1. 【積雪期ハイキング】雲竜渓谷 氷柱・氷瀑ウォッチング

投稿日時: 2020/02/16 yokoo

雲竜渓谷 氷柱・氷瀑ウォッチング

山  域:日光、雲竜渓谷(栃木県)
期  日:2020年2月2日(日)
参加者 :L高橋(仁)駒崎、斉藤、横尾
行動記録:熊谷駅南口5:30=足尾道路=駐車場7:45/8:10→ゲート8:25/8:35→稲荷川左岸➝日向砂防ダム9:10/9:25→(林道)→洞門岩入口10:05→(河原を行く)→林道終点広場10:45/11:05→雲竜瀑11:50/12:30→林道終点13:05→林道を下る→洞門岩13:40→稲荷川展望台14:05/14:10→駐車場15:05/15:25=熊谷18:15

 今年の雲竜氷瀑は暖冬の影響で例年に比べて見劣りすると言われていたが、初めて見た私にとって、氷柱の回廊と巨大な氷瀑の迫力に圧倒された楽しいトレッキングであった。
 熊谷駅から日光まで約2時間、足尾道路を使うと意外に近い。「神橋」脇から稲荷川沿いの林道を進むと、すれ違ったタクシーの運転手から「ゲート前の駐車場は満杯だから、手前の駐車スペースに止めた方が良い」との情報があり、約1km手前の駐車場に車を停め、装備を整えて出発。15分程歩いてゲートに到着し登山届をポストに投函。晴天でこの時期としては暖かく、少し歩いただけで暑いのでアウターを脱いだ。


 ゲートをくぐり林道から橋を渡って対岸に向かう。上流方向には雪を被った女峰山、下流方向には開けた谷の遥か先に筑波山が見える。左岸の歩道を進み30分ほどで日向砂防ダム上の河原に到着。小休止の後、右岸の林道に向かうため川を渡渉する。水が冷たそうなので落ちないように川底にストックをついて体を支え、一歩一歩慎重に石の上に足を置いて進んだが、あと一歩のところで足を滑らせ片足を突っ込んでしまった。リーダーの指示通りオーバーズボンにスパッツを履いていたので中まで水が入らず助かった。岸に上がって林道を少し進むと全面雪に覆われていたが、傾斜が緩くアイゼン無しでも快調に歩けた。洞門岩入口から再び河原に出て巨大な砂防堰を過ぎた先で高巻き。雲竜渓谷に近づくにつれ雪が深くなり渡渉も注意が必要だ。出発から約3時間で雲竜渓谷の入り口である林道終点広場に到着した。多数のパーティーやツアー客とおぼしき団体もいて中々の賑わいだった。各自行動食を摂りアイゼンを装着して、いざ雲竜渓谷へ。

 


 雲竜渓谷はU字に削られた回廊になっている。雪を被った岩の上を慎重に進み何度か渓流を渡渉。足元を見ると岩に掛かった水の飛沫が凍り面白い造形を作っている。「友知らず」と呼ばれる場所に差し掛かると、回廊の両岸に氷柱のカーテンがかかった状態になっている。例年ならこのカーテンがビシッと続いているのだろうが、今回は途切れ途切れだったのが少し残念。それでも高さ10mを超える大きな氷柱には、皆近づいて氷柱の下に潜り込んだりして写真を撮っていた。暖かさのためか所々でバサッ、バサッと氷柱が崩落しており、ヘルメットは被っていたが直撃したらただでは済まないだろう。崩落した氷柱を拾って持ち上げると意外な軽さに驚いた。

 


 さらに進むと大きな岩の間から勢いよく水が流れてくる場所が雲竜瀑との出合で、びっしり氷柱が成長している。その先に氷瀑の上部が見える。ここから雪の斜面を高巻きして雲竜氷瀑へ向かう。斜面をトラバースして行くと雪で覆われた滝壺広場が見え、大きな末広がりの氷の柱が聳えている。氷柱の高さは最下段だけでも30mくらいあるだろうか。周りの岸壁の氷柱のカーテンが舞台中央の巨大な氷瀑を囲んでいるように見える。その更に上の段にも太い氷柱が見え最上部までは100m程度あるらしい。太陽の光を浴びた氷柱は陰になった部分が青っぽく見えるブルーアイスになっていた。例年に比べて小さいとはいえ自然の造形は十分に迫力があり美しい。皆思い思いに歩き回って氷柱を眺めたり写真を撮ったりして時間を過ごした。昼食後氷瀑をあとに、氷柱の回廊を何度も振り返りながら渓谷を下って行った。

 

 


 雲竜渓谷自体は2時間程度の滞在であったが、雪の渓流トレッキングと氷瀑ウォッチングは、同じ渓流でも夏の沢登りとは違った面白さがあり、冬の楽しみを知ることができた。(横尾記)