甲信越

【ハイキング】高妻山・乙妻山 2022/6/26

山  域:高妻山2353m、乙妻山2318m(長野県)

乙妻山より火打山方面を見る

山行形態:無雪期ハイキング
目  的:春の花を楽しむ
日  程:2022年6月26日(日)前夜泊
参 加 者:新井浩、駒崎 
行動記録: 
6/25(土)移動日

江南19:30=戸隠キャンプ場駐車場23:00 216km
戸隠キャンプ場の入り口の反対側に登山者用駐車場有。そこに車を停める。20台くらい停まっている。トイレ有り。

6/26(日)行動時間13:00(CT=11:50)15.1km

戸隠キャンプ場P4:15→一不動避難小屋6:05→六弥勒7:40→高妻山9:40→乙妻山11:10/11:50→高妻山13:05→六弥勒15:00→弥勒新道→戸隠キャンプ場P17:25
<天候:晴れ>
3時過ぎに起床。朝食を取り出発準備。明るくなってきたころに出発する。戸隠キャンプ場の中を通り、牧場を通過し、登山道の柵を抜ける。一不動避難小屋までは沢を登る感じで、途中3か所に鎖場あり。タニウツギとミゾホオヅキの花が咲いている。

 

避難小屋を少し過ぎたところで休憩。風が心地いいが、虫が多く、顔にまとわりつく。この後は一日中虫には悩まされ、辟易する。他の登山者の人も同様で、網をかぶっている人も見られた。虫よけ剤は効かないようだ。ヤマオダマキ、タカネグンナイフウロ、ベニサラサドウダンなどが見られる。下界に戸隠牧場、その先に飯縄山、黒姫山が近い。イチヨウランも群生があった。お目当てのキバナアツモリソウも咲いている。

 

登山道沿いには、マイズルソウとミツバオウレン、イワカガミ、ツマトリソウがずっと咲いている。ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲも。六弥勒で下山道を見送り、八観音辺りではシラネアオイが咲いているはずだが、すでに散っていた。最期の急登を踏ん張り、稜線に乗る。岩場の中にトガクシナズナが咲いていた。高妻山の山頂はにぎやかだ。

 

少し休んで乙妻山へ向かう。良く踏まれた登山道だが、ところどころ崩壊地があった。ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、コケモモが咲いている。アップダウンを繰り返し、乙妻山の手前の残雪を登る。雪の上は虫が少なかった。山頂直前の登山道脇に、シラネアオイの群生があり、満開であった。乙妻山の山頂は展望がとてもよく、妙高から火打山、雨飾山、堂津山から中西岳、東山、そして北アルプスの山々が手に取るようにわかる。この乙妻山まで約7時間。虫との戦いで疲れた。

 

たっぷり休んで、来た道を戻る。高妻山には誰も残っていなかった。が、まだ登ってくる人にすれ違うが、皆さん疲れている様子。展望を楽しみながら六弥勒まで戻り、弥勒新道を降りる。最初はかなり荒れた登山道だったが、明確な尾根道になると、展望が開け、下界を見ながら下山。

 

下部はブナ林を通り、戸隠牧場に出て、牛が草を食んでいる中を通過し、駐車場へ戻った。13時間の行動となり、大変疲れたが、花の時期に再訪出来たのと、未踏だった乙妻山に登れて満足でした。

(新井浩 記)

【冬山ハイキング】初級冬山 北八ヶ岳

北八ヶ岳 縞枯山 茶臼岳

アイゼンを装着して、OK?

山域山名:北八ヶ岳 縞枯山 茶臼山 (長野県)

登山形態:アイゼン・ピッケルによる雪山登山

目的:積雪期登山の基礎的技術の習得

期日:2022年3月13日(日)

参加者:CL木村 SL橋本 大嶋 須藤 相澤 黒澤 高橋仁 豊島 赤坂

行動記録:川本6:00=北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅9:00→山頂駅9:30/10:00→雨池峠10:30→縞枯山11:05/11:20→茶臼山(昼食)12:15/13:00→五辻13:30→ロープウェイ山頂駅14:40→駐車場15:15=熊谷

<天候くもり>

ロープウェイを降りれば坪庭が・・・・・・

北八ヶ岳ロープウェイ駐車場から100人乗りの大型ロープウェイで標高1771mの山麓駅から一気に山頂駅2237mの坪庭へ約7分で到着です。駐車場では風も静かでしたが、山の上は風が冷たく少し雪が舞っていた。アイゼンを装着し出発する。樹氷はもう見られなかったが一面の雪景色が素晴らしい。曇り空で風もあり先が見えづらい。足元の雪はトレースがしっかり付いていて固く締められていて歩きやすいが、少し道をそれて足を踏み入れるとズボッと30cm位足が雪に埋まってしまう。雪もすぐ止み、青い屋根の縞枯山荘を通り過ぎ、雨池峠にでる。標識が雪の中からちょこんと顔を出していて雪の深さが分かる。そこから縞枯山に登る。雪の登りはアイゼンがしっかり雪を捉えて登りやすい。頂上から展望台に移動する。風が強く曇り空で展望は悪い。少し休憩し下山する。

縞枯れ山の山頂で

10分足らずで縞枯山を下山し、茶臼山に登る。急登だが30分足らずで頂上につく。見晴らしが少し良くなっていたが、立っていられないくらいの爆風で早々に樹林帯の中に入り昼食を摂る。ほんの少し樹林帯に入っただけで風は不思議なくらいに静かです。

強風の茶臼山山頂

雪上の昼食が新鮮です。昼食休憩後もと来た道を下山し五辻に向かい進む。五辻で休憩をとり、ロープウェイ山頂駅に向かう。なだらかな道の途中、縞枯山の縞枯れの様子がよくわかる。縞枯れとは亜高山の針葉樹であるシラビソ、オオシラビソの優先林に限って見られる現象で、山の自浄作用とも木々の世代交代や天然更新とも考えられているそうです。

縞枯れ山から

山頂駅につくと朝は雪で見えなかった坪庭が見渡せる。

くもりで眺望はよくなかったが、雪山の景観は素晴らしく、アイゼンでの雪上登山が経験でき感激でした。晴れた青空のもと、また雪の上を是非歩いてみたいと思います。(赤坂 記)  

 

【ハイキング】茅ヶ岳、金ヶ岳 2021/11/20

山  域 : 茅ヶ岳1704m金ヶ岳1764m(山梨県北杜市明野町)

山行形態 : 無雪期ハイキング

日  程 : 2021年11月20日(土)

参 加 者 :新井浩、駒崎

行動記録 :東松山5:30→PICA明野ふれあいの里P8:45/9:10 156km→金ヶ岳11:20/12:40→茅ヶ岳13:30/40→茅ヶ岳登山口15:35→ふれあいの里P16:10

<天候:晴れ>

今回は、金ヶ岳の西尾根を登り、茅が岳の西尾根を下るメインルートから外れた静かなルートを歩いてきました。

朝の圏央道で混んでいて、そのまま中央道も混んでいた。紅葉で混んでいるのか、1時間も余計にかかった。ふれあいの里は、現在PICA明野という名前に変わっていて、キャンプ場だ。すでに陽が当たっていて温かいので、上着無しで歩き始める。林道から山道へ。すでに冬枯れの尾根道は歩き易い登山道だ。

 

明るい尾根道が続く。目線の先には茅ヶ岳と金ヶ岳らしき山が見えるが、定かではない。金ヶ岳の手前は岩が出て来ていい感じの登り。展望も良く、八ヶ岳が全部丸見えだ。 富士山は茅ヶ岳の上にちょこっと見えるが、霞んでいて良く見えない。天気が良すぎるからであろう。2時間ほどで 金ヶ岳山頂に到着する。先着者が居なくなって我々だけ。座るところを一番いいところを探し、餃子鍋、ラーメンを食べる。続々と人が来て山頂は満員御礼。いい時に陣取って良かった。

 

満腹となり、のんびりし過ぎなので、重い腰を上げて、茅が岳に向かう。途中石門があり、岩に空いた穴の中を通過する。金ヶ岳から50分で茅が岳に到着。山頂はすでに人はまばらで、広い山頂は片隅に数人が休んでいるだけだ。昼前後は相当な人が休んでいたのだろうと想像する。金ヶ岳の後ろには八ヶ岳が並んで見え、富士山は相変わらず霞んで見える。

 

みかんを食べて記念撮影してから下山へと移る。下りは、落ち葉と石がゴロゴロで歩きにくい。周回するなら逆回りだな。登りも下りも行きかう人はなく静かなルートだ。やがて林道に出てテクテク。時折もみじが紅葉してきれいだ。鳳凰三山に日が入るときに駐車場に着いた。

(新井浩 記)

 

【縦走】中ア 越百山、奥念丈岳、安平路山 2021/10/15-17

激藪の縦走

山  域:越百山2613.2m、安平路山2363.1m、摺古木山2168.5m(長野県)


山行形態:小屋、避難小屋泊登山
目  的:縦走(藪)を楽しむ 
日  程:2021年10月15~17日(金~日)
参 加 者:駒崎、新井浩

南木曽岳の山頂で中央アルプス、越百山から安平路を見たとき、この稜線を歩きたいと思った。天候やコロナで行けず、4回目のチャレンジでした。2日目のお昼より天候が荒れる予報でしたが天気は良く、3日目に少し降られただけで激笹薮を歩き通すことができた。

アルバム

行動記録: 
10/14(木)東松山20:00=道の駅大桑24:20 279km
10/15(金)道の駅 6:25=伊奈川ダム手前1キロP 6:55/7:20→福栃橋登山口 8:55→水場 12:20/13:25→越百小屋 14:40

<天候:晴れ>

ダム手前にゲートがあり、その手前のスペースに車を停めて出発する。ダム脇を進むと登山道入り口とあり広い駐車場がある。以前はここに置けたのだろう。直ぐに空木岳分岐になりチャリが1台置いてある。ここまで林道を乗ってきたのか。さらに林道を進み、南駒ケ岳分岐過ぎ遠見尾根登山道に入る。

  

下のコル、上のコルを通り樹林の中を登る。御岳見晴台は名ばかりで展望なし。その先の水場でゆっくりお昼休憩をとる。水場は登山道より2~3分下った所に流れている。自炊、明日の行動分用に水5リットルを汲む。ザックはかなり重く、ゆっくり小屋に向かう。この辺りからは色づいた木が見られ、木々の間から南駒ケ岳の稜線が見えるようになる。足元には赤いゴゼンタチバナの実があり、越百へ行って来たと言う自転車の持ち主に会う。一登りして、少し下ると、目の前に青空に越百山、下に赤い越百小屋が現れる。小屋の営業は先週日曜日までで、冬季小屋になっている。小屋のおじさんは冬支度でペンキ塗りしている。きれいに掃除された解放部屋を利用させて頂く。他に泊り客はなく、外で景色を見ながら夕食を摂り、明日に備えて早めに就寝。


10/16(土)越百小屋4:30→越百山5:30/5:40→南越百山 6:20→奥念丈岳2302m 8:40→安平路山 17:35→安平路避難小屋 19:00避難小屋泊

<天候:晴れ後曇り>

暗い中ヘッドランプを点けて出発する。越百山頂に着くころには明るくなる。写真を撮り先へ進む。20分位で日が昇る。雲海が素晴らしく、富士山も見える。日の出の景色を眺めながら稜線を歩くと南越百山に着く。展望がよく安平路への稜線や御嶽山が見える。

 

ハイマツ、砂地を下るといよいよ笹が現れる。奥念丈岳までは見晴らしの良い所もありどうにか進む。紅葉樹は少なく、笹と針葉樹の景色だ。その先は背丈を超える笹の中、足が動きやすいと感じる所は笹が少なく道のようだ。でも直ぐにその感覚は無くなり、密に生い茂っていてとても歩けない。笹を踏みつける事ができず足が前に出なくなり進まなくなる。GPSで確認しているので位置がわかり危険な場所はないが、笹薮が続き時間がかかる。藪が途切れた場所で休憩をとる。

 

後から風が強まり天気が崩れる予報だが、風の音は聞こえるが歩いているところは静かだ。ガスが出てきて、やっとのことで安平路山直下にたどり着く。休憩し、どこを攻めていくか考え、暗くなるのでヘットランプも出して最後の上り、ここももちろん笹薮。暗い中安平路山登頂。直ぐに小屋を目指して下る。歩きやすくなった道だが笹は道に覆いかぶさっているところが多くあまり歩かれてないようだ。途中水場(小屋から20分位の所)、ここも笹の中を下り水が流れているところを往復して汲む。小屋の直ぐ側(5分位)にも水場の表示がある。そして小屋にたどり着く。入ると土間のようなところにヒカリゴケ、笹も中まで侵入している。さらに内扉を開け入る。誰もいない、シュラフが5つほど干してある。温かい食事を摂り就寝。夜中雨音がする。

 


10/17(日)安平路避難小屋 6:25→白ビソ山 7:05→摺古木山8:40→摺古木自然園憩舎 10:25→林道ゲート 11:55/12:10 タクシー→伊奈川ダム手前1キロP 13:55

<小雨後晴れ>

朝雨は止んでいたが昨夜の雨で笹がびっしょり、視界はあるがガスっている。雨具を着て出発する。小雨が降ったり止んだりの天気で笹と樹林の中を進む。摺古木山で1人安平路山に向かう人に会う。展望台方面5分ほど行ったところで携帯が通じて予約していたタクシーに時間の確認をする。

 

 晴れ間が出てきて紅葉もきれいになり景色を楽しみながら下る。予定より30分早く着いたがタクシーは直ぐに来てくれ助かった。運転手さんは会社の社長さん(弟)から途中会長さん(兄)に代わり高齢でも好きで続けているということで楽しくお話を伺った。10年以上前はここを縦走する団体さんもいてマイクロバスで迎えに行ったとのこと。天気に恵まれ、充実した山行でした。

(駒崎記)

【ピークハント】北アルプス 鷲羽岳 水晶岳 三俣蓮華岳(個人山行)

鷲羽岳・水晶岳 

=北アルプス最奥の名峰に登る=(個人山行)

山域山名:北アルプス 鷲羽岳、水晶岳、三俣蓮華岳

期日:2021年9月27日から29日 前夜泊

参加者:橋本義彦

行動記録:26日 熊谷=関越道上信越道長野道=松本IC=新穂高P 前夜泊

27日 新穂高P6:10-鏡平10:10-双六小屋13:00-三俣山荘15:30-同所テント泊 

28日 三俣山荘5:45-鷲羽岳6:45-水晶小屋8:00-水晶岳8:35/9:00-水晶小屋9:25-鷲羽岳10:30-三俣山荘11:30/12:20-三俣蓮華岳13:30-双六小屋15:15 同所テント泊

29日 双六小屋6:20-樅沢岳6:50-双六小屋7:25/8:00-鏡平9:20-新穂高P12:50=松本IC=長野道上信越道関越道­=熊谷

  

          鏡平からの槍ヶ岳                           鷲羽岳                      

夜、新穂高登山者駐車場に着くと、ほとんど満杯であった。隅に空きを見つけて停め、そこで車中泊をする。27日、起きると快晴だ。朝食、身支度をして、出発する。登山指導センターに登山計画書を出してワサビ平小屋方面左俣谷の林道を歩き始める。谷の西側に笠ヶ岳が高く聳え、朝日を浴びる。小池新道入口までは、なだらかな林道歩きで周囲はブナ林だ。途中、笠ヶ岳登山口やワサビ平小屋があり、登山者が準備をしている。キオンの仲間やシロヨメナなど秋の花が咲いている。橋の手前を小池新道に入り本格的な登りとなる。沢は水量があり、朝日に照らされている。深い森でなく、数mの高さの広葉樹は紅葉が始まっている。ナナカマドは実をたくさんつけている。赤い色が鮮やかだ。小池新道は、斜度もきつくなく、道も整備されていて歩きやすいが、距離は長い。抜戸岳の麓の道で秩父沢などの沢を横切る。途中には数か所休憩場所がある。息を切らして鏡平に着き池の手前のベンチで休む。ここは名「槍ヶ岳展望地」で、ガス、風も無く、池に槍ヶ岳が写る景色は本当に美しい。紅葉が味わいを深くしている。

 ここを過ぎると、小尾根をたどり、弓折岳鞍部まで登る。標高は2000mを超え木々は低くなり、道からも眺望が効く。ミネカエデ、ナナカマドが紅葉している。小尾根を抜けると道は険しくなり、梯子もでてくる。弓折岳鞍部に着くと何人もの登山者が休んでいる。予定どおりなので弓折岳まで登ることにする。登山道を3人の方が整備している。石をバールで動かしたり、栗石を敷いたり、草や灌木を刈ったりと大変な仕事だ。感謝のあいさつをすると「弓折岳まで登ってもらいたいからね」と言っていた。頂上は平坦で平凡だが、紅葉のチングルマ、ガンコウランも見られた。笠ヶ岳に続く稜線もすっきりとしている。再び双六小屋に向かう。ほとんどアップダウンは無く、歩きやすい。ナナカマドの紅葉、赤い実が鮮やかで目を引く。ハイマツなどが目立つ左の谷に双六小屋が現れ、下ると直ぐに小屋に着いた。小屋の南の平坦な場所に茶色の植物が群生しているが、コバイケイソウの残骸だ。ハイマツと紅葉、それにゴツゴツ岩が混在している山が左右に広がる。双六小屋は水が自由に使え有難い。鞍部で平坦、広々して、景色も良い。北に鷲羽岳、水晶岳を望むことができた。一休みして双六岳巻道分岐まで登り、巻道コースで三俣山荘に向かう。数年前、野口五郎岳から鷲羽岳を抜け、この分岐に来たことを思い出した。巻道は程々に下ったり、登ったりして三俣山荘に続く。前に見える鷲羽岳、水晶岳は森林限界を超した2900m峰であり、ハイマツの生えない斜面は白い。三俣蓮華岳分岐を過ぎ、下って行き三俣山荘に着いた。

 

三俣山荘から槍ヶ岳を望む     鷲羽岳から三俣蓮華岳双六岳

 テント泊の手続きを山荘で行う。テント1泊1張1000円、一人1000円。直ぐにテントを張った。テント場は山荘の近くにあり、10張以上張られていた。テント場の中に湧き水が流れており、ここでは水が十分使えた。ゆっくりして、夕食後シュラフに入った。気温は10度以下になり、ダウンのシュラフであったがマットを忘れたため、背中が冷えやや寒かった。

 28日 テントに荷物を置き、鷲羽岳、水晶岳を往復し、早ければ双六小屋まで戻ることにする。天気は曇りだが、鷲羽岳の南の雲が朝日に染められ赤い。槍ヶ岳が南に黒い。周囲の山々はよく見える。日の出の後、すぐに出発する。鷲羽岳まで標高差400mをまず登る。軽いデイパックなので、ぐいぐい登れる。道の辺りの石は白い。石英閃緑岩(火成岩)だという。登るにつれ、黒部五郎岳や三俣蓮華岳を朝日が染める。黒部源流が深い谷を刻んでいる。氷河の跡のカールらしき地形はそこかしこにある。

そして鷲羽岳頂上に至ると南側に鷲羽池が光る。火口湖のように見える。二度目の登頂で周囲の眺望を楽しむことができた。ここから稜線を北に進む。森林限界を超え、白っぽい尾根が見え、ハイマツが生えている。ワリモ岳は西側を巻く。そこを少し下り、「水晶小屋15分」の標識を見て進み小山を越すとこじんまりした水晶小屋に着いた。小屋の付近には、水晶岳に登る人、そこから下ってくる人、休んでいる人など10名ほどいる。なだらかな道を進むと真っ赤な紅葉(シラタマノキ)が目につく。梯子や大岩を進むと岩ごつごつの水晶岳山頂に着いた。北アルプスの南部最奥にあり、周囲に名だたる山がずらりと並んでいる。壮観だ。北に赤牛岳と黒部湖も見える。西に薬師岳から黒部五郎岳の稜線と手前の雲ノ平、南には槍ヶ岳、笠ヶ岳、その向こうに御嶽山が水蒸気を立ち上げている。景色を十分楽しみながら一休みして山を下る。途中の稜線からは30cmほどの岩の斜面が広がる。高い木は無く、黄色、茶色の草と緑のハイマツ、白い斜面で山が被われている。鷲羽岳の下りでは、三俣蓮華岳・双六岳とその東のややなだらかな地形が見える。

  

                   水晶岳                                                    赤牛岳稜線

昼には三俣山荘に戻れたので昼食、テント片付けをして双六小屋に向かう。三俣蓮華岳分岐まで登り返し、分岐から標高差約100mを登り頂上に着く。3回目の登頂になるが秋は初めてで、景色も一番良い。なだらかな稜線を南に向かう。標高2800m森林限界の上であるが、ハイマツが道の左右に生えている。歩いているうちにガスが双六岳の辺りに出てきたので、分岐で中道を選んで進むことにした。緩い下り斜面はもう、薄茶の草原になっている。晩秋といった雰囲気だ。西側は崖で大岩が崩れてきて斜面をつくり荒々しい。道端にライチョウを見つけた。逃げないので写真を撮る。薄茶で白い部分が少しあり、冬に向け換羽途中らしい。足の下まで羽毛が生え、厳寒の山で生き抜く鳥だと分かる。中道の景色を楽しみながら中道分岐、巻道分岐を通り、無事に双六小屋に到着した。

  

                 三俣蓮華岳再訪                                    樅沢岳から西鎌尾根ー槍ヶ岳

水を汲み、手続きして小屋南にテントを張る。南に双六池のある広いテント場だ。30張ほど張られていた。前日寒かったので下に衣類を敷き、ジャケットを着こむと温かく朝まで安眠できた。

29日 時間的には余裕があるので樅沢岳に登ることにした。往復1時間ほどなので、空身で登る。頂上からは周囲の山々がすっきり見える。東には、西鎌尾根が続き、槍ヶ岳が天をついている。北には鷲羽岳が白い。登山者もグループで登ってきており、槍ヶ岳を目指すという。

 下山後、テントを片付けて下山する。鏡平までは東に槍ヶ岳、南に笠ヶ岳稜線を見ながら進む。ナナカマドの向こうに槍ヶ岳が見える。次第に雲が下りてきて稜線を隠す。鏡平で一休みして、小池新道をひたすら下る。さらに、林道を歩き、新穂高の駐車場に無事に到着し、2泊3日の充実した山行を終えた。秋の北アルプスは空気が澄んでおり、秋景色を十分楽しむことができた。