東北

【ハイキング】みちのく潮風トレイル(県連主催)

みちのく潮風トレイルを歩く  

 

         ネダリ浜に続くトレイルは岩壁の道

山域場所:岩手県階上岳、ネダリ浜、北山崎、鵜の巣断崖等

期日:2024年6月29日(土)-7月1日(月) 

参加者:橋本 大嶋 他の会8名 合計10名

行動記録

6月29日(土) 

八戸駅9:45=車=大開平10:40-階上岳(はしかみだけ)11:10/11:40-大開平12:05=車=普代駅13:30/13:45-みちのく潮風トレイル・ネダリ浜-国民宿舎くろさき荘16:20 同所泊

6月30日(日) 

くろさき荘8:30-みちのく潮風トレイル-北山崎12:20/13:00(昼食)=車=机漁港13:40/14:40北山崎サッパ船乗船=車=駐車場15:00/16:00手堀りトンネル(隧道)歩き=車=鵜ノ巣断崖見学16:30/17:00=車=ひらいが海荘17:30 同所泊

7月1日(月) 

ひらいが海荘8:30=車=番屋の塩づくり体験ショートコース9:00/9:30=車=道の駅いわて北三陸10:45/11:15=八食センター12:30/14:00=車=JR八戸駅、解散14:30

6月29日(土)<天気晴れ>

JRの大人の休日倶楽部パスを利用して、当日の朝、埼玉を出て八戸駅に集合する。大宮駅から新幹線利用、1時間半程で、八戸駅に着いた。道中、左の窓からは那須、安達太良、蔵王などが見える。盛岡駅を過ぎるとトンネルが増えるが、直ぐに八戸駅に着いた。八戸は夏の眩しい陽射しで明るかった。西口のレンタカー店に10人が集合し、打合せ、レンタカー2台で出発した。参加者は、埼玉労山加盟の会所属の60~70歳代の方々。八戸は片田舎と思いきや、結構大きな都市で、市街地を南の登山口に抜けるのに時間がかかった。大開平の駐車場に着き、ここで身支度して登山を開始。青森県八戸労山の中野勝朗さんにも同行していただいた。晴れて陽射し強く暑い。階上岳は北上山系の北端の山と解説板に記されており、「やまつつじ」が多いという。緩い登りの道で、周囲は、赤松などの常緑樹と、落葉広葉樹の混交林で下草も多い。30分ほどで頂上の赤い鳥居をくぐり山頂に至る。みちのく潮風トレイルは環境省が管理しており、立派な表示板が要所に設置されている。頂上には黒御影石の立派な「三陸復興国立公園、階上岳」の石碑が建つ。北を望めば、八戸の市街地が広がる。低山で暑い中、日陰を見つけ、ここでしばし休憩。中野さんからいただいたサクランボが大きく甘かった。標高740mの展望台脇の草原には、クガイソウが紫の花を揺らしている。階上岳は火山の山で、ツツジも多いという。5月頃には咲いて綺麗だろうと想像する。秋の紅葉や雪の山も良さそうだ。頂上付近には、モミジイチゴも実っていた。

 大開平に下山後、三陸沿岸道路(高速道路、無料区間)を使い、久慈市を抜け譜代ICを下り、近くの譜代駅に行く。ここに車を停め、海岸沿いのみちのく潮風トレイルを歩き、くろさき荘を目指す。譜代駅は海岸より少し入った場所にあり、川沿いの車道を東の海岸に向かって歩く。左右は、木々と下草が茂る。フキも生えており、関東の里山と同じだと親しみを覚える。10分ほどで、コンクリートでできた譜代水門に着く。言うまでもなく、津波防止の施設である。堤体の上に登ると三階建てビル屋上位の高度感がある。下りて歩いてすぐに、譜代浜だ。白い砂浜が広がる。その向こう青緑の海が穏やかな波を立てている。ここからは進路を南に変え、車道脇を歩く。砂浜が切れると、磯浜となり、大岩に松などが茂り、埼玉では岩山の景色だ。海岸沿いの道を進むが行き止まりで引き返し、トンネルを通り、歩道の広い場所で一時休憩。歩道の舗装の僅かな切れ目にスカシユリが咲く。漁船の停泊する漁港脇を通り過ぎ、トンネル、橋を通り、海岸に下る。小さな漁港の脇を通り、本格的な「みちのく潮風トレイル」(歩道)に入った。車無く、右は大岩の崖、左も大岩でその下に海の波が打ち寄せる。トレイルは舗装され、柵も設置されており、安全な道だ。埼玉には無い景色で、潮風の吹くみちのくの絶景を味わう。黄色、白の花(キクの仲間か)や桃色のナデシコが崖に咲いている。チャート質地層の露頭も荒々しい。「ネダリ浜」の表示板のわきに「高潮高波注意」の看板もあるが今日の波は穏やかだ。小さな歩道用トンネルを抜け隣の浜に行き、そこからは宿のある丘の上に車道を登る。ここも樹木が繁り、日陰は幾分涼しいが日向は暑い。ケヤキなど関東にある樹種も多く、落葉樹の里山を歩いているような感じだ。やや息を切らし、宿舎への道の最高点から下る。この周辺も樹木が多く、下草のホタルブクロやヤブレカサ、オカトラノオなども咲いている。林越しに、海を見ながら歩き、宿泊の国民宿舎くろさき荘についた。

上:オカトラノオが群生する 下:北山崎の断崖絶壁

6月30日(日)<天気曇、後雨>

 くろさき荘は海岸から上がった大地の端に建っていて東側の海の眺望がよい。出発は早くないので、朝食前に散策する。トラノオが群生している。海岸を望む展望台からは海岸から100mも立ち上がる垂直に近い岩壁が見える。また北緯40度シンボル塔が近くにある。コロナの影響もあり、北東北の海岸の観光は、経営的には中々苦しいのではと推測する。朝食後、くろさき荘の横から、北山崎までのみちのく潮風トレイルを歩き始める。歩道入口には北山崎展望所9.2kmとある。地図には北山崎自然歩道と記されている。ある程度のアップダウンはあるだろうが、それほどではないのではと思っていた。晴れていて、、雑木林の樹陰で暑さそれほどではない。左は林越しの太平洋、右は丘状の林や草地が広がる。確かに道は割合平坦であるが、出入りの多い海岸線で、道は、上り下りを避けるよう、切れ込んだ谷は山側に進み、出っ張った丘はそこを回り込むように作られている。丘の先端には樹木を切った展望台などがあり、変化に富んでいる。人家、農家、畑、牧草地もなく、落葉広葉樹を中心とした森と、木を伐採し草地になった場所をひたすら歩く。丘の上なので断崖絶壁は間近に見えないが遠くを見ると、歩いている場所が崖の上の丘の先端付近を歩いているのが分かる。それほど風がなく、潮風は吹かず、むしむしした林の中、アップダウンを繰り返し進む。

樹種はコナラやクヌギ、クリ、モミ、杉、松、モミジの類などで、関東の里山のような樹木だ。園芸種だと思っていたハクウンボクも白い花を付けている。ツチアケビ(葉をもたない腐生植物)の花を初めて見た。イチヤクソウ、ウツボクサ、白い花のセンジュガンピもあった。高山植物のような色鮮やかさはないが、地味ながらも種類は多く楽しめた。

 右、左、登り、下りと何回も繰り返し、最後の部分では、沢に下り沢筋を歩く。水量は多くなく、水も濁っている。沢筋から離れてからも、登り、下りとあり、小さな丘を登ると、北山崎展望所の駐車場、関連の建物が建っており、やっと着き、9.2kmの道が、かなり長く、着いたので安堵した。北山崎展望台からは、太平洋が望める。また、北山崎の断崖絶壁が望める。

 ここで店に寄り昼食を摂る。天気予報では翌日の天気がよくないので予定を入れ替えて、船に乗ることにした。車で小さな机漁港に移動しサッパ船(小型の動力の磯船)に乗り海からの北山崎の景色を楽しむ。10人乗り位の小さな動力船で、船長が海中の暗岩、露岩を巧みな操縦で避けながら案内してくれる。草木も生えない100mから300mほどの垂直に近い絶壁が立ち上がり、その上に松などが生えている。隆起と海の侵食でこの景観はできたのか。地質的には、岩に地層が見えることから堆積岩であることは分かる。硬い岩石のためか、洞窟、メガネ状の岩などがある。船は洞窟の一つに入る。明るい陽射しが海水を通して反射し、浮き上がるような雰囲気になる。狭いメガネ状の部分を通り抜けたりもする。ぶつからないと心配するも上手に通り抜ける。上を見れば大岩が横たわり、その重さを想像すれば落ちない岩の固さもすごいと感じる。

 港に戻りながら、東日本大震災の津波の話を聞く。津波は大きく、机番屋の建物はすべて流され、今ある建物はその後再建されたとという。

 車で少し移動して、手堀りトンネルを2つ歩く。高さ2.5m位、幅2m位、長さ数百㍍の手堀のトンネルで、掘ったままだ。照明はなく、地下水がしみ出ている場所もある。蝙蝠も住んでいる。ヘッドランプで足元を照らしながら進み、でると隣の湾の砂浜に出て、更にもう一つ歩いた。山側を見上げれば、オレンジ色のスカシユリが岩壁に咲いている。2つ目のトンネルを歩ききり、戻りました。

 車で鵜の巣断崖駐車場に移動する。途中から雨模様になる。駐車場からは、緩い下りの道をたどる。展望台は断崖の上にあり、ややもやがかかっているが、北に断崖と海を見ることができた。このような地形ができた歴史を知るとさらに面白いと思うが、自身の不勉強、準備不足を感じつつここを去る。

 雨の強くなった中、この日に泊まる民宿に移動する。明戸の海を望める高台の景色のよい場所に位置している。こじんまりした綺麗な民宿で、夕食にはたくさんの海の幸(ウニ、タコ、魚、海草等)が出され大満足でした。

上1:落葉広葉樹林の中のトレイルを進む 上2:沢筋を下る 上3:センジュガンピ 上4:穴があいた大岩の独特な景色

7月1日(月)<天気曇>

 朝、時間に余裕があり、浜にある震災遺構、明戸海岸防潮堤を見学する。震災遺構の掲示板には、昭和44年に建設された高さ9mの防潮堤は、「繰り返し押し寄せた津波に防潮堤は決壊し」とある。付近には決壊した防潮堤のコンクリート片が散乱していた。

 午前の予定である机浜番屋での塩作り体験をする。担当者が、塩づくりの方法、歴史、内陸部との交易等について丁寧に説明する。牛に積んで内陸部の盛岡まで運び、塩1升と米1升と交換したという。塩は、生活の必需品で、保存ができる。海水もあり、これを煮詰める薪も近くにある、等の条件があり、作られてきた。ただし海水を煮詰める金属製の釜や薪の採れる山のある財力のある者のみが、塩作りができたという。

 塩づくりだが、金属製の大きな容器で海水を煮詰めると、塩の結晶がその底にできる。それを網ですくい、カセットコンロにかけたフライパンで、混ぜながら水分を飛ばす。さらさらさらになったらガスを止め、冷やし、袋に入れる。白く結晶の大きい塩ができた。口に入れると塩の味だが味わいが違う気がした。

 この後、三陸沿岸道路を北上し、道の駅いわて北三陸に立ち寄り、八食センターに行く。八食センターは、海産物、農産物、菓子、食品の店が50店以上も入った総合食品センターだ。ここで打ち上げのBBQをして、八戸駅に移動し、今回のみちのく潮風トレイルの旅は終わった。活動内容が多く、様々な体験ができ、参加者同士の交流も図れ、充実したみちのく潮風トレイルの旅でした。青森県、岩手県の太平洋側は、交通が内陸部と較べると不便だがハイキングするには魅力のある場所だ。みちのく潮風トレイルを歩き、旅することにより、豊かな体験ができる。また、それが地域の活性化にもなると感じました。

(橋本記)

上:鵜の巣断崖 下:東日本大震災遺構-堤防の残骸

【ピークハント】飯豊山

日本百名山 初秋の飯豊山 に登る

 山域山名:東北 飯豊山

期日:2023年9月15日、16日

参加者:橋本 (個人山行) 

行動記録:14日 熊谷21:00=東北道・東北中央道=大日杉登山口1:00 同所泊

15日 大日杉登山口6:00-地蔵岳9:00-切合小屋12:20-飯豊山本山小屋14:30 同小屋泊 

16日 本山小屋6:00-飯豊山山頂往復-本山小屋6:30-切合小屋7:50-地蔵岳10:10-大日杉登山口11:55=磐越道・東北道=熊谷18:20

雨に降られたが、雨が上がる時の光と雲と山は感動的だ

15日<天気曇、雨>朝食を簡単に済ませ、身支度して6:00に大日杉(だいにちすぎ)登山口を出発する。金曜日のせいか、広い駐車場だが数台の駐車だ。登山口には、避難小屋と、登山届記入ボックスがある。ここに登山計画を出して登り始める。降水確率50%の天気予報で、どこかで降られると覚悟して登る。木が鬱蒼と茂った暗い道を登り始める。標高600mから2100mなので標高差1500m、天気がよければテント泊をしようとテントがザックに入っている。また、天気が悪ければ、切合小屋2泊も想定し、2泊3日の食量も詰めてある。太いブナなどの森の尾根を登り始める。雨が降っていたので、道は濡れて泥道だ。10分ほどで、鎖のある谷状の岩場になり、滑らないように登る。天気が気になるが、木々の切れ目から東の尾根の霧が上がっていくのが見える。日も射している。部分的には青空も見える。天気は良くなると期待できるようだ。登山者は多いらしく、踏み跡はしっかりつき、尾根で木々の根がゴツゴツと出ている。1時間ほどで御田の大杉に着いた。杉の巨木があり直径2m位である。風も無く、汗が出る。喉が渇くので水分を摂る。初秋で地味な花が多いが、黄色のアキノキリンソウの類やタムシバやムシカリの赤い実が目立つ。高度を上げると、樹木も低くなり、笹が増える。3時間で、地蔵岳に着いた。山頂は木々に囲まれ眺望はない。ここからは西に向きを変え、この尾根を進む。尾根の南側の道に出ると、草原が広がり、イネ科植物の穂が出ていたりする。天気は良くなりそうだが、相変わらず、曇ったままで、ガスも出て、南の尾根も霞む。日が射さないので暑くないのは助かる。尾根には小ピークがあり、登り下りがある。笹が増え、カンバの木々も生え、株状になっていたりする。コゴメグサやウメバチソウも所々咲いている。目洗清水で水を補給したいと注意して進むと、先客2名が休憩していた。30mほど下り、清水で喉を潤す。

この付近で、下ってくる登山者に会う。天気ははっきりせず、濡れるほどではない霧雨が落ちてきたので雨具を着ける。下ってくる登山者から「切合小屋では水がないので下の沢で汲んであがってください。」と言われる。それからすぐに、御沢別れの分岐があり、尾根方向の道に進む。右に尾根が見え、沢に道が続き、水量の多い沢に至る。喉を潤すとともに、タンクに水を入れ、ザックに入れる。草の斜面になり、ここを緩やかに登って、尾根の分岐に達する。草木のない緩い下りを進むと、切合小屋の屋根が見えた。予定よりも早いので、本山小屋まで歩くことにし、切合小屋は通過。この頃から雨が、霧雨から小雨へと強まる。視界は200mほどしか効かない。草履塚手前の草原は広々している。赤茶で初秋の草原の色だ。道の周りにはリンドウ花を閉じたまま佇む。イワイチョウは花に雫をつけ咲いている。登山者はいない。やや下って白い霧の向こうに赤い服の人がいる!と思って近づくとお地蔵様だった!山を一人で歩いていると、そんな体験が時にある。岩が人に見えたりと。標高は1800mほどなのだが、白茶の裸地が現れ、ハイマツ、ガンコウランの低い植物が地面を覆っている。本州の普通の森林限界である標高2500m以上の景色が広がる。朝日連峰と同様、冬季の多雪のためだろう。そして1か所岩場がある。ステップもホウルドもあり、左右は切れ落ちてもいないので恐怖感はない。だが雨なので、滑らないよう注意して通過した。そして、最後の登りにかかる。岩、大石が多いが、左右に道が切ってあり、砂利混じりの泥で滑らない。ガンコウランや、コケモモの小さな実があるので摘んで口に入れ、味を楽しむ。衣類は、雨と、汗で上も下もぐちょ濡れになってしまった。靴も防水スプレーを吹いてきたが時間が長いので染み込んでいる。ここを乗り越え、水場の標柱で小屋まで0.3kmと確認し低木の中を進み、本山小屋に到着した。雨も強いので、テント泊装備はあるが、小屋泊りすることにした。

上:尾根のカンバは太い 中:標高が高い尾根には低い草木が生える 下:ガスの中で百名山完登 

本山小屋には、管理人がいて、声をかけると、部屋に入る手順を細かく説明してくれた。1泊2500円。この日この小屋の二人目の登山者となった。1人2畳ほどのスペースで更衣室やハンガーがあり、煮炊き用金属プレートがあり、トイレも水洗で快適な小屋だった。やたらと注意書きがあるのは山小屋らしくないが、守らない登山者も多いということか。衣類を着替え、濡れた衣類を干し、さっぱりしてから温かい飲み物を飲む。

 今回の飯豊山登頂で、私の百名山登山は完登となる。70歳のうちに登りたかったが、71歳11日での登頂となる。一つの目標は達成できたので、次なる目標は・・と考える。岩、沢、山スキーもやってきた。この歳でも、3日間テント泊装備でほぼコースタイムで歩ける。この体力は維持して、もう少し山を楽しみたいと思う。また、明日の予定をどうするか考える。天気が悪かったら三国岳経由のコースは止めにして、大日杉へ来た道を下ることにした。4時位までに登山者6名が小屋に入り、8名の宿泊者となった。この小屋にしては余裕の広さである。

 5時ころ、ご飯、缶詰、みそ汁、コーヒーの食事で体が暖まったので横になり、眠りにつく。夜半に風の音がするので晴れていれば星も見えるかと期待するが、曇っているので朝まで休む。

16日<天気曇、雨>天気はよくない。とりあえず、山頂まで行く。山頂と小屋の標高はほとんど同じで、砂礫の尾根を歩いて直ぐに着いた。視界の効かない山頂には誰もおらず記念の写真をセルフで撮る。昨年の北海道山行では東部の3山(雌阿寒岳、斜里岳、羅臼岳)で同様な登山だったことを思い出す。小屋に戻ってからザックを背負い下る。登りとは異なる景色を期待しつつ、道端の草花にも目をやりながら歩く。途中、視界が効く場所もあり、後光が射したような景色だった。切合小屋を過ぎ、大日杉分岐を左に進み、沢で水分補給・休憩をする。尾根に登ってからは地蔵岳まで、余り休まず歩く。急にガスが薄くなり、明るくなり、雲が吹きあがる景色に見入ったりもする。登ってくる登山者ともすれ違う。

アップダウンを繰り返しながら地蔵岳に10時10分に着く。ここで10分間休む。後は尾根の下りだ。やや速足で下る。下り始めてすぐに雨が強くなる。雨具は上だけ着ける。ブナの大木が出てきた辺りで沢の音が聞こえ、谷が見えた。1度、濡れた木の根で滑り、転び左の腰を打つ。歩くには問題ない。11時55分、雨がさらに強くなった大日杉口に着いた。

上:矮性低木のガンコウラン 中:イワイチョウ 下:ハバヤマボクチ

 

 

 

【ピークハント】朝日連峰

 小朝日岳、大朝日岳、西朝日岳を巡る

オヤマリンドウ群生

山域山名:東北 朝日連峰

期日:2023年9月3日、4日

参加者:橋本 (個人山行) 

行動記録:2日 熊谷21:00=東北道・山形道=日暮沢小屋登山口2:00 3日 日暮沢小屋登山口7:40-小寺山11:20-小朝日岳12:10-大朝日岳避難小屋14:20 大朝日岳往復1時間 大朝日岳避難小屋泊

4日 大朝日岳避難小屋5:30-西朝日岳7:00-竜門山7:50-清太岩山経由日暮沢小屋10:50=山形道、東北道=熊谷18:00

3日<天気曇>

深夜、登山口近くの駐車場で仮眠して朝、起きた。車のエンジンをかけようとするがかからなかった。JAFのお世話になり無事に移動できた。余り遅れずに日暮沢登山口に着いた。奥の駐車場は30台ほどで満車。手前の駐車場に停める。すぐに支度をして、予定のコースを歩きだす。根古川沿いの林道を歩く。時間が遅いせいか、登山者に出会わない。左からの沢を少し山側に登って越す。さらに歩き、左の尾根に取りつく。周囲は大きな木々で暗い。尾根には、ブナが生えており、その太さは直径1mほどもあり、巨樹といえる太さだ。低木や下草も結構生えている。標高が上がるにつれ、ヒヨドリバナの類や鮮やかな紫のリンドウなどが心を和ませる。傾斜のきつい場所は他の山と同様、道が抉られ心が痛む。ハナヌキ峰まで登ると東側の尾根が現れた。直ぐに分岐になり、小寺鉱泉からの道を合わせる。下山してくる登山者は数名で少ない。小寺山まではそれほど急登ではないが、道は荒れており、ネットや丸太で整備がされている。主には登山道の水をその外に逃がすよう溝が付けられていた。高度を上げると木々が低くなり、笹原、ハイマツが現れる。顕著なピークでない小寺山で一休みする。南に聳えるピークに道が見え、下山してくる登山者が見える。あそこまでの急登を登るのかと、心がひるむ。だが、一歩一歩ゆっくりでもしっかり登っていくと間もなく山頂に立つことができた。シャツ、ズボンは汗でぐっしょりだったが。1647mの山頂で数名は休めるほどの広さがあった。ここからは大朝日岳を望むことができ、そのすぐ下に避難小屋があるのが分かった。今日はあそこまで行くと気持ちを強く持った。コースタイムは約2時間。途中には、朝日連峰一の清水銀玉水がある。

 この後、一旦下る。約標高差150mの急坂悪路を下った。そしてまた、登り返し。小寺山の標高1500m位からは、木々は灌木になり、笹原、草原が増えてきた。草原には秋の花が可憐に咲いている。特にオヤマリンドウとトリカブトは群生して色鮮やかだ。大朝日岳までの登りの道は程々登り易い。銀玉水を見逃さないよう注意して登り続ける。先行の2人連れがザックを置いて道の左の窪みにいる。それで銀玉水の所在が分かった。早速冷たい清水をコップ2杯いただいた。美味しい清水で感動し、疲れが飛んだ。、夜の分の水を容器に入れた。後少しで小屋まで着くと頑張って歩くことにした。

道が平坦になり、北側の西朝日岳方面までなだらかな草原が続く。あまり予定より遅れることなく避難小屋に着くことができた。

 大朝日岳避難小屋には、この日、管理人が、おり受付して使用場所の指示を受け2000円を納めた。鉄骨作り2階建て、ロフト、トイレ付きだ。水場は10分ほどの場所に金玉水がある。先客10名ほどがおり、この晩の宿泊者数は20名ほどだった。

 時間に余裕があるので、山頂まで行く。秩父の山よりも500mほども低い標高1870mの大朝日岳山頂付近には、低木と草原とガレバが混じっている。ガンコウランとコケモモの小さな実がついているので味見する。この標高では、高木が生えるはずであるが、多雪で雪解けが遅く、草原になっているのではと推測した。頂上に立てば涼風が吹き、南方に連なる山々、北には西朝日岳などを望むことができた。

 小屋に帰って間もなく、管理人が「ブロッケンがでた」と皆に声をかけた。外に出ると、傾いた西日が東側の霧に自分の影を映しだしていた。しばらくブロッケンを見た跡、早めに暖かい夕食を摂り、ゆっくり休むことにした。

上から 小朝日岳 大朝日岳稜線 大朝日岳山頂 大朝日岳避難小屋

4日<天気曇>明るくなると同時に起床し、簡単な朝食を済ませ5時30分には出発した。曇っているが雨が降るほどではない。小屋から北に延びる稜線の道をたどる。直ぐに金玉水に至り、清水をいただく。さらに草原、ハイマツの混じる尾根をずんずんと進む。この尾根にはトリカブトとマツムシソウが咲いている。ハクサンイチゲやウスユキソウは咲き終わっている。背の低いミネサクラは気が早く、もう紅葉している。ウメバチソウもちらほら咲いている。雨滴のついたシャジンも咲いている。竜門山から右の道に進む。幾つかの小ピークを越しながら清太岩山で休む。後は、落葉樹林の中、下草も生えている尾根筋をずんずんと下る。他の登山道と同様、急斜面の道は沢状で深さ2mの深さの谷になっている。そこは歩きにくいので脇に新しい道がついている。標高1000m

ほどの標高では、太いブナが生えている。また、小屋の裏の尾根には五葉松の巨樹が10本ほど太い幹を天に伸ばしている。この尾根は、マツが育つのに条件が合っているのかと思う。そんなことを考えていると、小屋が木々の向こうから現れ無事に日暮沢小屋に着いた。ほぼ予定のコースタイムで歩くことができた。

上から シャジン トリカブト 西朝日岳を望む

【ピークハント】八幡平 早池峰山

花咲く盛夏の2山に登る

山域山名:東北 八幡平 早池峰山 

期日:2023年7月23日24日 

参加者:橋本(個人山行)

行動記録:22日 熊谷17:00=東北道=茶臼口登山口P0:30 

八幡平

23日 茶臼口登山口P5:20-八幡沼7:50-八幡平山頂8:15-田代沼入口8:50-車道-茶臼口登山口P10:40=早池峰キャンプ場15:30

 

左:南に岩手山を望む 右:静かな八幡沼、八幡平で一番大きい

 <天気曇>熱い熊谷を後に、東北道をひた走り、深夜、八幡平の登山口に着くと寒い位の気温だ。満天の星を眺め、こんなにたくさんの星を見たのはいつだったかと感慨にふける。4時には明るくなり、簡単な朝食を摂り、茶臼岳に向かい、緩い斜度の道を登り始める。十和田八幡平国立公園の看板が、この山の成り立ちが火山であることを記載している。山頂まで森に覆われているので、できた時代が古いことが分かる。振り返れば南に岩手山が聳え、尾根が八幡平に続いている。また、すぐ下には、水蒸気が立ち上り、地熱発電所が稼働している。古くなったが木道が敷かれ、笹等も刈りはらわれ歩きやすい。シモツケの類の白い花が咲いている、モミジカラマツも咲いているが、鮮やかな花は咲いていない。サンカヨウやツバメオモトの花は咲き終わり、種になっている。花や木、景色を見ながら登っていくと茶臼山荘があった。ここから南に少し歩くと眺望のある1578mのピークに出る。南方、西方に緩やかな山脈が広がり、森や草原に被われている。湖も点在する。雲海も広がる。ここから黒谷地湿原までは、緩い森の中の単調な道だ。急に森が終わり、草原になる。キスゲがたくさん咲いている。車道方面にも湿原が広がっているので歩いてみる。湿原の中央に戻り、八幡沼を目指す。道端にもキスゲが咲き、朝日に光る。安比岳分岐を源太森方面に進む。斜面が草原でウサギギクなどが咲いて、ここはカラフルなお花畑だ。森の中から八幡沼が望める。下って行くと木道があり尾瀬のような湿原で白い花が咲いている。八幡沼の湖岸で一休みする。森の中の静寂な湖。心安らぐ。ガマ沼横を通り、八幡平最高地点に至る。標高1613m。藤助森を通り、田代沼の入口に向かう。このルートには登山者はおらず静かだ。白い花のコウメバチソウや黄色い花のカンチコウゾリナが道端に咲いている。沼で、西に進むと車道に直ぐに出た。 この後、バスの便はないので、ひたすら車道を駐車場まで歩いた。

 

 

左右:穏やかな山容、数多くの湖沼、森、湿原、お花畑が八幡平の魅力だ

早池峰山

24日 河原の坊P5:00=小田越5:30-早池峰山7:00/7:30-早池峰剣ケ峰8:10-小田越10:10-河原の坊P10:40=東北道=熊谷19:30

上:蛇紋岩の岩峰が目立つ 下:早池峰剣ケ峰から北方の山波

<天気晴れ>平日なのでキャンプ地から車で河原の坊駐車場まで行く。(この期間の土日は岳から上はシャトルバスでのみ入れる)10台ほど停まっていて登山者が準備をしている。直ぐに支度をして車道を30分ほど歩く。小田越には携帯トイレ持参、熊の出没の注意書きがある。ここから北の早池峰の登山道に入る。あまり高くない樹林の中の緩い斜度の道を登る。木道が整備されている。標高100mほど登ると樹木は無くなり、ハイマツと草原になる。山を見上げると薄茶色の大岩があり朝日に光っている。早池峰は蛇紋岩でできており、固有の植物があるので有名である。またこの標高で森林がないのはその地質によると言われている。少し登り、南方を振り返れば薬師岳が濃緑の樹林に被われている。道端にはウスユキソウやカライトソウが咲いている。次第に大岩が近づいてくる。草の丈も小さくなる。岩の割れ目に小さな草花が根付いている。ツメクサの類やイブキジャコウソウも咲いている。梯子のある辺りには、桃色のミヤマアヅマギクが何輪も咲いている。尾根に出てからは平坦になり、西に進む。コバイケイソウが群生し、クリーム色の花が咲く。山頂には祠、山小屋(建替え中)がある。山頂西側で一休みする。北上川を挟んで、北から岩手山、和賀岳、焼石岳、栗駒山、蔵王山までの連なりが見え、その向こうに残雪の鳥海山がわずかに見える。

 登山者はちらほら登ってくる。会話すると、岡山からで岩手山、鳥海山に登るという。一休みした後、薬師岳には登らず、剣ケ峰まで足を伸ばすことにした。道端にはヨツバシオガマの赤紫が目立つ。ウスユキソウとミヤマウサギギクが同じ場所に咲いていて、頭花からこの山の固有種ハヤチネウスユキソウであることが分かる。

剣ケ峰までは尾根で、低木に被われている。早池峰の蛇紋岩とは違う岩石が出ていた。植物はハイマツやツガの類があり、シャクナゲ、ツツジなども生えている。

晴れて、微風あり、眺望もきく。山脈が幾重にも重なる。地味な標柱のある山頂で一休み後、草花、地形、眺望を愛でながら小田越に下った。

 

 

 

早池峰の花々 上から右回りで ミヤマアズマギク ハヤチネウスユキソウ コバイケイソウ カライトソウ イブキジャコウソウ ヨツバシオガマ  

 

 

 

【ハイキング】東北山旅_2023夏 2023/7/2-7/9

東北山旅_2023夏_20230702-09

以東岳山頂より、以東岳避難小屋と大鳥池を望む
山  域:以東岳、神室山、真昼岳、和賀岳、姫神山
目  的:東北の夏の花と山を楽しむ
日  程:2023年7月2日(日)~7月9日(日)
参加者:新井浩、駒崎
行動記録:
 7/2(日) 移動日
 7/3(月) 以東岳 以東岳避難小屋
 7/4(火) 以東岳
 7/5(水) 神室山
 7/6(木) 真昼岳
 7/7(金) 和賀岳
 7/8(土) 姫神山
 7/9(日) 移動日

 

7/2(日)
深谷7:00=東松山7:30=鶴岡市朝日屋15:15
 東北道、東北横断道をひたすら走り、月山ICで降りて、旅館朝日屋に到着。時間が早いので、隣にあるタキタロウ館を見に行く。タキタロウとは、滝太郎と書くらしい。明日の通過地点の大鳥池に住むという幻の大魚のことでした。

 

 

7/3(月)
朝日屋5:00=泡滝ダム大鳥登山口手前通行止め地点5:30/50→泡滝ダム493m6:30→七ツ滝沢橋8:50→大鳥小屋10:50/11:35→分岐11:40→東沢徒渉地点12:20→以東岳避難小屋16:35
<天候:曇り/ガス/夕方晴れ>
宿で朝ご飯を食べて5:00に出発。林道は補修のために途中で通行止めとなっている。泡滝ダムの手前約2キロ地点だ。約35分歩いて泡滝ダム大鳥登山口へ到着する。とんだアルバイトでした。

 

0/10から10/10までの表示のある登山道を進む。すぐにきれいなブナ林となり、途中まだ残雪があちこちで見られた。冷水沢と七ツ滝沢を渡るつり橋が2か所あり、結構揺れてスリリングでした。湧き水のところでは、山葵がいっぱい生えていた。

 

歩き始めて5時間で大鳥池の大鳥小屋(タキタロウ山荘)に到着する。大鳥池は目の前だ。水場、トイレ、キャンプ場があるが、人影は見えない。昼食を取り出発する。大鳥池のすぐ脇を通り、オツボコースを左に分けて直登コースを取る。

 

雪解け水で水量が多い東沢を渡渉する。直登コースは名前の通りで容赦のない直登で、雨の時は大変だろうと想像がつく。急登が一段落した1400m過ぎになると草原状になり、ヒメサユリがポツポツ出てきた。周りはガスで視界はあまり効かないが、湿原の様でイワイチョウも咲いている。

 

ガスが晴れて振り返ると、眼下に大鳥池が見える。熊の毛皮を開いたような形だ。避難小屋を目を凝らして見つけるがなかなかたどり着かない。ガスが晴れたら避難小屋が目の前にあった。以東岳避難小屋に入ると、先客3名あり。2階建てで、1階はトイレ、管理人室。2階に両側に2段ベッドがあるタイプ。

 

水場を探すが雪渓の末端に行かなくてはならないので、小屋のスコップで雪を砕いて小屋に持ち帰り、コッヘルで雪を溶かし夕食とした。夕方晴れて、展望がすこぶる良かった。20時前にはマットと寝袋を出して、2段ベッドにもぐりこんだ。

 

7/4(火)
以東岳避難小屋5:20→以東岳1771.9m5:30→オツボ峰7:00→大鳥小屋9:35/10:00→七ツ滝沢橋11:37→泡滝ダム14:10→手前通行止め地点14:50
<天候:晴れ>
 4時起床して、朝食を取り出発。快晴のいい天気だ。避難小屋から以東岳の山頂まで10分で到着。360度の展望だ。朝日連峰が気持ちのいい尾根を伸ばしており、その先に大朝日岳の三角錐の姿がよく見える。しばらく下るとヒメサユリが出てきた。ヒメサユリの群落をバックに朝日連峰を入れて写真を撮る。

 

チングルマやイワカガミも咲き残っている。草原にはイワイチョウ、岩場にはミヤマダイコンソウも咲いている。オツボ峰を過ぎた風衝地帯の砂礫の尾根には、ヒナウスユキソウがたくさん咲いている。

 

このオツボ峰コースは、上部は尾根歩きで快適だが、後半は激下りで、昨日の直登コースと変わらないか、それよりもひどいかもという状態であった。大鳥小屋で昼休憩をして、吊り橋を二つ渡り、泡滝ダムを過ぎて、やっとのことで駐車地点に到着した。

 

7/5(水)
役内口(やくないぐち)登山口417m 5:40/6:00→西ノ又コース→不動明王8:40→分岐11:10→神室山1365m11:35/12:40→分岐→パノラマコース→前神室山14:30→第二ピーク15:45→役内口登山口17:35
<天候:曇り>
 今日も登山口には先行者はいない。沢沿いを登る西ノ又コースを登りに使い、尾根のパノラマコースを下りに使う予定だ。しばらく林道を歩き、沢沿いを高巻きしながら進む。壊れそうな傾いた吊り橋を二つ渡り、不動明王の標識のある場所から急登の山道に入る。

 

胸突き八丁の表示がある通りの急登で、それを過ぎると草原状の草地で、まずはニッコウキスゲの群落があった。続いて御田の神と呼ばれる湿原となっており、ヒナザクラが登山道の両側に満開で咲いていた。

 

湿原の登りの斜面には、両側にキヌガサソウが一杯咲いていた。日本一の群生地らしいと避難小屋の中の新聞記事があった。西ノ又分岐前後には、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、センジュガンピなどが咲いていた。灌木地帯のアップダウンを過ぎると、やっとのことで神室山の山頂だ。

 

風が強いので、すぐ下に見える避難小屋で休むことにして移動する。小屋の内部はとてもきれいで、先行者1名が休んでおり、その方と少しお話をした。

 

休憩後に山頂に戻ると、ガスが晴れてきた。分岐から先のパノラマコースが良く見える。これから進む前神室山はなかなか格好がいい山だ。その後は第3ピーク~第一ピークを越えて、ブナ林を下り無事駐車地点に到着した。

 

7/6(木)
赤倉登山口321m 6:25/45→石台8:05→やせづる尾根865m9:40→分岐10:20→真昼岳1059.4m10:55/11:55→分岐12:15→やせつる尾根12:40→石台13:50→登山口15:00
<天候:曇り時々晴れ>
山の天気予報では、今日は和賀岳は雨模様で明日が晴れマークが付いて良さそうなので、明日の予定の真昼岳を本日に入れ替えをした。

 

今朝も登山口には、先行者はいない。沢沿いの登山道を登り、石台の標識のあるブナ林に到着。なかなか見事なブナ林が続く。この後に、真昼ブナ林、真昼ブナ原生林の標識が有り、きれいなブナ林が見られた。やせづる尾根に乗り、周りが見渡せるようになると、下界の大曲の街並みが見渡せるようになった。

 

音動岳との分岐からは南に登路を取り、30分ほどで真昼岳に到着。山頂に建つのは避難小屋かと思ったが、扉を開けたら神社が祀ってあった。外に腰かけて昼休憩とした。この時期の1,000mの山ではめぼしい花は咲いていなかった。

 

下山は花が無いので、コシアブラ(山菜)のきれいな葉っぱを写真に収めながら順調に下り、駐車地点に着きました。

 

7/7(金)

薬師岳登山口370m4:25/45→甘露水口5:00→滝倉6:30→倉方7:40→薬師岳8:50/9:00→薬師平9:10→小杉山9:30→小鷹倉10:00→和賀岳10:25/35→小鷹倉11:00→小杉山11:25→薬師平11:45/11:55→薬師岳12:10/12:50→滝倉14:20→薬師岳登山口15:30

<天候:曇り>

3時起床でおむすびを食べて出発、秋田県側の登山口へ向かう。最後は悪路の林道を走り、1時間弱で登山口に着く。休憩所をかねたトイレがある。林道を少し歩くと甘露水口に着き、ここから山道の上りになる。初めは杉林、直ぐにミズナラの巨木が現れ、ブナ台へ着く。ここからはブナの原生林が続く。更に進むと尾根筋へ出て、急登を上ると笹原の展望のきく尾根へ出る。前方は薬師岳の肩の偽ピーク、後方は真昼岳方面だが、山名分からず。偽ピークを越えていくとキスゲが現れ始め、遠くに和賀岳が見えてくる。

  

キスゲの中を上りきると薬師岳山頂、少し下るとキスゲが一面に咲くお花畑の丘、見たかった風景だ。ゆっくりは後回し、時間を決めて和賀岳を往復する事にしたので先を急ぐ。薬師平から緩やかに下り上ると、小杉山に着く。更に1キロ先の次のピークに進む。胸まで笹が生い茂る笹道に少し苦戦しながらも小鷹倉、そこからは和賀岳の全容見える。尾根先に和賀岳。笹に覆われてぬかるみもある道だ。

 

緩やかに下り上る。山頂近くになると笹は少なくなり足元にトキソウを見つける。キスゲが現れてくると山頂、周りはキスゲのお花畑でウスユキソウやオノエランも咲いている。小休止して戻る。薬師平でキスゲとの写真を撮り薬師岳でお昼休憩して、来た道を戻る。

 

 薬師平と和賀岳のお花畑が見る事が出来て良かったです。    (駒崎記)

 

7/8(土)
一本杉登山口511m9:40/55→姫神山1123.6m12:10/55→登山口14:25
<天候:曇り時々晴れ>
姫神山の登山口駐車場は、大きな公園のようなところで、トイレもある。時間が遅いのにも関わらず、登り始めている人が多くみられる。最初は広い登山道であったがすぐに細くなり、階段が出てきた。

 

5合目からは合目ごとに標識が建っている。特に変わったところはないが、8合目からは大きな岩が出始め、ぬかるみも有り足の置き場に苦労する。やがて山頂に到着する。

 

岩がゴロゴロしているところで、風が強いので風よけになるところに腰を下ろす。下界の平野が良く見える。風が強く寒いので早めに切り上げて下山した。

 

7/9(日)
乳頭温泉8:05=東松山18:25=深谷19:00
天気予報通り雨だ。道の駅あねっこに寄りお土産を購入し、東北道をひた走り帰宅した。


あとがき
今回の東北山旅の天候は曇り~晴れが続き、梅雨時期にしては非常にラッキーであった。ヒメサユリとニッコウキスゲがお目当ての花であったが、ヒナザクラ、ヒナウスユキソウ、センジュガンピやイイデリンドウなどの夏の花が見られて良かった。また、以東岳で前泊した旅館朝日屋で、同宿したお客さんの案内で、暗くなってからすぐ近くでゲンジボタルが見られた。

 

(7/7 駒崎、それ以外の日は新井浩 記)

【ハイキング】桃洞・赤水渓谷と森吉山

山  域:森吉山1454.2m(秋田県)

赤水渓谷

日  程:2022年10月7日(金)~10日(月)

参 加 者:L新井浩、駒崎

行動記録:

10/7(金)深谷5:30=東松山6:00=秋田内陸縦貫鉄道阿仁前田温泉駅15:55 626.2km

 東北道、秋田道をひた走り、五城目八郎潟ICで高速を降りて16時前に宿に着く。

 

10/8(土) 阿仁前田駅7:15=森吉山野生鳥獣センター8:20→桃洞渓谷(桃洞滝まで)10:00→桃洞・赤水分岐10:40/11:00→赤水渓谷(赤水・玉川分岐まで)12:50/13:25→往路戻る→森吉山野生鳥獣センター15:45/16:30=阿仁前田駅17:30

<天候:曇り>

森吉山野生鳥獣センターに車を停めて、出発。最初はブナの森の中の整備された道を歩く。落ち葉が積もった歩道は良い感じだ。桃洞・赤水分岐を桃洞沢(桃洞滝方面)に進む。

 

やがてナメている沢が見えるようになり、桃洞横滝が見える。小滝だがナメた感じの緩やかな段差がなんとも言えないいい感じ。左岸の脇を歩くようになり、しばらく行くと、対岸に渡る飛び石のような足場を作ってあるところを渡る。

 

右岸は遊歩道を整備したように岩盤が歩き易いようになっている。小滝の脇をテクテク歩いていくと渓谷が狭まってきた。行く手が曲っていて先が見えないところを進んでいくと、待ってましたの桃洞滝だ。写真では見ていたが、なかなかの迫力だ。しばらく見とれる。

 

沢の水は茶色掛かっている。濁っているのではなく透明な茶色。今日は曇りで肌寒いので、休まずに来た道を戻り、赤水渓谷へ向かう。赤水・玉川分岐まで戻り、沢靴に履き替えて赤水沢(赤水渓谷)に入渓する。しばらく巻道となっていたが、いよいよ天国の散歩道に入る。

 

沢の流れは多くなく、浅いところがずーっと続いている。ジャブジャブ楽しい。こんなにナメている沢は見たことない。一枚岩盤のU字渓谷だ。小滝もあるが、沢の真ん中を登れる。ところどころ甌穴(水流による浸食で出来たくぼみ)があり、気を付けないとだが、光の加減で水の中は見えにくいので、そろそろ歩く感じだ。どこまで歩いてもナメ沢は続き、小滝があると思えば、全くの平滑な流れだけになったりと変化がありとても楽しい。紅葉はまだな感じだが、一部紅葉が始まっている。今年は遅いようだ。

 

やがて赤水・玉川分岐だ。右沢左沢に分かれており、兎滝の右沢へ向かう。時間を見ると、大分遅れており、兎滝まで行きたかったが、今回はここまでとして、昼休憩を取り、戻ることにする。帰りは下りで難しいかと思ったが、ゆるい傾斜なので思ったよりも歩き易く、問題なく、沢靴を履いた地点に戻る。そのまま森吉山野生鳥獣センターまで戻り、沢靴を脱ぐ。

 

時間があったので、森吉山野生鳥獣センターを見学する。係りの人になぜ沢の水の色が茶色(透明な)なのか聞いてみたら、気温が低く、腐葉土の腐敗が遅く、その色が染み出たものと思います。との回答でした。後で調べたら、溶存有機物と呼ばれる、植物(落ち葉や根っこ)から染み出たもの。北欧やカナダ北部の河川水は茶色をしているとのこと。

宿に戻り、温泉に入って冷えた体を温めました。

 

10/9(日) 阿仁前田駅7:25→阿仁スキー場8:00→ゴンドラ山頂駅9:15→森吉山11:00/11:55→ゴンドラ山頂駅13:20→阿仁スキー場13:40→阿仁前田駅14:30

<天候:晴れ>

今年の2月、厳冬期に快晴の森吉山で山スキーをした。その山を紅葉の時期に登って来ました。

晴れ渡った空は気持ちよく、山頂の気温は7℃と書いてある。ゴンドラを降りて、登山道を石森と呼ばれるピークへ向かう。

 

周りの木々は茶色で紅葉とは呼べない代物。ブナの葉は黄色と茶色。ナナカマドは葉っぱがすべて落ちて赤い実だけになっている。山麓では見ごろとあったが、今年の紅葉は期待外れか。石森のピークからは森吉山の全景が見え、山スキーで滑った斜面が手に取るようにわかる。池塘がある湿原は草紅葉できれいだ。たくさんの人が登っている。阿仁避難小屋の前後は笹原の中を歩く。針葉樹の森になり、すぐに森林限界で樹木がなくなる。紅葉する木々が少ない。そんな感じだ。

 

やがて山頂。これで3度目だ。風が出てきているので、窪地に陣取り昼休憩。これからの季節は温かいものがいい。小学校の遠足らしき集団で山頂はにぎやかだ。岩木山、八甲田などは多少雲がかかっているが確認できた。まだまだ登ってくる人がたくさんいる。その中を下り始める。下りはあっという間に石森のピークへ到着。森吉山を目に焼き付け、ゴンドラ駅へ向かった。

 

10/10(月) 秋田内陸縦貫鉄道阿仁前田駅8:00→東松山19:25→深谷19:55

 3泊お世話になった宿を出て、田沢湖、盛岡IC経由で帰ってきました。往復距離1,338km。

(新井浩 記)

【ハイキング】焼石岳 花山行 2022/6/18-19

山  域:焼石岳1547.3m(岩手県)


山行形態:無雪期避難小屋泊ハイキング
目  的:春の花を楽しむ(ハクサンイチゲ)
日  程:2022年6月18日(土)~19日(日) 前夜泊
参 加 者:新井浩、駒崎
行動記録: 
6/17(金)東松山16:30=中沼登山口駐車場24:00 移動距離450km
東北道を羽生から平泉までひた走る。平泉から一般道を走り、胆沢ダムに掛かる橋を渡り終えると、焼石岳登山口の標識があり、未舗装の尿前林道を20分ほど走ると、中沼登山口に着いた。
6/18(土)中沼登山口5:15→銀明水7:30→姥石平9:10→焼石岳10:00/10:50→焼石神社11:25→東焼石岳12:30/13:00→金明水避難小屋15:00
<天候:晴れ>
4時起床で朝食と出発準備をする。40台ほど置ける駐車場は5:00ですでに満杯だ。人気の山だとわかる。トイレ有り、水道無し。5時を過ぎると皆さん続々と出発して行く。ポストに登山届を出して出発。すぐに木道が出てくるが、雪解け水でひたひたの状態だ。長靴で登る人を多く見かけたが、うなずける。中沼、上沼を通過する。途中にはシラネアオイやリュウキンカ、ミズバショウが咲いている。

 

谷筋を登るようになると雪が出てきた。柔らかいので、アイゼン不要で登れる。進行方向左手には残雪が多い横岳に日が当たっている。時折ミズバショウの群落がみられるようになると、銀明水に着いた。皆さん休憩をしている。冷たい水がおいしい。銀明水避難小屋の直下に銀明水が湧いている。しばらく休憩し、残雪の上を進む。

 

シラネアオイとオオバキスミレが登山道脇にずっと咲いている。天気も晴れ間が広がり良くなってきた。姥石平近くになるとお待ちかねのハクサンイチゲが出てきた。咲きたての真っ白できれいだ。ピンク色のミヤマシオガマがいいアクセントになって咲いている。姥石平では休憩する人がたくさんいる。足元にはヒナザクラが真っ白な花を咲かせている。ハクサンイチゲは多いが、思ったほどの群落はなくがっかり。焼石岳をバックにハクサンイチゲの花の写真を撮りたかったのだが。青空が出て来て風もさわやかで、気を取り直して焼石岳に向かう。なんとミヤマダイコンソウが出てきた。登るにつれ一杯咲いている。焼石岳の山頂は人で一杯だ。風が少しあり寒いので、風よけになるところで昼休憩とする。

 

焼石岳の山頂から北に向かい、焼石神社まで行く。大きな岩がゴロゴロした気持ちのいい縦走路だ。計画では南本内岳に行く予定だったが、パスして東焼石岳に向かう。大きな残雪を歩くとひんやりとして気持ちがいい。残雪の縁には溶けた水が溜まって青色がきれいだ。森林限界であると思われる灌木帯の登山道脇には、ミツバオウレン、ツマトリソウ、イワカガミが一杯咲いている。湿地にはヒナザクラが満開だ。

 

さわやかな風の中、広大な草原を進むと焼石岳と東焼石岳のコルにはお花畑が待ち受けていた。これが見たかった。ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマシオガマ、チングルマが絨毯のように咲いている。よく見ると、ユキワリコザクラやムシトリスミレもたくさん咲いている。東焼石岳の西斜面がお花畑になっていた。

 

東焼石岳の山頂に立つと、今までの人が全くいなくなった。ここまでは足を延ばさないらしい。行く手には、ハクサンイチゲ越しに経塚山までの稜線が続いている。素晴らしい眺めだ。これから金明水避難小屋を目指す。アップダウンを繰り返しながら六沢山を越え、しばらく進むと、赤い屋根の金明水避難小屋が見えてきた。

 

東焼石岳から約2時間で避難小屋到着。外では何人かの人が談笑している。中に入ると、かなりの人だ。内部はとてもきれいで、2階の一角に荷物を下ろした。1階には団体が居り、障がい者のグループのようだ。金明水は小屋からすぐのところにあり、冷たくておいしい。周りの人と話をしながら夜は更けました。

 

6/19(日)金明水避難小屋6:10→尿前川徒渉8:30→中沼登山口9:30=東松山18:50
<天候:晴れ>
4時起床で6時出発。午後から天気が崩れる、午後になると雪解けで尿前川の渡渉地点の水量が増すとのことなので、経塚山の往復は無しにして、下山とする。下山路は沢沿いを歩くが、残雪が多く、踏み抜きや滑落など気が抜けない。ピンクテープはところどころあるが、ルートをよく探さないと迷う事が数回あった。この時期は中沼への下山ルートは使わないほうが賢明だ。

 

林の中に入ると、通常の山道となるが、また沢沿いとなり残雪に注意をしながら下る。沢音が大きくなると、尿前川の渡渉地点だ。前のグループが渡っている。この時のために沢靴を持参した。膝程度の水量で、流れはそんなに早くない。沢靴に履き替え問題なく徒渉。水は冷たくて気持ちよかった。この後は通常の山道を下り、尿前林道に出て、駐車場が見えてきた。

 

3年越しの念願がかない、前情報通りにお花畑が広がる名山でした。登りのルートは雪解け水が有り、残雪も多いがはアイゼンは不要であった。金明水から中沼の道は徒渉や道迷いがあるので、なかなか厄介なコースでした。夏油温泉への縦走コースもあるが、橋が落ちて通行止めとの情報有りました。

(新井浩 記)

【ハイキング】紅葉の栗駒山・船形山 2021/10/2-3

紅葉の栗駒山・船形山

山  域:栗駒山1626.5m(秋田県)船形山1500.1m(宮城県)

山行形態:無雪期ハイキング

目  的:紅葉を楽しむ

日  程:2021年10月2日(土)~3日(日) 前夜泊

参 加 者:新井浩、駒崎

アルバム

行動記録: 

10/1(金)移動日

東松山17:50=須川温泉25:10 448km

東北道をひた走り岩手県の一ノ関ICで降りて須川温泉へ。

途中で夕飯を食べて約7時間のドライブ。須川ビジターセンターのある駐車場はまだ余裕があり、端の方に車を停める。トイレあり。すぐに就寝。

 10/2(土)

須川温泉6:30→産沼分岐8:15→栗駒山9:05→天狗平9:45→秣(まぐさ)岳12:30

→秣岳登山口13:35→須川温泉14:30

<天候:曇りガス、強風>

5時起床、朝食を食べているときに小雨がぱらつくがすぐに止んだ。着いた時には星空だったのに、曇りの様子で、ガスが出ているので、上下雨具を着て出発。温泉が流れている脇を登り始める。硫黄のいい匂いだ。登山道脇の木々は黄色に色付いており、ナナカマドの実が真っ赤になっている。すぐに湿原の中の木道を歩く。名残ヶ原と言うらしく、草紅葉がきれいなところだ。三途の川を渡渉して、産沼の分岐を栗駒山方面に向かう。なだらかな尾根を登っていくと、登山道の両側は紅葉がきれいだ。

 

カエデの種類であろう低木が赤や黄に色付いてとてもきれいで、ナナカマドの真っ赤な実もたくさんある。晴れていれば見事であろうが、ガスって視界はそれほどないのが残念だ。出発から2時間半ほどでにぎやかな栗駒山に着く。

 

台風の影響であろう風が有るが、山頂はそれほどでもない。ガスで視界がないので、記念写真を撮ってすぐに秣岳方面へ進む。急に静かになり歩く人はまれだ。天狗平までは穏やかであったが、この先強風に遭う。稜線を歩くコースで、ガスで視界がないが、左右の紅葉はきれいだ。風が強くなり、すれ違ったひとから、この先風が凄いですよと話を聞く。1573mピーク付近では、今まで経験したことがないほどの強風。ストックで体を支えながら横歩きでやっとバランスを保てるほど。立ち止まっていてはしようがないので、横歩きで何とか前に進む。30分ほど格闘してやっと穏やかな場所になった。登ってくる人たちにこの先風が凄いですよと話す。この風で引き返した人たちがいることを後から知る。

 

穏やかな稜線上の紅葉がきれいなところで昼休憩。真っ赤に色付いている楓は、葉の柄までも赤くなっている。なだらかなアップダウンを越え湿原の木道を歩き進むと、秣岳。1424m。標識には東成瀬村で一番高いところと書いてある。ここからは下りだ。登山道はぬかるんでおり、避けるように左右に足を運ぶ。長靴が良さそうだ。足元は悪くても紅葉は素晴らしく、紅葉のトンネルの中を歩いているようだ。下るにつれてブナ林がきれいになる。ブナの紅葉はまだで、緑色の葉のままだが、とてもきれいだ。やがて視界に須川湖が見えるようになる。秣岳登山口の標識のある車道に出て、ここからはテクテク車道を須川温泉まで1時間ほど歩く。秋田県から岩手県の県境を越えると、にぎやかな須川温泉に戻った。この後大崎市の道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」に移動。

 

10/3(日)

大滝野営場(船形山登山口)8:00→小栗山コース→船形山9:50/10:30→蛇ヶ岳11:40→大滝野営場13:10/13:30=東松山20:30 往復956km

<天候:晴れ/曇り>

大滝野営場へは林道を約17km走る。ほとんど未舗装で一部相当悪路で、車高が高くないと腹をこすりそう。突き当りの大滝野営場の駐車場は舗装されている。すでに10台以上あるが、後続車が続々来てすぐに満杯となる。何か地元の山岳会のイベントがあるようで、おそろいのTシャツを着ている人たちが集まっている。キャンプ場の炊事場には「人名水」という湧水が水量豊富に湧き出ており、冷たくおいしい。登山口は駐車場のすぐ近くで、美しいブナの森をスタート。

 

登り初めの頃はブナの葉は緑色で登るにつれ黄色に近づいてくる。登山道はやがて沢の中を行く。振り返ると下界はまだ紅葉しておらず、登って来ている船形山の斜面だけが色付いている。船形山の肩に出て稜線を行くと、船形山避難小屋が見えてきた。

 

山頂に立つ小屋はこじんまりしている。山頂では10名程度の人がそれぞれ休んでおり、風もなく穏やかないい日だ。船形山の山頂付近の紅葉の状況は、ピークを過ぎて葉が散っているが、中腹の山肌は紅葉のピークできれいだ。ぐるっと360度の展望があるが、山々が連なるだけでどこの山かはわからないが、天気がいいので気持ちがいい。鳥海山、月山、蔵王、大朝日岳などらしい。コーヒーを飲みながらのんびり昼休憩。足元の岩場にはミヤマウスユキソウがまだ咲いている。蛇ヶ岳に向かい見晴らしのいい稜線を歩く。背丈ほどの灌木の間を紅葉を楽しみながら進む。振り返ると、船形山の山頂の小屋が小さく見え、紅葉の山肌越しに見る風景はメルヘンチックだ。

 

標識だけの蛇ヶ岳を過ぎると、下降に入る。初めの頃は歩きにくい谷筋の悪路だったが、草原状の明るい谷に変わって、草紅葉の中を下る。トラバースに変わってブナ林に入る。あとひと月もすれば紅葉がきれいになるであろうブナ林は見事だ。瓶石沢を渡渉し登りの登山道に合流して、大滝野営場の駐車場に着いた。駐車場付近の林道にはあふれた車が路駐している。かなりの人が入ったのであろう。この後、6時間掛かる帰路に就いた。

(新井浩 記)

【縦走】飯豊山

山  域:飯豊連峰 飯豊山2105m

期  日:2021年8月5~7日

参加者 :谷口・非会員

行動記録:

8/5

深谷20:00~御沢登山口2:00

深谷を20:00に出発し、下道で向かう6時間(高速4時間30分)国道315号太田藪塚ICを抜け国道122号日光、国道121号鬼怒川抜け、会津、喜多方と抜け、コンビニなどに道の駅に寄りながら御沢登山口に到着。

8/6〈晴れ〉(行動6:30)(実行動5:55)休憩(0:35)

御沢夜営場(6:00)→上十五里(7:30)→中十五里(7:40)→下十五里(7:50)→笹平(8:00) →横峰小屋跡(8:30)→水場(8:50/9:00)→地蔵山分岐(9:10)→剣ヶ峰(9:50)→三国小屋(10:55/11:15)→七森(11:45)→種蒔山(12:15)→大日沢分岐(12:25)→切合小屋(12:30)

朝5:00に起床し準備を開始し6:00より登頂開始、ゲートより緩やかな道を進むがすぐに、なかなかの急登、登ってすぐの十五里で早くも休憩、気温も湿度も高い→中十五里→下十五里とブナ林の中の急登を進む、横峰小屋跡でも休憩をとる、もう、Tシャツが絞れるほど汗をかいている、ここからは少し緩くなるので少し安心。少し行くと水場がある、この水場は、勢いはないが水が冷たい生き返る水だ。ここで水を補給と休憩をし、また少し歩くと地蔵山分岐に着く。ここからは、ポールをしまい、剣ヶ峰を進んで行く、南西の風が心地よく吹いている。

 

岩稜と鎖場が続く、楽しい稜線岩稜だ。山を登っている感じがひしひしと感じる事が出来る。木でできた剣ヶ峰の標識は、根元から折れている。写真を撮るために起こさせてもらう。三国岳手前にも水場あるが、三国小屋手前の水場は水量不安定かつ足場も危険とあるのでスル―する。水場を過ぎるとすぐに三国小屋に出る三国小屋は黒くかっこ良い小屋で名物の犬がいる。(12歳)なかなかの年齢、岩場には、よく見ると犬が登った傷があるらしい。小休憩を取り、駒返し3段梯子だが一番上が壊れて外れている。鎖もありそれを利用すると良い。種蒔山は、展望も良い。大日杉分岐からは、すぐに切合小屋に到着する。三国から切合わせまでは、アップダウンの繰り返しでなかなかたどりつかない。切合小屋の水は少しぬるく湧水ではないのか?汗だくの洋服を洗濯させてもらい、ハンガーも借り干し出す。天気が良いのですぐに乾きそうだ。着替えを済ませ食事にする。ワインなどがあったので近くの雪渓から雪をもらって店の主人にバケツをかりワインを冷やす。なかなかよく冷えておいしくいただけました。友人と合わせるとシャブシャブ・パスタ・ハンバーグ・ミニトマト・レタスとゴージャス!山で知り合った子も含めて3人で宴会開始、19:30に就寝、明日に備える。寝床は奥で、朝も夜中出発で面倒と思っていると、炊事場で寝て良いとのことで炊事場で(外の掘建て小屋10畳ほど)寝かせてもらえた。

8/7〈晴れ・少しガス〉(行動10:30)(実行動8:20)休憩(2:10)

切合小屋(2:30)→草履塚(3:00)→姥権現(3:15)→御秘所(3:25)→御前坂(3:40)→本山小屋(4:00/10)→飯豊山山頂(4:30/5:10)→御秘所(6:15)→切合小屋(7:45/8:35)→三国小屋(9:50/10:00) →地蔵山分岐(10:40)→水場(10:55/11:15)→横峰小屋跡(11:25)→御沢跡夜営場(13:00)

朝1:30に起床し2:30に出発する。草履塚までは緩い岩場を登っていくが姥権現まではかなり降る。下った所より今度は登りとなり本山小屋目指す。本山小屋までは、岩稜を通りながら進んで行く。本山小屋でトイレ休憩して、少し小屋の店主と話をし、最後の登り一気に飯豊山を目指す。日の出に間に合いそうだ。本山小屋からは、砂場の登山道となる。緩い登りを行くとすぐに山頂、山頂からの日の出をゆっくりと待つ東の空より太陽が昇り始める。とても美しい。天候は雲一人無い晴天というわけではないが、また雲が良い雰囲気を出してくれている。写真を撮るのに夢中になり20分程撮り続ける。

 

落ち着いたのでコーヒーを飲んで出発。本山山荘に戻る。また、写真を撮ったりした。イイデリンドウがすぐ下に咲いているということなので観に行ったがまだ寒くしぼんだ状態のままでした。先が長いので、先を急ぐ、夜で解らなかったが、花がたくさん咲き乱れている。ウスユキソウ(エーデルワイス)、マツムシソウがここまで咲いているのを見たのは初めてで遠くから見てもとても美しい。切合小屋までは岩稜だが、花が咲いていて楽しい山道である。切合小屋で朝食を済ませ身支度をし、本当は、大日杉に行く予定だったが、明日の天気を考慮し帰宅することにする。切合より三国まで一気に下りる。三国で少し休憩を取り次は、地蔵水場は人気で水を汲むのを並んで待つ。また、水容器をすべて満杯にし(家での焼酎用)下山する。天気は、朝と違いガスが発生している。おかげで少し涼しかったがやはり地蔵水場より下は、気温がどんどん高くなり水分の補給は必須で、水の管理がかなり重要。下に着くころには、かなり体力の消耗がはげしかった。

今回の山行は、2泊3日予定が1泊2日となり残念な結果とは、なったが高山植物、朝日を見れて楽しい山行だったが、大日岳・北俣岳・石転び沢が行ってみたかったり、まだ色々なルートがある。また違うルートで行きたい山となった。

 

                                       記 谷口

 

【ピークハント】東北 鳥海山

鳥 海 山

 

山域山名:東北 鳥海山

期日:2021年7月19日(月)20日(火)

参加者:L橋本 須藤

行動記録

18日 熊谷12:00=東北道山形道経由酒田中央IC=鳥海高原ラインP20:00泊

19日 滝ノ小屋登山口P5:45-千畳ケ原9:30-御浜小屋11:00/11:30-大物忌神社(おおものいみじんじゃ)御室小屋15:00 新山往復(1H) 御室小屋泊 

上:神秘的な鳥海湖 中:御浜小屋近くのキスゲお花畑 下:千蛇谷

<天気晴れ>18日の午後埼玉を出て、東北道、山形道利用で酒田市まで来た。酒田漁港で夕食の予定だったが、コロナの影響か閉店時刻が早く、海鮮丼を食べることができなかった。夕食はコンビニの物で済ませた。暗くなると、月が出ていきたが、白鳥座、北斗七星、カシオペアなどたくさんの星が出ていた。静かで高原らしく涼しい。

滝ノ小屋登山口駐車場で早めに目を覚まし、朝食をとり、出発した。目指す鳥海山は北にはっきり見える。何本もの雪渓が眩しい。

滝ノ小屋登山口駐車場から、道を登り始める。背の高くない広葉樹が周囲を覆っている。道は四角い石が敷き詰められ、登りやすい。天気も良く気分が高まる。こじんまりした滝ノ小屋前を通過する。小屋の標高1300mほどだが裏手に雪渓が見える。小屋から右手に曲がり、しばらく、道というよりも沢を右左に移りながら、登る。小滝の白い飛沫が朝日に映える。樹木や草は低くなり、草原風になる。沢を離れ、八丁坂の本格的な登りになる。小屋が次第に小さくなる。草原は低く酒田市の街と田園、日本海が見える。チングルマ、イワカガミなど高山植物の花が朝日に映え色鮮やかだ。鳥海山は、標高1300m位からミズナラなどの広葉樹も低く、他の草と同じような高さで草原を作っている。普通森林限界は標高2500mと言われるが、鳥海山には亜高山帯の針葉樹が無く偽高山帯になっているという。多量の積雪とそれが残雪になるため、樹木が成長できないようだ。。蔓性のクレチマスのような紫の花も咲いている。自生だが色鮮やかだ。河原宿の平原の手前は坂も急になり汗が噴き出る。大岩も目立ち荒々しい。河原宿小屋(廃屋)が見え、一気に広い草原が広がり鳥海山がその向こうに聳え立ち心字雪大雪渓が白く大きい。近くにはハクサンフウロが色鮮やか。小屋の前には小川があり、雪渓の雪解け水を清らかに流す。ここで小休憩。少し進んで分岐を左に進む。単純な山頂往復ではつまらないので、千畳ケ原を通り、鳥海湖を見て、千蛇谷を通り山小屋に行く計画だ。月山森の鞍部まではなだらかな平原が続き、雪の溶けた場所にチングルマが群生している。木道も整備され歩きやすい。イワイチョウは至るところに咲いている。小さなボタ池を右に見て進むがなだらかな高原といった雰囲気だ。月山森分岐を過ぎ標高差150mほどを下ると千畳ケ原だ。この下山道は直径1、2mの大岩ごろごろの沢地形で段差があり、下るのに苦労する。左右に灌木があり、掴まり下る。目の先に千畳ケ原の広大な草原が見えるのでもう少しと注意して下りる。最後には大きな庇状になった雪渓があった。汗をかき、喉も乾き、沢の水で喉を潤してから千畳ケ原を横断する。傾斜が緩く、大きな草原で寛げる。左側に池塘があり周辺に黄色のニッコウキスゲの群落があり目を楽しませる。幾つかの小沢を越え、T字分岐を過ぎ、沢沿いに鳥海湖に向かい登りにかかる。雪渓が登山道にあり、その右側を登る。日差しが強く、雪渓が眩しい。鳥ノ海分岐を左に進むと直ぐに鳥海湖が現れ、残雪を湖面に映していた。御浜小屋も見える。標高を上げ、御浜・鳥海湖分岐付近に至ると、黄色いニッコウキスゲの花が一気に増える。登山者も増える。アザミやヨツバシオガマも目立つ。ハクサンイチゲも白い花が目立つ。御浜小屋手前の鳥海湖を望むお花畑の中で昼食とする。

 扇子森を過ぎ、少し下ってから登りにかかる。チングルマとハクサンイチゲが混生していて、よく見ないと区別できない。七五三掛(しめかけ)を過ぎ、左方の千蛇谷に下る。道は狭く、下りの斜度はきつい。ここから谷を見下ろすと千蛇谷の大きさ、雪渓の規模、右の崖の荒々しさに圧倒される。白いガスが雪渓に立ち込め新山幽谷という雰囲気だ。雪渓を渡り、右岸を登る。さらに枝沢の雪渓を登り、斜度はさらに増す。ヨツバシオガマが厳しい環境に負けず咲いている。それにしてもこの千蛇谷の対岸の外輪山崖地は節理があり今にも崩れ落ちそうだ。左の新山側も見上げれば大岩ゴツゴツと今にも落ちてきそうだ。こんなやせ地にもイワブクロは大きな花を付けている。ミヤマキンポウゲの黄色も目立つ。斜度がきつく、ペースは大分遅くなったが、3時に鳥居がある御室小屋に着いた。この山小屋は純粋な山小屋でなく大物忌神社の経営で、参拝者の便宜を図る宿泊施設のようだ。険しい崖の外輪山が南側に立ち上がり、西に千蛇谷が下り、北には新山の大岩の塊があり、山小屋としてのロケーションは最上のランクだろう。

 一休みしてから、新山に登る。山が割れてできた角々の大岩の積み重なった山だ。ペンキの矢印に沿って三点確保で、落ちないように登る。巨大岩の割れ目を抜け、2236mの頂上に立つことができた。眺望抜群で、秋田県方面も見え、左に続く男鹿半島の影も分かる。下りは登りとは別の北側ルートで下る。岩場はすぐに終わり、雪渓上に出た。雪渓を回り込むと御室小屋で無事新山登頂を果たす。      (橋本記)

上:七高山登頂 下:稜線の岩場にイワキキョウが咲く

20日 御室小屋6:20―七高山(しちこうさん)6:55/7:15-伏拝岳(ふしおがみたけ)7:55/8:05-雪渓抜け9:50-河原宿10:10-滝ノ小屋11:10-滝ノ小屋登山口駐車場11:25=(山形道、東北道)=熊谷19:25

<天気晴れ>4時半、影鳥海が見えるとの声で目を覚ます。日本海に裾を長く引いた秀麗な庄内富士の影が大きく酒田港の左に浮かぶ。千蛇谷の荒々しさは微塵も感じない。昔月山から見た美しい姿そのものだ。

 5時半から2人で外の石テーブルを使い朝食を軽くとり出発する。今日も好天だ。宿から一度下り千蛇谷上部雪渓を渡り外輪山壁にとりつく。鎖等があるが危険は無く、稜線に出ると一気に眺望が展開する。10分ほど北に進むと外輪山ピークの七高山に着く。昨日新山山頂で見た男鹿半島、岩木山などが美しい秋田の海岸線の先に今日も見える。南、東には月山、栗駒山などが、近くは雪渓の白と緑のまだら山腹が美しい。昨日苦労した千蛇谷ルートや新山の最高部をクリアに認識できる。記念写真を撮りしばらく風景を堪能し、気持ちの良い稜線歩きを楽しむ。振り返ると昨夜の宿も大分上に見える。行者岳を過ぎ、分岐の伏拝岳で休憩し眺望を刻み込む。カメラを持つ登山者に固有種のチョウカイフスマを尋ねられたが我々も見なかった(帰宅後御室裏の記述認知)。

河原宿方面と記載された立派な看板に従い、コバイケイソウや白山シャクナゲ、ミヤマキンポウゲなどが咲く急坂を心字雪呼称の大きな雪渓目指して下る。今回初めてアイゼンを付け雪の感触を楽しみながら下るがちっとも涼しくない。1時間程かけて下り切り、雪渓下から流れ出してくる綺麗な水を心より味わう。昨日終盤からの水課題が一気に解消した瞬間である。

河原宿で昨日のルートに合流し、見晴しの良い笹の八丁坂を下る。樹林帯に入り石伝いに流れにそって下るとやがて滝ノ小屋に着く。小屋からの頂上部には昨日と違ってガスが掛かっていた。それから15分程で駐車場についた。

帰りも往路と同じ道を交代で運転し那須界隈で強い雨にあったものの、問題もなくほぼ予定通り帰着する事が出来た。

私にとって鳥海山は、いつか登ってみたいと思ってきた憧れの山であったが、ここまできてしまった。今回お蔭様で達成できたことは無上の喜びである。                     (須藤俊記)

上:チングルマ群生 下:イワブクロも地味だが綺麗だ

【ハイキング】会津駒ヶ岳 2020/7/23-25

会津駒ケ岳

山域山名:会津駒ケ岳(福島県)

期  日:2020年7月23日(木)~25(土)

参 加 者:CL木村 SL新井浩、橋本、谷口

アルバム

行動記録:

コロナウイルスの影響で山中泊の縦走は予約の確保の観点から難しいので、麓のキャンプ場をベースに周辺の山々を登る計画を立ててみた。

7/23(木)

羽生IC手前セブンイレブン8:00→久川ふれあい広場キャンプ場14:55

初日は買い出しとアプローチだけなので、下道でのんびりとキャンプ場へ。途中会津田島の街中で食料の買い出しをして、久川ふれあい広場キャンプ場へ。このキャンプ場は、桧枝岐のキャンプ場の予約が取れなかったため選んだキャンプ場なのだが、テントスペースは草地で設備も最低限のものだけきちんと整備されている素朴で良いキャンプ場だった。テントを張ったあとは早速ビールで乾杯。夕食は地元スーパーの名物(?)のラム肉でBBQに舌鼓を打った。

 

7/24(金)

キャンプ場5:05→駐車地点5:55/6:10→登山口6:20→水場7:45→駒の小屋9:15→駒ヶ岳9:45→中門岳10:20/10:50→駒の小屋11:35→水場12:35→登山口13:40→P13:50→古町温泉赤岩荘14:40/15:25→キャンプ場15:45

翌朝は4時起床。ベッピントマ炒めで朝食。今日が一番天気が良い予報なのでメインの会津駒ケ岳を目指す。6時前にもかかわらず駐車場には結構車があるが、それなりに上の方の駐車場に止めることができた。そこから林道を少し歩いて登山口へ。初めから結構な急登である。気温も高く汗が噴き出す。

 

皆快調に登っていくが、私は傾斜と温度を考慮しても全くペースが上がらず、非常に苦しかった。世間の状況が状況なだけに、まさかコロナに無症状で感染していて肺をやられたせいで苦しいのでは、と不安になる。それでもなんとか遅れずに付いていって、森林限界を越えて展望が開けると多少元気が出た。そこからワタスゲ揺れる木道の道をひと頑張りで駒の小屋に到着した。駒の小屋から中門岳の間は、噂に聞いていた通りハクサンコザクラの群落が見事であった。ただし、日陰の木道は非常に滑りやすく注意が必要。

 

駒ケ岳の山頂では標柱の高さを見て、積雪期の山頂の様子を思い出し、冬の雪の多さを実感。駒ケ岳からも緩やかに続く稜線の景色を楽しみながら、無事中門岳の一角に到着し昼食休憩。大戸沢岳や三岩岳が眺められ、いつかはスキーで来てみたいと想像を巡らす。ここでエネルギーを補給し水分を十分に摂ったところ、かなり状態が改善した。どうやら出発前の水分補給が足りず脱水症状を起こしかけていたようだ。また、久しぶりの本格登山で体が鈍ってもいたのだろう。

 

下山は調子が戻ったおかげで特に問題なく降りてくることが出来た。途中では谷口さんの友人の2人組にバッタリ。近くに泊まっているので後でキャンプ場に来るとのこと。キャンプ場に戻った後は、まず近くの温泉「赤岩荘」で汗を流す。鉄分泉の良い温泉だが、源泉は非常に熱く、かけ流しの方の湯舟には熱くて入れなかった。夕食は具沢山のキムチ餃子鍋。谷口さんの友人も合流し、楽しいひと時を過ごした。

7/25(土)

キャンプ場9:00→塩原あかつきの湯11:00→宇都宮みんみん13:25/14:40→深谷18:00

 朝から雨。予定では燧ケ岳だが、この天気の中登ってもつまらない、また谷口さんの友人からの情報で昨年の台風19号の影響で帝釈山へはいずれの登山口からも登れない事が分かったので、今回の山行はこれで撤収することとした。昨日のキムチ鍋の残りにうどんを入れて朝食とした後、塩原で温泉に入り、せっかくなので宇都宮餃子をお昼に食べて帰路についた。

 

 谷口さん、橋本さん、キャンプ道具をいろいろ準備していただきありがとうございました。

(木村記・計時新井)

【無雪PH】吾妻山 以東岳 熊野岳(蔵王)

個人山行 吾妻山 以東岳 熊野岳 

山域山名:東北地方 吾妻山 以東岳 熊野岳(蔵王山)

期日:2020年8月22日から24日まで

参加者:橋本義彦

行動記録:22日 白布峠8:30-西大巓11:10/20-西吾妻山12:00-往路を帰る-白布峠15:40

<天気晴れ>裏磐梯桧原湖のそばで車中仮眠していたが、起きると7時を過ぎていた。すぐに簡単な食事をして、白布峠に車で登る。西吾妻スカイバレーの白布峠には大きな駐車場がありここに駐車する。登山道入口の表示は無く、少し時間をロスした。峠の標高1445m、西吾妻山は2035mなので約600mの標高差だ。落葉樹林が茂る尾根筋を歩く。日差しがあるので日陰でよい。フジバカマの仲間の花が群生していて、アサギマダラが何匹も吸蜜している。尾根なので南方に桧原湖など裏磐梯の湖沼群がたたずむ。132年前の大噴火でできたとは想像できない。ゴゼンタチバの赤い実が道を彩る。低いピークを登り下りしてほぼ東に進む。西吾妻山へのメインルートでは無いが道はしっかりとしている。標識も古いがあり、ルートを外すことはない。矢筈山を過てと標高差40mほど下る。ここで小さい沢を3本横切る。地図上は湿地が左右にあるはずだが灌木で見えない。そしてここから西大巓までは登りが続く。栂やシラビソの大木が垂直に太い幹を立てた森になる。登山道は1-2mの大岩があり、登るのにひと汗かく。深い森なので、地面には苔がたくさん生えている。敷物にしたいような見事な苔もある。笹などに交じってハリブキがとげとげの茎葉を伸ばし、実が赤い。大岩帯を過ぎると斜度が緩くなり、大木も減り明るくなる。そして茂みを抜けるとそこが西大巓だった。20人ほどの登山者が休んでいる。南東は草原で丸っこい西吾妻山を望める。

 

 小休憩の後、西吾妻山に向かう。下り道をたどると、今までとは違い、草原が広がり、リンドウの紫、ウメバチソウの白が目立つ。気の早いナナカマドは紅葉している。西吾妻小屋の赤い屋根を見つけ、近くの分岐を西吾妻に向かう。この辺りにも登山者が何人も昼食をとっている。低い針葉樹の中を歩いて行くと空地がありその中に西吾妻山の標柱があり吾妻連峰最高峰に到達したことがわかった。視界は開けない。梵天岩、天狗岩に向かう。東方に丸っこい尾根が一切経山の方まで続いているのが見える。梵天岩で昼食をとる。少し高くなっており眺望がよい。数十人もの登山者はロープウェイを利用した天元台からの登山者らしい。梵天岩は大岩の原っぱという感じで、蓼科山山頂と同じようだ。吾妻連峰は火山なので、出来方は同じようなのだろう。

帰路は同じ道をたどった。標高差が600mほどであったが登り下りもあり、結構時間がかかってしまった。学生時代に4年間、ここ福島に住んでいた。その時に登れなかった山に登れ、十分な満足感充実感を得ることができた。1泊2日で稜線をたどるともっと楽しいのではないかと思った。

 

23日 泡滝ダム大鳥口7:45-大鳥小屋10:30-三角経由オツボ峰13:40-以東岳14:30-以東岳避難小屋14:35 同小屋泊

24日 以東岳避難小屋5:50-大鳥小屋7:40-泡滝ダム大鳥口10:10

23日<天気晴れ、雷雨あり>大朝日岳登山口の朝日鉱泉への道路が通行止めなので、以東岳に変更しての登山だ。泡滝のPにはもう20台ほど駐車していた。1泊2日で避難小屋泊予定だ。まずは大鳥川右岸の斜度の緩い、登山道を進む。右には川の流れが大きな瀬音を立てている。木々の間から白い大岩、白い流れがよく見える。きれいな沢だ。この山塊は地質的には古く、花崗岩だ。左右に山は鋭く切り立っており、白い岩壁も見える。それに登山者にはありがたいのだが花崗岩質の山は、湧き水が至る所にあり、好きなだけ冷たい水を飲むことができる。1つ目の吊り橋の辺りはトチノキやサワグルミの巨木が天を覆い、とても涼しい。2つ目の吊り橋を渡りる。立派な吊り橋だ。沢の左岸を歩くと直に急登となり、左右に曲がりながら高度を上げる。この「七曲がり」付近はブナの大木帯となりはるか上に枝葉を広げている。

 やっと道が平らになり、静かな大鳥池に着いた。幻の怪魚タキタロウがすむという。水場に下山してきた登山者がいた。直登コースをおりてきたという。満足そうだ。ほとんど休まないで水門を過ぎて直ぐのオツボ峰コースに取り付く。急登で汗が吹き出る。樹林帯で景色も見えない。息を荒げ標高差数百mを登る。すれ違う登山者はほとんどいない。時間も昼近くなので腹ごしらえをする。さらに登り続け、標高1500mを過ぎた辺りで樹林は灌木となり、そして草原となった。花の最盛期は過ぎているのだが、急に高原の花園が現れた。リンドウ、マツムシソウ、キリンソウなどが一面に咲いている。誰もおらず一人占めだ。斜度も緩くなり、避難小屋も西の稜線に見え、気分が楽になる。東の斜面にはキスゲの黄色が目立つ。稜線には数mの大岩が出ている場所もあり、脇を抜ける。遂に頂上の標柱を見つけた。近づくとそれは遭難者の慰霊の柱で、山頂の標柱はなく、登山道の案内標柱のみに「以東岳」と刻まれていた。見ると金属の案内板は周囲や中ほどが溶けている。ガスで焼いた、人のいたずらかと思ったが、標柱そのものは金属の板のそばも燃えていない。どうも落雷による損傷ではないかと推測した。恐るべし落雷、自然の力。人なら即死だろう。

 

 

頂上から下り5分の所に3年前に新しく作り替えられた避難小屋があった。ついに到着した。水場は下り7分のところにあり、汲みに出かけ途中から雷雨に降られた。小屋で1時間、雨宿りしていると、雷雨と風、雷鳴がひとしきり激しくなったが、そのあと美しい虹を私たちにプレゼントしてくれた。雷雨の後、涼しくなった。

無人の避難小屋の使用料は1人1泊1500円で、この日は6人が泊り、広々としていた。

カレーライスの夕食をとりながら、夕焼けも楽しんだ。南側には朝日連峰、東には見え隠れする鳥海山、西には、飯豊連峰。北側には大鳥池がはっきり見えた。避難小屋の周囲もウメバチソウやキリンソウが咲いておりよい雰囲気だ。

24日<天気晴れ>近くの山頂まで日の出を見に出かける。山頂から東方は雲海だ。雲の間から朝日が射し、今日の穏やかな一日が始まった。南に延びる朝日連峰の稜線も穏やかだ。簡単な朝食をとり、直登コースを下る。草原の間の道を下る。向かう先には大鳥池がある。次第に高度を下げると灌木帯に入る。草には朝露がまだついている。えぐられた山道は歩きにくい。それでも丁寧に下りなければ転倒する。汗をかきつつ、湖畔に着く。そこに流れ込む沢は花崗岩の石で埋め尽くされ、白い。池の東側の道をたどる。案外上り下りがある。池に日が射し、反対側の山脈を静寂な湖面に映す。よい景色だ。大鳥小屋を過ぎ、七曲がりの下りを過ぎ、吊り橋を2か所わたり、ずんずん下る。それにしてもこの沢の急峻な崖は迫力がある。なん千万年もかかって浸食されたのかと思う。表示板の1/10を過ぎ沢の合流点で明るくなったら登山口であった。

24日 刈田岳P15:00-馬の背経由-熊野岳16:00-刈田岳P17:00

<天気晴れ>以東岳下山が早い時間にできたので蔵王山に向かい、蔵王エコーラインと蔵王ハイライン(有料550円)を走り、刈田岳駐車場に着く。車道で山頂近くまで行くことができる。そのため安易に考えてしまったがそれは蔵王山に対して失礼なことだと分かった。まず、馬の背という火口湖(お釜)の東側崖上を歩いた。吹き上げる雲の間から、日光に照らされたお釜の色は神秘的で感動した。草木の生えていないその景色は、地球ではないのではと錯覚しそうである。その北側も赤茶けた崖が複雑に入り組み火山地形のすごさを見せつけている。そして、幾つも設置された、「火山の異常に気付いたら避難を」の看板は、この山が活火山であることを知らせていた。御嶽山、草津白根山の水蒸気爆発事故は最近の事故であり、この山も火山の危険がある山だ。登山道は割合平坦で、火山礫がごろごろしている。それに1800mの高さとは言え、雲が下から湧き上がってくる。一瞬でこの平坦な山頂が視界不良になったら道迷いの危険性がある。一応避難用であろうと思われる丸太が数mおきに立っているのは救いだとは思う。数十mの標高差で熊野岳山頂に到着した。熊野神社があり、山頂や登山道の標柱が立っている。頂上からは樹木等の遮るものもなく、景色は白石方面、山形方面が見渡せる。帰りは避難小屋経由で下る。火山礫の緩斜面だ。ほとんど植物は生えていないが、一株コマクサを見つけた。予測していない植生に感動する。そして避難小屋周辺にコマクサが何十株と生えており、ほとんどは咲き終わっていたが数株は紫がかった赤のかわいい花をつけていた。車で来た方も、お釜だけでなく、コマクサも見てその綺麗さを味わって欲しいとも思った。

帰りにもじっくりお釜を見ながら歩いた。お釜の部分が一気に噴火し、噴火が治まると水が溜まり火口湖になったのか。お釜の周りの地層が横に入っているのに水が漏れないのは不思議だ。標高は1800mほどで、標高差も少なく、2時間ほどで登れる山であるが、その火山地形とその景色は1級ではないかと思う。それにコマクサが咲き誇る季節は華やかであろう。簡単に登れても感動のある山だと感じた。