを通って、山梨県に入った広瀬湖のほとりにある。かなり広い駐車場がある。朝、早いせいか、予定よりも早く着いた。3人が合流して、車道を通り、新地平まで歩く。山側の林道に入るのだが、入口に案内板もなく、少し行き過ぎ、地図を見て引き返した。沢沿いの道に入ると、林道につながっていた。この林道は亀田林業の私道でこの付近の広い山林を所有しているというが、車の走った形跡がない。途中には、サルナシが実っていて、口に入れるが熟していないので酸っぱい。車道は、沢沿いに標高を上げていく。登山者も余り登っていないようだ。道には草が生え、朝日にススキの穂が輝く。アザミ、薄紫のトリカブトが咲いている。車道だが斜度があり、息が切れる。1時間ほど登って、尾根にカラマツ林が見え、やや高山の雰囲気になる。沢沿いで、透明な沢水が白い渦を巻くのが見え心地よい。渓流魚もいそうだ。苔むした岩や朽ち木、落ち葉などが増え、源流の雰囲気になる。背の低い笹もでてきた。やがて草原の鞍部に出た。手前に清水が湧いており、いただく。この鞍部が雁峠でベンチもあり一休みする。

 ザックをここにデポして、笠取山を往復する。「体に羽が着いたようだ」等話しながら多摩川、富士川、荒川の名前の刻まれた三角柱の石碑のある小さな分水嶺に着く。草原も適度に混じり、初秋の雰囲気だ。急傾斜を登り、笠取山に到着し、県境リレー登山旗を掲げ記念撮影をする。まずまずの天気で綺麗に撮れた。下りながら見ると黄色いマルバダケブキが群生している。

 雁峠に戻り、ザックを背負い、燕山を目指す。斜めに道が切ってあるが登りできつい。200mの高度を登り、汗を吹き出しつつ頂上に着く。2004mの山頂に達する。この標高になると笹原が増え、その中にまばらに針葉樹、広葉樹が生える。傾斜が緩く広く丸い尾根だ。笹の丈は低いが刈払いがされている。まばらに生える針葉樹が立木のまま枯れているのが目立つ。北八ヶ岳縞枯山のような様子だ。最後の坂を登り古礼山に達する。日が射し明るい。古礼山からは、一旦数十m下り、水晶山には登り返す。枯木に加え、根ごと倒れた倒木が目立つ。この付近で、メンバー1名の靴のソールが剥がれているのが分かる。チェーンスパイクとテープで応急処置して小屋に向かう。長時間の登高で疲れも溜まり、水晶山で長めに休憩する。ゆっくり目に歩き、目指す雁坂小屋にやっと到着した。

 雁坂小屋は、平日は無人で、この日は私たち3名のみだった。標高約2000mの雁坂小屋は平野部と異なり、涼しい風の吹く別天地だった。また、水も自由に使える小屋だ。テント泊2名、小屋泊り1名、早めの夕食を摂り、暗くなると同時に眠りについた。夜、起きた方から「星空が綺麗だった。冬の星座、オリオンが出ていた」と聞く。

 29日<天気曇>2日目の天気も尾根に雲がかかるがまずまず。朝食を摂り、出発する。小屋から雁坂峠に登る。ここからは山梨側の景色がよく見える。この峠は日本3大峠の一つとして有名である。地元、秩父高校の校歌に「雁坂峠の初あられ・・・」と歌われている。周囲は笹原が広がって気持ちのよい峠である。ここから甲武信ヶ岳に向かい、尾根を登る。雁坂嶺までは約200mの登りである。周囲の景色は前日の続きで笹原、枯れた針葉樹の林である。倒木もあるが、登山道の倒木は片付けられている。以前はこれほど枯れていなかった・・・が、原因は分からない。一つ目のピーク雁坂嶺2089mに到着。埼玉県の設置した山頂の標柱がまだ新しい。雁坂嶺から西破風山までは、余り高くない針葉樹、広葉樹に囲まれた大岩、大石の多い道だ。シャクナゲなども生えているので開花の季節には華やかになるだろう。標高差はないが歩きにくい大石を超えてやっと西破風山に到着。2つ目のピークだ。

 ここからは標高差200m大下りになる。この道は大石が多く、段差があり足の置き場に苦労する。慎重に下って破風山避難小屋に到着。笹原の中に建てられた小奇麗な小屋だ。

 ここから甲武信ヶ岳まではひたすら登る。途中、やや急な登山道は道が抉られ深さが1mほどにもなっている。整備が必要だろうが、手が入っていない。木賊山の巻道分岐から甲武信小屋に向かう。この道は山の北側でもあり、針葉樹が鬱蒼と茂っている。林床に倒木がたくさんあるが、朽ちてその上には、苔が茂っている。奥秩父のイメージはこんな景色だったと感じながら歩く。そして甲武信小屋にやっと到着した。小屋のベンチを借りて、やや長い休憩をとる。

 休んだ後、ザックをデポして、山頂に向かう。針葉樹の森を抜けると、西に金峰山などの山脈が見える。山頂で記念撮影。

 小屋に下って、木賊山(とくさやま)まで登り返し。今日最後の登りとなる。ほどなく森の中の木賊山に着き小休止の後、長い戸渡尾根、標高差1300mを下る。近丸新道、徳ちゃん新道と名前がついている。途中の岩場から広瀬湖が望める。見えると、あそこまで下ればよいと安心感がある。2人して、こけないよう注意しながら、程々のスピードで下り続ける。汗をかくので途中で水分補給する。標高1000mほどの場所にカラマツが生えており常緑針葉樹の森よりは明るくなる。徳ちゃん新道に入ってからも同じ位の斜度で下り続け、最後はやや東側の尾根を下るが、そこには岩は出ていないが急傾斜で転倒すると下まで落ちそうなので特に注意して下る。西沢山荘が見え、林道に出て、下山が終わった。林道を駐車場まで歩いた。長時間、標高差ある荒れた道をよく歩き切った。