埼玉県熊谷市の山岳会 海外トレッキング、登山、山スキーなど幅広く活動しています。
関東
【ハイキング】芳ヶ平湿原(個人山行)
秋の気配うっすら、湿原を歩く アルバム
山域:群馬県中之条町:芳ヶ平湿原(1850m)
期日:2025年7月28日(月)
参加:高橋仁 他2名
行程:熊谷6:20=花園=渋川=渋峠9:50→ダマシ平10:35→芳ヶ平湿原(
周回・昼食)11:15/12:30→ダマシ平13:00→渋峠13:50=往路を戻る=熊谷17:30
芳ヶ平湿原は歩いてみたい候補に、永い間ずーと居座っていた山域だった。白根山の火山活動も絡んだりしてなかなか行けなかったが、この夏の暑さの中で涼しい山の候補としてクローズアップ。ようやく実現した。毎月山行をして来た旧職場の6人の仲間も、あちこち体の不具合が出て今回は3人だけの山行になってしまった。
草津から白根山のスカイラインを走って渋峠に向かう。殺生河原は腐った卵のようなにおいが立ち込めて「駐停車禁止」の看板が立っている。白根山の湯釜の周りは白茶けた山肌が茫洋と広がって、激しい火山活動と亜硫酸ガスの噴出を実感させられる。地球のエネルギのすごさと、その景観には美しさまで感じてしまうという不思議な感覚に捕らわれる。
日本一高い国道という渋峠が湿原への下り口だ。今日は下りがスタートで登り返しがゴールという山行になる。「行きは良いよい、帰りはきつい」など言いながら笹の間を下ると、クルマユリ、モミジカラマツ、ゴゼンタチバナ、などが咲いて、ネバリノギランは終わり、アカモノの実が赤くなっている。夏の花は終盤で、秋の花へと交代の時季になっている。
ダマシ平からさらに下ると湿原と池塘が見えて来た。湿原の南西にはシラビソの森の上に白根山の白茶けた山並みが連なっている。鉄分で赤茶けた川を渡って芳ヶ平湿原に入ると、小さなギボウシが紫の花を付け、ワタスゲが白いふわふわの綿を付け、ヤチスゲが草モミジのように広がって、ナナカマドが枝先を赤くしている。もうそこまで秋が近づいているようだ。
湿原をながめてランチにしよう。ベンチのうえに一匹のトンボが留まったまま、ランチに付き合ってくれた。さて、雷の来ないうちに峠まで登り返すとしよう。時々振り返って湿原を眺めながらダマシ平の笹原を過ぎて渋峠に到着。涼しい風に汗を乾かしてから帰ろう。 (高橋仁)
【ハイキング】イワタバコの鳴神山
イワタバコ咲く石門の沢を往復 アルバム
山域:群馬県桐生市:鳴神山(981.5m)
期日:2025年7月27日(日)
参加:高橋仁、赤坂、豊島、福井、鹿島
行程:別府沼公園6:00=駒形登山口7:15→鳴神山9:40/9:50→往路を下る→白滝橋11:45/12:15(昼食)→駒形登山口12:35=赤城自然園13:30/14:30=熊谷16:30
何回も登ったのに鳴神山にイワタバコが咲くとは知らなかった・・・それならば、暑いさなかでも鳴神山に行かなければなるまい。新会員の鹿島さんを加えて5人の参加者が、別府沼公園から出発。早く着いたので、駒形登山口は余裕で駐車だ。沢の音とセミの声、ウグイスの声を聴きながらゆるゆると歩けば、岩の間を縫うような道になる。ここらが第一石門か?
右の岸壁に見える小さな花は、イワタバコではないか?うす暗くて、遠くてよく見えないが、間違いなさそうだ。期待したほどではないが確かに咲いてくれている。写真を撮って先に進もう。
水場でのどを潤し、レンゲショウマの蕾やフシクロセンノウを見ながら先に行けば、第二石門のイワタバコがいっぱい咲いている。タバコに似た形の葉の間から伸びた茎に星形の紅紫の花を咲かせている。コレコレ、これが見たかった。しばしみんなで写真撮りまくりタイム。御神水の井戸の先は肩の広場。オオカミ?キツネ?の狛犬と鳴神小舎が迎えてくれる。ここでエネルギ&水分補給をしたら、ザックはデポして山頂をピストンしよう。山頂は薄雲があるが、まあまあの展望で、日光方面の山が望める。しばし眺めたら、仁田山岳は行かず下山。レンゲショウマの花が咲いている赤城自然園に足を延ばすことにしよう。
イワタバコを再度楽しみながら、汗だくで登山口に戻ったら、赤城山の南面を回り込んで赤城自然園に到着。レンゲショウマを探して広大な園内に分け入れば・・・アッタアッタ!スーッとのびた枝先に丸い球のような蕾と、宇宙船のような花が釣り下がったレンゲショウマがいっぱいだ。高い樹木があるから、園内は涼しく、ワイワイと花をながめたら、小豆アイスを食べて、帰るとしよう。暑さをものともしない花山行の一日が終わった。 (高橋仁)
【ハイキング】鹿俣山(個人山行)
玉原湿原からブナ平・まで
雷雨を避けてラベンダーパークへ
期日:2025年7月21日(月:休日)
山域:群馬県沼田市玉原湿原
行程:
熊谷ドーム6:00=道の駅かわもと6:20=花園IC=沼田IC=玉原高原センターハウス8:30➝玉原湿原入口8:40→水源コース→ブナ平(ぶな地蔵)9:50/10:05→銅金沢入口10:30➝ラベンダーパーク11:05/12:10→銅金沢入口➝センターハウス12:40=(往路を帰る)=熊谷14:00
参加(6人)高橋仁、赤坂、他4名
玉原湿原からブナ平、鹿俣山に登り、ラベンダーパークを抜けて、銅金沢コースを戻る予定だったが、12時頃から雷雨の発生確率が高くなるとの予報が出ているので、早々と予定変更して、鹿俣山頂はあきらめる。
湿原は夏の花は終わり、秋の花はこれからという端境期で、ヒオウギアヤメは種が付いているし、バイケイソウは終盤の花。一面にひろがるキンコウカもほとんど花は終わり。タムラソウは見当たらない。沢沿いの水源コースから稜線に登り、ぶな地蔵まで来たら、水分とエネルギ補給だ。ブナの地蔵とシナの大木(沼田百名木)を観たら、探鳥路を下山開始しよう。ブナ林の緩い下りをあっけなく銅金沢入口に到着した。
ここから銅金沢コースを、実の付いたクリンソウ、蕾を膨らませたオオ姥百合の群生、オオヤマザクラ(沼田百名木)など見ながら歩けば、ゴンドラ下に出る。ヨツバヒヨドリがたくさん咲いているが、アサギマダラの姿はまだ見えない。トンネルを潜ればそこはラベンダーパークだ。ここで日陰を探して、ランチにしよう。
子連れ、犬連れ、の観光客に混じってラベンダーソフトクリームを頂いたら、雷雨にならないうちに銅金沢を戻り、帰るとしよう。雲が広がり、涼しい風が吹き始めた・・・・ (高橋仁)
【その他の山行】登山道整備
倒木を撤去、安全な道、自然を壊さない道をみんなで造る
冠岩沢登山道整備(埼玉県勤労者山岳連盟主催)
地域場所:秩父市浦山、冠岩沢登山道
期日:2025年6月28日
参加者:11名(4所属会)熊トレ6名
記録:道の駅秩父8:00=浦山ダム=冠岩沢登山道入口9:00-林道の倒木撤去作業9:15から11:00-登山道の倒木撤去作業11:15から12:15-休憩12:15から12:45-冠岩沢登山道入口13:30
上1:この倒木では歩けない 上2:太い幹をチェンソーで切って片付ける 上3:登山者が歩けるようにした 上4:太い杉丸太を移動させ、歩きやすくした
<天気晴れ>梅雨の時期の作業で、雨が降れば中止としなくてはいけないが、今回は天気の心配はなかった。道の駅秩父に集合し、浦山ダムで休憩を入れ、ダムの上流に進む。獅子舞で有名な大日堂の集落を抜けて進むと、冠岩沢入口に至る。ここは、鳥首峠から秩父側に下る登山道が通る。埼玉労山の50周年登山祭典の沢登りが行われた場所で、熊トレも沢登りをした場所だ。集落に至る道は杉の植林地で倒木がかなりあり、通りにくい登山道で、整備が必要な場所であった。
今回、初参加者もおり、登山道入口で整備の仕方、作業の注意など打ち合わせる。道具は手鋸数本、枝払い用チェンソー1台。歩き始めて10分もしない場所に、山側から倒れてきた雑木が道を塞ぐ。昨年9月以降、大雨の時にでも倒れたようだ。株立ちの木がそのまま横倒しになって道を塞いで、枝を潜ったり跨いだりして上側に、進む。予定の場所では無いが、片付けないと大変歩きにくい。全員木の上側に移動後、直径10㎝以上の幹を2mほどにチェンソーで玉切る。その後、二人で木を持つなどして沢側のガードレールの外に移動させる。細い枝葉は、手鋸で切って片付ける。女性も多いが、参加者が協力して片付けるので20本ほどの木が10分位で片付いてしまった。さすがだ。さらに進みつつ同様の株立ち状の倒木を片付ける。2か所目は、枝も多く、反対側が見えないほどの茂った倒木だった。これもチェンソー作業者と移動片付け作業者の協力で片付けた。さらに3か所目の作業箇所では、沢の対岸の太さ40㎝ほどのケヤキが道に根こそぎ倒れガードレールも潰されている。玉切らないとまったく動かすことはできない。チェンソー作業をお願いする。太い枝を切り、これを片付ける。ガードレールの下に落とすにも、跳ね返りなどがあり十分な注意が必要だ。道は広いので山側にも切った枝を片付ける。太い幹が切れるようにして幹の切断にかかる。チェンソーが木の粉を風に乗せる。太さ20㎝程の幹は低い音をたてて、切り落とされる。太い幹、枝は相当に重いので、2、3人がかりで移動させる。
予定場所の前の4か所でかなり時間を取られてしまった。だが、広い場所で、練習にはなった。一生懸命作業をやり、汗もかき、気温も高い。登山道入口前で、休憩をいれる。その後、登山道に入る。ここは、杉の倒木が多い。あまり太くないので手鋸で作業する。他の木が絡んでいたりするので数人で協力して切断、移動する。数人ずつで、作業をこなしていく。進んで行って、冠岩集落の廃屋が見えた。この場所には根ごと倒れた杉が道を塞いでいる。1か所切断して、道の脇に寄せるのが効率的だ。作業用ロープを出し、折り返し支点を作り、皆で引く。チェンソーは燃料切れになり手鋸で切っていく。ゆっくりでも鋸を引くとおが屑が出て切れて行く。そして腐りの無い芯の部分が切れた。力を合わせてロープを引いて、上手に道の端に動かすことができた。また、この近くで太くて長い倒木があった。斜面に沿って根が上側にあり、枝が下に向き地面に刺さっている。途中を切ってロープで引いて横に向けようとする。切り進み、ロープを引くと上の部分が下に動き、根側がさらに下に動いて道を塞いだ。少し間跨ぐ感じだが止むをえない。
こんな様子で杉林の中で整備をしながら進む。12時をまわって、予定にない作業も加え、計画した作業を終了したので昼食休憩とした。休憩後、入口まで下り反省会をして解散した。事故、怪我も無く、作業量もたくさんこなし、歩きやすい登山道とすることができた。
(橋本記)
【沢登り】川苔谷逆川
清流、滝、岩の逆川を遡行する
上:滝壺の端を回りこむ 下:大岩には苔、シダ、草がびっしり
山域沢名:奥多摩、川苔谷逆川
期日:2025年7月6日
参加者:L橋本 浅見 木村
行動記録:熊谷5:00=関越道・圏央道=青梅線鳩ノ巣駅P6:45/駅7:12=奥多摩駅7:17/7:29=路線バス=川乗橋7:44-聖橋上流下降点9:00/9:15-大ダワ沢分岐13:40-ウスバ林道木橋15:00/15:30-鳩ノ巣駅P17:10=往路と同じ=熊谷18:00
<天気曇時々晴れ>今回は、3名のグループで川苔谷逆川の沢登りに挑戦した。今年初めての沢登りで、天気は曇りでまずまず。青梅線鳩ノ巣駅近くの駐車場に車を置き、電車とバスで川乗橋まで移動し、川苔谷を、逆川入渓地点まで歩き、そこから川に下り、沢登りをする。沢登り後は大ダワ経由で鳩ノ巣駅まで歩くコースを設定した。駐車場はタイムズの管理になり、土日は1時間200円で平日よりも高く、登山者泣かせの駐車場となっていた。電車は予定どおり運行。混んでははいないが、半分以上はハイカー、登山者だ。奥多摩駅で、日原駅の路線バスに乗る。25名のほとんどはハイカーだ。川苔山の登山口の川乗バス停で15名ほどが降車。ここからの車道は一般車進入禁止で、鉄格子の横から歩き始める。車道を30分ほど歩いて、聖滝の場所で川に下りる。沢の両側には樹木が繁っていて逆川の合流点がよく見えない。滝の上流にも渕があり、川原を歩いて、逆川に行けないので、車道に戻る。さらに上流に行き、合流点の付近から川に下りる。杉桧の人工林の急傾斜で濡れている。慎重に下る。川に下る最後は数mの崖となっているので、飛び降りるわけにはいかない。やや上流側の杉木の白ペンキを目印に横に移動すると緩い斜面が見えた。そこで沢装備を身に着ける。
上:逆川の合流点 下:岩には苔、草が生え日本庭園のよう
川に下り、下流に移動、逆川の合流点を確認し、ここから東方向の逆川に入り、遡行を開始する。水量はかなりあり、大岩、大石の間からドードーと清流が白い泡となって落ちる。大岩には緑の苔がびっしりとついている。左右の斜面は樹木が鬱蒼と繁り、急傾斜の上は見えない。冷たい沢の水を心地よく感じながら遡ると、渕、滝が次々と現れる。腰ほどの深さの渕の端をへつり、滝を攀じ登る。幅1mほどの滝は、水を浴びないと登れない。先頭の浅見さんがシャワークライムで突破。続く2名もしぶきを浴びて登る。ちょっときつい滝は脇から滝を巻く。
上下:清流の水しぶきを浴びながら突破!
また、深い淵の向こうに5mほどの高さの狭い滝が現れる。右壁が登れそうだが安全策をとって左岸を巻くことにした。かなりの急傾斜なので、ロープを出して確保し合いながら、無事に上流に出ることができた。このとき1名の単独遡行者が追い抜いていった。幾つもの滝を登り、巻いてきたので、かなり疲労がたまったので暫時休憩。上に木がない場所では、晴れ間から強い日差しが射す。
上:突破できない滝は左右の斜面を登る 下:斜度がきついので慎重に登る
さらに上流に進む。直径1~2mの大岩が沢を埋め、その岩には苔がびっしりと付き、イワタバコやウワバミソウ、シダが生えている。日本庭園のような瑞々しさだ。水は透き通り、夜も昼も流れは留まることを知らない。一体、この水はどこから湧き出てくるのか。不思議な気持ちにさせられる。水が澄んでいるが魚影は見えない。こげ茶のカワガラスが飛び去っていった。トンボもほとんどいない。岩は硬く、割れ目は少ない。黒~灰色で、落ち着いた色の谷だ。ただよく見ると所々に地層のある岩があり、堆積岩であることが分かる。
苔むした大岩は岩と苔と草と沢によってできる
大ダワ沢分岐点からは、水流は少なくなる。大岩も少なくなる。トイ状3段の滝は両手足を突っ張って登れそうだがホウルドが少なく木村さんが挑戦するも苦労する。やっとウスバ林道下の10m滝に到着し一安心。ここは右壁を登れると遡行図にはあるが、支点がないので、右岸の急斜面から林道に登った。腐りがすすみ、落ちそうな木橋を渡ってから、沢装備をはずす。予定の時刻よりも遅れたが、日の入りも遅いし、天気は落ち着いているので慌てなくてよい。濡れた装備、衣服をザックに詰め込むと何と重いことか。一休みの後、大ダワを経て鷹ノ巣駅に無事に下った。水が澄み、難易度の違う滝、形の違う滝、深さ広さの違う釜をもつ滝が適度にあり、飽きのこない沢だった。樹木が沢を覆い、日陰を作り陽射しの強い季節にも登り易い沢だった。
ウスバ林道下10m滝に到達
(橋本記)